サラ金も激動の1年だった。

 アエルの民事再生をはじめ、幾つかのサラ金が経営破綻した。
 また日本プラムや旧三和ファイナンスのように、裁判で敗訴しても、過払金を支払わないという開き直りサラ金も出現し、多重債務者たちの怒りを買った。

 そんな中で注目されたのは、過払金債権者らが三和に対して破産申立てを行った事件。裁判所での審尋を経て、最終的に三和は申立人ら全員に過払金全額を支払い、申立ては取り下げられた。その際、三和は、今後は過払金を迅速に返還することを公約した。
 しかし、三和のこの公約は守られていない。
 私が勝訴した確定判決のある過払金の多くも未だ未払いのままになっている。三和のあの公約は何だったのか。事情説明すらしない三和(現SFコーポレーション)の不誠実な対応は厳しく批判されなければならない。

 過払金債権の売買も、一部で活発に行われた。
 過払金債権を、同じサラ金の債務者が買い取り、相殺で対抗するという方法は、もちろん本来の過払金回収方法とは大きく異なるが、やむを得ない緊急避難的対抗手段として多くの賛同者を得た。

 サラ金が本当に資金繰りに窮して破綻するのは、やむを得ないだろう。
 しかし、返還できる財産を持ちながら、これを隠蔽して過払金の返還を放置することは許されない。また同様に、一部の金融機関などに優先的に借金を返済して、過払金の返還を後回しにすることも、もちろん許されない。

 三和の破産申立てのように、我々弁護士は、今後もあらゆる智恵を振り絞って、こうした不誠実なサラ金に対抗していかなければならない。

 (新着過払金入金情報)
 ・12月29日 アイフル 86万6000円(7件)
         セントラルファイバンス 23万9000円

  平成20年の過払金取戻額、本日現在合計9億1173万7397円