最強法律相談室

山口県周南市で長年多重債務者の問題に取り組んできましたが、このブログでは、過払金返還請求に関するサラ金との示談交渉、裁判を中心に、私の実体験を公開させて頂きます。

取引の分断と一連性

この論点に関する下級審の判断は平成20年の最高裁判決後も未だに混乱が続いている。
裁判所、裁判官による判断の違いが大き過ぎるのだ。

一時期、基本契約が1個の場合は空白期間があっても一連、基本契約が別個の場合は空白期間が1年以内か否かで一連、分断の区別という雰囲気が生まれた時もあったが、実際は担当裁判官によって、大きな判断の違いが生まれている。
先日ある地裁で、第1取引約13年、空白期間1か月、第2取引は別契約だがいずれもリボ契約という事案で、当然のごとく一連の主張をしていたところ、担当裁判官から、「別契約だから一連は厳しいでしょう」と言われた。
「でも空白期間はたった一か月ですよ」
「たったではなく、一か月も空いているとも評価できます」
「えっ・・・」
それは普通の考えではないでしょうと言いかけたが、言葉を飲み込んだ。

一連性を立証するために空白期間における業者からの勧誘の電話、第2取引開始時の事実上無審査の実態について本人の陳述書を提出したところ、「それでは次回本人尋問を行います」と言われた。
過払い裁判の一連性の論点で本人尋問を実施するのは珍しいが、こちらも引き下がるつもりはないので、本人尋問を実施した。結局尋問後に、一連と分断の中間点で和解勧告があり、本人が和解したいと言うので和解に応じたが、かなり損をしたような気分になった。
しかしこうしたケースは全体から見ると少数で、一か月の空白期間のリボ契約なら一連とする裁判所の方が圧倒的に多数。だからこそたまにこうした裁判官に出会うとこちらも混乱してしまう。

以前より指摘しているとおり、最高裁は平成20年判決で示した基準の具体的な当てはめについて、下級審任せにせずに自ら早急に判断を示すべきである。


2013年を振り返って

2013年も残り少なくなってきた。
過払金に関する依頼はピーク時からは激減したが全くなくなったわけではなく、今でも少しずつ相談が入る。

サラ金側はアコム、プロミスなど大手がサバイバルを生き残ったようで、最近では再びテレビCMに力を入れている。訴訟では早期に和解するケースと弁護士を付けて徹底抗戦するケースを仕訳しているようで、その裁判が長期化するケースも出てきた。
アイフルは、苦しい、厳しいと言いながらしぶとく生き残っており、裁判でも移送申し立てや一審判決に対する控訴などで争ってくる。結局最後は支払金額が増えるので得策とは思えないが、何故か方針を変えないのは経営陣の意向だろう。
現在裁判で争われている論点、ー莪の分断と一連性、⊃拡讐饉劼1回払いと充当合意、O族魴戚鵑陵効性と過払請求などについて明日以降感想を述べる予定。

和解と過払金(続き)

 前回紹介した判例について幾つか問い合わせがあったので、説明を補足する。

 借金の返済が苦しくなった時などに、債務者本人が金融業者と交渉して毎月の返済額を減額してもらったり、利率を下げてもらったりすることがある。その際合意した内容で和解書や示談書を作り、ほとんどの場合末尾には「他に何らの債権債務のないことを確認する」という趣旨の清算条項も入れることになる。

 その後借金を完済して、過払金の返還を請求すると、金融業者側は、上記の和解・示談の存在を理由に、過払金の返還義務を争ってくる。そこで和解や示談をしている場合も、過払金の返還請求ができるかが問題となる。

 この論点に関しては、和解時に認識していた残高は約定の残高で、利息制限法で引き直し計算した真実の残高との間に齟齬があるので、要素の錯誤が成立するとして、和解を無効とする判決が多く出されている(調停の事案で名古屋高裁平成22年10月28日判決など)。
 他方、そもそも和解によって解決を求めた紛争の中に過払金のことは含まれておらず、過払金の請求は和解の確定効の及ぶ範囲外であるという見解も有力に主張されていた(民事法研究会「過払金返還請求全論点網羅2013」238頁瀧康暢弁護士など)。

 本判決はこの見解と同趣旨の判決である。
 返還請求ができるならば、どの理屈でもいいようにも思われるが、順番で言えば、まず和解の確定効の範囲外だという主張を出すべきだろう。そして仮定主張として錯誤の主張も忘れずにしておくことが実戦的であると思われる。今後同趣旨の判例が積み重なることを期待したい。

和解・示談と過払金請求

 最近過払金の請求に対して、すでに和解や示談が成立していることを理由に過払金の返還を拒絶したり、大幅減額を迫るサラ金が見受けられる。
 これらの和解・示談の多くは、過払金の存在を認めて、これをどうするかというものでななく、単に約定の借入金残高を認めて、その返済をどうするかという類のものである。したがって、これらの和解・示談によって、後日過払金の返還請求をすることは妨げられないと思われる。

 上記の争点について、本年6月20日広島高等裁判所第4部で判決をいただいた。これによると、

「本件和解がなされた控訴人の店頭では、過払金について紛争があるという雰囲気はなく、控訴人の従業員も過払金があると考えていなかった(原審証人K)のである。そうすると、控訴人と被控訴人が本件和解によって止めることを約した争いは、過払金返還請求権を含むものであったとは考えがたく、本件取引の約定債務の弁済方法にとどまるものであったとみるのが合理的である。したがって、過払金返還債務に関する和解が成立した事実を認めるに足りる証拠はないのであって、控訴人の主張は採用することができない。」

 控訴人はアコムである。原審は和解の成立を認めた上で、要素の錯誤を認めて、勝訴させてくれたが、本判決は、そもそも和解によって解決された紛争に過払金のことは含まれないないと判断した。
 論旨は明快であり、今後の同種裁判の参考になると思われるのでご紹介した。

 なお判決文については、近日中にHPの判例紹介のコーナーにアップする予定である。

アイフルの現状報告

萩支部の裁判にアイフルの支配人が来ていた。

萩は山陰地方で交通も不便な所なので、少し驚いた。和解をしに来たのかなとも思ったが、出てきた和解案は過払金元本の7割〜8割というもので全く話にならなかった。
担当裁判官の判断で弁論終結。判決期日が指定された。

帰り際に支配人が近づいてきて数枚のペーパーを渡された。題名は「当社の現状布告(決算状況)と低位弁済継続のご依頼」。
中を見ると、アイフルは何と経常利益で245億円を出している。儲かっているではないか!とびっくり。
その下に、「過払い金返還(発生額・取崩額)256億円※引当金に充当」などの数字が出てきて、「すなわち実態利益は130億円の赤字決算と捉えております」と書かれていた。

しかしこれはどう見ても経常利益が245億円出ているのに、低水準の返還を提案していることの言い訳にしか読めない。アイフルはこうした低水準の和解提案を直ちにやめて過払金全額を誠実に返還すべきである。

やまぎんカード

「カード会員規約は基本契約でhない」

やまぎんカードに対する過払金の返還訴訟を提起したところ、被告は答弁書でカード会員規約は基本契約ではなく、原告被告間では継続的に貸付が繰り返されることを予定した基本契約は締結されていないと主張してきた。
 そしてカードを利用したキャッシングが行われるごとに新たな契約が締結されたとみなすべきであると言う。

 要するに発生した過払金を新たな借入金に充当させることはできないという主張である。

 しかし、カードを利用する時に新たな契約書など作っていない。カード会員規約と呼ばれる基本契約があるからこそ、カードで繰り返しキャッシングができるのであって、これを基本契約ではないというやまぎんカードの主張はどう見ても無理がある。

 最近信販系の会社がこうした無理筋の主張をあれこれするケースが増えてきた。
 経営が苦しいせいかもしれないが、これまで高利の貸付で暴利を得てきたのだから、最後まで社会的責任を果たすべきである。

 

サラ金との密約

報道によると、大都市の弁護士、司法書士の事務所20がサラ金との間で過払金の9割〜5割をカットする旨の協定を結んでいたようだ。

まったく信じられないことである。事実なら職務倫理上の問題にとどまらず、損害賠償ものだろう。

そう言えばサラ金との交渉の中で、極めて低水準の和解案を提示してきたサラ金が、「他の事務所ではこれくらいで和解してもらってますよ」と言うのを何度か耳にした。その時は「よそはよそ、うちはこんな低額の和解はしない」と一蹴してきたが、サラ金が懲りずに何度も低水準の和解案を提示してくるのは、こうした協定の存在が背景にあったのだと思われる。

もちろん和解をする以上ある程度の減額はやむを得ないだろう。しかし9割〜5割のカットは論外。相手のサラ金が事実上倒産しており、強制執行を何度やっても効を奏しないなど特別の事情がある場合以外は考えられない。そしてその場合でも個別の依頼者に事情を説明して了解をもらうことが不可欠だろう。

協定の存在を指摘された弁護士、司法書士は今からでも各依頼者に事情を説明して謝罪することが最低限必要である。

山口県知事選挙

 7月29日投票の山口県知事選挙に飯田哲也氏が立候補することを表明した。
 
 私自身はこれまで選挙というものに深く関わった経験はないが、今回の選挙では飯田氏の当選に向けて微力を尽くそうを思っている。
 大飯原発の再稼働に見られるように政府は、3.11で明らかになった原発安全神話の崩壊を忘れて、再び歴史を逆行させようとしている。その意味では、今回の選挙は脱原発か原発推進かを問う国民投票の意味合いを持っている。

 当法律事務所は、山口県内で計画されている上関原発の建設阻止に向けて、入会権裁判をたたかった経験があり、上関の計画を断念させることは当事務所の悲願でもある。
 ぜひ全国の方々からのご支援をお願いしたい。

NISその後

先日書いたNISの過払金買いますの件は、無事80万円の債権を買い取ることができた。
 その後この債権と借入金(約77万円)を相殺する旨の準備書面を裁判所に提出したところ、NISは訴訟を取り下げた。
 ご協力いただいた関係者に深く感謝したい。

 こうした債権買い取りは、過払金の支払いを命ずる判決が出てもこれに従わず、極めて低水準の和解案しか提案してこない金融業者には有効な対抗手段だと思っている。
 今後このブログで情報を発信していく予定。

NISの過払金買います

 NISグループ(株)の過払金債権を買い取りたいという相談があった。
 金額は、過払金及び利息を含めて80万円以上の確定債権。当方の買い取り金額は60万円。
 ご希望の方は弁護士中村覚までご連絡いただきたい。
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