2021年10月17日

1634376391375


稽古してる間はブログにあれ書こう、こういうこと書こうと考えてはいるのだけど。
いざ本番が終わるとぐったりして、明日の明日のまた明日となり、
その一日ごとにものすごいスピードで熱が冷めていく。
昔みたいに細かく吐き出していけばいいんだろうけども。
あとは本ちゃんのことがずっとブログの最終記事なのも気にはなってたし、
何より毎度書いてるのでね。
今回は写真も全然ないんだけど(笑)


そもそも一月の公演が終わったときに、今年はもうやりませーんって言ってたんだけど、
木山さんが、「私も芝居したい!」「お前だけメガネニカナウとか呼ばれてズルい!!」
みたいなことを言い出したのが始まりで、
木山さんにそんな人並みの熱量があったのかと驚きつつ、
役者サイドがやりたいって言うならやろうじゃないか。但し、再演に限る。
となったのが発端。
ただそこから演目を決めるのに、すったもんだあったんだけど。

そして始まる稽古。
初演のときは、どれだけ説明しようが何しようが、努力と根性で突き進むスタイルを捨てず、
しかし努力と根性で乗り切るには膨大な容量だった為、ひたすら頭を抱えていた木山さん。
結局それでやり切ったし、もうそれはそれで凄いことだけど、
それというのは、深い穴を掘ろうというのにショベルカーの操作を覚えす、スコップで掘るくらいに効率が悪く、面白くない辛いばかりの作業なので、
もう今回は本番に間に合わなくてもいい!
とりあえず木山さんがショベルカーで穴掘れるようになったらそれでいい!
観に来てくれる人には申し訳ないけど、そのときは尊い犠牲になってもらおう。
という、それはそれは強いのか弱いのかわかんない覚悟で挑んだのだ。

でも、稽古三回目で、流れで通したときは、
「こ、こ、この……$%&’()☆=が~!」
って内心思いながら、
「んじゃ、ちょっと休憩しようか」
って言ったのを覚えている。


実際稽古でやったのは、今までもやってきたことを更に細かく細かく進める作業。
発したセリフの感覚が頭に残っている内に、
ニュアンスを理解してセリフに反映できるまで先に進まない。
二人芝居で他のシーンの進行を気にせず、再演で、且つ身内だからできる稽古だった。


色んな芝居があるけども、
一番わかりやすい『面白い』は共感だと思う。
見て理解できないものは笑えないし、泣けない。
役同士は何が起こってるのかわかってないけど、前から観てるお客さんはすべてわかる。
「そうじゃないのに」って笑ったり、「あーもどかしい!」とむずむずしたりする。
そりゃそうだろうし、当たり前体操的なことだし、初めての演劇したのかよな話かもだけど。

セリフの最初のイメージはものすごくインスタントなのでそれを疑っていく作業。
怒ってるには怒ってるけど、何でどうして怒ってるのかなー?悔しいんじゃない?何で?あ、騙されてきた人だから信じてたのにまたかーってことじゃない?騙された間抜けな自分にも情けなくて腹立つんじゃない?
酔ってるには寄ってるけど、酔ってる人なりに思考してて、酔ってるから楽しくなって話が逸れてヘンテコな発言になるんじゃない?
……という、自分で書いた本だけど、それでも「あ、これはそうじゃないわ」と木山さんと一緒に掘り返す作業だった。

コメディだから実際にやってることは表現大きめだけど、思考が細かいほど観てる方にも伝わるし、共感できるというのはそういうところだと思う。
人間ものすごく複雑に思考して生きてるのに、「大切な人が死んだからすごく悲しい。だから慟哭する」というシンプルなイコールだと台本に書かれてる以上のことは伝えられない。
じゃあどの役でも人が死んだときはそれになるし、どの役者でも表現は同じになってしまう。

わかったつもりで言ってるのと、自分なりに理解してるのとでは出てくるセリフも違う。
役者をやることの何が面白いのか、
そこがわかれば研究課題は自分で見つけられるし、
裏打ちされたものがあれば、漠然とした不安はなくなる。
何がわからないのかがわかれば、自分なりの挑み方がわかってくるし、
それがわかっていれば、課題にぶち当たる度に成長できる。

木山さんがいつまで役者をやるのかはわからないけど、
やってる内は自信を持って楽しんで、謙虚と研究をする女優であってほしいと思うし、
逆に役者が楽しめないなら、年齢的にもぬるい思い出だらけの辛い周り道になるので、
すぐに辞めて、何かもっと楽しめることを見つけた方がいい。
とは本人にも言ってる。
私も芝居は楽しいけど、残りの人生もっと他に楽しいことがあるなら乗っかりたいと思ってるし。


なので、……なのでとうまくまとまってるのかわからないけど、
今回はやはり演目をフレンチもして正解だった。
台本はほとんど変わっていないのに、
初演を知っている人に、初演より面白かったと言ってもらえたのは、
木山さん自身が、初演ではもらえなかった評価をもらえたのは、
木山さんが理解して楽しんで、ちゃんと『演じた』から以外何者でもない。
基本を丁寧にするだけで、こうも変わるのだということが、見ている人にも伝わったことは具体的な成果。
私も木山さんもセリフをとちったけど、もちろんそれはダメなんだけど、
それ以前に全然つまんなかったって人もいるかもだけど、
でもでもそれでも夏休みの自由研究としては正解だった。


三等フランソワーズとして、現時点で先の話は決まっていない。
今はまだ秘密とかじゃなくて秘密がない。
私は演劇という「業界」には認められない。そこの才能がない。センスがない。
いや、それはわかってたんだけど、もしかしたらそうでもないかもと思ってみたけど、
ここ二年ほどコソコソやってきて、やっぱりダメかーって理解した。
だけど認めてもらえるように日和見たところでそこの才能がないので、
たぶんどこにも着地できないことになる。
向いてないことに執着した結果、今あるものも失ってしまう気がする。
落ち込みもしたけど、それはそれで選択肢が絞られた。

ので、
来年平和になったら考えてることはあって、
思惑通りになるかはわかんないけど、その為の実験体一号として、今回の木山さんはいい結果を残してくれたと思う。


最後にそうじゃないんですな話を。
初演のときにあったオープニングをカットしたのは、無駄を削ぎ落した……とかそんなのではないのです(笑)
単純に今回は21時には絶対にイベントを終わらなければいけないから、何としても30分に納めようとしたから。
だけど小屋入り二日前の打ち合わせで、「しゃべるんでしょ?」って言われて、
「え?」ってなって、
「じゃあ……」ってなって、
何のためにカットしたのかよくわからないことになってしまったというだけの話です。
まあ、そこまでこだわってやる程見事なものでもないですしね(;´∀`)

あとは、1ステージ目、あと数分で終わりというところで、
「カーテンコールなー。どういう順序でしゃべるんだっけ……」と余計なことを考えてたら、
セリフ二行飛ばした!
ので、本当にもうカーテンコールでしゃべるのどうなんだろうと思い始めてます。
やっぱり退屈そうにしてる人もいるし、その人の気持ちもものすごくわかるから、そういう人がチラッと見えちゃうと、「わー、ですよねー、帰りたいですよねー、出しゃばりですよねー、早く切り上げないとー!」となって、お喋りも中途半端になる。
中途半端に喋ってスベったら、それはそれで凹みますし、次の芝居に響くのです。
私も嫌いなわけでもないし、喜んでもらえたら嬉しいんだけど……と、ずっと言ってるけど、本当に割かしそんなところでも悩んでたりします(笑)
もっと有名になったら、考え方も変わるんでしょうけど、まだまだお前誰やねんですからね。
困ったものです。

以上です。
本当に本当にホンマに「今更!?」って感じではありますが、
改めまして、ご来場ありがとうございました!
DVDで観たよ観るよって方もありがとうございます!!

この記事へのコメント

1. Posted by サワさん   2021年10月17日 09:18
5 中川さんはしゃべってくれないと困ります。しゃべり(漫談)込みで見に行ってますから。
漫談できる人少ないですからねぇ。
人生行路師匠や吾妻ひなこ師匠好きでしたよ。

今公演の木山さんの刻々と変化していく酔いっぷり見ていて、ただの再演じゃないのはよ〜く分かりました。苦労されたことだろうと類推できます。

中川さんが「業界」に嫌われてるのではなく、おそらく「業界」はお金の好きな人のグループなので、中川さん自身が嫌っているような気がします。
今年故人となった身内に業界人がおりましたが、一部の業界人から「彼はお金が好き」みたいな悪口をよく言われてました。
実はお金好きではないのですが、食えない芸人さんを沢山見ていて、まず食えるようにしないと良い芸も潰れてしまうので、「視聴率を上げる、劇場を満席にする。」という使命感からやっていたのが、お金が好きとなっていたようです。
漫談は楽しみなんですが、お金を意識した場合は、木山さんを泣かせない程度にとどめておいてあげてくださいね。
制作側は「お金」好きですから。
2. Posted by 中川です。   2021年10月17日 19:34
サワさん>
昭和の師匠方ですね(笑)
生まれる時代を間違えたのかもしれません。
ありがとうございます!

業界云々に関しては、少し文章が足りてませんでした。
どうしてわざわざ濁すような書き方したのやら……(;´Д`)

何と申しましょうか、芸術的な評価はもらえないなって痛感したのです。
最近だと、りゃんめんの南出さんみたいなアンニュイな人間模様は書けないし、ばぶれるりぐるの竹田さんみたいな絶妙な痒いところは描けないし、オパンポン野村さんなんかはもう勘弁してよ……って涙目です(笑)
ただ、他人様の凄いものは自分の糧にはなるけど、そこで私が日和って誰かのスタイルを真似たところで、それは上手くいかないのは経験上知っているので、
もう賞レースは「これは向いてるぞ」ってのが作れない限りはやめとこうと思ったのです。
ヘタな鉄砲数打ちゃってのは嫌いですし、気持ちも擦り減りますしね(笑)

結局は自分の面白いと思う、自分の書きたいものしか書けないので、あとは出来上がる作品の精度をぐぐっと上げて、やってることは普通なのに何かわからんけどすごいってレベルにまでたどり着けたら、私を取り巻く環境も変わるかなと考えております。

ですので、そういう意味ではお金を追いかけることになると思います。
何より、私お金好きですので(笑)
でも、いい大人が目先のお金を追いかけて、みっともない真似するのは嫌いですし、
清貧という言葉も嫌いです。
お客さんもこちらも、「この値段の価値あり」と思った先に、儲かればいいですし、
それで赤字が続いたならそれこそニーズがないのだから、とっとと滅びてしまえと思ってます。

木山さんは進行や取りまとめは得意ですが、お金儲けは向いてないです。
一番損するタイプです(笑)

長くなりました<(_ _)>
3. Posted by サワさん   2021年10月17日 22:01
長文返信ありがとうございました。
なかなかどうして、『明日の工場』は、もう少し手を加えれば、松竹新喜劇が松竹座でS席10,000円のチケット代を取るような脚本でしたよ。
『フレンチとマニュアル』にしても、登場人物20人位に膨らませたら、キャストは赤井英和と毎田暖乃ちゃんの親子の愛情劇で、おばちゃんの涙を誘うと思います。
但し、アートとは程遠くなってしまいますね(笑)
お客様の大半は実はそれほどアート求めてないように思っています。
4. Posted by 中川です。   2021年10月18日 13:01
サワさん>
明日の工場……そんな作品もありましたねー。
あれは現時点で最大の大赤字でした(笑)
いつかどこかが買ってくれて、召し抱えてくれて、人生大逆転したいですね。
頑張ってみます!

コメントする

名前
 
  絵文字