Q、うちのお寺さんは曹洞宗やけど、「なむふかしぎこう~」の掛け軸が仏壇に掛かっとるんやさ。この新聞読んどって「変やなぁ~」って思ったんやけど。間違っとるんかな??
A、隅々まで読んで下さっているんですね。これは手が抜けませんねぇ・・・。以前、真宗大谷派のお寺のご住職に、こんなお話をうかがったことがあります。
♪嫁に行く日が 来なけりゃいいと
おとこ親なら 誰でも思う
早いもんだね 二十歳を過ぎて
今日はお前の 花嫁姿
贈る言葉は ないけれど
風邪をひかずに 達者で暮らせ
いつの世も変わらぬ親心を歌った芦屋雁之助の名曲「娘よ」の一番の歌詞ですが、最近では交通の便も発達していて、「嫌になったら、いつでも帰って来いよぉ~」なんて気楽に送り出す親もいるとかいないとか。なにせ東京どころか、海外へでも日帰り旅行が出来る時代ですから。
しかし、昔はこんな風にはいきませんでした。嫁に出したら、二度と合えない今生の別れ。覚悟を決めて送り出すわけです。嫁ぐ娘に、何か持たせてやりたいけれど、大したものは・・・・・。そんな時、大切な仏壇の掛け軸を持たせることもあったそうです。今とは違って、仏壇は「生活の中心」。その大切な掛け軸を娘に持たせるのは、心配で仕方ない親心というわけです。
嫁をもらう側も、「大切な仏壇の掛け軸を持たせる程、この娘さんは大切に育てられたんだね・・・」と心して受け取り、仏壇に掛けたそうです。たとえ宗派が違っても。
ですからお宅の仏壇にも、もしかすると過去にこんなエピソードがあったかも知れませんね。
飛騨高山の葬祭会館 セレモニーホール三礼
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