北海道バブル文化観光

2010年05月10日

このたび、平成22年5月8日から9日にかけて、1泊2日の凝縮バスツアー「北の京芦別ごちそうさまツアー」を開催しました。

参加人数12名(現地合流1名含む)、それぞれが高い満足度を抱えて帰路につけたこと、主催者としてはとても嬉しく思います。

実はこのツアー、安に「北海道サブカルツアー」と括ってしまえば一言で片付くのかも知れませんが、私の中では、より深く掘り下げて考え、企画したものであります。

参加者の方々にどれだけ伝わったのかは分かりかねますが、無事終了したことを記念し、その知られざるコンセプトについてお話しようと思います。

長くなるので、お時間と興味のある方はぜひお付き合いください。



ごちツアー記念写真02jpg


 










 

 

 


【写真】2日目シンポジウム終了後。石垣社長を囲んで。



まず、どういった施設を巡ったのか、スケジュールを確認してみます。

【ツアースケジュール】
http://blog.livedoor.jp/sap_hap/archives/1333554.html

これが私の提案する「北海道バブル文化観光」の最も効率的で、密度の濃いプランニングでした。


それを踏まえ「北海道バブル文化観光」について、説明したいと思います。


とあるHPには「文化観光とは、日本の歴史、伝統といった文化的な要素に対する知的欲求を満たすことを目的とする観光である。」と掲載されていますが、ほぼ同意義です。ただ、観光対象となる事物が「バブル期に完成されたもの、あるいはその当時のもの」であり、「圧倒的な哲学や存在感などの背景を備えていること」とします。以上を踏まえて再定義(?)しますと・・・


バブル文化観光とは、その土地にあるバブル期の文化財産(主に負とみなされているもの)を巡り、ただ「残念だなぁ」「終わってるなぁ」と一言で片付けるのではなく、その“現代を生きる私達には到底共感できない、そして想像のさらに上を行く発想やお金の使い方や建築物(成果物)”について深く考え、思いを馳せ、何故そういったものができたのか、その世界観は一体何なのか。どうしてそれを作るために莫大なお金が投入されたのか、時代背景や現代の感覚とのズレを再確認するための観光です。


IMG_0107

















【写真】初日の北海道こどもの国。1/4縮尺のピサの斜塔。



現代とバブルとの「ズレ」のキーワードは、現代の「過剰なサービス」と「過剰な包装」にあると思います。

サービスは、手間の省略や心遣いに気を配り、不自由させないこと。
包装は、醜いものや時代遅れのものを「すぐ現代っぽい包装紙」でくるんで見ないフリをすること。

どちらも大切なのかも知れないのですが、あまりにも「やりすぎ」のように思います。
そしてそれが「オシャレ」とか言われることに抵抗があります。

結果、能動的な「楽しもう」という姿勢を失わせているのではないかと思います。
「楽しませてもらおう」という意識は、結果対象物のあら捜しに気を取られ、欠点を見つけると興冷めしてしまう可能性があります。
全てに於いて完璧なものが無いとは言いませんが、数が少ないのは事実です。

ことこの「バブル文化観光」に於いては、「完全なサービス」や「完全な包装」には目を向けずそれら不完全なもの、欠品したもの、損傷したもの全てを「時代の経過の痕跡」と捉え、そこから伺える人間のこのたった数十年の間に変化した「価値観の本質」を探る手がかり・資料としてポジティブに捉えることが絶対的なルールです。

言い換えると、当時それらの“しつらえ”は間違いなく最先端であったし、それで充分だったし、それで満足ができた。それが何故今満足できないのか。「飽きた」という一言では片付かない、何か大きな問題が潜んでいるに違いない。深読みかもしれないが、そこに興味の対象をもっていく。これぞ「バブル文化観光」を楽しむための鉄則なのです。


IMG_0263
















【写真】2日目カナディアンワールド公園。現在は無料の公園に。


さらにバブル期は、私達のような若者(1970年代〜80年代生まれ)には実感の無い時代です。
当時何があったのか、不況不況と騒ぎ立てる現在と圧倒的に何が違ったのか、その答えが分かりません。

生活を楽にするための発明が数多くされ、現在、日本人の大半が“物質的に不自由な暮らしをしていない状況”を生きています。

まだ物質的に満たされていなかった日本を生きた人生の先輩たちが「見たかったもの」「作りたかったもの」「実現したかったこと」「見ていた夢」を、潤沢な資金を使ってその欲望を露骨なまでに包み隠しもせず実現した世界を、現代を生きる私達が体験することは、価値のあることだと思います。(廃墟ではなく営業状態のものに限る)

そしてそういった世界から人々は手を引き、また現在新しい営みを始めている。
その「変化」という抽象的な出来事の中に、バブルを知るヒントがあるのでは無いかと思います。

IMG_0132

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【写真】1日目徳川城。現在は休業中との貼り紙。中には入れず。

 

札幌の奥座敷にある「北海道秘宝館」が平成22年3月を以って完全に閉館したとの噂を聞きました。
30年もの間、人間に備わった性に対する興味を満たす役割を担った施設。
バブルを象徴する、人間の欲望を素直に具現化した施設がまた1つ姿を消していく中で、現存するバブル文化に触れる機会はどんどん減っている状況です。


北海道秘宝館のコピー















【写真】札幌市南区にある「北海道秘宝館」。H22.3にて閉館。


その地に行って何を感じ取ることができるか、それは実際に行かなければなりません。

ただ、自分よりも大きな建築物・構造物の中で感じる「時代の変化」には、きっと無関心では居られなくなるはずです。

現代の生活に慣れ親しんでしまった方であればあるほど、その衝撃は強いはず。

何が正しいのかを問う場ではありません。
その世界から先輩達が何を学び、何を反省して今があるのか。
享受する側では無関心になりがちですが、そのプロセスを知るべきだと思うのです。

当事者が、該当施設が、まだ呼吸をしているうちに、廃墟になる前に。
その声を聞いて欲しい。そしてあわよくば、何かを感じて、行動して欲しい。

IMG_0200

















【写真】1日目北海道大観音。足元にはインド風タージマハール庭園。



これが「北海道バブル文化観光」を提案した私の本音です。

ツアーには、そういう意図を込め、いやがおうにも「何故?」「何故?」と自問自答を繰り返してしまいたくなるような観光地をリストアップしています。

最終的には2日目の「栗山町なかよし動物園」を、夕張市街地で行われている“夕張まんがまつり見学”に変更し、旅を締めくくりましたが、私としては富良野、美瑛などの「観光のために整備された観光地」を観光するのとは全く異なる「ありのままの現状の北海道」を巡るツアーのモデルプランとして成立したのではないかと思っています。

もしよろしければ、このスケジュールを参考にご自身でこれら“聖地”を巡礼する旅をしていただければと思います。



UNI_6059
















痛車

















【写真上】夕張市街地近郊にある「炭住」。入居者あり。
【写真下】夕張まんがまつりに参加していたイタ車。



非日常を、パソコンのブラウザの向こうや道外にしか求められなくなっている今日、これらの行程を「バスツアー」というバブル期に全盛をきわめ、現在は減退傾向にあるツアー形式で実現できたことにはとても価値があるように思います。


改めまして、このツアー参加者、企画を支えてくださった方々、そして2日目のシンポジウムで社長との対談を快諾してくださいました北の京芦別の皆様に感謝の意を申し上げます。

本当に、ありがとうございました。

機会があれば、またよろしくお願いします。




札幌ハプニング/山下智博



sap_hap at 14:31コメント(0)トラックバック(0) 
記事検索
プロフィール

sap_hap

livedoor × FLO:Q
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ