平成19年に私が受けた新規相談件数は合計584件。
 このうち、借金や過払いの相談が、515件で、うち494件を受任した。

 相談件数、受任件数ともに昨年より大幅増加した。同僚弁護士が他の大きな事件を受任して、一時的に新規相談が集中したという特殊事情を考慮しても、相談の増加傾向は顕著だった。

 全体としての多重債務者の絶対数の減少の中でのこの傾向は、これまで潜在化していた多重債務者が顕在化しつつある証拠だろう。
 報道によれば、平成19年の企業倒産件数は3年ぶりに1万件を突破し、その中で中小、零細企業の倒産が目立っているそうだ。

 「各社とも上限金利を18%に下げており、貸し倒れリスクが高い顧客への融資を絞っている。つなぎ資金の調達を消費者金融からの借入れに頼っていた個人事業者の資金繰りが悪化し始めたもようだ」(日経12・31)

 この見解にはやや異論がある。個人事業者の中には、一時的な「つなぎ資金」だけでなく、恒常的な運転資金を高利の借入れに頼って、自転車操業していた者が少なくないからだ。もちろんそのような高利の自転車操業が長続きするわけはなく、遅かれ早かれ破綻するのは必至。先送りされていた「破綻」が、今年から来年あたりに集中するのは、やむを得ないと思われる。

 我々弁護士としては、過払金の取戻しや、債務整理、個人再生などによって、救済できる事業者を丁寧にフォローしていくことが引き続き大きな課題となっている。