最近過払金の請求に対して、すでに和解や示談が成立していることを理由に過払金の返還を拒絶したり、大幅減額を迫るサラ金が見受けられる。
 これらの和解・示談の多くは、過払金の存在を認めて、これをどうするかというものでななく、単に約定の借入金残高を認めて、その返済をどうするかという類のものである。したがって、これらの和解・示談によって、後日過払金の返還請求をすることは妨げられないと思われる。

 上記の争点について、本年6月20日広島高等裁判所第4部で判決をいただいた。これによると、

「本件和解がなされた控訴人の店頭では、過払金について紛争があるという雰囲気はなく、控訴人の従業員も過払金があると考えていなかった(原審証人K)のである。そうすると、控訴人と被控訴人が本件和解によって止めることを約した争いは、過払金返還請求権を含むものであったとは考えがたく、本件取引の約定債務の弁済方法にとどまるものであったとみるのが合理的である。したがって、過払金返還債務に関する和解が成立した事実を認めるに足りる証拠はないのであって、控訴人の主張は採用することができない。」

 控訴人はアコムである。原審は和解の成立を認めた上で、要素の錯誤を認めて、勝訴させてくれたが、本判決は、そもそも和解によって解決された紛争に過払金のことは含まれないないと判断した。
 論旨は明快であり、今後の同種裁判の参考になると思われるのでご紹介した。

 なお判決文については、近日中にHPの判例紹介のコーナーにアップする予定である。