2015年03月12日

トレバーとの出会いとレイクバラの歴史

TGの友人であり、バラ釣りの先輩のトレバーが、
うちらの釣りを心配して、近くの町で会おうと、
わざわざ連絡してきてくれた。
風も強くスコールような雨で、午前中の釣りは諦めて、
町に降りることにした。途中湖に寄って、
昨日仕掛けたザリガニ狙いの網をあげたが、
何にもかかっていなかった。
これでどうだと、餌をナマズからターポンにかえて、
もう少し深場を狙って網を沈めた。
泥臭そうな場所だけど、巨大なザリガニがとれ、
それが美味いという。

P2181295さらに深場にカニカゴを沈める私

近くの町のマクドナルドでトレバーに会った。
60過ぎの顔のシワに貫禄を感じる。
子供の頃からこの町で育ち、
昔はバラやバスのトーナメンターだったという。
フィッシングガイドも少ししていたようで、
ドクターアウォンガ(アウォンガとはバラで有名な湖)と自ら名乗る。
TGとも巨大バラを一緒に釣った仲で、
今は引退して、ハンドメイドのワームを作って売るのが、
楽しみのようで、箱いっぱいのワームを持って来てくれた。

P2180201無謀な若者に夢を託すつもりか、それともタフな旅に導くつもりなのか、熱心にいろんなことを話してくれた。



レイクバラの歴史

レイク(湖)のバラマンディ釣りの歴史はとても浅く、
かつてダムがない時代は、川にいるバラを釣るだけだった。
サイズも大きくても70センチほどで、
メーターを越すバラは滅多に釣れなかったという。
1983年にダムがあちこちに作られるようになると、
政府がバラの稚魚を毎年離し続け、
豊富な餌と止水というバラに適したダムの環境が、
一気にバラのアベレージを大きくし、
アベレージ80、メーターオーバーも珍しくないという、
レイクバラの歴史が始まった。
そんなレイクバラのフィーバーはオーストライアリア中に広がり、
湖に隣接するキャンプ場は、バラ釣り客でにぎわい、
数人のガイドがレイクバラで生計を立てていたという。
そのレイクバラに浮いた時代も、
2011年の大雨による洪水ですべて流されてしまったという。
水深がある巨大な湖で、1メートルもある魚が、
ダムから下の川へと流されてしまうなんて疑った。
淡水から海水までバラは適応力が強い魚のようだけど、
下流の汽水域で産卵するバラは産卵期になると、
下流を目指すという。そこに行く手を阻むダムがある。
言ってみてば、サケが海から産卵のために川の上流を目指す途中に、
堰堤やダムがあり、乗り越えようとジャンプするのの逆である。
下流に下りたい時期と洪水が重なり、
95%のバラが逃げてしまったという。
ダム下の川でのバラ釣りのフィーバーがあったものの、
数年でバラの数は減り、キャンプ場はシーズンだというのにガラガラ、
ガイドたちもいなくなった。
トレバーの寂しそうに肩を落として話す姿に、
私は複雑な気持ちを覚えた。

P2180197フムフム


要するに、湖のバラは自然繁殖できないので、
釣られるバラはすべて放流された魚だということ、
そして、産卵ができないから産卵に費やすエネルギーもすべて成長に費やし、
巨大化してしまう。そして産卵期になると、
常に雨を待って隙あらば、ダムを脱走しようと考えていること。
この不思議な、言って見れば巨大な管理釣り場が、
レイクバラの背景だった。
少し暗い話になったけど、トレバーがニヤッと笑った。



この町からさらに500キロ北に、小さな湖のがあるという。
そこに行ってみないかと、周りには誰もいないのに声が小さくなった。
2ヶ月くらい前に、トレバーはその湖で、
3日間で14匹のバラを釣ったという。
80センチから1メートルのバラがほとんどで、
一番大きなバラは124センチだったという。
話に吸い込まれるような私は、生つばごっくん。
だけど、どうしてそのダムは洪水の影響でバラが逃げ出さなかったのかを、
真剣な顔で聞いた。
そのダムは、オーバーフローさせない構造のダムで、
パイプから水を外に出すので、バラが逃げ出せないのだという。
これで、一気に気持ちが吹っ飛んだ。
500キロの長距離なんてん、なんのその、
メーターオーバーのバラを両手に抱えて、
にやけている自分か完璧にできあがってしまっていた。
これが、トレバーとの出会いであり、
夢の魚が現実の魚になるかもしれないという、
熱い何かが湧き上がってきた瞬間だった。

P2180205ドクターアウォンガがTGと仕留めたという巨大バラ。


P2181306数々の大物のバラの写真を見せてくれ始めたので、この長い話はいつ終るのかと心配し、3人で写真をとって無事脱出。

北のダムに行く前に、面白い場所があるから、
夕まずめをやってみろと言われ、
車で案内されるままに、たどり着いたのは、
巨大な火力発電所の排水口だった。

DPP_9326ワニ注意の看板にテンションアップ
P2181309電磁波バリバリ、この雰囲気は東京湾?

川幅500メートルはありそうな巨大な河口に面した、
排水口はすごい勢いで流れていた。
釣り場は、私が育った川崎の海でもさんざん体験済みで、
魚を引き寄せる引力は知っていた。
巨大バラがそこに集まるという。
送電線が連立し、フェンスにかこまれた電磁波バリバリのこのスチュエーション。
嫌いじゃないので、少し竿を振ってみたけど、
こんなところでメーターバラが釣れてしまったらどうしようと、
思いながらも、何事もなく日が暮れた。

P2181314穴発見!

P2181313結構でかいカニ。どうやって捕まえようか、考えた末に。

P2181316マングローブの種に、落ちていたワームのフックを巻いて、捕獲。


もう一泊テントで泊まる予定だったけど、
予定を変更し、夕食とシャワーだけをあびて、
テントをたたみ、キャンプ場を後にした。

P2180301巨大アマガエル捕獲。

P2180303夕食は炒めうどん。肉の変わりに残っていたスパム。そしてニンニクとタマネギ

暗くなってテントをたたみ、シャワーを浴びて出発。
忘れかけたザリガニの仕掛けは、やっぱりなんにもかかってなかった。
500キロの夜のドライブ。
走っても走っても景色が変わらない真っ暗な道、
制限速度110キロの夜のドライブは、
後ろからあおってくる超巨大トラックにヒヤヒヤしながら、
気力だけで走り抜き、湖に着いたのは夜明け前の3時だった。
いよいよバラとの日々、そして3つの地獄の始まりだった・・・

つづく

オーストラリア釣行記2015年Febはその4
〜3つの地獄〜へつづく


 banar_long_white



(21:36)