最強法律相談室

山口県周南市で長年多重債務者の問題に取り組んできましたが、このブログでは、過払金返還請求に関するサラ金との示談交渉、裁判を中心に、私の実体験を公開させて頂きます。

2005年11月28日11:11
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アイフル

　債務整理手続中のＳさん来所。
　息子と二人親子で整理をしている。
　債権者とはほぼ和解できたのだが、１社だけアイフルと和解が出来ていない。このアイフルガ一番の大口債券者で、利息制限法で引き直し計算をしても、残金が約３００万円ある。
　今年の６月に、毎月約５万円の６０回払いという整理案を提示したが、アイフルが拒否。９月に再度、頭金を１０万円入れる整理案を提示したが、これも拒否。アイフルからの電話連絡によると、頭金５０万円を用意すれば検討するとのこと。しかしＳさんは年金生活者で、５０万円の頭金は到底不可能。
　実はアイフルはＳさんの自宅を担保にとっている。不動産を担保に取っている場合のアイフルは債務整理も極めて強気で、なかなか分割に応じない。これは全国的な傾向のようで、そのためにアイフルの事件の弁護団が結成され、先日一斉提訴も報道された。
　私の依頼者も過去に二人、アイフルによる不動産の競売申立てにより、自宅を失っている。自宅を失うことは、債務者にとって非常に辛い出来事であり、Ｓさんもいつアイフルが競売申立てをするかわからないという不安で、精神的に相当まいっている。
　アイフルには再度分割返済の整理案を提示する予定。過払金の返還が約２５万円あるので、これを頭金にした整理案。結果はまた紹介する。

2005年11月26日10:46
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オリエントコーポレーション

　土日は事務所は休みだが、私は当然休日出勤。
　
　昨日、オリエントコーポレーションから、過払金の返還２件分、合計１１８万円の入金があった。
　過払金というとサラ金だけのことと勘違いされている方もいるが、クレジット系の会社も利息制限法の定めを超える貸付をしていれば、サラ金と全く同じである。
　オリコ以外にも、今年は日本信販（現ＵＦＪニコス）、セントラルフアイナンスなどから過払金を取り戻した。

　利息制限法によれば、
　　　元本１０万円未満は、年２０％
　　　元本が１０万円以上１００万円未満は、年１８％
　　　元本が１００万円以上は、年１５％
これが上限の利率とされている。
　したがって、この利率を超える貸付けは、利息制限法違反の貸付けとなる。
　借主が契約通りの高い利息を支払っても、利息制限法の利率を超える金額は、利息ではなく、元本を返済したことになるので、元本がどんどん減っていき、元本完済後は過払金（不当利得）となる。これが過払金発生の仕組みである。

　何も将来過払金となって、返還しなければならないような貸付けをしなくとも、最初から利息制限法の範囲内で貸付けをすればよいと思うのだが、サラ金、クレジットの高利貸付けは一向に改められない。大きな社会問題である。

　平成１７年の過払金取戻総額、昨日まで合計８８，２０５，１８０円。
2005年11月25日10:29
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８７，０１５，１８０円

　平成１７年１月１日から昨日までに、サラ金から取り戻した過払金の合計である。
　昨年はたしか三千数百万円だったので、すでに昨年の倍以上になった。
　この勢いだと今年中に多分９０００万円は超えると思う。
　過払金は、ＳＦＣＧやロプロなどの商工ローンの場合、一件の金額が多額になることが多いが、実は上の金額には、商工ローンは含まれていない。つまり純粋にサラ金だけから取り戻した過払金ばかりを合計したものである。
　
　この金額だけを見ると、ずいぶん多いようだが、実際にはサラ金と取引をしている人の中で、過払金を取り戻している人は、ほんの氷山の一角に過ぎない。多くの人は泣き寝入りどころか、自分の取引が過払になっていることさえ知らないまま取引をしている。
　過払を手がけている弁護士、司法書士側も、一斉提訴をするなどして、マスコミにアピールしているのだが、まだまだ世間の認知度は低い。
　このブログの目的の一つは、言うまでもなく過払金返還について、世間にアピールすること。

　昨日アコムから２件分の過払金合計約１８６万円の入金があった。
　
　平成１７年の過払金取戻総額、昨日まで、８７，０１５，１８０円。
　
2005年11月24日12:57
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プロミス

　午前１１時半より、周南簡易裁判所で、プロミス相手の過払金返還請求訴訟の弁論準備手続。プロミス代理人の弁護士は出頭せず、ＴＥＬ会議。
　最近は当事者のどちらかが遠隔地にいる場合、ＴＥＬ会議を使って裁判手続きを進めることが多い。遠隔地の弁護士としては、自分の事務所にいながら裁判手続きが出来るので、大変便利。
　プロミス側の主張は、�＿疂Ф發琉貮瑤呂垢任忙�効消滅している、��悪意の受益者ではない、の２点である。
　一般的には、過払金ももちろん時効にかかる。期間は１０年と解されている。以前に手がけた事件では、本来の過払金は約３００万円なのだが、そのうち約２００万円は時効になっていたため、結局１００万円しか返ってこなかった事案もあった。長期間正直に返済してきた者にとっては、酷な結論である。
　今回の件では、過払金が発生した後、やや期間をおいて、借入を繰り返しており、この借入を、プロミスからの過払金の返還に充当すると、時効になったとされている過払金はすでに返済されたことになるから、時効の問題は生じない。当方はこの立場で、次回裁判までに、反論の準備書面を書くことになった。
　過払金の裁判といっても、すべて楽勝ばかりではない。サラ金にも弁護士がついて徹底抗戦してくることも少なくない。
　事案の分析力、最新の判例・学説に対する知識など、弁護士としての力量が鋭く問われるという点では、他の一般民事事件と大差はない。
2005年11月23日10:14
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悪意の受益者

　本日は勤労感謝の日だが、出勤して仕事をしている。
　この１年間休日に完全に休むことが出来た日が何日あっただろう。仕事の中身は別として、仕事の時間だけで、ランキングをしたら、全国の弁護士で、ベスト１００位に入る自信はある。実際にはそのようなランキングはないので、自己満足しているだけかもしれないが。
　
　周南簡易裁判所で、三洋信販に約２０万円余の過払金の返還を認める判決が出た。
　三洋信販側は、書証をいっぱい出してきて、みなし弁済の立証と、悪意の受益者ではないことを立証しようとしたが、判決は、明確にみなし弁済の成立を否定し、かつ悪意の受益者であることを認めた。
　悪意の受益者というのは、要するに過払金が発生することを知りながら取引を行っていたという意味。逆に、善意とは、それを知らなかったという意味。
　世間で日常用語として使用されている悪意、善意とは、多少意味が異なる。
　サラ金相手の過払金請求事案で、サラ金はみなし弁済の立証は放棄しても、この悪意の受益者か否かという争点については、まだまだ抵抗してくる業者が多い。
　悪意と善意で、何が違うのかと言うと、発生した過払金に利息がつくかどうかである。
　民法７０４条は、
　「悪意の受益者はその受けたる利益に利息を付してこれを返還することを要す」
と定めている。
　そこでこの条文を過払金に当てはめると、過払金が発生した時から、返還されるまでの期間、過払金に利息がつくことになる。利率については、５％説と６％説があり、判例も分かれている。
　私自身は、争点を極力しぼる意味で、現在のところ５％で裁判をしている。
　過払金が発生した後、さらに長期間借入、返済の取引を継続したような事案では、この５％を付けるか、付けないかで、最終的な返還金額が１００万円以上違ってくることもあるので、これはばかにできない。
　今回の判決では、三洋信販の貸付にはみなし弁済の適用はなく、しかも三洋信販は、そのことを知っていた、つまり悪意の受益者であったと明快に判断してくれた。
　三洋信販がこの判決に不服の場合は、山口地方裁判所に控訴できる。
　結果はまた紹介する。
2005年11月22日19:03
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自己破産

　ラーメン店アルバイトのＴさん来所。
　借金は約２００万円で、それほど多額ではないのだが、年齢が７０歳近くで、アルバイト収入も月５万円程度しかない。別に年金収入が月６万円あるが、年金を担保にした借り入れをしているので、当面は実質０円。
　またラーメン店のアルバイトも、今は店主の好意で働かせてもらっているが、高齢なのでいつまで続けられるかわからない。
　検討した結果、自己破産をすることに内定。
　債権者の中に１社だけ過払いになっているところがあるので、過払金約２５万円を取り戻して、破産の弁護士費用の一部に当ててもらう予定。
　弁護士の費用は現在自由化されており、弁護士会としての統一基準はない。私は普通の自己破産で、諸費用込みで３６７、５００円もらっている。一括で支払えない人は、例外的に分割にしているが、正直に言うと、圧倒的に分割が多い。
　Ｔさんの場合、過払金を取り戻して、弁護士費用に充当出来ると、Ｔさんも、私も大変助かる。
　過払金は、債務整理の事案だけでなく、自己破産の事案でも、手続きをスムーズに進めるための重要な資金となっている。
2005年11月21日17:05
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三洋信販

　債務整理の手続中のＮさん親子（母、娘）来所。
　二人で合計約２００万円の借金を、毎月４万数千円ずつ分割返済する予定で、債権者と交渉中。
　あらたに三洋信販の過払金、約４２万円が見つかったことを報告。
　三洋信販は福岡に本社のある中堅サラ金で、私とはよく裁判をしている。
　論点は二つで、�，澆覆景杠僂�成立するか、��悪意の受益者か、である。
　過払金返還請求訴訟では、この２点が争点になることが多い。詳しい内容は別の機会に譲るが、三洋信販がかつて使用していた基本契約書には、�，箸隆愀犬如∨［Ь綵殿腓雰膣戮�あり、みなし弁済は成立しないと私は考えている。山口地方裁判所でも同じ見解の判決が出ている。
　早速三洋信販に、過払金返還の催告書をＦＡＸした。
　任意の返還に応じない場合は、いつも通り訴訟をする予定。
2005年11月20日17:04
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アコム

　昨日宣言したとおり、本日は日曜出勤して、過払金返還請求の訴状を作成している。
　たまたまアコムに対する訴状が３件続いた。
　その中の１件、Ｙさん。平成２年頃から小さな飲み屋を経営していたが、不況で売上げが減少し、家賃、人件費などの運転資金が不足してサラ金から借金。生活費を切り詰めながら自転車操業をしていたが、どうしても返済が苦しくなり、今年の１０月に相談に来所。
　その時本人に作成してもらった借金の一覧表によると、アコム　残高３５万円となっている。もちろん高利の約定利息での残高である。私からアコムに受任通知を出し、取引履歴を開示させ、利息制限法の所定利率で再計算したところ、約２５０万円の過払いになった。
　何もしないで、アコムに３５万円返済するのと、逆にアコムから２５０万円返還してもらうのでは、まさに天国と地獄の差がある。
　Ｙさんは現在店を続けながら、債務整理の手続中。アコムから早期に過払金を取り戻すことが出来れば、債務整理もずっと楽になるはずなのだが。
2005年11月19日16:35
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一斉提訴

　報道によると、全国で約１９００人が、サラ金を相手に合計約２８億円の過払金の返還を求める訴訟を起こした。
　一斉提訴の件は事前に聞いていたが、たまたま多忙だったため、私は参加できなかった。
　現在私が提訴した訴訟で裁判所に係属中のものは、２５件。一時期６０件位あったが、かなり減ってしまった。これは決して過払の事案が減少したというのではなく、私が提訴をさぼっていた結果である。深く反省。
　過払金返還の件を含めて、サラ金、クレジット問題の特徴の一つは、この問題に取り組んでいる全国の弁護士、司法書士が、頻繁に情報交換、交流を行っている点である。たとえばある弁護士がサラ金相手に画期的な判決を勝ち取ると、すぐにメーリングリストやＨＰ等で、全国の仲間にその内容が伝えられる。別の弁護士が同じ問題で裁判をしていた場合、その画期的な判決の内容を自分の裁判で使うことができる。
　そうした全国の弁護士、司法書士の努力の積み重ねで、過払金返還の分野で、私たちはサラ金を追い詰めてきた。
　実はこのブログもそうした情報交流のささやかな一助にしたいと思っている。
　
　この土日に、さぼっていた過払金返還請求の訴状を作成します。月曜日には１０件程度提訴する予定。
2005年11月18日13:43
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しんわ

　福岡に本社のある中堅サラ金。
　昨日過払金の返還として、しんわから約８００万円余の入金があった。もちろん１件分ではなく、数件分の和解金をまとめた金額。それでも、１社からこれほどの金額が一度に返ってくるのはめずらしい。
　ほとんどが訴訟になった事案だが、周南の簡易裁判所に訴訟を提起すると、裁判官は二人しかいないので、どちらかの担当になる。そうすると、裁判の期日を同じ日の同じ時間で、何件も入れてもらえる。これは多忙な弁護士としては、大変ありがたい。またサラ金の方も、１回の期日で、数件の事件を処理できるので、不幸中の幸いだと思う。
　その結果、和解も一度に何件もまとめて成立することがある。今回もそういう経緯で、数件分まとめた返還となった。
　依頼者は、債務整理をする人、破産をする人、それぞれ事情は異なるが、この返ってきた過払金が、その後の手続きをスムーズにする大切な資金となることは間違いない。
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