更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

2023年9月のつぶやき

2023年9月1日~9月4日のつぶやき https://min.togetter.com/zEJOiQB #ミント @min_t_officialより

2023年9月5日~9月7日のつぶやき https://min.togetter.com/xSlHpgE #ミント @min_t_officialより

2023年9月6日~9月12日のつぶやき https://min.togetter.com/AXNdbr1 #ミント @min_t_officialより

2023年9月13日~9月16日のつぶやき https://min.togetter.com/Im0owEu #ミント @min_t_officialより

8月の読書メーター

8月の読書メーター
読んだ本の数:51
読んだページ数:6243
ナイス数:1300

CDジャーナル2023年夏号CDジャーナル2023年夏号感想
中国のボーイズ・グループ「Produce Pandas(熊猫堂)の登場も、これで10号連続です。「海外のアーティストとコラボできるなら、誰としたい?」という質問に対して、BLACKPINK、Official髭男dism、美依礼芽、安室奈美恵を挙げているのですが、個人的には、大西ライオンか牙一族とコラボして〈320萬年前 Rua Ta Ta〉を歌って踊ってほしいです。他に気になったのは、「GOGO PENGUIN」と「Arooj Aftab,Vijay Iyer&Shahzad Ismaily」の記事です。
読了日:08月31日 著者:
B-PASS (バックステージ・パス) 2023年6月号 [雑誌]B-PASS (バックステージ・パス) 2023年6月号 [雑誌]感想
SHE'Sの6枚目のアルバム『Shepherd』は、パウロ・コエーリョの『アルケミスト-夢を旅した少年』から着想を得ているとのことなのですが、確か、この小説は、ELLEGARDENの細美武士(私にとってはthe HIATUSのイメージが強いですが)も読んでいる(ただし英語版)と、ラジオで語っていたような…?(ちなみに、そのラジオ番組は、bayfmの『Hedgehog Diaries』です。)
読了日:08月31日 著者:B-PASS編集部
B-PASS (バックステージ・パス) 2023年5月号 [雑誌]B-PASS (バックステージ・パス) 2023年5月号 [雑誌]感想
ベリー・グッドマンの写真撮影に使われている小道具の中に、『PRIDE AND PREJUDICE』(ジェイン・オースティンの『高慢と偏見』)が…!
読了日:08月31日 著者:B-PASS編集部
切り裂き街のジャック切り裂き街のジャック感想
1985年に早川書房から刊行された『切り裂き街のジャック』に加筆・修正した電子書籍版です。この手の復刻本にしては珍しく、口絵と挿絵が収録されています。(イラストレーターは山田章博氏。)気象コントロールの失敗により海水面が上昇してしまった22世紀で、アンドロイドと洗脳された人間で19世紀の倫敦が“再現”され、その、一種のヴァーチャルな街の中で、「切り裂きジャック」の犯罪も”再現”されてしまう…というストーリーです。電脳空間ではなく、「実体がある虚構」という設定であるところに、出版時の時代性が表れています。
読了日:08月30日 著者:菊地 秀行
プリンセスにキスしたら カラメールの恋物語 (ハーレクインコミックス)プリンセスにキスしたら カラメールの恋物語 (ハーレクインコミックス)感想
《カラメールの恋物語》シリーズのⅢです。この巻のヒロインは、男装が似合うマニッシュなキャラなのですが、原題は『The Princess's Proposal』なのに、なぜ、邦題は『プリンセスにキスしたら』…? これでは、ヒロインのアグレッシブな面を全くアピールできていません。「王女という立場を受け入れること」を「女らしさという規範を受け入れること」としては描いていない点はすごく良かったですし、御付きのミス・シンディや馬のカラザンも存在感があって終始楽しく読めましたが、邦題だけが残念でした。
読了日:08月30日 著者:狩野 真央,ヴァレリー・パーヴ
いい旅・日帰り 花の旅 関東いい旅・日帰り 花の旅 関東
読了日:08月30日 著者:ウエスト・パブリッシング
プリンスに片想い カラメールの恋物語 (ハーレクインコミックス)プリンスに片想い カラメールの恋物語 (ハーレクインコミックス)感想
《カラメールの恋物語》シリーズのⅡです。性格が正反対の双子の姉妹が入れ替わる…というネタはありがちとはいえ、なぜ二人の性格が正反対になったのかの理由付けがしっかりある(自給自足の村々を転々とする暮らしで裕福とはかけ離れた生活だったために、キャロラインは人の値打ちは物質では計れないことを学び、エレノアは愛よりお金が大事だと学んだ)のが、とても良かったです。…とはいえ、自らの保身が第一のエリノア、エリノアのいいなりのキャロライン、婚約者を“試す”ような言動ばかりするミシェル…という描写にはイラッとしました。
読了日:08月30日 著者:麻生 歩,ヴァレリー・パーヴ
王様とマーメイド カラメールの恋物語 (ハーレクインコミックス)王様とマーメイド カラメールの恋物語 (ハーレクインコミックス)感想
《カラメールの恋物語》シリーズのⅠです。タイトルの「カラメール」とは、フランスの文化とポリネシアの文化がまざり合った架空の島国です。死んだ元王妃をステレオタイプなワガママ女ということにせずに同情の余地のある描写にしているところはとても良かったのですが、ヒロインから大公への「新しい妃を見つけてノリー(大公の息子)にたくさんの兄弟を作ってあげてください!!」というセリフにはドン引きしました。それって、子作り目的のために再婚しろと言っているわけですから、女が女を「生む道具」扱いしてしまっていますよ…。
読了日:08月29日 著者:湊 よりこ,ヴァレリー・パーヴ
フライパンひとつで作る本当に美味しい炒めもの 揚げ・煮る・蒸しまで簡単1品おかずフライパンひとつで作る本当に美味しい炒めもの 揚げ・煮る・蒸しまで簡単1品おかず感想
昔、クックドゥから出ていた「雲白肉(ウンパイロウ)」がすごく好きだったのに、すぐに生産終了になってしまったので残念に思っていたのですが、この本で久しぶりに「雲白肉」を目にしたので、タレ(甜醤油(テンジャンユ))の作り方を見てみたら、案外手軽だったので、「生産終了になったのは、自作する人が増えたから!?」と、今更思いました…。『鉄鍋のジャン!』で知って印象に残っていた「三不粘(サンプーチャン)」のレシピが載っているのには驚きました。レシピ自体は単純なんですが、お玉で叩く力加減と火加減の見極めが難しいかも…?
読了日:08月27日 著者:中華一筋
きょうの料理 わたしのいつものごはん (生活実用シリーズ)きょうの料理 わたしのいつものごはん (生活実用シリーズ)感想
レシピ自体は参考になりましたが、各レシピにもれなく付いてくる「自分語りポエム」がキツイです…。「私はこんなに料理を楽しんじゃってます」アピールをされればされるほど、料理のモチベーションがほぼ義務感であることから来るストレスが、より強化されてしまうので…。レシピ本を手に取る人は、必ずしも、「料理を好きになりたい」とか「料理を楽しみたい」という人ばかりじゃない…ということを、料理本の編集者や料理研究家には、頭の隅に置いておいてほしいです…。
読了日:08月27日 著者:栗原 はるみ
プリンスと虹色の指輪 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)プリンスと虹色の指輪 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)感想
《世紀のウエディング》シリーズのⅤです。行方不明だった王位継承者のプリンス・ジェームズはようやく見つけ出され、四人の王女の秘書のローラとカップルになります。ジェームズがジョンとして生きてきた人生を否定しない内容であるところや、ジェームズ(ジョン)がワンナイトラブで子供を作ってしまったことに対してきちんと父親として責任を取ろうとする姿勢がとても良かったです。実の親子(国王とジェームズ)の再会を安直に感動に持っていかず、育ての親のコールトン夫妻への感謝を先に描いている点も良かったです。
読了日:08月25日 著者:英 洋子,ジョーン・エリオット・ピカート
プリンセスの秘密 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)プリンセスの秘密 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)感想
《世紀のウエディング》シリーズのⅣです。この巻の舞台はアリゾナ州で、第二王女のエリザベスと、ソートンバーグ王子(ただし父との不仲ゆえに称号は放棄中)がカップルになっています。お互いの正体を知らないまま相思相愛になったというのに、まるで政略結婚であるかのような組み合わせになってしまったため、ソートンバーグが抱えている「政略結婚への強い拒否感」が、2人の関係を拗らせてしまう…という内容です。主人公が王子とか王女のハーレクイン作品は、格差婚が描かれる場合が多いので、「王女&王子」のカップルは、むしろ新鮮でした。
読了日:08月25日 著者:麻生 歩,アン・マリー・ウィンストン
プリンセスにお手上げ 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)プリンセスにお手上げ 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)感想
《世紀のウエディング》シリーズのⅢです。この巻の舞台はラスベガスで、第四王女のセリーナと、ボディガードのゲイブがカップルになっています。「トラブル・メーカーで思い込みが激しく冒険心と好奇心のかたまり」というセリーナのキャラクター性が、いがらしゆみこ先生の作風とマッチしていて、楽しく読めました。ちょい役の2人のオバサマキャラ(レストランに登場する未亡人と、終盤に登場するベティ)も魅力的ですし、詐欺師のエイヴリとへっぽこボディガードのランスも憎めないキャラで、「次は頑張れよ~」という気持ちになりました。
読了日:08月24日 著者:いがらし ゆみこ,カーラ・キャシディ
プリンセスのためらい 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)プリンセスのためらい 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)感想
《世紀のウエディング》シリーズのⅡです。この巻の舞台はニューメキシコ州で、第三王女のキャサリンと、大富豪で実業家のトレイがカップルになっています。「身分を隠したプリンセスが恋に落ちる」という、『ローマの休日』的なラブロマンスの鉄板をやりたいという著者の意欲は分かるのですけど、キャサリンが自分の身分や目的を隠す必要性が全くありません。「潜入捜査官に憧れていた」とか「探偵モノのテレビドラマにかぶれていた」等の理由付けがあった方がよかったのではないでしょうか…?
読了日:08月24日 著者:しのざき 薫,スーザン・ブロックマン
プリンセスの初恋 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)プリンセスの初恋 世紀のウエディング (ハーレクインコミックス)感想
《世紀のウエディング》シリーズのⅠです。ウィンボロー王国という架空の国の4人の王女と、第一王女の秘書の計5人が、29年前に行方不明になった兄を探しにアメリカに向かう…というところからストーリーが始まっています。この巻では、第一王女のアレクサンドラと、アリゾナ州のカウボーイのミッチがカップルになっているのですが、アレクサンドラと秘書の会話の中だけで登場している「アメリカのロックシンガー」の存在が、何気に気になります。今後の伏線なのでしょうか?
読了日:08月24日 著者:佐々木 みすず,スーザン・マレリー
あなたを忘れたい (ハーレクインコミックス)あなたを忘れたい (ハーレクインコミックス)感想
ヒロインのテリーが、恩人であるJ・Bに惹かれる心理は理解できなくはないとはいえ、J・Bの行き過ぎたツンデレぶりは、完全にモラハラレベルです。おまけに、グレーンジに対する偏見の強さと、セフレとして選ぶ女性の趣味の悪さからして、どう考えても「人を見る目」がない男なので、いつかビジネスで大失敗しそうな予感しかしません。テリーの向学心を尊重しないのもどうかと思いますし、父親を説得できなかった自分を棚に上げたまま、自殺した元恋人の苦渋の選択を否定する(しかも、よりによってピロートークとして)なんて、クズすぎます…。
読了日:08月23日 著者:桐島ルカ,ダイアナ・パーマー
密書でござる!-隠密大江戸春情録-【単行本版(限定描き下ろし付き)】2 密書でござる!-隠密大江戸春情録-【単行本版】 (エクレアコミック)密書でござる!-隠密大江戸春情録-【単行本版(限定描き下ろし付き)】2 密書でござる!-隠密大江戸春情録-【単行本版】 (エクレアコミック)感想
沼助は忍者としてめちゃくちゃ優秀であり、その優秀さは、望月も殿も錫虫も玄龍斎も認めるところなのに、誰も彼もがS気質なせいで、構図的にはよってたかって沼助の苦労する様子を楽しんでいるような形になっているところに、なんともいえない可笑しみがあります。望月にも殿にも気配を覚られてしまっている(しかも殿には若者であることも見抜かれている)錫虫は、忍者としてはまだまだ未熟ですが、スコプトラグニアとしては完成しており、沼助の無事の確認よりも、玄龍斎とのプレイを目撃できなかったことの方を気にするという徹底ぶりです。
読了日:08月22日 著者:斑月
新ぐんまの源泉一軒宿新ぐんまの源泉一軒宿感想
タイトルの「源泉一軒宿」とは、自家源泉を保有し、その源泉を代々守り継ぐ“湯守”がいる宿を指します。著者にとって、「源泉一軒宿」に泊まることは、「何十年、何百年と湧き続ける湯を、たった一軒の宿で使い切ってしまう贅沢」なのだそうで、そんな「贅沢」を味わえる宿が、群馬には54軒もある(2014年の時点)ということに、驚きました。
読了日:08月21日 著者:小暮淳
クラフトビール読本 (ホビージャパンMOOK1234)クラフトビール読本 (ホビージャパンMOOK1234)感想
「えっ!? 発行がホビージャパン!?」…と、ちょっとびっくりしたのですが、ラストの『ビールとボードゲーム』のページを見て、納得しました。ひょっとしたら、これこそが、このムックを出した目的なのでは…!?(たった2ページではありますが…。)
読了日:08月18日 著者:阿羅本 景
今日から成年後見人になりました(第2版)今日から成年後見人になりました(第2版)感想
2012年出版の第2版です。2013年出版の初版との違いは、私が気付いた限りでは、【後見申し立てにかかる主な費用の中の鑑定費用が「50,000円程度」から「5万~10程度」になっている】【Q&Aの項目が増えている】【「生命保険契約照会制度」に関する記述がある】【「後見制度支援信託」の説明に「後見制度支度支援預貯金」の記述が追加されている】【介護施設の分類が「介護保険施設/介護保険施設以外の施設」から「公的施設/民間施設」変わり、それに伴って介護施設の分類表も大幅に変わっている】…です。
読了日:08月18日 著者:児島 明日美,村山 澄江
シリーズ紙礫17文豪たちの関東大震災 (シリーズ紙礫 17)シリーズ紙礫17文豪たちの関東大震災 (シリーズ紙礫 17)感想
著名な文豪が書いた関東大震災に関わる体験談や小説の中から、文豪の人となりがよく表れているものがピックアップされています。(夫婦・恋人同士・友人同士で被災している場合は、それぞれの視点で書かれた震災体験が収録されています。)巻末の『「関東大震災」関連雑誌記事リスト』が何気に力作で、末尾のQRコードを読み込むと、関東大震災にまつわる「図書」「雑誌(記事)」「アンソロジー」のリストページに飛べるうようになっており、図書館司書である著者の「新しい本との出会いを後押ししたい」という熱意が伝わってきます。
読了日:08月17日 著者:
夜遅くても太らない野菜たっぷりスープ 10分でかんたん、すぐできる!夜遅くても太らない野菜たっぷりスープ 10分でかんたん、すぐできる!感想
レシピは参考になりましたが、冒頭の『ワーキングガール★ユイ 夜遅くても太らないスープに出会う』という漫画の内容にモヤモヤ…。主人公は「夜遅くなったときって、何を食べるのが正解なんだろ? 食べないとおなかが空いて眠れないし……食べ過ぎると翌朝キモチ悪いし太りそう……そもそもこんな時間に食べるのがいけないのかな?」と、色々考えおり、太る可能性だけを気にしているわけではないのに、スープの精の登場時のセリフが「夜太らないスープの作り方を教えちゃいます!」…って、あたかも太りさえしなければいいだろ的ニュアンスです。
読了日:08月17日 著者:岩﨑 啓子
バジル氏の優雅な生活 3 (白泉社文庫)バジル氏の優雅な生活 3 (白泉社文庫)感想
アブドゥールのビジュアルに、神坂智子先生の描く男性キャラっぽいさがあるのですが、もしかしたら、『シルクロード』シリーズから影響を受けているのでしょうか?
読了日:08月16日 著者:坂田靖子
バジル氏の優雅な生活 2 (白泉社文庫)バジル氏の優雅な生活 2 (白泉社文庫)感想
この巻の中盤に収録されている『ハリーの災難』ではアーサーは死亡しているのに、終盤に収録されている『スリ横丁』ではジェニファの元カレとして再登場しているので、時系列はどうなっているんだろう?…と混乱してしまったのですが、Wikipediaによると、『ハリーの災難』は本編の連載に先立って『LaLa』1978年8月号に読切として掲載されたのだそうで(本編の連載開始は1979年11号)、本編とは設定が異なるパラレル作品という位置付けでした。それならそうと注釈を入れた上で、巻末に掲載してほしかったです…。
読了日:08月16日 著者:坂田靖子
車で気軽にバリアフリー旅 関東版 (JTBのムック)車で気軽にバリアフリー旅 関東版 (JTBのムック)
読了日:08月15日 著者:
NHKまる得マガジンMOOK ソムリエ直伝 チャートで選べる 家飲みワインガイドブック (生活実用シリーズ)NHKまる得マガジンMOOK ソムリエ直伝 チャートで選べる 家飲みワインガイドブック (生活実用シリーズ)感想
とじ込み付録の『ワインが選べる!料理チャート一覧表』は、「料理に合うワイン」を調べる場合でも、「ワインに合う料理」を調べる場合でも便利です。
読了日:08月15日 著者:佐藤 陽一
極上のクラフトビールが飲める120店極上のクラフトビールが飲める120店
読了日:08月15日 著者:
譚彦彬のフライパンひとつで冷めてもおいしい本格中華譚彦彬のフライパンひとつで冷めてもおいしい本格中華感想
家族の食事の時間がまちまちなので、「冷めてもおいしい」というコンセプトはとても有難いです。
読了日:08月14日 著者:譚彦彬
新装版 世界の人と楽しむORIGAMI: 英語訳付き新装版 世界の人と楽しむORIGAMI: 英語訳付き感想
著者が外国の方に教えて評判のよかった作品、実用的な作品、覚えておきたい名作などを選りすぐって掲載しているとのことで、難しすぎずに楽しく折れてコミュニケーションに役立つ折り紙の決定版という感じです。62ページの「四季の富士山」という作品は、一枚の折り紙で富士山の四季を表現できる仕組み(めくると富士山の春夏秋冬の移り変わりを紹介できる)になっていて、このアイデアは凄いと思いました。74ページの「お寿司」は、伝承の風船の折り方の応用ですが、意外にリアルにお寿司を表現できています。
読了日:08月14日 著者:山梨 明子,藤本 祐子
今日から成年後見人になりました今日から成年後見人になりました感想
「主な後見人のお仕事一覧」「成年後見用語集」「申立てに必要な書類」「申立てに必要な費用」などがまとめられていますし、書類のサンプルもあるので、とても分かりやすく、手許に置いておきたくなる本です。ただし、このバージョンは出版が2013年とやや古めなので、これから実際に成年後見人になる人は、2021年に出版されている第2版の方を購入した方が良いかと思います。
読了日:08月14日 著者:児島 明日美,村山 澄江
結婚と償いと (ハーレクインコミックス)結婚と償いと (ハーレクインコミックス)感想
「父親の遺言の真相を知らず、母親の嘘を見抜けず、ガブリエルの愛に気付けなかったレイニーが全部悪い」という扱いになっていますが、父親が自分の意図をレイニーにきちんと伝えれば良かっただけの話なのに、なぜ、レイニーをすっとばしてガブリエルに話を持って行っているのか、理解に苦しみます。財産の管理を弁護士に任せなかったのは、その手続きを踏んでいる間に寿命が尽きてしまうことを恐れてのことだとは思いますが、レイニーの意志を確かめもせずに、勝手にガブリエルと示し合わせるだなんて、パターナリズムにもほどがあります。
読了日:08月13日 著者:JET,スーザン・フォックス
青ざめた月 (ハーレクインコミックス)青ざめた月 (ハーレクインコミックス)感想
主人公のターシャの従姉妹にあたるエマが、人を便利に利用することに何の罪悪感も持たないことが不快ですし、ターシャと最終的に結ばれることになるルークのモラハラ男ぶりも不快です。ターシャとルークが仕事の話でごく自然に打ち解けているシーンと、レオとヘレンの中高年カップルのラブラブぶりは、読んでいて微笑ましく思えたものの、他には見所らしい見所はありませんでした。…それにしても、「ターシャと付き合っている」という嘘の噂を流されそうになったジェイクが、地味に不憫です。
読了日:08月13日 著者:愛田 真夕美,ペニー・ジョーダン
弔いの鐘のあとで (ハーレクインコミックス)弔いの鐘のあとで (ハーレクインコミックス)感想
ヴェネチアで運命的な出会いをしてお互いに一目惚れだったにも関わらず、サブリナから「一夜限りの恋人」扱いされたガイが、プライドを傷付けられた腹いせに書店(サブリナの職場)やレストランで「思いきり奔放なセックスを楽しんだ仲」だの「僕らはセックスをした」だの公言してしまう幼稚さがありえなさすぎて、どう考えてもガイの友人役として登場しているハリム(『シークに魅せられて』のメインキャラ)の方がサブリナとお似合いです。(ハリムはハリムで“お国の事情”を抱えていますが、それはこの作品の中では明かされていません。)
読了日:08月12日 著者:JET,シャロン・ケンドリック
監殺家族 1監殺家族 1感想
実際に起こった事件(北九州監禁殺人事件)を基にしたサイコホラー作品です。冒頭の「登場人物相関図」を見ただけで、事件の異様さが分かり、陰鬱な気分になります。
読了日:08月09日 著者:稲垣 みさお
那由他(3) (フラワーコミックス)那由他(3) (フラワーコミックス)感想
「物と物の位置を交換する」という方法でテレポートするリョータローが、「鏡の中の自分の映像」に向かってテレポートしたということは、つまりはそれは「自分の肉体」と「光のエネルギー」を交換したということになるのでしょうか…? 映像(光のエネルギー?)になったリョータローが、「那由他の中」にテレポートして“融合”している状況を、一種の“憑依”と仮定してしみると、「鏡にテレポートしたことによって生じる映像(光のエネルギー?)」というのは、「幽霊とは何か」という謎に対して、一つの解釈を与えているかもしれません。
読了日:08月09日 著者:佐々木淳子
[カラー図解] 海底探検の科学[カラー図解] 海底探検の科学感想
海底調査の道具や技術を豊富なカラー図版で紹介している本です。読者にワクワク感を与えることを重視した内容なので、楽しく学べる点は良いのですが、ネガティブな情報は極力避けられているので環境問題をテーマにしたページはたった2ページしかなく(扱われているのはプラスチックゴミとPM2.5)、原発の汚染水や温排水問題については完全にスルーです。「日本の技術者たちが総出でデンマークの装置を大改造した」というエピソードの紹介(33p)は、“日本スゴイアピール”をするためにデンマークを当てこする遣り口が不快です。
読了日:08月09日 著者:後藤 忠徳
那由他(2) (フラワーコミックス)那由他(2) (フラワーコミックス)感想
作中ではテレポートを「物質と物質の位置を交換」と定義しており、その理由は「空気中にテレポートすると、その中にある原子や分子と融合して核爆発を起こしてしまうから」というものなので、基本的には攻撃技としては使えないのですが(ただしキロのような強力なエスパーの場合は、強引に物体と物体を重ねることで核爆発を起こしています)、リョータローは「UFOの中に岩をたくさんテレポートさせて重みで墜落させる」という裏技を編み出しています。直接的なサイキックバトルも読んでいて楽しいですが、こういうトリッキーな戦い方も見所です。
読了日:08月08日 著者:佐々木淳子
闇色少年 (アリス文庫)闇色少年 (アリス文庫)感想
『針地獄』『クラスの人気者』『夢からのプレゼント』『闇色少年』『殺意』が収録されています。『夢からのプレゼント』のオチは、もしかしたら、仏像からインスパイアされているのでしょうか? 『殺意』は、終盤に登場する泥棒が、女性なのか男性なのかで、解釈が微妙に変わるのではないかと思いました。仮に男性だったとしたら、ヤンデレBL要素が加わることに…?
読了日:08月08日 著者:稲垣みさお
マンガでわかる 私は父の成年後見人ですマンガでわかる 私は父の成年後見人です感想
「マンガでわかる」と銘打たれていますが、漫画形式の解説本というわけではなく、「漫画形式の挿絵が付いているエッセイ本」です。著者の本業は教員、作画担当者の本業は保健師であるため、絵も文章もいかにも素人という感じなので、ノリはまるで「主婦向けの雑誌の投稿コーナー」です。体験談としてはとても参考になる部分があるとはいえ、おそらくはウケ狙いで書いたと思われる冗談めかした表現や、想像や妄想に基づく揶揄が、全く面白くなく、完全にスベッている上に、時には差別的ですらあります。
読了日:08月07日 著者:のん
アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語感想
シェフ見習いとして働いていた著者が、交通事故で嗅覚を失い、回復していくまでの軌跡を追ったドキュメンタリーです。自分史要素が強めですが、嗅覚に関わる医療やビジネスの現状の説明にも力が入っています。日本人の一読者として気になったのは、「香害」に相当する概念が出て来ないことでした。おそらくはアメリカでは日本ほどには柔軟剤や消臭除菌スプレーが使われておらず、狭い場所に人間がひしめき合うシチュエーションも少ないのだろうとは思いますが…。神経学者のオリヴァー・サックス博士が登場しているのには驚きました。
読了日:08月06日 著者:モリー バーンバウム
Λ(ラムダ)のとき(2) (フェアベルコミックス)Λ(ラムダ)のとき(2) (フェアベルコミックス)感想
貝原老人が遺した“幻のコレクション”が、「ボルジア家の毒薬(カンタリス)」だとか、「アレクサンデル6世ローマ法王のロザリオ」だとかで、歴史モノの名手の池田理代子先生との相性がめちゃくちゃ良さそうなモチーフなので、おそらくはこうした「いわくつきアイテム」をたくさん出す構想があったのではないかと思われますが、打ち切りっぽい感じで終わってしまっているのが惜しいです。
読了日:08月05日 著者:池田理代子,池田悦子
妖子(2)妖子(2)感想
意図的な「新生児取り違え」が描かれている物語では、大抵は比喩として引き合いに出される生物は「カッコウ」なのに、この作品では「狩人バチ」がチョイスされていて、物語の雰囲気を盛大に盛り上げています。妖子はとびっきりの美少女ですが、ロリコン男のスケベ心を利用してハニートラップを仕掛けるようなことはしておらず、むしろ恋愛心理の部分は驚くほどに年相応の描写で、そういう「年相応の部分」と「大人を凌駕する部分」がごく自然に併存しているところが、妖子というキャラの魅力だと感じました。
読了日:08月04日 著者:池田理代子,池田悦子
抹茶のおやつ100抹茶のおやつ100感想
昔、料理教室の先生から「お菓子作りはレシピを守ることが大事」と言われた理由が分かりました。【抹茶も、小麦粉も粉末ですが、吸水率が全く異なります。抹茶は吸水率が高いので生地に加えることで粘度が増したり、焼くと焦げやすくなったりします。つまり、いつものレシピに単純に抹茶を加えるだけでは、食感がパサついてしまったり、膨らみが悪かったり、苦みが強すぎたりしてしまったり。抹茶の量が増えれば、味は濃くなりますが、おいしくなるわけではありません。はじめてトライするときはぜひ、レシピ通りに作ってみてほしいです。】(5p)
読了日:08月04日 著者:福田 淳子
Λ(ラムダ)のとき(1) (フェアベルコミックス)Λ(ラムダ)のとき(1) (フェアベルコミックス)感想
「死んだ母親から生まれた」という主人公の出自が、同じ池田悦子先生原作による『悪女聖書』(作画は牧美也子先生)と共通しているのですが、よほど池田先生のお気に入りのシチュエーションなのでしょうか…? 『悪魔の花嫁』(作画はあしべゆうほ先生)ではギリシャ神話が大胆に改変されていましたが、『ラムダのとき』では旧約聖書のダビデとミカルのエピソードが大胆に改変されています。
読了日:08月03日 著者:池田理代子,池田悦子
妖子(1)妖子(1)感想
死刑囚の津本トキが悪魔の子を宿すところから物語が始まりますが、悪魔がトキに対してしたことは「妊娠させること」だけであり、その後は悪魔が何らかの手助けをするシーンは一切なく、トキは自分自身の機転と根性だけで行動し、トキの娘の妖子も、自分自身の機転と根性だけで行動しています。どぎつい騙し合いの物語とはいえ、感情のほとばしりの描写(得に「差別という理不尽」や「裏切り」に対する怒り)にカタルシスがあり、痛快なピカレスクロマンとして割り切って楽しむことができます。
読了日:08月03日 著者:池田理代子,池田悦子
恐怖時計 引きずりこまれる恨み編 ホラーコミックアンソロジー (ホラーコミック恐怖時計)恐怖時計 引きずりこまれる恨み編 ホラーコミックアンソロジー (ホラーコミック恐怖時計)感想
『ドクター魔神 カルテ「顔」』(御茶漬海苔)、『黄色の恐怖』(日野日出志)、『裏庭』(空路)、『地獄の食事』(御茶漬海苔)、『水の戯れ』(橘美羽)、『一夜月白』(橘美羽)、『青の恐怖』(日野日出志)、『テレフォン2』(御茶漬海苔)が収録されています。『テレフォン2』は、主人公が引っ越ししたその日に無言電話が掛かってきているので、この電話番号を知っているのは、主人公・設置した業者・主人公の身内だけのはずなのですが、覆面男は一体どうやって知ったのでしょうか? 普通に考えれば、業者とグルなのですが…。
読了日:08月03日 著者:
恐怖時計 澱みから生まれる狂気編 ホラーコミックアンソロジー (ホラーコミック恐怖時計)恐怖時計 澱みから生まれる狂気編 ホラーコミックアンソロジー (ホラーコミック恐怖時計)感想
『剥製』(御茶漬海苔)、『その後の客人』(橘美羽)、『悪魔狩り』(空路)、『呪文』(御茶漬海苔)、『悪魔の棲むアパート』(稲垣みさお)、『図書室』(空路)、『肉みどろ』(日野日出志)、『人間爆弾』(御茶漬海苔)が収録されています。『肉みどろ』は、三部構成の凝った筋立てになっていて、読み応えがありました。
読了日:08月03日 著者:
脳活性折り紙全書 (レディブティックシリーズno.3930)脳活性折り紙全書 (レディブティックシリーズno.3930)感想
動物の折り方が多く載っていますが、中でも凝っているのはサルの折り方で、親ザルが子ザルを背負っている「おんぶザル」(使用している折り紙は1枚)と、二匹のサルが駕籠を背負っている「申」(使用している折り紙は3枚)の2つのタイプがあります。(後者は「干支の折り紙」の一つとして掲載されているので、「申」の字が使われています。)
読了日:08月03日 著者:
那由他(1) (フラワーコミックス)那由他(1) (フラワーコミックス)感想
「ジャルン」という輪を頭に嵌めたことで超能力に目覚めた者たちが、「アザドー」という宇宙人(のように見える存在)と戦う…というシチュエーションですが、主人公の那由他に発露した超能力は「過去見」であるため、「戦士」という感じのキャラクターではなく、この能力が物語の中でどう活かされていくのか気になります。ちなみに、「過去見」という能力は、精神を過去に飛ばすだけではなく、「過去をコピー」して「生命のダミー」を作ることができるので、この巻では恐竜を作り出しており、「召喚系の能力」のような使い道があります。
読了日:08月02日 著者:佐々木淳子
レッド 1969~1972(2) (イブニングコミックス)レッド 1969~1972(2) (イブニングコミックス)感想
猟銃店や金融機関を襲撃したり、盗難車を乗り回したり、身分を偽って賃貸契約をしたり、万引きをしたり…など、色々と罪を重ねながら赤城や岩木たちは逃亡生活を続けますが、そこには、「不自由さを共有することで生じる連帯感」「その不自由さを工夫で乗り切る充実感」「計画を実行することの達成感」「特別な誰かと親密な間柄になる背徳感」などがあり、反社会的行動の悪質さとは裏腹に、一人一人のメンタルはまるで部活動や修学旅行にテンションを上げる中高生のようです。
読了日:08月01日 著者:山本直樹
レッド 1969~1972(1) (イブニングコミックス)レッド 1969~1972(1) (イブニングコミックス)感想
1969~1972年の学生運動をテーマにしていますが、政治的な思想の部分よりも、「人間が集団になった時に必然的に生じるコミュニケーションの齟齬」の方に重点を置いた描写になっています。「青春群像劇」としては非常に淡々と物語が進みますが、キャラクターに数字が振られていることの意味が理解できると、“不穏さ”が読み手の中にドッと流れ込んできます。「数字を振る」という演出は、人間をモノ化しているような印象を与えますが、その演出の「意味」が分かった瞬間に、「人間一人一人に人生がある」ということが痛いほど実感できます。
読了日:08月01日 著者:山本直樹

読書メーター

2023年8月のつぶやき

2023年8月1日~8月5日のつぶやき https://min.togetter.com/QEBr3i4 #ミント @min_t_officialより

2023年8月6日~8月14日のつぶやき https://min.togetter.com/6miKrnJ #ミント @min_t_officialより

2023年8月15日~8月17日のつぶやき https://min.togetter.com/1dcfsjw #ミント @min_t_officialより

2023年8月18日~8月21日のつぶやき https://min.togetter.com/yqFbDr3 #ミント @min_t_officialより

2023年8月22日~8月27日のつぶやき https://min.togetter.com/tHThRUG #ミント @min_t_officialより

2023年8月28日~8月31日のつぶやき https://min.togetter.com/PQbAeZ5 #ミント @min_t_officialより

7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:55
読んだページ数:8281
ナイス数:1562

犬も喰わない (バンブーコミックス 麗人セレクション)犬も喰わない (バンブーコミックス 麗人セレクション)感想
『犬も喰わない』(#001~#005)『写真』『告白』『骨』が収録されています。(『写真』『告白』『骨』は一続きの作品で、『犬も喰わない』とは完全に別物です。)『犬も喰わない』は、状況的には「寝取り・寝取られ」で成り立っている三角関係の物語なのですが、登場人物たちはその状況自体に性的興奮を覚えているわけではなく、「理想的な心理的距離感を保ち続けるために三角関係でバランスを取っている」という感じです。『写真』~『骨』も三角関係の物語ですが、物語を演出する重要な小道具である二枚の写真の構図が気になりました。
読了日:07月31日 著者:彩景でりこ
AZUMI-あずみ-(5) (ビッグコミックス)AZUMI-あずみ-(5) (ビッグコミックス)感想
「商家の娘」である真帆と、「武士の息子」である駿介&啄平では、「身分差」と「男女差」の2つの規範でいえば本来なら駿介&啄平の方が「目上」なのですが、“イングリッシュのティーチャー”として真帆に敬語を使うことを勝から命じられても全く屈辱的には感じず、ごく自然に受け入れているところに、「新しい時代に必要な資質」があることが感じられます。一方で、複数の妾を持つことに何の疑問も抱いていない勝は、ナチュラルに男性としての既得権益を享受していて、埋めることのできない男女格差に、読んでいてモヤモヤしてしまいます。
読了日:07月30日 著者:小山ゆう
キックミー・ボーイ (バンブー・コミックス Qpa collection)キックミー・ボーイ (バンブー・コミックス Qpa collection)感想
『キックミー・ボーイ』『サクラミザクラ』『葬送ドミナンス【La Fin】』『ハッピー・セックス・デリバリー』『いまちょっと手が離せないんで』(『キックミー・ボーイ』の後日談)が収録されています。虐待・ハラスメント・脅迫などを描いていながら、絵柄には綿菓子を連想させる“甘さ”があるため、シチュエーションはキツいにも関わらず、心地よく読めてしまいましたが、できれば、虐待者・ハラッサー・犯罪者には、徹底的に痛い目を見てほしかったです。「仕事場が摘発」とか「結婚が破談」程度では手緩すぎます。
読了日:07月28日 著者:上原あり
ホモ・ウォラント 懐かしの科学まんがホモ・ウォラント 懐かしの科学まんが感想
初出は1971年の『5年の科学』。『まんがはじめて物語』をちょっとシリアスにしたような作品かな?…と思いきや、良質なジュブナイルSFだったので、良い意味で予想を裏切られました。科学技術の進歩は、時として人の死によって成立し、戦争によって加速するということをしっかり描き、「モノづくり」に夢や憧れを持つことを単純化したり美化したりしない姿勢がとても良かったです。「設計思想」という言葉は出てきませんが、直感的に「設計思想」の重要性を理解できる内容であるところもポイントが高いです。
読了日:07月28日 著者:平見 修二
美女たちの日本史美女たちの日本史感想
2001年放送のNHKカルチャーアワーで「炉辺夜話」的なスタイルで語った内容に手を加え、活字化したものです。底本は2002年に中央公論新社から出版された単行本ですが、電子書籍化する際に校正に手を抜いたようで、誤字がかなりあるのが残念でした。(ちなみに、私が読んだバージョンは、ゴマブックスから2016年2月3日に発行されたものです。)…とはいえ、内容の面白さは損なわれていないので、楽しく読めました。「女性は感情的だから政治的な判断などできない」というバイアスに起因する通説に、丁寧に反論しています。
読了日:07月27日 著者:永井路子
喪服の花嫁 (on BLUEコミックス)喪服の花嫁 (on BLUEコミックス)感想
最後まで読んでから、改めて冒頭を読み返してみて、雪刀(ゆきと)の頭を支える治樹(はるき)の手が優しかった理由は、倒れ込む雪刀の姿に、校舎から飛び降りた永海(ひさみ)のイメージを重ねてしまったからなのではないか…と想像しました。雪刀と治樹の心の揺れ動きの描写はとても良いのですが、永海に告白した山田という女子生徒の存在があまりにも矮小化されすぎていることが気になりました。告白した相手に飛び降り自殺されている(しかも、おそらくは告白したその日に)わけですから、相当な心の傷になっているはずなのですが…。
読了日:07月27日 著者:芽玖いろは
恋愛スイッチ (CITRON COMICS)恋愛スイッチ (CITRON COMICS)感想
「人を好きになるスイッチ」が入る瞬間に焦点を当て、心の揺れ動きを丁寧に描いた、オムニバス形式のBL作品です。エロをほとんど排除し(全くないわけではありません)、言葉によるコミュニケーションを重視した構成になっているため、ネームの密度がとても濃いのですが、テンポ良く読めます。
読了日:07月27日 著者:彩景 でりこ
山奥妖怪小学校 (ふしぎコミックス)山奥妖怪小学校 (ふしぎコミックス)感想
『山奥妖怪小学校』『山奥妖怪小学校 モッテ池の伝説』『宇宙急便ガンテツ』『妖術ニンポー伝 角丸参上!』『アニマル ダン』『幽レディーお六さん』が収録されています。初出の記載がありませんが、『宇宙急便ガンテツ』は1987年頃のコロコロコミック増刊号のはずです。月刊コロコロコミックの方で連載中だった『あまいぞ!男吾』の印象のせいで、SFを描く漫画家のイメージを全く持っていなかったので、「宇宙の宅配便」というモチーフはすごく印象に残りました。ひょっとしたら『宇宙船サジタリウス』の影響が多少はあるかもしれません。
読了日:07月26日 著者:Moo.念平
Kindly helpのためのヘッドマッサージ実践バイブルfor professionalKindly helpのためのヘッドマッサージ実践バイブルfor professional感想
アーユルヴェーダに基づいて、「アロマテラピー系」「スキャルプヘア系」「シローダーラ(頭部滴油療法)系」「ヘアデザイナー系」「エステティック系」とジャンル分けしてヘッドマッサージをアドバイスしているので、美容師・エステティシャン・セラピスト・マッサージ師などの、美容・健康に関わる仕事に就いている人を想定した、実践的な本です。
読了日:07月26日 著者:
日本の基本問題を考えてみよう (岩波ジュニア新書)日本の基本問題を考えてみよう (岩波ジュニア新書)感想
注目すべき点は、この本が発行されたのは2009年6月であり、民主党政権が発足する直前のタイミングであることです。この本で指摘されているのは「日本の民主主義の未熟さ」であり、そういう日本の有様に対して、当時、危機感を持った有権者が多かったゆえに、自民党は政権を失ったのだということが、この本から読み取ることができます。安倍晋三氏に関する記述は、当然、第一次安倍内閣の時のことなのですが、日本の民主主義をはっきりと脅かし始めたのは小泉純一郎氏であり、小泉政権と安倍政権を連続体として総括する必要性を強く感じます。
読了日:07月25日 著者:中馬 清福
チョコストロベリー バニラ (バンブーコミックス 麗人セレクション)チョコストロベリー バニラ (バンブーコミックス 麗人セレクション)感想
帯には【三つの想いがとけあって、ひとつの愛に変わっていく。】とありますが、ミネの“想い”とは「好きな人の言うことなら何でも聞いてあげたい」という従属欲、拾の“想い”とは「先にグルーミングに成功しているタケとの共犯関係でミネを新たにグルーミングしたい」という支配欲、タケの”想い”とは「好きな人から嫌われたい」+「暴力的なセックスをしたい」という被虐欲+加虐欲なので、3人が仲良しだからという理由で3Pが成り立っているというわけでは決してなく、三者三様の欲望の絡み合いにより人間関係のバランスが保たれています。
読了日:07月25日 著者:彩景でりこ
死人の声をきくがよい 7 ~みるみる寿命がちぢむ!!編~ (チャンピオンREDコミックス)死人の声をきくがよい 7 ~みるみる寿命がちぢむ!!編~ (チャンピオンREDコミックス)感想
式野会長があまりにもシレッと嘘をついているせいで、「あれ? ウサギ島での式野会長のやらかしは、私の記憶違い…?」と、一瞬思ってしまいました。本から文字が浮き出て来て人間に纏わりつくというシチュエーションには、士郎正宗の『仙術超攻殻ORION』を思い出しましたが、物理的に文字を引きちぎることができる式野会長は、セスカよりも強いかも…?
読了日:07月24日 著者:ひよどり祥子
日本昭和トンデモ児童書大全 (タツミムック)日本昭和トンデモ児童書大全 (タツミムック)感想
1970年代を中心に出版された、怪奇・心霊・UFO・UMA・超能力などをテーマにした子供向けの本の中でも、特に、ビジュアル面でインパクトの強いものを厳選して紹介してるので、著者名だけでなく、表紙・挿絵・漫画担当のイラストレーターや漫画家のお名前を余さず記載しています。子供の頃、リアルタイムでこの手の本を読んでいた時は、誰が絵を描いているのかは全く気にしていなかったのですが、こうして改めてチェックしてみると、石原豪人先生・柳柊二先生・南村喬之先生などのお名前があって、驚きました。
読了日:07月24日 著者:中柳 豪文
頭がよくなる! ちょいムズおりがみ頭がよくなる! ちょいムズおりがみ感想
図だけでは分かりづらい部分は、YouTube( https://www.seitosha.co.jp/choimuzuorigami.html )で折り方動画を確認できるようになっているのが良心的だと思いました。(注:動画公開は予告なく終了する場合があるとのことです。)プテラノドンやマンモスなどの古生物の折り方が載っているせいか、宇宙飛行士の折り方のページを見た時、一瞬、「カンブロパキコーペ」かと思ってしまいました。
読了日:07月23日 著者:山田勝久
食虫植物 (サクラBooks)食虫植物 (サクラBooks)感想
テラリウムにすると、食虫植物がすごく可愛く見えるのが意外でした。この本の中では、食虫植物に虫を与える場合のアドバイスというのは特に書かれていないので、どうやら水と光と温度に注意すれば育つようなのですが、もし、敢えて虫を与えるとしたら、何か注意事項があるのかどうかが気になりました。与えてはいけない虫を与えたせいで、食虫植物が食中毒になるということはないのでしょうか…?
読了日:07月23日 著者:
迷宮魔術団 4巻迷宮魔術団 4巻感想
「チェルノブイリの原発事故により放射汚染された町」+「吸血鬼と化した住民」+「鎧武者」というシチュエーションがインパクト絶大ですが、更にBL要素も加わり、とんでもなく盛り上がる最終巻でした。信継が「悪魔との契約に必要な儀式」を機転で乗り切ったり、居織が信継を嵌めようとしてエグい罠を仕掛けたり…などのトリッキーな描写もお見事でした。最終的に信継一家は救われますが、できれば、権左・友介・半兵衛も救われていてほしいです。(モデルが天正遣欧少年使節だとしたら、日本に無事に帰れても、待っているのは悲劇ですが…。)
読了日:07月21日 著者:巻来 功士
迷宮魔術団 3巻迷宮魔術団 3巻感想
信継に400年もの間、片思いしていた君姫は、悪魔とは何も契約していないのですが、悪魔が君姫に「生き水」を見つけさせたのは、単なる気まぐれだったのでしょうか? 信継は、吸血鬼となっても「武士の矜持」は失っていませんが、武士である前に「家族を守る普通の男」であると言い切っており、この作品のテーマが「家族愛」と「ヒューマニズム」であることがアピールされています。…それにしても、ヘラが棺桶の中で本を読んでパソコンの使い方を覚えたという設定には、ちょっと笑ってしまいました。バリアーニはどうやって覚えたのでしょうか?
読了日:07月21日 著者:巻来 功士
連環日本書紀 大合本2 (ゴマブックス×ナンバーナイン)連環日本書紀 大合本2 (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
オカルト漫画のつもりで読み進めていたら、SF要素とダークファンタジー要素が一気に出てきて面食らいました。『連環日本書紀』というタイトルからは、日本の古代史が好きな人向けの本のような印象を受けますが、どちらかというと巻来功士の『ゴッドサイダー』みたいな漫画が好きな人向けの内容です。
読了日:07月20日 著者:小池一夫 / 井上紀良
連環日本書紀 大合本1 (ゴマブックス×ナンバーナイン)連環日本書紀 大合本1 (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
陶芸家の辻村と、「プッツン女優」の奈緒美との出会いから物語が始まるのですが、とにかく「プッツン」という言葉が頻発することにとても違和感があります。時代設定は平成三年(1991年)となっていて、おそらく連載開始も同時期だと思われ、確かに当時は「プッツン」という言葉が流行していましたが(現在の「キレる」に近いニュアンスですが、「ハイテンションな躁状態」も含みます)、すぐに廃れたので、この漫画を読むまですっかり忘れていました。話の展開があまりにも急激なので読んでいて混乱しますが、オカルト漫画としては面白いです。
読了日:07月20日 著者:小池一夫 / 井上紀良
星の艦 大合本 (ゴマブックス×ナンバーナイン)星の艦 大合本 (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
「原作:小池一夫と大阪芸術大学チーム」「漫画:井上紀良」「キャラクターデザイン:沓澤龍一郎」とクレジットされているので、大学のゼミだかサークルだかの企画物だったのでしょうか? 「倭(ヤマト)」を舞台にした和風ファンタジーで、卑弥呼ネタと桃太郎ネタを骨子として、天狗伝説、西遊記、アーサー王伝説などの要素が加わっていますが、全体的にまとまりが悪く、勢いだけで無理やり話を終わらせている印象が否めません。この手の漫画のお約束で、卑弥呼が妖婆のような描かれ方をされているのも、残念感があります。
読了日:07月20日 著者:小池一夫,井上紀良
迷宮魔術団 2巻迷宮魔術団 2巻感想
この巻では、主人公一家は、慰問公演をやったり、コミックショーをやったりしていて、営業形態と芸風の幅が広がっています。
読了日:07月20日 著者:巻来 功士
迷宮魔術団 1巻迷宮魔術団 1巻感想
『迷宮魔術団』というタイトルから、てっきり高橋葉介作品的なレトロ怪奇モノかと思いきや、舞台上で繰り広げられるパフォーマンスは「奇術」とか「曲芸」ではなく「実録魔女狩り拷問ショー」なので、グロ描写はどストレートなのですが、それ以上の濃厚さで「家族愛」を描いているため、「残虐さ」と「ハートウォーミングさ」のコントラストが凄いです。「彷徨える吸血鬼一家」というシチュエーションは『ポーの一族』に近いですが、雰囲気的には『妖怪人間ベム』寄りです。
読了日:07月19日 著者:巻来 功士
死人の声をきくがよい 6 ~放課後のはらわた!!編~ (チャンピオンREDコミックス)死人の声をきくがよい 6 ~放課後のはらわた!!編~ (チャンピオンREDコミックス)感想
パラレルワールドネタの『迷い世界』は、『星空のむこうの国』を思い起こさせる切ないラブストーリーとしての完成度が高く、SFジュブナイルとして楽しめると同時に、ホラーとしての怖さもしっかりあります。『ウサギ島の亡霊』は、式野会長の迷惑行為が”爆発オチ”に繋がっていて、「ついに式野会長のトラブルメーカーぶりもここまで来たか…」と、感慨深いです。
読了日:07月19日 著者:ひよどり祥子
グリーンルームグリーンルーム感想
2009年に『エレガンス・イブ』に掲載された読切(1話)と連載(3話)を収録したものです。就職浪人中の主人公が、たまたま通りかかった劇団のオーディションをダメ元で受けてみたら、なぜか受かってしまった…という所から物語が始まり、下手くそなりにミュージカル女優を目指し始めるのですが、主人公のウジウジした性格とか、主人公を無視する同期のキャラの小物感とか、「プロの世界の厳しさを教えてあげる」という体で主人公をいびる先輩キャラなどのステレオタイプぶりが、少々あざといです。よく言えばそれは「分かりやすさ」ですが…。
読了日:07月17日 著者:さちみ りほ
フライパンだけで完成! ほぼ15分でプロの味! めんどうな日でも作りたくなる極上パスタフライパンだけで完成! ほぼ15分でプロの味! めんどうな日でも作りたくなる極上パスタ感想
パスタのレシピは、「ひとつのフライパンだけで調理」がコンセプトなので、分量は1~2人分です。手を抜きすぎず、手間をかけずぎてもいない、絶妙な難易度です。
読了日:07月17日 著者:小林 諭史
あたらしいマフィンあたらしいマフィン感想
6人による共著のレシピ本ですが、どういった経緯でこの形態で出版するに至ったのかが気になりました。企画を立てた出版社の人が一人一人に依頼したのか、それとも、知り合い同士でチームを組んで企画を持ち込んだのでしょうか?(なぜこんなことが気になるのかというと、共著扱いのレシピ本の中には、既存のレシピ本の一部を転載しただけのものがあるからです。) 気になったレシピは、野菜を使ったマフィン(特に、『玉ねぎとビールのマフィン』と、にんじんとりんごを使った『モーニング・グローリーマフィン』)でした。
読了日:07月15日 著者:田中博子・長田佳子・原 亜樹子・今井洋子・ムラヨシマサユキ・立道嶺央
百万人にひとりのボス (ハーレクインコミックス)百万人にひとりのボス (ハーレクインコミックス)感想
ただの幼馴染に対して許嫁気どりだったコリーも痛いですが、元カノの話を信じなかったばかりに破局(しかもその元カノは事故死)している辛い過去があるくせにコリーの言うこと(=ビビアンからは既に心が離れている)を信じないマックスも痛いです。お邪魔虫キャラのビビアンが心変わりした理由は想像がつきましたが(要は「自分のことを好いてくれる人なら誰でもいい」というタイプってことですよね)、コリーとマックスが惹かれ合うようになる理由は全く分かりませんでした。(そっちの方が肝心なのに…。)
読了日:07月14日 著者:JET,ヘレン・ブルックス
闇異本 1巻 (LINEコミックス)闇異本 1巻 (LINEコミックス)感想
『千夜一夜物語』のパロディ的な構成になっている所には、山田正紀先生の『渋谷一夜物語』を思い出しましたが、『渋谷一夜物語』の場合は「語り手」が「聞き手」に脅されて無理やり「語らされている」のに対し、『闇異本』の場合は「聞き手」が「語り手」に脅されて無理やり「聞かされて」います。怨霊っぽい感じで描写されている人物とか、気がふれてしまったと思われる人物が、やたらに女性に偏っているのが気になります。
読了日:07月14日 著者:外薗昌也,高港基資
情熱でたどるスペイン史 (岩波ジュニア新書)情熱でたどるスペイン史 (岩波ジュニア新書)感想
キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラーム教徒の三者の交流によってスペインの文化が形作られていった経緯が詳しく解説されており、タイトルに使われている「情熱」という言葉は、自分の中では、異民族間の接触によって生じた摩擦熱、あるいは、文化が混ざり合うことで生じた混合熱として受け止めました。著者の専門は西洋中世・ルネサンス史だそうで、この本は『パスタでたどるイタリア史』『お菓子でたどるフランス史』『森と山と川でたどるドイツ史』『王様でたどるイギリス史』に続く5冊目とのことです。
読了日:07月14日 著者:池上 俊一
ジパング 深蒼海流(5) (モーニングコミックス)ジパング 深蒼海流(5) (モーニングコミックス)感想
牛若から「(唐の国に)跳ぼう」と誘われ、徳子が「私は入内を覚悟した自分から逃げられませぬ」と返しているのは、要は遠回しに牛若を振っているということなのに、描写的にはまるで「運命のいたずらのせいで結ばれない」かのような演出になっていることに、モヤモヤします。「牛若との恋」よりも「国母になる可能性」を自らの意思で選択したくせに、それを「女の野心」として自覚せず、「入内を覚悟した自分」(=帝の妃)という「立場」を言い訳にする徳子は、あまりに卑怯です。二人の破局を決定付けたのは「不運」ではなく「徳子の意思」です。
読了日:07月13日 著者:かわぐちかいじ
ジパング 深蒼海流(4) (モーニングコミックス)ジパング 深蒼海流(4) (モーニングコミックス)感想
おそらく、牛若と徳子が恋仲である設定には、『ロミオとジュリエット』のイメージが重ねられていると思われますが、ラブストーリー的にはかなり見劣りします。ロミオとジュリエットの場合は「家か恋か」の選択を迫られれば家を捨てて恋を選ぶ覚悟がありますが、牛若と徳子の場合は家(出自)がアイデンティティとなってしまっているため、「家か恋か」という葛藤がありません。それゆえに、二人の描写からは、せいぜい「転校して離れ離れになった中学生」レベルの辛さしか伝わってきません。
読了日:07月13日 著者:かわぐちかいじ
ジパング 深蒼海流(3) (モーニングコミックス)ジパング 深蒼海流(3) (モーニングコミックス)感想
誰も千鶴丸の遺体を確認していないので、てっきり、祐親による千鶴丸殺害は平家を欺くための狂言であり、千鶴丸は生きてどこかに隠されているのかと思いきや、どうやら本当に祐親に殺されてしまっているようなので、驚きました。千鶴丸の死に関しては頼朝は深く悲しんでいますが、八重姫が他の男と無理やり結婚させられていることに関しては特にショックを受けている様子がなく、八重姫の悲しみに思いを馳せる様子も、八重姫を不幸にしてしまったことを悔やむ様子もないので、「それで“女好き”だなんて聞いて呆れるわ!」と思ってしまいました。
読了日:07月12日 著者:かわぐちかいじ
ジパング 深蒼海流(2) (モーニングコミックス)ジパング 深蒼海流(2) (モーニングコミックス)感想
「初めて会った私にあなたは正直に接してくれた 私が生まれてから今までで 一番嬉しいことでした」と牛若から言われて、徳子が感激しているかのような描写になっていますが、徳子は牛若が何者かを知っていながら隠しているわけですから、そこは罪悪感を感じるべきなのでは…? 母親(常磐)と育ての父(長成)は確かに牛若に嘘をついているとはいえ、異父弟の藤丸は嘘などついておらず、兄である牛若を心から慕っているというのに、その弟を無視して、「徳子だけが自分に正直に接してくれている」と思い込んでいるのだとしたら、痛すぎます…。
読了日:07月12日 著者:かわぐちかいじ
ジパング 深蒼海流(1) (モーニングコミックス)ジパング 深蒼海流(1) (モーニングコミックス)感想
『沈黙の艦隊』でも『太陽の黙示録』でも、「日本という国の在り方」をテーマにしていながら「天皇制はどうあるべきか」という問題については巧妙に避けており、5巻までしか読んでいませんが恐らくは『ジパング』(前作の方)でもこの姿勢は同じだと思われますが、『ジパング 深蒼海流』では「人はなぜ帝を求めるのか」「この国ではなぜ万世一系の皇統が続いているのか」という問いを前面に押し出しています。天皇(制)について作中で触れることへの「タブー感」が薄れる時代を探ったら、鎌倉時代になってしまったということなのでしょうか…?
読了日:07月12日 著者:かわぐちかいじ
ジパング(5) (モーニングコミックス)ジパング(5) (モーニングコミックス)感想
石原莞爾の描写は、見た目は一瞬、正岡子規かと思いましたが、雰囲気的なところは勝海舟っぽさがあるように感じられました。大慶(と将来的に命名される場所)から石油が採れると知った石原が「この戦争の構図が根底から変わる!いや戦争どころではない!日本と世界の進路が!!」と興奮していますが、「日本に原爆が落とされる未来」と、その先の「冷戦の時代」を変えることは、果たしてできるのでしょうか?
読了日:07月12日 著者:かわぐちかいじ
50歳からはじめるストレッチの教科書50歳からはじめるストレッチの教科書感想
筋肉だけでなく、関節構造体も、動かさなければ硬くなる…という話(20p)が、とても参考になりました。ストレッチというと「筋肉を伸ばす」というイメージしか持っていませんでしたが、関節を繋ぎ止める靭帯と、関節を包み込んでいる関節包も伸ばしているとのことです。
読了日:07月12日 著者:
ジパング(4) (モーニングコミックス)ジパング(4) (モーニングコミックス)感想
ヴァンデグリフト少尉は「日本の艦隊が帰ったのはエンペラーから預かる艦の損傷を何よりも恐れたからだ」と分析しているというのに、日本人側の描写には「天皇から艦を預かっている意識」というものが全く感じられないというチグハグさが、どうにもひっかかります。「宮城はどこですか」「宮城?ああ皇居ね」という津田と桃井の会話によって、少なくとも津田にとっては「帝国軍人としてのケジメ」に「天皇の存在」が深く関係していることが匂わされているのですが、「天皇の存在」を脱臭することに、あまりにも気を使いすぎでは…?
読了日:07月11日 著者:かわぐちかいじ
アクター(5) (モーニングコミックス)アクター(5) (モーニングコミックス)感想
キララよりも中条の方が好きなので、中条の再登場は嬉しいものの、顔の造形にどうにも小物感が…。キララとの描き分けの都合上、キャラデザの変更は仕方がないのですが、なぜ、小物寄りに…。夢野が「いかに菊池に同意を取らずにエロシーンをやらせるか」と画策している描写には、セクハラという概念がまだ一般化していない当時の風潮が表れています。こういう監督から女優を守る必要性から、「インティマシー・コーディネーター」という仕事が生まれたんですよね…。
読了日:07月10日 著者:かわぐちかいじ
アクター(4) (モーニングコミックス)アクター(4) (モーニングコミックス)感想
髪を切ったキララがあまりにも中条と似すぎているせいで、表紙で踊っている人物はてっきり中条だと思ってしまいました。(頬の傷を見落としていたので…。)この巻では中条がほぼ登場しないので、「天賦の才のキララ」VS「努力家の中条」という対立構図が物語から消えてしまい、そのせいで、キララがただの「お騒がせキャラ」になってしまっています。キララのエキセントリックなキャラクター性を愛でる作品だと割り切ればそれなりに楽しめますが、個人的には、「演技とは何か?」「役者とは何か?」という“問い”を追求してほしいです。
読了日:07月10日 著者:かわぐちかいじ
アクター(3) (モーニングコミックス)アクター(3) (モーニングコミックス)感想
役者にとって必要なのは、「記憶された激しい感情」である…という主張は、つまりは「再現性」の大切さというのもを説いているわけですが、ユダを演じる中条がキリストを演じるキララの頬を“本当に”傷付けてしまうという“演技”は、「人間の肉体の治癒力の限界」の問題があるゆえに、「再現性」はありません。映画の場合は記録媒体によって「再現性」が確保されている都合上、「二度と同じ演技が再現できない」方がかえって商業的には美味しいということになるのですけど、舞台と映画の違いを中条が意識している様子がないのが気になります。
読了日:07月09日 著者:かわぐちかいじ
アクター(2) (モーニングコミックス)アクター(2) (モーニングコミックス)感想
キララは「役の魂が乗り移る役者」=「憑依タイプ」のようですが、憑依は憑依でも、何かの“触媒”を得る必要性のある憑依…? キララの“触媒”となる役者にしてみれば、ひょっとしたらそれは「踏み台にされる」ということになるのか、それとも、「相乗効果によってお互いの演技力が高まる」といウィンウィンの関係になるのか、果たして…? キララがキリスト役で十字架を背負って歩いているシーンには、小学生の時にテレビ放送で観たキリストの生涯を描いた映画を思い出しました。手に釘が撃ち込まれるシーンがめちゃくちゃ怖かったです…。
読了日:07月07日 著者:かわぐちかいじ
コミカライズ魂: 『仮面ライダー』に始まる児童マンガ史 (河出新書 056)コミカライズ魂: 『仮面ライダー』に始まる児童マンガ史 (河出新書 056)感想
すがや先生御自身の体験を元にして昭和のコミカライズ事情が回想されているので、「児童マンガ史」というよりも「すがやみつる版まんが道」といった感じの内容です。本筋のコミカライズに関する記述ももちろん興味深かったですが、個人的に驚いたのは、『ゲームセンターあらし』の「ビッグコンピューターをやっつけろ!」の巻は、山田正紀先生の『襲撃のメロディ』からインスパイアされているというお話でした。私が山田正紀ファンになったきっかけは中学生の時に読んだ『宝石泥棒』ですが、素地は『あらし』を読んだ小学生の時に出来ていた…!?
読了日:07月06日 著者:すがや みつる
まるごとレモンベストレシピBOOKまるごとレモンベストレシピBOOK感想
34~35pのクラフトコーラは、【スパイスの配合はさまざまですが、なるべく材料を少なくしつつも、コーラらしい味を引き出しました】とのことで、チャレンジしやすそうなレシピなので、とても気になりました。材料は「レモン・黒糖・クローブ・カルダモン・ナツメグ・ブラックペッパー・シナモンスティック・バニラビーンズ」なので、比較的入手しやすいものばかりです。
読了日:07月06日 著者:河井美歩
超人キンタマン(2) (てんとう虫コミックス)超人キンタマン(2) (てんとう虫コミックス)感想
「気持ちんよか~~~」というセリフに、時代を感じます。パスタイムのCMのフレーズでしたね…。
読了日:07月05日 著者:立石佳太
超人キンタマン(1) (てんとう虫コミックス)超人キンタマン(1) (てんとう虫コミックス)感想
約40年ぶりの再読ですが、一番好きなキャラだった「オガンダム」(ガンダムのパロディキャラ)の初登場回が未収録で、しかも、名前が「バカラス」に…。手に数珠を持っているのは、「ガンダム」+「拝む」=「オガンダム」だからであり、このネーミングありきでこのキャラは“キャラ立ち”しているといっても過言ではないので、あまりにも残念すぎます。ちなみに、『ウルトラマン』のパロディ作品としての方向性に、やや『キン肉マン』要素があるのは、偶然なのか、意図してなのか…。『Dr.スランプ』の「スッパマン」要素も、若干あります。
読了日:07月05日 著者:立石佳太
オメガ・メガエラ(2) (ITANコミックス)オメガ・メガエラ(2) (ITANコミックス)感想
何の罪もない男の子(犀門の甥)に毒が盛られたり、女中が死んだり…などの深刻な展開がありつつも、人間関係の中で生じている諍いの根本的な原因は「家父長制」と「α・β・Ωの社会構造」であるという前提がしっかりしているため、「性格に難のあるキャラクターが次々にトラブルを起こしている」というような雑なストーリー運びにはなっていません。基本的に、個々のキャラクターの人間性の部分はまともであり、キツい性格だったり、卑屈だったり、狡賢かったりしても、それは「その人なりの処世術」だということが伝わってきます。
読了日:07月04日 著者:丸木戸マキ
オメガ・メガエラ(1) (ITANコミックス)オメガ・メガエラ(1) (ITANコミックス)感想
『斜陽』と『オリバー・ツイスト』を混ぜて昼ドラ感を強めたような雰囲気がありますが、真宮(馬宮)の「性を偽っている」という設定には『オルフェウスの窓』的な少女漫画のノリがあります。…ただし、オメガバース作品なので、ここでいう性とは、「男/女」ではなく、「α/Ω」を意味します。「男女の格差はない世界観」でありながら、「家父長制に起因する格差」と「α・β・Ωで社会が構成されていることに起因する格差」は強固であり、その格差の中で特にスポットが当てられているのは、「“出産する性”に対する抑圧」です。
読了日:07月04日 著者:丸木戸マキ
市野さおりの足裏リフレクソロジー (タツミムック)市野さおりの足裏リフレクソロジー (タツミムック)感想
パンプスやハイヒールで足を酷使している女性向けのアドバイスがあるわけでもなく、掲載されているフットケアの方法自体には男女の差などないというのに、前書きに「最近の女子の足裏は、悲しいほど美しくない!」などという記述があり、「女性に劣等感を持たせて危機感を煽るビジネス手法」があからさまなのがとても不快です。健康維持に関連する記事だけでまとめればよいものを、「指の形と向きで性格がわかる」などいう記事があり、微妙にスピリチュアル系要素を滲ませてしまっています。
読了日:07月03日 著者:市野 さおり
創世のタイガ 3 (ヤングアニマルコミックス)創世のタイガ 3 (ヤングアニマルコミックス)感想
タイガが仔狼を手懐けるのがちょっと早すぎる気がするのですが、『自殺島』にも似たような展開(こちらは仔犬でしたが)があったので、敢えて急いだのでしょうか…。賢者ムジャンジャは幼い頃のティアリに「受けた恩は必ず恩で返せ」と諭していますが、おそらくこれは、道徳心とか倫理観から出た言葉ではなく、「そうすることが結果的に集団としてのホモ・サピエンスを存続させることになる」ということを経験上知っていることから出た言葉であり、「生活の知恵」の延長だと考えられます。
読了日:07月02日 著者:森恒二
創世のタイガ 2 (ヤングアニマルコミックス)創世のタイガ 2 (ヤングアニマルコミックス)感想
主人公が生命のサイクルの輪の中にいることを実感し、それが「生きること」のモチベーションとなっているのは『自殺島』と同じですが、「好奇心が満たされる喜び」「ただ仲間とワイワイやってるだけで得られる楽しさ」「“なりたい自分”を追求しなくてもいい気楽さ」「安全な寝床への狂おしいまでの愛着」が描かれているところに違いがあります。ネアンデルタール人が、『ホーリーランド』のカトーや『自殺島』のサワダのような狂暴性を象徴する存在として描かれていますが、これがスタンダードという設定なのか、それとも一部という設定なのか…。
読了日:07月02日 著者:森恒二
創世のタイガ 1 (ヤングアニマルコミックス)創世のタイガ 1 (ヤングアニマルコミックス)感想
大学生が原始時代にタイムスリップしてしまい、サバイバルするはめになる…というストーリーですが、おそらくタイムスリップの部分はSF的ギミックとしての面白さを追究しておらず、純粋に「原始人類の生活様式や古代生物の生態」の部分に注目した内容だと思うので、『紀元前1万年』とか『恐竜百万年』のような映画が好きな人なら楽しめると思いますが、現代人の女性のキャラ達がステレオタイプな描かれ方をされていて、ただただウザい存在なのが気になります。ラストに登場するホモサピエンスの女性はとても魅力的なのですが…。
読了日:07月02日 著者:森恒二
無法島 3 (ヤングアニマルコミックス)無法島 3 (ヤングアニマルコミックス)感想
「オレの国のモノは全てオレのモノなんだよ」というジャイアニズム的なセリフからすると、もしかしたらジンボのイメージは「汚いジャイアン」…? カイトにようやく「家族を殺した真犯人」への怒りの感情が出てきましたが、「ミソラがレイプされそうになったことを知って暴行を受けた妹を思い出す」という流れであり、なぜ、ミソラと妹をシンクロさせないと真犯人への怒りが湧いてこないのか、少々不可解です。『創世のタイガ』でも思ったことですが、男がいない状況での女同士の会話が「いかにも男の考えそうなガールズトーク」なのはゲンナリ…。
読了日:07月02日 著者:森恒二
無法島 2 (ヤングアニマルコミックス)無法島 2 (ヤングアニマルコミックス)感想
カイトはにとって、「自分は人殺しではない」という“自認”は、自尊心の拠り所であり、守るべき大切なもののようなのですが、そのメンタリティは結果的に「人殺しの自覚のある者」へのマウンティングになってしまっています。自尊心などとっくに奪われ、守るべき大切なものなど何もなく、暴力に対して反射的に暴力で対応してしまうミソラに対して、無意識にマウントを取ってしまうカイトの配慮のなさも気になりますが、もう一つ気になるのは、カイトに「誰が家族を殺したのか」を気にする様子や「真犯人に対する怒りの感情」が全くないことです。
読了日:07月02日 著者:森恒二
後ハッピーマニア(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS)後ハッピーマニア(1)【電子限定特典付】 (FEEL COMICS)感想
前作を読み終わった時、「シゲタとタカハシの間に子供ができたら泥沼なのでは…」という不安に駆られたのですが、子供がいないまま15年間経過しているので、夫婦としての関係は破綻していても泥沼感はなく、前作の「ノリの軽さ」はそのまま維持されています。(むしろ読んでいて辛いのはフクちゃんの方…。)タカハシは元々、「自分の幸福感」を最優先する男なので、「自分で自分を“誠実な男”だと認めて陶酔する幸福感」のためにカヨコ(旧姓シゲタ)に離婚を切り出す経緯は、「あ~、タカハシって、そういう男だよね~」と、納得感があります。
読了日:07月02日 著者:安野モヨコ
警部補ダイマジン 3警部補ダイマジン 3感想
黒河内が「伝説の悪徳刑事」として登場するかと思いきや、浅黄の方が登場。“例の事件”で出世を諦めたと語っていますが、全然後悔していないとのことなので、何よりです。平安は台場を平気で裏切るし、台場を殺人犯で捕まえようとしている七夕は罠にかけられた台場を助けるしで、相変わらず、誰が信用できて誰が信用できないのか、全く分かりません。『クロコーチ』では、間違いなく信用できるキャラは高宮でしたが、今作では、前作の高宮に相当するキャラはいるのでしょうか?
読了日:07月01日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ

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2023年7月のつぶやき

2023年7月1日~7月5日のつぶやき https://min.togetter.com/AuI1Q8y #ミント @min_t_officialより

2023年7月6日~7月10日のつぶやき https://min.togetter.com/Z56A7mh #ミント @min_t_officialより

2023年7月11日~7月15日のつぶやき https://min.togetter.com/mZE0Ofx #ミント @min_t_officialより

2023年7月16日~7月18日のつぶやき https://min.togetter.com/6Z3d4QD #ミント @min_t_officialより

2023年7月19日~7月22日のつぶやき https://min.togetter.com/FJfOykN #ミント @min_t_officialより

2023年7月23日~7月26日のつぶやき https://min.togetter.com/ukBnl7P #ミント @min_t_officialより

2023年7月27日~7月31日のつぶやき https://min.togetter.com/Yf0b9xy #ミント @min_t_officialより
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