更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:65
読んだページ数:9161
ナイス数:1692

雷神とリーマン四【電子限定かきおろしマンガ付】 (クロフネCOMICS くろふねピクシブシリーズ)雷神とリーマン四【電子限定かきおろしマンガ付】 (クロフネCOMICS くろふねピクシブシリーズ)感想
大村は、「性的指向がゲイである」ということよりも、「ゲイであることで近代家族規範に従うことができない」ということの方に強く抑圧を感じているキャラとして描かれており、作品としての方向性はほのぼの系でありながらも、近代家族イデオロギーに対する拒否感が読み取れます。少々ひっかかるのは、「海外で代理母をお願いするって方法もある」という大村のセリフです。「子供を産むのは好きだけど育てるのは嫌い」という女性がいるのならその方法はアリとは思いますが、大抵は、経済的理由で身体を酷使することを余儀なくされているのでは…。
読了日:06月30日 著者:RENA
KAPPEI 5 (ヤングアニマルコミックス)KAPPEI 5 (ヤングアニマルコミックス)感想
英雄は、あまりにも帝王の風格がありすぎるゆえに、一般人の防御本能のメーターを瞬時に振りきらせてしまう男なのに、山瀬だけは全く動じないということは、山瀬の“天然ぶり”は、性格的なものというよりも、本能が壊れているということなのではないでしょうか…? 山瀬の死角で繰り広げられる勝平と英雄の顔芸が、ある意味、息がピッタリで、「この二人、お笑い芸人としてなら、いいコンビになれるのでは…」と思ってしまいました。
読了日:06月30日 著者:若杉公徳
鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)鋼の錬金術師 1巻 (デジタル版ガンガンコミックス)感想
「機械の身体を元に戻す方法を求めて二人で旅をする」というシチュエーションなので、『銀河鉄道999』の逆パターンと言えます。エルリック兄弟が機械の身体になってしまった背景は重いですが、作風はカラッと明るいです。
読了日:06月30日 著者:荒川弘
悪夢障害 (幻冬舎新書)悪夢障害 (幻冬舎新書)感想
悪夢には心身に悪い影響しかないと思っていたので、プラスとマイナスの両面があるという記述には驚きましました。うつ病のサインの可能性がある一方で、日中に受けたストレスの処理をするという癒し効果の面もあるのだそうで、メンタルヘルスの一環としての夢の研究(スピリチュアル寄りの話ではなく)の重要性がよく分かりました。悪夢を見て叫ぶ場合はパーキンソン病のサインの場合があるとのことなので、高齢者をケアする立場の人も、目を通しておいて損はない本です。
読了日:06月29日 著者:西多 昌規
曽祢まさこ短編集 王さまはネコがきらい 完全版曽祢まさこ短編集 王さまはネコがきらい 完全版感想
『王さまはネコがきらい』『眠る、眠れば、眠り姫』『きゃっ♡白雪王子さま』『忘れ髪の姫君』が収録されています。あとがきによると、『王さまはネコがきらい』は、「今(あとがきが書かれたのは2000年8月)から十数年前、東京都がネコの放し飼いを禁止する条例を作ろうとして、愛猫家の猛反対にあい挫折するという事件」があったことをきっかけにして頭に浮かんだ話なのだそうで、だとしたら、微妙に時事ネタ(1980年代の)が含まれているということになります。
読了日:06月29日 著者:曽祢 まさこ
もっと知りたい リクガメのこと 幸せに暮らす 飼い方・育て方がわかる本 コツがわかる本もっと知りたい リクガメのこと 幸せに暮らす 飼い方・育て方がわかる本 コツがわかる本感想
リクガメを飼う気はないので、興味本位だけで読んだのですが、リクガメを散歩させている写真を見たら、「散歩だけならやってみたいかも…」と思いました。…とはいえ、「甲羅が迷彩になっているので見失いやすい」「カラスやネコなどに襲われないようにする」「薬剤が散布されていたり、毒素を含む野草が生えている場所は避ける」などの注意点があるので、かなり気を遣うことになりますが…。
読了日:06月29日 著者:
海にしずんだ伝説 (ゴマブックス×ナンバーナイン)海にしずんだ伝説 (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
『海にしずんだ伝説』『赤いわな』『12月のエルメイン』が収録されています。『海に~』は、表紙の雰囲気からてっきりムー大陸かアトランティス大陸の話かと思ったら、フランスのドアルヌネのイサ(イス)伝説がモチーフで、シェイクスピアの悲劇に近い雰囲気の物語でした。『赤いわな』は、「夫婦間の愛」と「子供への愛」が「人身売買」という犯罪に向かってしまう「罠」を描いています。『12月~』は、遺伝病の保因者への差別がテーマとなっていますが、「差別の問題」と「母と娘の問題」が一体化している構成はちょっとどうかと思いました。
読了日:06月28日 著者:曽祢まさこ
錬命術 岸大武郎SF短編集錬命術 岸大武郎SF短編集感想
少年ジャンプで連載されていた『恐竜大紀行』の続編にあたる『大恐竜記』はとても面白かったのですが、表題作の『錬命術』と同時収録の『ジュリアの法則』はパターナリズムと男の都合丸出しのジェンダー観が酷く、山本弘系統の作家にありがちな「理系を自負している日本人男性の危うさ」がモロに出ていて不快でした。『錬命術』は「子供を諭すよりも、まずは大人の方こそ反省しなければならない」という視点が皆無ですし、『ジュリアの法則』の2話目は女子高生にオッサンの代弁をさせ、尚且つオッサンのプライドに配慮もさせているのが最低です。
読了日:06月28日 著者:岸 大武郎
悪魔の十三夜 完全版 (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪魔の十三夜 完全版 (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
吸血鬼とゾンビの中間のような存在と、「切り裂きジャック」が登場するゴシック・ホラーですが、ただ怖いだけでなく、少年と少女のほろ苦いラブストーリー、秘密を共有する三人の女たち(主人公・主人公の母親・使用人)の奇妙な連帯感、「切り裂きジャック」を支配下に置く主人公のしたたかさなども見所です。
読了日:06月28日 著者:曽祢まさこ
七日間の婚約者 (ハーレクインコミックス)七日間の婚約者 (ハーレクインコミックス)感想
「愛する女性をセフレ扱いすること」が「結婚を望ない自分にできる精一杯の誠意」ということになってしまっているクリストの歪んだ価値観がめちゃくちゃ痛いのですが、そんなクリストに対して「首を絞めてやりたい」「無慈悲すぎるわ!」「わたしは悪魔と契約してしまったの?」と思うほどショックを受けたナタリーがすぐに「いいえ彼はただはっきりさせただけよ」と納得して「折り合あいをつけることを学ばなければ」と自分に言い聞かせてしまうのは、あまりにも「男に都合のよい物分かりの良さ」で、読んでいてモヤモヤしてしまいました。
読了日:06月27日 著者:楠 桂,アン・マカリスター
シークの誘い (ハーレクインコミックス)シークの誘い (ハーレクインコミックス)感想
「雪の降るロンドン」から物語がスタートし、「熱砂の国」で終わるという舞台設定はメリハリがあって良かったものの、アミールにいたと思われる政略結婚の相手がどうなったのか分からないのがモヤモヤします。アミールがリディアとの交際を三日間限定にしていた理由は「皇太子という立場だから」であり、「その立場なら政略結婚をするのが当然」とする価値観をリディアとアミールが共有していたから「三日間限定の交際」をしていたはずで、実際、テレビで「プリンスは近々結婚のために帰国」と報じられているシーンもあるのですが…。
読了日:06月27日 著者:JET,ケイト・ウォーカー
まんがグリム童話 金瓶梅 (49)まんがグリム童話 金瓶梅 (49)感想
巧二児の召使として周家にやってきた恵衣(二児によってつけられた新たな名前は参児)は、働きぶりは真面目ですが、春梅に対して腹に一物あるようなところがあり、何かトラブルを起こしそうな予感が…。春梅の召使の双葉には、かなりの観察力や勘の鋭さがあり、かつての西門家の中での春梅に近い存在感を帯びてきました。
読了日:06月27日 著者:竹崎真実
自然派インド料理ナタラジレシピブック自然派インド料理ナタラジレシピブック感想
十数年前、銀座に行った時、なんとなく入ったインドカレー店でランチブッフェを食べたら、お米を使った甘いデザートがとてもおいしかったのですが、この本に載っている「お米の豆乳キール」がどうやらそれっぽい感じがするので、もしかしたらその時に入ったお店はナタラジ銀座店だったのかも…と思い、公式サイトを見てみたら、銀座店は2022年3月22日に閉店したとのお知らせが…。コロナのせいなのかと思ったら、「ビルの建て替えに伴い退去」とのことで、他の店舗は営業していました。(ただし大阪梅田店は2015年に閉店しています。)
読了日:06月26日 著者:Nataraj(ナタラジ)
「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理感想
タイトルは「ルポルタージュ」+「論説」という印象を与えるのに、やっていることは「犯罪者(またはその家族)に関わる活動をしている人(ただし第五章に出てくる学生団体は犯罪とは関係ありません)のインタビュー」で、その割には著者がンタビュアーに徹しないで自分の見解をぐいぐいねじ込んでくる構成なので、ジャーナリスティックな姿勢のなさに読んでいてモヤモヤしました。あとがきによると、著者は「サブカルチャー論」と「自分探し」の延長で犯罪者の心理に興味を持っているタイプのライターなので、それが悪い方向に出てしまっています。
読了日:06月25日 著者:インベカヲリ★
雷神とリーマン三【電子限定かきおろし付】 (クロフネCOMICS くろふねピクシブシリーズ)雷神とリーマン三【電子限定かきおろし付】 (クロフネCOMICS くろふねピクシブシリーズ)感想
「勉強もスポーツもできる優秀な兄」に対する大村のコンプレックスは「悔しさ」としてはっきりと表現されていますが、「結婚して子供を作って親に孫の顔を見せてあげる親孝行ぶり」に対するコンプレックスは「表面的な笑顔」でしか表現されておらず、このシーンに、大村の「諦め」と「罪悪感」が滲み出ています。姪っ子のことは本心から可愛いと感じているので、大村はおそらくは子供好きな男なのですが、「自分の子供を誰かに産ませること」には全くこだわっておらず、ただ純粋に「身近な子供の成長」を楽しみにしていることが伺えます。
読了日:06月24日 著者:RENA
石井あゆみ短編集 (ゲッサン少年サンデーコミックス)石井あゆみ短編集 (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
『シローくんとつぐみちゃん』『大和と童子』『佐助君の憂鬱』『なぞの少年』(初出は2005~2007年の「少年サンデー超増刊」)『妙林寺の注くん』『悩める単細胞』(未発表作品)が収録されています。男の子のキャラのアホっぽさが、「小学館系の古き良き少年漫画」という感じ(創刊まもない頃のコロコロとか)なのですが、絵柄がサブカル系のヘタウマ(良い意味で)なので、「子供向けとも青年誌向けともいえない」という、ニッチな作風です。内容は全年齢向けですが、変に「いい話」でまとめていないので、道徳漫画的要素はゼロです。
読了日:06月24日 著者:石井 あゆみ
まんがグリム童話 金瓶梅 (48)まんがグリム童話 金瓶梅 (48)感想
ネグレクト状態だったせいで自分の意思というものを持ってこなかった美々が、猫を助けるために木に登るようになるまでアクティブになり、同じ動物を愛する者が相手であればコミュニケーションを取れるようになるまで成長していることに、ホッとしました。…とはいえ、母親の巧二児が、美々のことを優先して物事を考えることができないのは、相変わらずですが…。
読了日:06月24日 著者:竹崎真実
王家の紋章 3 (プリンセス・コミックス)王家の紋章 3 (プリンセス・コミックス)感想
“現代”に戻ったキャロルが、再び3000年前にタイムスリップすることになってしまったのは、アイシスが現れて「そなたを殺して死体を古代へ連れていく」と言ってキャロルの首を締めようとした拍子にキャロルを湖に落としてしまったせいなのに、アイシスの口から「今度はわたくしが古代へ引き込んだのではない」というセリフが…。21世紀のアイシス(ミイラから甦ったアイシス)と3000年前のアイシス(現役時代のアイシス)との間に明らかに解離が生じており、アイシスは自分の知らない「未知の力」が動いているのではないかと推測します。
読了日:06月24日 著者:細川智栄子あんど芙~みん
王家の紋章 2 (プリンセス・コミックス)王家の紋章 2 (プリンセス・コミックス)感想
この作品を読んでいて一番気になるのは、現代パートの「ミイラから甦ったアイシス」の意識と、古代パート(3000年前)の「現役時代のアイシス」の意識が完全にシンクロしていることです。「死後のアイシス」は、メンフィスが若くして亡くなったことを当然知っていますが、「生前のアイシス」は知らないわけで、この「記憶や経験の差」が、アイシスの中でどう整合性が取られているのか、いまいちよく分かりません。キャロルが「メンフィスは18歳くらいで死ぬ」という「本来の歴史」を忘れているように見えるのも気になりますが…。
読了日:06月23日 著者:細川智栄子あんど芙~みん
王家の紋章 1 (プリンセス・コミックス)王家の紋章 1 (プリンセス・コミックス)感想
秋田文庫版を数年前に読んでいますが、プリンセスコミックス版を読むのは約40年ぶりです。序盤はホラー要素がかなり強く、メンフィスにツタンカーメンのイメージがかなり投影されています。キャロルが3000年前のエジプトにタイムスリップしてしまう現象は、現代に甦ったアイシスによる「呪い」のせいなのですが、その「呪い」の結果、キャロルとメンフィスが出会ってしまい、本来の「姉弟ただ二人で助け合って生きた」という歴史が改変されてしまうとは、皮肉な話です。元の歴史ではアイシスはラガシュ王と結婚していないということですね…。
読了日:06月23日 著者:細川智栄子あんど芙~みん
僕たちがやりました(9) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(9) (ヤングマガジンコミックス)感想
テレビドラマ版を観た後に原作を読んで正解だったなぁ…と感じた最終巻でした。テレビドラマ版は「罪と罰」というテーマの物語として相応しいラストで締めくくられていましたが、原作は「トビオが心の中で蓋をしていたモノ」の“真の正体”が明かされる形でラストを迎えているので、「罪と罰」というテーマを追求するのではなく、サイコホラー的な演出でオチを迎える方向性になっています。トビオの「死ねばいいだけの話だろ」というセリフの「死ねばいい」の部分は、自分に向けているだけではなく、矢羽高生に向けた本音でもある…と解釈できます。
読了日:06月22日 著者:金城宗幸,荒木光
僕たちがやりました(8) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(8) (ヤングマガジンコミックス)感想
原作では、トビオたちが“公開自首”のために野音を乗っ取った時に行われていたのは、フリーセックス啓蒙イベントですが、テレビドラマ版だとエンディングテーマを歌っている DISH// のライブというメタ的な演出になっていたので、この部分に関しては、テレビドラマ版の方が断然皮肉が効いていました。ちなみに、玲夢を演じていたのは元スーパー戦隊の俳優さんで、ヤングを演じていたのは元仮面ライダーの俳優さんなので、特撮ファンにとっては、ものすごくインパクトのあるキャスティングでした。
読了日:06月22日 著者:金城宗幸,荒木光
僕たちがやりました(7) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(7) (ヤングマガジンコミックス)感想
バラバラだったトビオ・伊佐美・マル・パイセンは、それぞれに絶望を抱えながら、「自首をする決意」で一致団結することに…。トビオは「自由が何かとかはまだよくわかんないけど」と前置きしながらも「自由が自分の幸せなんだと思う」と自分なりの結論を出しており、幸せとは何かという「哲学的な問い」と、市橋を自殺させてしまったことによる「良心の痛み」の両方と向き合う姿勢を持ち始めます。
読了日:06月22日 著者:金城宗幸,荒木光
僕たちがやりました(6) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(6) (ヤングマガジンコミックス)感想
トビオは飛び降り自殺に失敗して「新しい俺」を始め、伊佐美は罪悪感が原因のEDを克服するために「虚言のお遍路さん」(鎮魂のためではなくチ●コのために弔問する)となり、マルは自分を「被害者の立場」だと思うことで「罪悪感を感じない自分=罪悪感に勝った強者」と自認して優越感に浸り、パイセンは「自分は親から愛されているのか」を確認したくて父親に会おうとし、前巻の飯室の言葉は四者四様に影響を及ぼします。この巻のラストの市橋の行動を知っていると、病院の屋上での「俺さぁ自信ない奴嫌いなんだよねー」という語りが切ないです。
読了日:06月21日 著者:金城宗幸,荒木光
僕たちがやりました(5) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(5) (ヤングマガジンコミックス)感想
「爆破事件で10人殺した罪」をパイセンの父親(風俗業界の首領・輪島宗十郎)が金の力で揉み消したことで、元々の罪(傷害致死罪)に「無関係の人間に罪を着せた罪」が上乗せされたことを知ったトビオたちは、「真実は闇の中」であることをいいことに開き直ろうとしますが、何もかも知っている警察官の飯室が現れ、「幸せを感じるたびに人の命を奪ったことを思い出せ」という言葉を投げ掛けたことにより、少なくともトビオにはその言葉は呪いのように作用します。(伊佐美は気にしていないように見えますし、マルはますます増長していますが…。)
読了日:06月21日 著者:金城宗幸,荒木光
僕たちがやりました(4) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(4) (ヤングマガジンコミックス)感想
今宵と蓮子は、気軽にセックスに応じるか応じないかでは大きな違いがありますが、困っていたり弱っていたりする人を見過ごしてはおけないところは共通しており、こういう「女性キャラの優しさ」は男性向け漫画では「母性」として描かれがちなのですが、『僕たちがやりました』では「人間として備わっている良心」として描かれています。今宵と蓮子の行動原理は「良心」であり、ヤングの行動原理は「哲学」ですが、トビオや市橋に代表される男子高校生キャラたち(と、パイセン)のこれまでの行動原理には、「良心」も「哲学」も欠落しています。
読了日:06月21日 著者:金城宗幸,荒木光
僕たちがやりました(3) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(3) (ヤングマガジンコミックス)感想
伊佐美とマルは性欲を発散すればするほど馬鹿っぽくなっていき、トビオは性欲の発散が不発に終わるたびに賢者モードに突入しているので、この作品では「射精→賢者モード」という”お約束“は踏襲されていません。伊佐美とマルは「性欲」と「生存欲求」がストレートに結び付いているのに比べ、トビオは「恐怖心」と「生存欲求」の結び付きが強いらしく、咄嗟にアパートの二階から飛び降りるシーンに、それがよく現れています
読了日:06月20日 著者:金城宗幸,荒木光
母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記感想
「苦労話」で終始していない体験記です。介護問題を「家庭の問題」ではなく「社会の問題」として解決しなければならない理由がよく分かる内容となっており、著者のジャーナリスティックな視点がとても活かされています。介護問題に付随するジェンダー問題に切り込む視点はないので、政治と行政が「介護=社会的な事業」と理解せずに「家族の絆」を持ち出してくる理由に女性差別があることや、「認知症が原因で生じていたコミュニケーションの齟齬」が「嫁と姑の対立=女の性根の問題」とみなされてきたことへの問題提起がないのが少々残念でした。
読了日:06月18日 著者:松浦 晋也
僕たちがやりました(2) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(2) (ヤングマガジンコミックス)感想
ノリでやってしまった悪戯が大惨事を引き起こして死傷者を出してしまったという「予想外の結果」に対する混乱に加え、パイセンが持ち出してきた大金に対する混乱や、恋の駆け引きに対する混乱(これはトビオのみ)もあり、登場人物たちの迷走が痛々しいです。テレビドラマ版は、Mrs. GREEN APPLE と DISH// の主題歌のポップさと、役者さん達のテンションの高い演技の相乗効果で、「青春グラフィティ」的な要素が強めに出ていたのですが、原作だと「これも青春の一ページ」という感じはあまりありません。
読了日:06月17日 著者:金城宗幸,荒木光
失われゆく娯楽の図鑑失われゆく娯楽の図鑑感想
表紙とタイトルの印象から、てっきり、竹馬とかケイドロとかの「子供の遊び文化」をテーマにした本かと思ったのですが、「大人目線で過去を振り返った時に刺激的と感じる娯楽」をテーマにしているので、ビニ本とかダイヤルQ2とかノーパン喫茶などのエロ方面のネタが多く含まれています。「図鑑」と銘打たれていますが、ライターの「自分語り」の部分がかなりあり、ライターの4人(久保田龍雄氏・小川隆行氏・浅羽晃氏・後藤豊氏)がそれぞれ「私」という一人称を「共有」しているように感じてしまう構成には違和感を感じてしまいます。
読了日:06月17日 著者:
とりさんが教えてくれる 誰でもわかるハワイ語の本とりさんが教えてくれる 誰でもわかるハワイ語の本感想
「ハワイアンソングの歌詞を理解できるように」というコンセプトの本なので、旅行・受験・ビジネスなどを目的とした外国語の本とは違った雰囲気なのが、とても面白かったです。
読了日:06月17日 著者:鳥山親雄
僕たちがやりました(1) (ヤングマガジンコミックス)僕たちがやりました(1) (ヤングマガジンコミックス)感想
先にテレビドラマ版の方を視聴していたので、原作を読んで、テレビドラマ版の再現度の高さを確認できました。特に、今野浩喜氏(元キングオブコメディ)の演じるパイセンがあまりにも原作通りなので、「元々今野氏をモデルにしたキャラだったのでは!?」と思うほどです。違う部分として気付いた点は、ドラマ版にはサンシャイン池崎氏の「ジャスティス!」のネタがあったことと、女性教員が重要キャラとして出ていたことと、爆弾を作るシーンがあったことです。(原作だと、爆弾作りの過程は省かれていて、完成した状態で出てきます。)
読了日:06月16日 著者:金城宗幸,荒木光
女帝の手記 5巻女帝の手記 5巻感想
藤原仲麻呂への愛をすっかり失ったとはいえ、殺したいと思うほどの恨みがあるわけではなく、失脚させることができれば充分だったのに、「仲麻呂派」vs「反・仲麻呂派」の戦争(恵美押勝の乱)になってしまう流れには、政治に翻弄され続ける阿倍の人生の悲劇性が特に色濃く表れていますが、討ち取られた仲麻呂の首の検分を「わたしが命令をくだした結果だから」と自ら行うシーンには、阿倍の「覚悟」が強く感じられ、阿倍が理想としていた「天皇としてのマインドセット」が、ここでようやく確立したと言えます。
読了日:06月16日 著者:里中 満智子
女帝の手記 4巻女帝の手記 4巻感想
藤原仲麻呂の息がかかった大炊王が天皇の座に就いたことで、阿倍は仲麻呂から利用されていたという現実を直視せざるを得なくなり、更に、一方的に親近感を持ったり同情したりしていた井上内親王が出産したことを知って「嫉妬」と「自己憐憫」と「孤独」に打ちのめさることになり、病床に臥してしまいますが、道鏡の「言葉」によって「生きること」に前向きになります。宮子の心の病が玄昉によって回復したのも、ひょっとしたらこんな感じだったのかも…と想像しました。(描写的には、「言葉」ではなく「法力」で回復したことになっていますが。)
読了日:06月15日 著者:里中 満智子
新装版 範馬刃牙 2 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)新装版 範馬刃牙 2 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)感想
刃牙はアリゾナ州立刑務所に入りたくてわざと犯罪っぽい行為をしましたが、アイアン・マイケルの場合は、好きで刑務所に入ったわけではなく、ガチで犯罪を犯したから…? 一体何をしでかしてしまったのでしょうか…。巻末に収録されている週刊少年チャンピオン連載時の「巻末目次コメント」(2006年17号~32号)に出てくる「車田先輩」とは、車田正美先生のことでしょうか?、【車田先輩、ゼヒ俺と対立を。(24号)】【車田先輩、あなたのその椅子。俺も座りたい。(30号)】
読了日:06月15日 著者:板垣恵介
ハピネス (IKKI COMICS)ハピネス (IKKI COMICS)感想
『嬲られ踏まれそして咲くのは激情の花』『ロリータ7号』『あくまのうた』『もしも』『ハピネス』『雲のへや』『インディゴエレジィ』『アングラ★ドール』が収録されています。『あくまのうた』と『もしも』は2人の少女の友情が描かれていますが、それ以外は男女の恋愛観の「越えられない壁」が描かれています。(ただし『インディゴエレジィ』は2人の少年の友情もテーマに含んでいます。)女側は「嬉しさ」や「幸福感」を求める傾向にあるのに対し、男側は「快・不快」を求める傾向にあり、この違いが男女の気持ちのすれ違いに繋がっています。
読了日:06月14日 著者:古屋 兎丸
女帝の手記 3巻女帝の手記 3巻感想
遷都と大仏建立くらいしか自分の意思というものを強く主張してこなかった聖武天皇が退位し、ついに阿倍が天皇に即位します。皇太子時代に唯一の心許せる存在だった吉備真備が左遷されてしまったことに全く危機感を感じず、真備を左遷させた張本人である藤原仲麻呂との恋愛に現を抜かす様子には、真備によって気付かされた「自己研鑽の喜び」はすっかり失われたかのように見えますが、道鏡との哲学的な会話(「救いとは何か?」「人は何のために生まれてきたのか?」)によって、道鏡が真備に変わる「師」となることが匂わされています。
読了日:06月14日 著者:里中 満智子
ショパン 2021年 4月号 [雑誌]ショパン 2021年 4月号 [雑誌]感想
『JAPAN in 2021─邦人作曲家特集─』が面白かったです。インタビューが載っている作曲家は植松伸夫・井川憲次・Ken Arai・椎名豪・澁江夏奈、劇伴音楽愛好家としてインタビューに応じているのはAnimenz(ピアノソロアレンジャー/スタインウェイアーティスト)です。
読了日:06月14日 著者:ショパン編集部
女帝の手記 2巻女帝の手記 2巻感想
阿倍内親王が女性の身で立太子したのは、安積親王を皇太子にしないための苦肉の策ですが、不思議なのは、なぜ阿倍内親王と安積親王を結婚させるという選択肢を検討しないのかということです。この2人の年齢差程度なら、阿倍内親王が年上であるのはさほど問題ではないと思うのですが…。安積親王が天皇に即位すれば、自動的に阿倍内親王は皇后になるわけで、外戚として藤原家は充分に権力を発揮できたはずですが、よほど「完全に藤原家の言いなりになる天皇」にこだわった結果なのか、それとも、「初の女性皇太子」の前例作りが大事だったのか…。
読了日:06月13日 著者:里中 満智子
楳図かずおこわい本 (怨念) (楳図かずお恐怖文庫 (9))楳図かずおこわい本 (怨念) (楳図かずお恐怖文庫 (9))感想
『谷間のユリ』(初出は1972年「女性セブン」)、『ねむり少女』(1965年東邦出版刊)、『木の肌花よめ』(1966年「別冊少女フレンド」)、『恐怖人間』(1963年「残酷物語」)が収録されています。『谷間のユリ』と『木の肌花よめ』はルッキズムをテーマにした作品です。『ねむり少女』は、もしかしたらナルコレプシーから着想を得て描かれた作品でしょうか? 『恐怖人間』は『フランケンシュタイン』から着想を得ているのが明らかですが、ラスト2ページをどう解釈すべきか悩みます。科学への過剰な期待への揶揄でしょうか…。
読了日:06月13日 著者:楳図 かずお
世界の美しい本 (Pie × Hiroshi Unno Art)世界の美しい本 (Pie × Hiroshi Unno Art)感想
コストを惜しまずに製作された豪華本は、書物というより、もはや工芸品なんだなぁ…と感じました。一部の本は、厚みが分かるように撮影してあったり、背表紙を含めた状態で装丁が見えるように撮影してあったりして、「立体物」として本のデザインが把握できるように配慮されている点はとても良かったのですが、できればサイズのデータも記載してほしかったです。中には、相当巨大なサイズの本もあるのではないでしょうか…?
読了日:06月12日 著者:
梅のレシピ55梅のレシピ55感想
コラムによると、南高梅を栽培している地域(主に和歌山県みなべ町と田辺町)は、年貢として収める米があまり育たなかったため、生命力の強い「やぶ梅」に注目して栽培を始めたことが、日本一の梅の里として名を馳せることになったのだそうです。スーパーでは中国産の梅を使った梅干しもたくさん売られているので、中国の梅の栽培事情も気になりました。
読了日:06月12日 著者:上村 泰子
續・ポルノグラファー プレイバック【特典付】 (onBLUE comics)續・ポルノグラファー プレイバック【特典付】 (onBLUE comics)感想
序盤で『アケミちゃん』の登場人物(静雄と春子)が出てきたので、「おっ!特別出演?」…と思いきや、ガッツリとクロスオーバーしていました。明実親子と木島が一緒にいるシーンがあまりにもなじみすぎていて、この三人の生活がもっと読みたくなってしまい、久住がお邪魔虫のように感じてしまいました。(準主役なのに…。)できれば、木島が実家の家族と波長が合わない理由をきちんと掘り下げてほしかったです。一応、母親が「娘」と「息子」で子育てに差をつけたり、お金で気を引こうとしたりする人物であることが、匂わされてはいますが…。
読了日:06月10日 著者:丸木戸マキ
本橋兄弟 新装版 : 2 【電子版特典2Pマンガ付き】 (アクションコミックス)本橋兄弟 新装版 : 2 【電子版特典2Pマンガ付き】 (アクションコミックス)感想
貴也の入院のエピソードは、貴也に対して「だれそれを心配させるな」という類いの「お説教の形をとった気遣いの強要」を誰もしていないところが、とても心に残りました。特に、智也とオーナーは、自分達の「先回りの気遣い」を貴也に決して悟らせないようにしており、おそらく作者のRENA先生は、「気遣いができる人間かどうかを評価されるプレッシャー」というものに敏感なのではないでしょうか? そして、「自分がいかに気遣いができる人間かをアピールするために他人の苦しみを利用するようなことはしたくない」という思いがあるでは…。
読了日:06月10日 著者:RENA
女帝の手記 1巻女帝の手記 1巻感想
日経新聞で連載中の安部龍太郎先生の『ふりさけ見れば』(阿倍仲麻呂と吉備真備の2人が主人公の小説)で、吉備(下道)真備が阿倍内親王と会話する描写があり、「そういや『女帝の手記』ではどんな感じだったっけ?」…と気になったので、約20年ぶりに再読しました。阿倍内親王の人物像には大きな差はないのですが(ただし『女帝の手記』の方はやや反抗的なところがあります)、『女帝の手記』の真備の優し気な雰囲気は『ふりさけ見れば』の阿倍仲麻呂に近く、むしろ俗っぽい雰囲気のある玄昉の方が『ふりさけ見れば』の真備像に近いです。
読了日:06月09日 著者:里中 満智子
まんがグリム童話 金瓶梅 (47)まんがグリム童話 金瓶梅 (47)感想
李瓶児の魂魄が離れたことで仮死状態になっていたせいで、危うく露々の肉体は、若くして亡くなった美青年と冥婚させられるところでしたが(つまり一緒に葬られそうになった)、梨花・秋菊・潘金連のおかげで魂魄は元の肉体になんとか無事に戻ります。…ですが、男に振り回されすぎた露々は、「自分の将来は自分で決めたい」という理由で「女人として生きることをやめる」と宣言し、髪を切り、男性の装いをし始めます。呉月娘の計らいで露々は林傾香という少女(既婚者)と友達になりますが、2人のシスターフッドは次第に不穏な様相を帯びてきます。
読了日:06月09日 著者:竹崎真実
カタツムリハンドブックカタツムリハンドブック感想
和名がついた日本のカタツムリ約800種類のうち、身近なもの中心に147種を掲載した、カタツムリの入門書です。図鑑として眺めるだけでも楽しいですが、コラムの内容も面白く、特に、マイマイ系の系統樹の話が興味深かったです。マイマイは右巻き同士、左巻き同士でしか交尾できないので、突然変異によって右巻きから左巻きが生まれた場合、左巻き同士で交尾をすることで元の集団と隔離が生じることになるのだそうで、つまりは、巻きの方向を決定付けるたった一つの遺伝子の突然変異で種分化が起こりうるのだそうです。
読了日:06月09日 著者:西 浩孝
純金の童話 (秋田文庫 9-16)純金の童話 (秋田文庫 9-16)感想
若返りの薬の研究をしていた父親の実験によって毒の吐息を吐く人間兵器になってしまったオリーと、オリーの毒が効かない体質のイーヴと、ついうっかりイーヴが作った薬を飲んでしまい霊魂が見える体質になってしまったマリニーの3人の旅を描いた物語です。ラブロマンス要素あり、冒険活劇要素あり、オカルト要素あり、ファンタジー要素あり…と、色々詰め込んでいますが、テンポよく読み進めることができ、食べ物に例えれば、まるで「デリケートな高級洋菓子」のようです。科学のデュアルユースや身分格差などの社会問題も物語に組み込んでいます。
読了日:06月08日 著者:木原 敏江
世界で一番くわしい木材 最新版世界で一番くわしい木材 最新版感想
日本人が読むことを想定して、日本人によって書かれた、日本の木材活用の本なので、「世界で一番くわしい~」というタイトルは、ちょっとどうなのかと思います。著者としてクレジットされている「世界で一番くわしい木材」研究会なる組織は、巻末で「木の建築と木材活用に関心を持つ有志の集まり」と説明されており、メンバーが列挙されていますが、所属する会社の名称(例外的に、大学名が挙げられている人と、ただ「木童」とだけ書かれている人(チーム名?)がいます)しか書かれておらず、来歴が全く分かりません。
読了日:06月07日 著者:「世界で一番くわしい木材」研究会
まんがグリム童話 金瓶梅 (46)まんがグリム童話 金瓶梅 (46)感想
于英の実母の鮑夏魚のたちの悪さは相当なものですが、春梅がめちゃくちゃしっかりしているおかげで、夏魚の悪意を躱すことなどお手のもの…かと思いきや、夏魚の悪意の矛先が三葉に向かい、三葉は折檻死してしまうことに…。西門慶に胸キュンする三葉の様子が微笑ましかっただけに、三葉の死はショックでした…。、西門慶が春梅を気遣ってくれていることと、夏魚のペットの黒貂の抱闇が美々に懐いていることが救いです。
読了日:06月06日 著者:竹崎真実
パリピ孔明(2) (コミックDAYSコミックス)パリピ孔明(2) (コミックDAYSコミックス)感想
前巻では、英子が歌っているのは自作曲なのか既存曲なのか不明だったのですが、この巻の英子の「10万イイネの足しになるかわからないけど・・曲作ってみたんだ・・!」というセリフと、恥ずかしそうな表情からすると、これまで歌っていたのは全て既存曲…? だとしたら、前巻で孔明が泣いて感動していたのは、名曲補正の可能性が…。この巻で登場する河辺というラッパーが、前巻の孔明同様、英子の歌を聞いて泣いて感動していますが、これは「河辺が高校の時に聞いていた曲だから」という理由があり、明確に名曲補正と思い出補正が入っています。
読了日:06月06日 著者:四葉夕卜,小川亮
1自分のことを話そう (3語で話せる! 英語で日本を紹介しよう)1自分のことを話そう (3語で話せる! 英語で日本を紹介しよう)感想
「3語で話せる」というコンセプトは、英語学習の初級としてはとても良いと思うのですが、イラストと写真を併用するという構成に違和感があります。奥付によると、写真は「PIXTA」となっているので、つまりはストックフォトなのですが、いかにも「ネットで無料で読める記事に使われがちな写真」をチョイスするというセンスは、正直、どうかと思います。なぜ、イラストで統一しなかったのでしょうか…。
読了日:06月06日 著者:
ナミさまが危ない!(3) (ゴマブックス×ナンバーナイン)ナミさまが危ない!(3) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
サスペンスの部分はそれなりの解決を見ているのですが、七尾奈美がアシスタントにシナリオを丸投げしていた件(つまりゴーストライターがいた)が不問になってしまっています。結局のところ、奈美にとって漫画は「承認欲求を満たすための手段」でしかなかく、最終的に物語は「女としての幸せの追求」でオチをつける方向性で収束しているため、「漫画家と編集者の職業倫理の問題」が矮小化してしまっています。
読了日:06月06日 著者:芥真木,ひびきゆうぞう
ナミさまが危ない!(2) (ゴマブックス×ナンバーナイン)ナミさまが危ない!(2) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
この巻では、2人のキャラクターの過去を辿る過程で、「作画グループ」のメンバー4人(羽場よしあき先生・みなもと太郎先生・聖悠紀先生・清水勇之進氏(聖先生の電話番))、わたなべまさこ先生、永井豪先生、藤子不二雄先生(この頃はまだ「藤子・F・不二雄」「藤子 不二雄Ⓐ」名義ではありません)が登場されています。永井豪先生が設立したダイナミック・プロが、どんな形態で運営されているのかが分かり、人材の多様性や流動性が、まるで中国の春秋戦国時代の食客みたいだなぁと思いました。
読了日:06月05日 著者:芥真木,ひびきゆうぞう
ナミさまが危ない!(1) (ゴマブックス×ナンバーナイン)ナミさまが危ない!(1) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
芥真木先生による前書きによると、この作品は「マンガ界の内幕」を描いた作品で、1981年に『女性セブン』に連載されたそうです。マンガの専門誌ではなく一般向けの女性週刊誌だからこそ業界のタブーに触れるようなストーリーにできたとのことで、「様々な意味で、おそらく二度と生み出せないであろう、記念碑的な作品です」と述べていますが、実録モノというわけではなく、内容はあくまで「サスペンスフルなフィクション」であり、実在の漫画家は登場しますが(この巻だと手塚治虫先生が登場しています)、メインキャラクターは架空です。
読了日:06月05日 著者:芥真木,ひびきゆうぞう
ヴァルダ-迷宮の貴婦人-ヴァルダ-迷宮の貴婦人-感想
『ヴァルダー迷宮の貴婦人ー』、『水たまりのアルテミス』、『Backstage Talk』(あとがき)が収録されています。『ヴァルダ』は、古城を舞台にした吸血鬼モノで、雰囲気的にはかなり好きな部類の作品ではあるのですが、話の発端となる遺言がどんな意図で書かれたのか分からないのが気になりました。(吸血鬼に操られて書かされたのでしょうか…?)『水たまりのアルテミス』は、今ならオーディンはパンセクシャルとして描かれるだろうなぁ…と思いました。
読了日:06月05日 著者:望月玲子
語りつぐ戦争―15人の伝言語りつぐ戦争―15人の伝言感想
著者が出会った様々な人物の中から、写真と証言が残っている15人の男性の記録をまとめた本です。2002年の出版ですが、これより先に、女性版が出版されていると、あとがきに書かれています。(『戦争を語りつぐ・女たちの証言』『世界の旅から・わたしの出会った女性たち』) 証言集としての読みごたえだけでなく、「一期一会」を大切にすることの重要性も伝わってくる内容でした。
読了日:06月03日 著者:早乙女 勝元
TWITTERで英語をつぶやいてみる (生活人新書)TWITTERで英語をつぶやいてみる (生活人新書)感想
2010年発行の本なので、Twitterというツールを使う上でのリスクというものをほとんど気にかけておらず、「知人にさがしてもらうためには、あたなであることが分かる名前(ユーザー名)にした方がよいでしょう」という記述には、時代を感じます。いわゆる「クソリプ」という言葉がなかった時代なので、著者が想定しているトラブルは「作文スキルの未熟さによって招く誤解」くらいしかありません。英文のレクチャー自体は参考になるのですが、「twinglishという造語を提案したのは私」というアピールに、功名心が滲み出ています。
読了日:06月03日 著者:石原真弓
ふしぎの国のバード 3巻 (ハルタコミックス)ふしぎの国のバード 3巻 (ハルタコミックス)感想
いつは些細なことでキャッキャとはしゃぐオーバーアクションなバードが、甘い菓子を口にした時だけ妙に冷静で、「新しい発見」に全く心を動かされていないのは、「実は伊藤は甘党」という設定による「ギャップ萌え」を際立たせるための演出だと思われますが、バードをキャラブレさせてまでやることじゃないですし、「クールな男が甘党」であることにそこまで意外性がありますか…? 「クールな男には甘党は不似合い」という価値観って、男性に対する偏見でしかないですし、それをギャグとして強調されても…。
読了日:06月03日 著者:佐々 大河
まんがグリム童話 金瓶梅 (45)まんがグリム童話 金瓶梅 (45)感想
この巻の李瓶児は、十日に一度男の精を吸い尽くしてようやく美しさを保っているという、「あと一歩でゾンビになりそうな吸血鬼」という感じで始まり、外法が解けて肉体がドロドロになり「生者とは言えず、かといって死者とも言えない」状態で終わっています。李瓶児の蘇生を望む蟲王によって肉体の残骸が壺に保管される一方で、この世を彷徨う魂は「次の居場所」を見つけており、「魂の行方」と「肉体(の残骸)の行方」のそれぞれが気になる展開となっています。
読了日:06月03日 著者:竹崎真実
まんがグリム童話 金瓶梅 (44)まんがグリム童話 金瓶梅 (44)感想
慈生の結婚生活のエピソードは、サスペンスフルな展開を経て、苦い後味の悲劇に終わりました。夫婦の間に確かな愛情があっただけに、「ありえたかもしれない幸せな未来」を想像せずにはいられません。李桂姐のエピソードは断捨離ブームへの皮肉、「奥方様の料理自慢会」のエピソードは大食いバラエティ番組への問題提起があるように感じられます。露々の身体を“器”にして、李瓶児が復活してしまいましたが、生き霊として憑りついているのか、死者として憑りついている(肉体は完全に滅んでいる)のか、果たしてどちらなのでしょうか…。
読了日:06月02日 著者:竹崎真実
ステキな英文フレーズ1420―各種クラフト、グリーティングカード&アルバム作り、 (ブティック・ムック No. 904)ステキな英文フレーズ1420―各種クラフト、グリーティングカード&アルバム作り、 (ブティック・ムック No. 904)
読了日:06月02日 著者:
クラッシャージョウ REBIRTH(1) (イブニングコミックス)クラッシャージョウ REBIRTH(1) (イブニングコミックス)感想
安彦良和先生のタッチをかなり再現できてはいるんですが、横顔の描き方に違和感がありますし、女性キャラ(=アルフィン)の特定の表情(「ふくれっ面」とか「嬉しくて上気した顔」とか)の「萌え表現」がウザいです。一コマ一コマの絵のレベルは高くても、演出の技術が未熟で、ジョウの行動原理が分からず、どういった思考で判断を下して行動しているのか(あるいは何も考えないタイプなのか)が伝わってこないですし、アルフィンがジョウに惚れているのは分かりましたがジョウとの関係性が「恋人」なのか「彼女候補」止まりなのか分かりません。
読了日:06月01日 著者:高千穂遙
まんがグリム童話 金瓶梅 (43)まんがグリム童話 金瓶梅 (43)感想
周家の中での春梅の立場は「第二夫人」ですが、先に周家に来て菊軒との間に一児をもうけている功二児の立場は「妾」なので、妻としての立場は「功二児より春梅の方が上」なのに、周家に来た順番でいえぱ功二児は「先輩格」にあたるので春梅からみれば功二児は「姐さん」ということになり、でも、出自は二人とも「召使い」で同格…という、なんとも微妙な関係性が、当初は気になりましたが、周家の行きすぎた家父長制による女児へのネグレクトと、功二児の「代理によるミュンヒハウゼン症候群」が露呈する展開には、「そうくるか~!」と唸りました。
読了日:06月01日 著者:竹崎真実
まんがグリム童話 金瓶梅 (42)まんがグリム童話 金瓶梅 (42)感想
露々は、猫の雪獅子相手に悪事を全部話してしまうあたり、悪事が大好きというわけではなく、多少なりとも自分の中の悪意というものに無意識に嫌悪感を抱いており、そのストレスが、雪獅子相手への「罪の告白」という形で現れているのでは…と感じました。
読了日:06月01日 著者:竹崎真実

読書メーター

5月の読書メーター

5月の読書メーター
読んだ本の数:82
読んだページ数:13020
ナイス数:1919

即やせ! オートミール神レシピ即やせ! オートミール神レシピ感想
オートミールパン(オートミールに牛乳や卵などを加えて四角い容器に入れ、電子レンジで加熱してパン状にするレシピ)は、実験的な面白さはあるかもしれませんが、このパンを使ってサンドイッチを作るというのは、ちょっと手がかかりすぎるのでは…。「パンを作る!」→「具を用意する!」→「具を挟んで完成!」…と、さもお手軽風な印象を与える書き方をしていますが、普通にサンドイッチを作れば「パンを作る!」の部分はそもそもいらないのですから、サンドイッチ的には相当手間のかかるレシピです。
読了日:05月31日 著者:新谷 友里江
まんがグリム童話 金瓶梅 (41)まんがグリム童話 金瓶梅 (41)感想
春梅が蔡恩や山賊に凌辱されるシーンが胸糞悪すぎるせいで、周菊軒の三人目の妻として周家へ迎え入れられる展開にはホッとしましたが、于英・巧二児・春梅の三人が描かれているコマの、春梅の表情の冷酷さに、先々のトラブルと、春梅の変貌が暗示されています。冒頭の人物相関図で、李瓶児の説明が「現在は生死不明」となっているのが気になります。復活の可能性があるのでしょうか…?
読了日:05月31日 著者:竹崎真実
西遊妖猿伝 西域篇(6) (モーニングコミックス)西遊妖猿伝 西域篇(6) (モーニングコミックス)感想
カマルトゥブの願いを聞き入れた時のイリーシュカの「迷いのなさ」が凄いです。イリーシュカが弓の達人なのは、目の良さや腕の筋肉の使い方の上手さもあるとは思いますが、「瞬時に判断して決断することができる」というのが、かなり大きいかもしれません。同時収録の『西遊妖猿伝異聞 逆旅奇談』は、ミステリー仕立ての怪異譚で、本編登場のとあるキャラの「その後」が分かります。
読了日:05月31日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 西域篇(5) (モーニングコミックス)西遊妖猿伝 西域篇(5) (モーニングコミックス)感想
イリクが再登場。謎の弓の使い手は、もしや、巽二娘では…と期待してしまったのですが、普通に新キャラでした。鹿力大仙の儀式は、シュムがやたらにピョンピョンと跳ねる動きが不自然なので、何かトリックがあるのかと思ったのですが、ショーというわけではなく、呪術自体は本物のようです。
読了日:05月30日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 西域篇(4) (モーニングコミックス)西遊妖猿伝 西域篇(4) (モーニングコミックス)感想
妖怪のたぐいよりも、「身体能力の高すぎる人間」の方が、呪文によって動きを封じることができない分、かえってやっかいな場合があるんだなぁ…と、サソリ女を見て思いました。サソリ女のコスチュームがどんな素材でできているのか、気になります。
読了日:05月30日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 西域篇(3) (モーニングコミックス)西遊妖猿伝 西域篇(3) (モーニングコミックス)感想
犬のワユは可愛くて、読んでいて癒されますが、ハルワータとアムルータの双子のコンビは、なんだか鬱陶しくて、イライラしてしまいました。ただでさえ大抵の登場人物がトラブルメーカーなので、ハルワータとアムルータのベタなドジッぷりは、くどく感じてしまうのかもしれません。
読了日:05月29日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 西域篇(2) (モーニングコミックス)西遊妖猿伝 西域篇(2) (モーニングコミックス)感想
“羊の怪物”の凶悪そうなビジュアルには、子供の頃に観てトラウマになったアニメ映画の『チリンの鈴』(やなせたかし先生原作)を思い出してしまいました。
読了日:05月29日 著者:諸星大二郎
名画を見上げる: 美しき天井画・天井装飾の世界名画を見上げる: 美しき天井画・天井装飾の世界感想
天井画と天井装飾をテーマにした本です。図版も解説もかなりのボリュームがあるので、ビジュアル本として眺めるだけでも充分楽しめる本なのですが、気になるのは、著者のCatherine McCormack氏の経歴が載っておらず、研究者なのかライターなのか分からないことです。文章量の割には参考文献が20冊しか挙げられておらず、図版はストックフォトなので、ひょっとしたら既存本を上手にまとめ上げただけの可能性が…。参考文献の日本語版がないのであれば、日本人にとっては「効率よく知識が得られる本」ということになりますが…。
読了日:05月28日 著者:Catherine McCormack
歴史街道2022年3月号歴史街道2022年3月号感想
『満州国の光と影』という特集の一環として安彦良和先生の特別インタビューが載っていたので、手に取りました。『虹色のトロツキー』の執筆のきっかけ、個人的な歴史認識、作品に込めた思いなどを述べています。『乾と巽―ザバイカル戦記―』に関するコメントはありませんが、特集全体に目を通しておくと、『乾と巽』が理解しやすくなります。
読了日:05月28日 著者:
西遊妖猿伝 西域篇(1) (モーニングコミックス)西遊妖猿伝 西域篇(1) (モーニングコミックス)感想
これまでの八戒は、ちゃっかりさやなまぐさぶりは八戒らしくても、セリフはやや説明くさてあまり八戒らしくなかったのですが、西域編に入ってからは、「うわあーあにきー待ってくれー」だの「置いてかないでくれえ!」だの、いかにも八戒らしいセリフを言っていて、「そうそう、八戒といえばこんな感じ!」と、ちょっと嬉しくなりました。悟浄は、悟空・八戒とは違い、これまでの生き方を悔い、正式に玄奘の弟子となっているので、旅の仲間として加わる経緯はかなり原型を留めているのですが、ビジュアルには悟浄らしさが皆無です。
読了日:05月28日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 大唐篇(10)西遊妖猿伝 大唐篇(10)感想
人の心は、「仏の中に魔、魔の中に仏」という入れ子構造が延々と続く、“無限のマトリョーシカ”のようなもの…? 唐から天竺までの物理的な距離感の広大さと、人の心の深淵の底知れなさを心に残して、大唐編は完結です。
読了日:05月28日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 大唐篇(9)西遊妖猿伝 大唐篇(9)感想
『デューン 砂の惑星』のサンドワームに比べれば、『西遊妖猿伝』の蚯蚓蠱は小型ですが、それでも十分に強くて恐ろしいクリーチャーです。ミミズがうじゃうじゃと大量に群れているシーンを見ると、つい、『スケバン刑事』を思い出してしまいます。(そういえば、一升金並に蛇と仲良しの女性キャラは、『スケバン刑事』にもいました。) 紅孩児は悟空のことばかり考えているというのに、悟空にとって紅孩児は「旅の邪魔をしてくる厄介者のうちの一人」程度の存在でしかなく、このギャップには、紅孩児に同情してしまいます。
読了日:05月27日 著者:諸星大二郎
西遊妖猿伝 大唐篇(8)西遊妖猿伝 大唐篇(8)感想
小悪魔的な少女の一升金、盗賊団の頭領の羅刹女、欲深い陳一家を仕切る李氏、ミイラのようになりながらも他者の生気を吸って生き長らえている白骨夫人(一代目羅刹女)…と、様々な年齢層の女性キャラが登場しているのは、クリムトの『女の三世代』的なテーマを意図してのことでしょうか? 羅刹女(二代目)は現役の姐御ですが、李氏と白骨夫人は“元・姐御”、一升金は“姐御予備軍”のような気がしてなりません。
読了日:05月27日 著者:諸星大二郎
アウトランダーズ8アウトランダーズ8感想
カームと皇帝の意地の張り合いから生じた親子喧嘩で銀河帝国が滅亡する…という展開は、スペースオペラ要素のあるSFとしては、物語の骨子が先細りしてしまった印象が否めないのですが、それでも、35年ぶりに読み返してもそれなりに楽しめた理由は、「相思相愛のカップルをツンデレで描かない代わりに、親子の情愛をツンデレで描いている」という点です。横恋慕キャラのライザは典型的なツンデレですが、カームとバティアは、恋人に対しては率直に愛情表現するタイプなので、ラブコメとして読む分にはストレスが少なく済みました。
読了日:05月26日 著者:真鍋譲治
アウトランダーズ7アウトランダーズ7感想
亜紀、バティア、ゲオバルディ、ライザ…と、次々とメインキャラが倒れてゆき、クライマックスが近いことが感じ取れます。亜紀と哲也の関係性は、「ジャーナリストとしての使命感を共有するパートナーシップ」のままにしておいてほしかったので、最終的に亜紀の行動原理が「哲也への恋愛感情」になってしまったのは、少々残念でした。これは、私がギルに同情してしまっているせいですけど…。同時収録は『真鍋譲治スケッチブック拝見』と『愛の仕事場劇場』。
読了日:05月26日 著者:真鍋譲治
アウトランダーズ6アウトランダーズ6感想
この巻には『キャラバン・キッド』のキャラがモブとして登場しています。「亜紀としての人格」が雅人のことを全く思い出さないのは、記憶の一部が欠落しているのか、それとも、恋愛感情を完全に吹っ切ったのか…。どっちにしても、雅人(=ギル)は哀れですが…。1巻で雅人と再会した時の亜紀には、相当な未練が残っていたように見えるので、亜紀にとって不都合な記憶は亜紀自身によって封じらているのかも…? 同時収録の『果肉1990』は、文字通り「体を張って」妻子を養う男の物語で、小品ながらもブラックコメディとして完成度が高いです。
読了日:05月25日 著者:真鍋譲治
アウトランダーズ5アウトランダーズ5感想
カラスのギル(人間体の名前:荻原雅人)、死す…。ジレールの使い魔なのかと思っていたのですが、指導者ネオを「師」と呼んでいるということは、立場的にはネオの弟子だったのでしょうか? 「ジレールを復活させるための器」として亜紀を見ていたのに、いつしか亜紀を愛し始めてしまった…というギルの状況は、まるで『悪魔の花嫁』のデイモスのようで、ギルの複雑な心理を想像するとめちゃくちゃ切なくなります。あと、ライザに対するペペの恋心もいじましくて、真鍋作品の見所の一つが「異種間恋愛」であることを再確認させられます。
読了日:05月25日 著者:真鍋譲治
アウトランダーズ4アウトランダーズ4感想
カームとテツヤの初Hのあっけらかんとした描写には、弓月光先生の『みんなあげちゃう♡』を思い出してしまいました。バティアとゲオバルディの関係は、今なら「セフレ」の一言で説明可能ですが、コミコミ連載時はその言葉はまだなかったので、当時中学生だった自分にはこの2人の「カラダだけの関係」はかなりエロく感じられました。荻原雅人は、大して好きなキャラではなかったのですが、正体がカラスだと判明した途端に好きになりました。(作中で一番好きなキャラかも…。)同時収録の『メデューサの船』は、スプラッターSF+悲恋モノです。
読了日:05月24日 著者:真鍋譲治
乾と巽―ザバイカル戦記―(1) (アフタヌーンコミックス)乾と巽―ザバイカル戦記―(1) (アフタヌーンコミックス)感想
「シベリア出兵」をテーマにした作品です。主人公である砲兵軍曹の乾と新聞記者の巽は、若手ですがそれぞれかなり優秀で、乾は柔術の使い手で、巽はロシア語が堪能です。巽はジャーナリストとしては少々青臭いところがありますが、乾は戦場における軍人としての判断力は相当なもので、部下への指示は的確です。乾の分隊が迫撃砲を使うシーンは、手順とか役割分担の描写がかなり丁寧で、作者のディテールへのこだわりを感じます。
読了日:05月24日 著者:安彦良和
月神祭 (徳間文庫)月神祭 (徳間文庫)感想
2010年にトクマ・ノベルズ、2016年に徳間文庫として刊行された作品で、電子書籍版は徳間文庫版を底本としています。古代インドを舞台に、象と綱引きしても勝てる怪力無双のアーモン王子と、呪法の使い手のヴァシタというお世話係のコンビを主人公とする怪奇冒険譚です。ヴァシタによる「語り」に“執事っぽさ”があるので、「執事&おぼっちゃま」というシチュエーションが好きな方におすすめです。夢枕作品で古代インドの冒険譚というと『幻獣変化』もありますが、『月神祭』はエログロ度はかなり控えめで、幻想小説要素が強いです。
読了日:05月24日 著者:夢枕獏
アウトランダーズ3アウトランダーズ3感想
カームの結婚相手には十数人の候補者がいたということが、マルダ=ギレのセリフで判明していてビックリ…。カームの父親(=皇帝)の判断で選ばれた可能性が高そうですが、中には、カームに惚れて立候補してきた男がいたのかどうか気になります。オッサンキャラは、プログレスと指導者ネオに「ただのものではない雰囲気」が出ていたせいで、皇帝(クェイヴァス13世)にはさほど威厳が感じられません。(プログレスはあっさり退場しちゃいましたけど…。) 同時収録は『ザ・フロンティア』と『Making of アウトランダーズ』。
読了日:05月23日 著者:真鍋譲治
アウトランダーズ2アウトランダーズ2感想
1巻は絵柄に松本零士先生の影響がかなり出ていましたが、徐々にタッチがシャープになってきているので、2巻あたりからは松本零士先生っぽさがだいぶ抜けてきます。「新型降下獣」「装甲戦闘艇」と呼ばれているクリーチャーや、テツヤのために用意された食事のグロさ(セント・エバスキュレーゼの価値観では御馳走)も相当なインパクトなのですが、何といっても強烈なのは、ナオを筆頭とする「ヌバ族」のデザインです。同時収録の『Passenger…!!』にも、ヌバ族が登場しています。(ついでにカームも…。)
読了日:05月23日 著者:真鍋譲治
アウトランダーズ1アウトランダーズ1感想
約35年ぶりの再読です。ブックパスで「モンスターパニック漫画」のテーマタグが付いているのを見た時は、「えっ?モンスターパニック要素あったっけ?」と思ってしまったのですが、読み返してみたら、確かに序盤にはモンスターパニック要素がかなりあり、出目金モチーフの「重曹甲偵察機(メガトロン)」のインパクトが絶大です。同時収録の『鳥―THE UNKNOWN BIRDー』は、真鍋先生の短編では一番好きな作品なのですが、「マスターは死ぬ前に全記録を放射線で守るために封印したのだ」というセリフの意味が分かりません…。
読了日:05月23日 著者:真鍋譲治
B-PASS (バックステージ・パス) 2021年11月号 [雑誌]B-PASS (バックステージ・パス) 2021年11月号 [雑誌]感想
「FUNKY MONKEY BABYS」の表記が「FUNKY MONKEY BΛBY'S」になった理由が、インタビューで語られています。元々、ケミカル氏が入る前の二人体制だった時のグループ名は「FUNKY MONKEY BABY'S」だったのだそうですが、当時のマネージャーさんが画数にこだわる人だったのでアポストロフィを取ることになったのだそうで、二人体制に戻って再始動するにあたってアポストロフィを戻し、その上で、画数を同じになるように「A」を「Λ」に変えたのだそうです。
読了日:05月23日 著者:B-PASS編集部
B-PASS (バックステージ・パス) 2021年9月号 [雑誌]B-PASS (バックステージ・パス) 2021年9月号 [雑誌]感想
北海道出身の3人組バンド「saji」のグラビアは、スカッとした青空と錆びた欄干の対比が印象的です。どこでロケをしたのか気になります。
読了日:05月23日 著者:B-PASS編集部
B-PASS (バックステージ・パス) 2021年10月号 [雑誌]B-PASS (バックステージ・パス) 2021年10月号 [雑誌]感想
JO1のメンバーへのゆるめのクエスチョン11問は、11問目が「マンガやアニメ、ドラマの登場人物の中で、好きなヒーロー、ヒロインは?」という内容なのですが、豆原一成氏だけは、タイトルとキャラ名を挙げるだけではなく、理由も説明していて、ガチのファンっぽさを滲み出していました。→【A11.仮面ライダーカブト。僕の中でライダー史上一番強いです。ハイパークロックアップしたら時空を越えられるから】
読了日:05月22日 著者:B-PASS編集部
DINER ダイナー 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)DINER ダイナー 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
「ディーヴァ・ウォッカ」が思わぬ形でクローズアップされてきて、原作とは違った方向性で重要度が増してきました。前巻で、「シリア内戦でクルド人部隊二大隊を壊滅させた」という「4人のロシア人の殺し屋」の存在が示唆されていましたが、ディミトリーとヴィィと仮面男(生禿雄)は分かるとして、あと1人は誰だったのでしょうか? おそらく、前巻のラストでボンベロに倒された電撃男なのだろうとは思いますが、この人物だけプロフィールが明らかにされていません。
読了日:05月22日 著者:平山夢明,河合孝典
DINER ダイナー 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)DINER ダイナー 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
元々、怪人じみたキャラクターがたくさん登場する作品ではありますが、この巻に出てくる異形の殺し屋たちは、サイボーグと言ってもいいほどのSFチックな存在として描かれています。一方で主人公のボンベロは、改造人間でもなければ超自然的な能力の持ち主というわけでもなく、武器も現実的なもの(銃とか刃物とか)しか使わないという「常識的な殺し屋」なので、相対的に「秀才キャラ」のように思えてきました。
読了日:05月22日 著者:平山夢明,河合孝典
海王ダンテ(7) (ゲッサン少年サンデーコミックス)海王ダンテ(7) (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
『ハムナプトラ』とか『ナイトミュージアム』のような、エジプト考古学ネタが絡んだ映画の影響が垣間見えるのが、読んでいて楽しいです。鞭が得意な考古学者のジェーン・カーターは、さながら「女インディ・ジョーンズ」ですが、インディよりもはるかに武闘派です。ダンテという名の主人公が冥界に降りていくというシチュエーションは、『神曲』を思い起こさせますが、『海王ダンテ』に出てくる冥界は、都市機能を持つ巨大核シェルター、もしくは、地球脱出用の世代宇宙船…?
読了日:05月22日 著者:皆川亮二,泉福朗
Chef Ropia 極上のイタリアンおつまみChef Ropia 極上のイタリアンおつまみ感想
サルティンボッカは、それなりに手がかかるイメージがあったので、「あっという間にできるお手軽レシピ」として紹介されているのが、ちょっと意外でした。以前は苦手だったゴルゴンゾーラチーズが、最近は食べれるようになってきたので、『ポテトとクルトンのゴルゴンゾーラソース』と『ゴルゴンゾーラのバスク風チーズケーキ』に興味を引かれました。
読了日:05月21日 著者:小林 諭史
1分で目がよみがえる 今野式眼筋ほぐし1分で目がよみがえる 今野式眼筋ほぐし感想
眼軸低下による近視や様々な眼病の原因となる「血流悪化」「酸素不足」「自律神経の失調状態(活動低下)」を改善するためのセルフケアをアドバイスしています。2022年出版の本なので、コロナ禍による生活の変化が目に及ぼす悪影響への言及が多いです。
読了日:05月21日 著者:今野清志
海王ダンテ(6) (ゲッサン少年サンデーコミックス)海王ダンテ(6) (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
召喚された魔人(ハヌマーン?)とスチームパンクなメカと動物が入り乱れる戦闘シーンは、まるでメガテンとFFとポケモンをまぜこぜにしたようで、『大乱闘スマッシュブラザーズ』的なごった煮シチュエーションが読んでいて楽しいです。アボリジニが「大地との共生」を前提にして「先祖から伝えられてきた生きる技術」を身に付けているのに対し、ナポリオは「戦争」や「環境破壊(ウラン採掘)」を前提にして「“構成(ビルド)”から与えられた技術」を駆使しており、この対比が、オーストラリアという大陸の歴史の明暗を際立たせています。
読了日:05月20日 著者:皆川亮二,泉福朗
海王ダンテ(5) (ゲッサン少年サンデーコミックス)海王ダンテ(5) (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
ダンテを育てたコロンバス牧師のお墓に刻まれている名前は、「CHRISTPHER COLUMBUS」…。もし、アメリカ大陸を“発見”したコロンブスと同一人物だとすると、時代が合わないので、考えられるのは、「一度死んで蘇った」「不老長寿になった」「時間を移動した」「パラレルワールド」…? もし、「オーストラリアの土地を痛めつけ滅亡させるであろう“悪しきもの”」が、ウランだとしたら、アトランティスを滅した“毒”というのは、核戦争か原子力災害による放射能汚染…?
読了日:05月19日 著者:皆川亮二,泉福朗
海王ダンテ(4) (ゲッサン少年サンデーコミックス)海王ダンテ(4) (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
5世紀の女海賊、スカンディナビアのアルビダ女王は、動物と心を通わせ、動物と共に戦う姿が、まるで「女ターザン」です。もしかしたら、『シーナ』という映画のイメージが、少し入っているでしょうか? ジェームズ・クックの「モップがけダンス」のシーンも、すごく“映画っぽさ”があるので、もしかしたら、いろんな映画作品のオマージュが、ちりばめられているのかもしれません。
読了日:05月19日 著者:皆川亮二,泉福朗
チェンジ 3巻チェンジ 3巻感想
ダメ野球部の奇蹟的な勝利を描くにあたって、「根性」とか「強運」とかを持ち出さず、「情報収集」と「コミュニケーション」と「信頼」をベースに、試合相手(望月)の「驕り」と「焦り」の心理を絡めているので、野球漫画としては、全く不自然ではない内容になっています。そして、死神の「恋」の部分は、支配欲や承認欲とは全く無縁の、「慈愛」と「献身」の物語としてまとめており、そういう意味では、この作品の「恋物語」の部分は決して「ラブストーリー」ではなく、極めてスピリチュアルです。…とはいえ、オチの付け方は直球の青春物語です。
読了日:05月18日 著者:小山 ゆう
COMBAT DOLL うすね正俊 Extra Works (ビームコミックス)COMBAT DOLL うすね正俊 Extra Works (ビームコミックス)感想
士郎正宗先生の『ドミニオン』を月刊コミコミで読んだ時、「あれ?この作者の読み切り漫画を、何かの雑誌で見たぞ?」と思ったのですが、実はそれは士郎先生の作品ではなく、うすね正俊先生の『CONBAT DOLL』の1作目(初出は1984年の週刊少年ジャンプ)だったということが、この短編集を見て分かりました。ブルーが「キミたちこんな所でなにしてるの?」と言っている見開きの扉絵が印象的だったので、このページを見た瞬間に「あ~っ!これだぁっ!!」と思い出しました。長年勘違いしていて申し訳ありませんでした、うすね先生…。
読了日:05月18日 著者:うすね 正俊
チェンジ 2巻チェンジ 2巻感想
意図的に暴力行為をするキャラクターは一人もいないのですが、それだけに、野球というスポーツが内包する「暴力性」が際立ち、野球が得意なわけではないメンバー(早と明以外の7人)の自己嫌悪の描写も相まって、読んでいて身につまされますが、「勝利至上主義とセットになった根性論」とは一線を画した形で「勝利のカタルシス」が描かれていると感じますし、物語の背景には死神の「恋」があるとはいっても、恋愛至上主義的な内容ではなく、テーマの主軸が「命を尊ぶこと」であることにブレはありません。
読了日:05月17日 著者:小山 ゆう
いまさらですがソ連邦いまさらですがソ連邦感想
内容が制度面に偏重しているせいで、文化面に関してはかなり物足りない内容です。舞台芸術に関する記述がお義理程度しかなく、「バレエやオペラ、演劇は世界に誇れる一流のエンターテイメントです」と書いている割には、具体的な人物名や演目名は全く挙げていません。文芸は、SF作品ならそれなりに力を入れて紹介していますが、児童文学と絵本はスルーです。オタクっぽさを敢えて前面に出しているとおぼしきコンセプトなのに、テトリスの開発と世界的ヒットへの言及がないあたり、著者のお二人はゲームとコンピュータには全く興味がないようです。
読了日:05月17日 著者:速水螺旋人,津久田重吾
CDジャーナル2022年春号CDジャーナル2022年春号感想
中国のボーイズ・グループ「Produce Pandas(熊猫堂)」が、5号連続で登場です。メンバーが好きな曲を挙げているので、中華ポップスのタイトルを色々と知ることができて楽しめましたが、インパクトがあったのは、『欽ちゃんの仮装大賞』の中国語名は『超急変変変!』だということでした。【音楽実話怪談】という記事があるので、新連載のコーナーなのかと思いきや、『私、一回、死んだのかもしれません』という本のアピールでした…。他に気になったのは、フランチェスコ・トリスターノとベッカ・スティーヴンスの記事でした。
読了日:05月17日 著者:
昔ガヨカッタハズガナイ: ボクラ少国民のトラウマ (山中恒少国民文庫)昔ガヨカッタハズガナイ: ボクラ少国民のトラウマ (山中恒少国民文庫)感想
1993年出版の本に補足をして、2011年に新たに出版した本です。序文に「二十年近く経た今、読み返しても、さしたる違和感がない」とありますが、更にそれから十年近く経った現在でも、全く違和感はありません。年配者が言いがちな「昔ガヨカッタ」という懐旧的な感想のうち、対人関係・対社会問題に関するものは、「人権」という概念が一般的ではなかった時代だからこその価値観が根底にあり、つまりは人権を蔑ろにすることで利益を得られる立場に居る者が「昔ガヨカッタ」と言っているに過ぎないということをじっくりと検証しています。
読了日:05月16日 著者:山中 恒
国境のエミーリャ(2) (ゲッサン少年サンデーコミックス)国境のエミーリャ(2) (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
地下道ネタは、「明治の富国強兵の時代」と「太平洋戦争の時代」を結び付けるものとして登場している点は面白いと思いましたが、古い時代に作られ、長期間放置されていた地下道なのに、地下水の浸水が全く起きていないのが少々不自然に感じられました。マネの『オランピア』ネタは、マサルがヌードの白人女性にばかりこだわっており、エミーリャの「なりきり」シーンでは『オランピア』の右側が再現できていない(つまり黒人女性と猫がいない)のに満足してしまっているので、「結局コイツ、女の裸にしか興味がないのでは?」と思ってしまいました。
読了日:05月16日 著者:池田邦彦
くろぼね 4くろぼね 4感想
中央政府に対する反骨精神の強さゆえに、バウの評価は「くろぼね党」の内部では「取り扱い注意の革命家」ということになってしまい、バウの立場を微妙なものにしていまいます。同志だと思っていた仲間から疎外されていることを知った“屈辱感”と、若い党員からは支持されているという“プライド”の狭間で、バウの中の「闘争のシンボル」=「くろぼね」=「ボーン・クロイツ」への思い入れはどんどん強くなり、活動家としてのバウの内面もどんどん危うさを帯びてきますが、バウに対するブランカとハンスの友情が変わらないのは救いです。
読了日:05月15日 著者:真鍋譲治
エコエコアザラクREBORN 1 (チャンピオンREDコミックス)エコエコアザラクREBORN 1 (チャンピオンREDコミックス)感想
エコエコアザラクのリメイク作品ですが、黒井ミサの「女子高生っぽさ」をやたらに強調しているところは、古賀新一先生の原作よりも、映画版の方に近いです。(ちなみに原作のミサは中学生でした。) 原作でもミサが裸で踊るシーンはありましたが、原作では「不気味さ」を演出する手段としての「謎の裸踊り」だったのに対し、『REBORN』はただのエロ演出(しかも百合的な要素を入れるというあざとさ)ですし、ミサの魔女としての優秀さが「呪文を唱えるスキル」ではなく「アイテムの活用」とか「蔵書の多さ」で表現されていることに違和感…。
読了日:05月14日 著者:山田J太,古賀新一
つのだじろう傑作選 女たちの詩 片羽根の天使つのだじろう傑作選 女たちの詩 片羽根の天使感想
『星と太陽と死神』『あこがれ』『片羽根の天使』『下駄』『沈黙の美少女たち』『万引き』(「佐和子17才桜花女高校二年」「松丘圭子22才東明大学文学部」「村田福子39才(通称)ネンネコお福前科4犯」「梶尾秀子28才デパート警備員」の全4話)『美しい死への賛歌』(全3話)『線路』が収録されています。『星と太陽と死神』は、タロットカードが「タロック」(ドイツ語の発音)と呼ばれているのですが、オカルトブームの前はこちらの呼び方の方が一般的だったのでしょうか?
読了日:05月14日 著者:つのだじろう
論集江戸川論集江戸川感想
執筆者は土木研究所の研究員や博物館の学芸員が多いため、土木に関すること(災害史と、それに伴う治水工事の記録)や、郷土史に関すること(自然史・政治史・産業史など)はかなり力が入っているのに、公害についての記述は少なく、本州製紙水質汚濁事件は2ページしかありません。執筆しているのは江戸川区郷土資料室学芸員の方ですが、宇井純氏の『公害原論』を丸ごと掲載することはできなかったのでしょうか…。終盤に『江戸川と今のこれからの川づくり』というコラムがあるのですが、フリーライターの白川昌彦氏は何の専門なのでしょうか?
読了日:05月13日 著者:「論集江戸川」編集委員会
つのだじろう傑作選 女たちの詩 造花の枯れる時つのだじろう傑作選 女たちの詩 造花の枯れる時感想
『造花の枯れる時』『飼い猫』『秋祭り』『結婚』(「馬場信子の場合」「東レナの日記」「田岡恵子の主義」の全3話)『あるムシリ物語』『海しぶく』『午後二時の橋』『わらいかわせみ』が収録されています。つのだじろう先生の描く女性は、目がつり上がっていて表情がきついせいで、萌え要素ゼロなのですが、『結婚』の第1話(「馬場信子の場合」)の主人公は、恥じらう顔がガチで可愛いですし、『海のしぶく』の主人公は、登場時のコマはクールな美人です。描こうと思えば美少女や美女を描けるけど、敢えて描かないということなのでしょうか…。
読了日:05月13日 著者:つのだじろう
つのだじろう傑作選 女たちの詩 長崎ふたりつのだじろう傑作選 女たちの詩 長崎ふたり感想
『死者の声』『ホントの真砂子』『上野の女』『蝶が舞いたつ』『黄八丈』『みかん』『みゆき』『てまりうた』『ナミ』『京都の美保』『流れ星』『松山の雨』『長崎ふたり』『はにわのゆめ』『ハニー』が収録されています。最初の『死者の声』が恐山のイタコに会に行く女性の話なので、オカルト要素のある短編集かと思いきや、男と女の出会いを別れを描いた純然たるラブロマンスもので統一されており、シリアスかつアイロニカルな内容でした。昭和46~50年に発表されただけあって昭和の価値観がキツいので、昭和情緒を楽しむスタンスが必要です。
読了日:05月13日 著者:つのだじろう
フランスの色 (コロナ・ブックス)フランスの色 (コロナ・ブックス)感想
フランスの伝統色のうち242色を色票と美しい写真と共に解説し(ただし色票の金・銀は4色のオフセット印刷では表せないため、それに近い色相・彩度・明度の色が掲載されているとのことです)、谷川渥氏・杉本秀太郎氏のエッセイを収録しています。オレンジ色は西洋社会では一番好まれない色とされているそうで、ユイスマンスの『さかしま』の中で「あのいら立たしい病的な色彩」と書かれていると谷川渥氏のエッセイで指摘されており、「不吉とされるから避けられている」というのならともかく、「いら立つ」という感覚が少々不思議です。
読了日:05月12日 著者:
眼圧リセット眼圧リセット感想
著者は骨格矯正が専門だそうですが、骨格矯正を行った直後に、多くの患者さんから「さっきより、目がよく見える」と言われたことで、「美しく見せるために」という理由で眼窩を広げたことが、結果的に眼圧を下げて目の不調を改善させていたことに気付いたそうです。目のケアと美容とリラクゼーションを同時に行えるので、目の不調を感じていない人でも、試してみて損はありませんが、このマッサージは「どこが気持ちよいか」自分自身の気付きを促し、心地よさを追求することが特徴だそうで、自分以外の人には行わないように注意しています。
読了日:05月11日 著者:清水ろっかん
ザ・松田シリーズ 完全収録版ザ・松田シリーズ 完全収録版感想
『ザ・松田 ブラックエンジェルズ』(全3巻)と、『ザ・松田 超人最強伝説』(全2巻)をまとめた完全版です。『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』の続編かと思いきや、東堂が普通に登場していますし、「ザ・松田の世界観」という言葉が出てくるので、『ブラック・エンジェルズ』とも『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』とも別物の、『ザ・松田』という独立した世界観が確立しているようです。時事ネタがたくさん出てきますが、特に多いのは原発ネタなので、作者の原発に対する怒りがビシビシ伝わってきます。
読了日:05月11日 著者:平松 伸二
つのだじろう傑作選 女たちの詩 悲しげな女が踊るつのだじろう傑作選 女たちの詩 悲しげな女が踊る感想
『暗い海の香織』『瑞枝の手口』『ひとりぼっちのミチコ』『玲子の歩いた道』『ルリ子+博多』『網走の冬子』『虹子の三年』『新宿のミカ』『冷たい部屋』『女たちの巣』『トクダシ』『悲しげな女が踊る』『ピリカ』が収録されています。全体的に「女の悲しみ」がテーマとなっていますが、女の不幸をエンタメ目線で楽しむようなスタンスはなく、悲しみを抱えた女の心理を理解したいという、作者の探究心が伝わってくる内容でした。
読了日:05月10日 著者:つのだじろう
クリスタル☆ドラゴン(25)クリスタル☆ドラゴン(25)感想
アリアンロッドが竜と結んだ約定をアランが肩代わりし、アランは「小さな世界樹」の姿になります。「アランはあたしに少し時期(とき)をくれたのよ」というアリアンロッドのセリフからすると、アリアンロッドが眠りにつく未来は、そう遠くはないようです。アリアンロッドの“役目”は具体性を帯びてきた一方で、バラーの方はまだはっきりとはしていませんし、エラータがどうしたいのかも分かりません。「深淵の谷」では、自分の“役目”に自覚的なのは、今のところはフランカのみ…?
読了日:05月09日 著者:あしべゆうほ
クリスタル☆ドラゴン(24)クリスタル☆ドラゴン(24)感想
樫の巨木の小枝から作った剣と杖は、持っているだけ、あるいは持とうとするだけでもリスクが大きく、剣を運んでいるグリフィスも、杖と対峙するアリアンロッドも、かなりの消耗を強いられ、「命を削っている」かのように見えます。
読了日:05月09日 著者:あしべゆうほ
クリスタル☆ドラゴン(23)クリスタル☆ドラゴン(23)感想
ドワーフは「物を作らずにはおれない」というたちで、彼らの物作りは「なるべき形になるように作るだけ」であり、「自分が何を作りたいかより、物が何になりたいかを見る」とのことですが、これはもしかすると、漫画家としてのあしべゆうほ先生のスタンスでもあるのかな…?と、想像しました。リアム老が試行錯誤しながら杖と剣を作っているような感じで、あしべゆうほ先生も、「なるべき形」=「物語の終着点」を模索しているのでしょうか…。
読了日:05月07日 著者:あしべゆうほ
アウシュヴィッツの地獄に生きて (朝日文庫)アウシュヴィッツの地獄に生きて (朝日文庫)感想
著者がアウシュヴィッツのビルケナウ強制収容所の中で体験したことは、あまりにも苛烈で、そして理不尽ですが、ロシア軍によって解放された後は、今度はロシア兵による女性への暴行という地獄を目撃しており(ちなみに著者は居合わせたウクライナ人青年の機転によって暴行を免れています)、ただ相手がユダヤ人というだけ、あるいは女性というだけで、国家間の対立とは関係のないところで、戦争にかこつけて行われた犯罪行為が、この手記には赤裸々に記録されています。
読了日:05月06日 著者:ジュディス・S・ ニューマン
つのだじろうの怪談つのだじろうの怪談感想
収録作は『雪おんな』『生霊』『死霊』『むじな』『ろくろ首』『幽霊滝の伝説』『おしどり』『天の川綺譚』『茶碗の中』『鏡の乙女』『虫の研究』『蟻』『螢』『耳なし芳一のはなし』『生まれかわり(お貞のはなし)』『乳房(因果ばなし)』『和解』。著者としてクレジットされているのはつのだじろう先生のお名前だけですが、『おしどり』『天の川綺譚』『和解』は、おそらくは大部分をひびきゆうぞう先生が作画されています。(他の作品も、サブキャラの作画には、ひびきゆうぞう先生の筆致が見られます。)
読了日:05月06日 著者:つのだじろう
約束のネバーランド 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)約束のネバーランド 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)感想
「儀祭に最上の一皿を」というセリフには、藤子・F・不二雄先生の『ミノタウロスの皿』を思い出しました。
読了日:05月06日 著者:白井カイウ,出水ぽすか
朱い雀(1) (フラワーコミックスα)朱い雀(1) (フラワーコミックスα)感想
それなりに由緒ある家の非嫡出子である主人公が、子爵家の奉公人となるところから物語がスタートしますが、主人公には「健気さ」や「いじましさ」が微塵もなく、「産む道具」として期待されても傷つかないどころか「産む気満々」というバイタリティの持ち主で、気質は豪放磊落です。こういう「肝っ玉かあちゃん」予備軍は、一歩間違うと「男に都合の良い女」になりがちなのですが、良妻賢母とはかけ離れたキャラであるおかげで、家父長制を茶化す方向性の内容になっています。ちなみに、妖刀の出てくる活劇モノなので、ファンタジー要素があります。
読了日:05月06日 著者:名香智子
クリスタル☆ドラゴン(22)クリスタル☆ドラゴン(22)感想
「常若の国」の中にある樫の巨木は、「魔法がないこと」によって守られていますが、これは、原理としては、ウーナが産んだ赤子を守るためにエラータが行った「結界の中に結界を作ることで外界を呼び込む」という手法と同じなのでしょうか…? だとしたら、「常若の国」と「深淵の谷」は、奇しくも似た状態となっている(中空構造によって聖域が存在している)ということに…?
読了日:05月05日 著者:あしべゆうほ
あなたの「視力」はすぐ戻る―いま激増中の「パソコン近視」から「目の乾き」まで 1日3分の簡単トレーニング!あなたの「視力」はすぐ戻る―いま激増中の「パソコン近視」から「目の乾き」まで 1日3分の簡単トレーニング!感想
眼筋トレーニングや瞬間視トレーニングなどに関する記述は、視力回復をテーマにした本としてはオーソドックスなのですが、瞑想法や暗示法が書かれているページがあり、こういう部分は少々オカルトじみていて胡散臭い印象を与えてしまっています。自律神経と視力は強く結びついている(車の中で本を読むと車酔いしやすいのはそいのせい)ことを考えると、おそらくは、「瞑想や暗示によって自律神経を整えることで、目の負担を軽減する」ということなのであって、“気の流れ”云々で視力アップという意味ではないと思われます。(多分…)
読了日:05月04日 著者:中川 和宏
PascoのとっておきパンレシピPascoのとっておきパンレシピ感想
1920年創業の敷島製パンが、2003年に「シキシマ」ブランドと「Pasco」ブランドを統合して新生「Pasco」としてスタートし、10周年を迎えた節目(2013年)に出版された本です。料理研究家・舘野鏡子氏の協力の元、pasco社員の視点を交えて製作したレシピとのことです。
読了日:05月04日 著者:
世界一おいしい バズる!オムライスレシピ世界一おいしい バズる!オムライスレシピ感想
卵をドレープ状に盛り付ける「ドレスドオムライス」というものがあることを初めて知りました。卵を上手に焼くには、使い古していないフッ素樹脂加工のフライパン(ティファールやキプロスターなど)を使うのが望ましいですが、特に「ドレスドオムライス」を成功させるには、滑りの良さが重要です。ちなみに、オムライス専用のフライパンを用意した場合には、1500回は作れるそうです。
読了日:05月04日 著者:オムライスのプロ
動ける体を取り戻す! 人生100年いきいき動ける大人のストレッチ動ける体を取り戻す! 人生100年いきいき動ける大人のストレッチ感想
日常生活を送る際に気になる不調を改善するには、どういう筋肉をストレッチすべきなのかが分かるような構成になっているところが、すごく良かったです。例えば、「電池の交換がしにくい」場合なら「体円筋肉・大胸筋」、「下にあるものが取りにくい」場合なら「広背筋肉・腰方形筋肉・外腹斜筋肉・腸腰筋肉・腹直筋肉・大臀筋」、「靴下が履きにくい」場合なら「ひらめ筋・腓腹筋・前脛骨筋」…といった感じです。
読了日:05月04日 著者:村山 巧
ゴールデンカムイ 29 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 29 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
戊辰戦争の生き残りと日露戦争の生き残りが、五稜郭で戦うことに…。ここで大量の血が流れてしまうのでしょうか? アシリパは「見届ける」と言っていますが、子供である彼女が、戦争の惨禍を見ることが、果たして良いことなのかどうか…。ちなみに、頭上から降り注ぐ砂金を仰いで、アシリパが笑顔を見せていることには、少々違和感を持ってしまいました。砂金を「価値あるもの」とみなしたり「美しいもの」と感じたりしてテンションを上げるのは彼女らしくないと感じるので、「安堵感による一瞬の気の緩み」が、個人的に一番しっくりくる解釈です。
読了日:05月03日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
刺青人皮の暗号がついに解読されることに…! 24人分全て集める必要がなかったのは、行方不明になる人物や、火傷や裂傷などで刺青が判別できなくなる人物が出ることを想定してのことなのでは…?
読了日:05月03日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 27 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 27 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
ウイルクが「のっぺら坊」になった経緯が明かされていますが、では、替え玉だった方の「のっぺら坊」は、一体誰で、どんな経緯であの姿になったのでしょうか? ウイルクの替え玉となるために、あの外見に“改造”させられたのだとしたら、あまりにも不憫なのですが…。
読了日:05月03日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 26 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 26 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
アシリパが叔母さんから聞いたという「メナシパ」は、女護島…?
読了日:05月03日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 25 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 25 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
精子探偵(?)の宇佐美と違って、石川啄木はまっとうな名探偵ぶりなのですが、あの有名な短歌は、宇佐美のパクリ…。
読了日:05月03日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 24 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 24 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
宇佐美の特技は、一応、プロファイリングということでいいのでしょうか?(自慰行為を利用したダウジングと言うべきかもしれませんが)
読了日:05月03日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 23 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 23 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
シマエナガのエピソードの後味の悪さには、映画『ミスト』を思い出してしまいました。
読了日:05月02日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 22 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 22 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
万年筆のペン先が砂白金で作られているという話が出てきますが、「プラチナ万年筆」の由来は、そこから来ているのでしょうか?
読了日:05月02日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 21 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 21 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
「お婆ちゃんの口噛み団子」というのが出てきますが、これは、母狼が子狼の離乳のために、噛んで柔らかくした肉を与える習性と、何か関係があるのでは…? アイヌの踊りを記録した活動写真は、東京国立近代美術館フィルムセンターで見たことがあります。
読了日:05月02日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 20 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 20 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
瀕死だった尾形が奇跡的に回復して逃亡したことに対し、「アシリパを人殺しにしないで済んだこと」と「尾形を自分の手でブッ殺せること」の両方に喜びを感じて目を輝かせる杉元が、頼もしくもあり、えげつなくもあり…。
読了日:05月02日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
アシリパと再会した瞬間に、「アシリパを人殺しにしないこと」に全力を尽くせる杉元、さすがです。
読了日:05月02日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 18 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 18 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
長谷川幸一という名前が、いかにも実在の人物っぽい感じだったので、きっとモデルとなった写真家がいるんだろうなぁ…と思いながら読んでいたら、正体はまさかのアノ人…。正体を予想できなくするためのひっかけとして、「いかにも実在したっぽい感じの名前」にしただけなのか、それとも、「写真家・長谷川幸一」のモデルとなった人物(スパイではなく、まっとうな写真家)は実在するのしょうか?
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 17 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 17 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
猟犬でありながら、橇犬としての働きも期待されるようになってしまったリュウ…。橇犬のリーダーにライバル心を燃やすシチュエーションは、『荒野の呼び声』のオマージュでしょうか…?
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 16 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 16 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
この巻は鯉登が大活躍です。是非、プロの芸人になって、世界的スターになってほしい逸材です。
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 15 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 15 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
スチェンカでどんなに杉元が殴られても帽子が取れなかったのは、空条承太郎のパロディをやりたかったから…? 鶴見と月島の過去のエピソードは、死の覚悟をした月島を鶴見が“救った”と解釈すべきなのか、それとも、“弄んだ”と解釈すべきなのか…。「ああ……そうですか」と言っている月島の表情が疲れきっているのが、読んでいて辛いです。
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
ウイルクがアシリパに教えていたのは、「豊かな自然と共に生き抜く知恵」ではなく、「山岳ゲリラに必要とされる戦闘術とサバイバル術」だったとは…。これまでこの作品は、直接的な残酷描写が数多く出てきましたが、絵的なグロさよりも、親から子への「教育」が「仕込み」であったという残酷さの方が、読んでいてずっとキツイです…。
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
インカラマッは、まっとうな占い師で、人間の心理をつくのが上手いだけの人物ではなかったんですね…。とはいっても、人間の運命は確定しているわけではなく、覆すことは可能なようで、少なくともインカラマッの運命は、谷垣の存在によって変わったようです。インカラマッが、谷垣との出会いの重要性を占いによって知ろうとしなかったのは、ウイルクへの想いにとらわれすぎていたせいでしょうか…?
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 12 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 12 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
狩猟犬のリュウは、ずっと登場しなかったので、野犬になってしまったのかと思っていたら、二瓶の銃(を持った谷垣)をずっと追いかけていたとは…。リュウの旅路だけで、物語が一つできそうです。チカパシに懐いているようですが、この先はチカパシを主人としてゆくのでしょうか?
読了日:05月01日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 11 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 11 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
ボニー&クライドばりの凶悪カップルの蝮のお銀と坂本慶一郎は、めちゃくちゃカッコいいのですが…。姉畑支遁は、実在の人物をパロディ化したキャラとしては、飛び抜けて酷いです。アーネスト・シートンをネタにしたかった…というよりも、ズーフィリアを描くことの方が目的なのでは…?と感じられました。
読了日:05月01日 著者:野田サトル

読書メーター

4月の読書メーター

4月の読書メーター
読んだ本の数:73
読んだページ数:10978
ナイス数:1876

ゴールデンカムイ 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
鈴川清弘は、てっきりしょぼい詐欺師なのかと思いきや、めちゃくちゃ優秀だったんですね…。こういう、変装のスキルのあるキャラって、ストーリーを盛り上げる役として便利に使われるものなのに、あっさりと退場してしまって驚きました。三船千鶴子の「行ってはいけません あなたは…殺されてしまいます」は、ただの善意の警告なのか、それとも、実は本当に超能力者で未来を予知したのか、果たしてどちらなのでしょうか? インカラマッが男を追っていることは、三船千鶴子は知らないはずなので、だとしたら、予知の可能性が…?
読了日:04月30日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 9 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 9 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
白石は、熊岸長庵の描いたシスター宮沢の絵を、最終的にどうしたのでしょうか? シスター宮沢に会うまで持ち続けていたのは確かですが…。ちなみに、芸術家としての熊岸長庵の画風は、ルオーみたいな感じでしょうか?
読了日:04月30日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 8 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 8 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
“創作意欲”の塊の江渡貝の気質は、クリエイターとかアーティストというよりも、特撮番組に出てくる悪の組織のマッドサイエンティスト(怪人をプロデュースする係)ですね…。炭鉱のシーンでは、女性は描かれていても、子供の労働者や母親に背負われた乳幼児が描かれていないのは、あまりに悲惨すぎるせいでしょうか…。
読了日:04月30日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 7 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
インカラマッの占いがよく当たるのは、呪術的な効果(異能力持ち)なのか、たんなる偶然(占い師としての自分の呪術性を信じている)なのか、人間心理を巧みに突くのが上手いだけ(意図的なペテン)なのかが分からないのが気になります。
読了日:04月30日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 6 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 6 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
この巻は、前半は江戸川乱歩的なホラー・サスペンス、後半は西部劇+清水次郎的な時代劇といったところでしょうか? 【この時代に老いぼれを見たら「生き残り」と思え】という土方のセリフがシビれます。歴史の転換期に居合わせた者ならではの重みがあります。
読了日:04月30日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
「動物が人間を捕食する」というシチュエーションは、熊やシャチなら予想の範囲内でしたが、まさかイトウが人間を丸呑みするとは…。辺見の性癖は、オートアサシノフィリアと呼ばれるものでしょうか?
読了日:04月30日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
二瓶の「エゾオオカミが最後に見る猟師になりたい」という願望は、いわゆる「男のロマン」というやつであり、レタラとの一騎討ちを「獣と獣の殺し合い」とは言っていても、二瓶の無意識心理の中ではおそらくは「男と男の勝負」に置き換わっており、それは必然的に「女の出番はない」という“思い込み”とセットとなります。「男のロマン」に酔って油断した二瓶に致命傷を負わせた狼がレタラのつがい(つまりメス)であったのは、二瓶の男尊女卑思想への皮肉と解釈できます。
読了日:04月29日 著者:野田サトル
ゴールデンカムイ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)ゴールデンカムイ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
「送り狼」=「飲み会の帰りに女の子を送ることを口実にエッチに持ち込む男」という認識だったので、「見知らぬ人間を追跡する」という狼の習性を表す言葉として使われていることに驚きました。村田銃で熊撃ちをすることにこだわるキャラというと、『銀牙 流れ星銀』の竹田のじっさまを思い出すのですが、犬を生かすためなら自分の足を犠牲にするほど犬を大事にする竹田のじっさまと違い、二瓶は狼にビビる自分の犬を駄犬呼ばわりしていて、犬のリュウに同情してしまいました。…まぁ、リュウの気質は、リキとは全然違いますが…。(サスケ似?)
読了日:04月29日 著者:野田サトル
もっと知りたいミロ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)もっと知りたいミロ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)感想
ミロの生涯を概観している本です。ミロほどに国際的に成功している画家が、独裁体制下でのスペイン国内ではほとんど無名の存在だったということを初めて知って、驚きました。ミロと独裁政権の対立は、フランシスコ・フランコの死後、民主的な立憲民主制が確立するまで続いており、政治に真正面から対峙したミロの反骨精神というものを思い知りました。1966年に開催されたミロ展の返礼として国立近代美術館に寄贈された《壺》(48p)と、アルティガスとの共作の《両面碑》(49p)が印象的で、ミロの陶芸作品をもっと知りたくなりました。
読了日:04月28日 著者:松田健児,副田一穂
東京大空襲・戦災資料センター図録 いのちと平和のバトンを: 東京大空襲・戦災資料センター公式図録東京大空襲・戦災資料センター図録 いのちと平和のバトンを: 東京大空襲・戦災資料センター公式図録感想
2020年に全面的にリニューアルした「東京大空襲・戦災資料センター」の図録です。私は都内の博物館や美術館はそれなりに足を運んでいる方だとは思うのですが、2002年に開館したこのセンターを知ったのはつい最近のことで、図書館で東京大空襲に関する本を借りたことがきっかけでした。この図録も、図書館で借りて読んでいるので、いずれはセンターに足を運んで、資料を直に見てみたいです。(ちなみに、東京大空襲の資料というと、江戸東京博物館と昭和館でも見た記憶があるので、そちらにもまた行ってみたいです。)
読了日:04月28日 著者:
クリスタル☆ドラゴン(21)クリスタル☆ドラゴン(21)感想
いずれはサールは肉体を取り戻せると思っていたですが、どうやらサリ(=「おっかさま」)と同じ状態(霊魂?)になってしまっているようで、だとしたら元の肉体を取り戻すことはないということに…? 何気にショックですが、本人は一族の手助けができることを喜んでいるようなので、良かったです。サールとサリは一族から求められていますし、「なすべきこと」がはっきりしていますが、誰からも求められず、自分のなすべきことが分からないまま「常若の国」に着いてしまったギーゼラは、果たしてそこを居場所とすることができるのでしょうか?
読了日:04月28日 著者:あしべゆうほ
クリスタル☆ドラゴン(20)クリスタル☆ドラゴン(20)感想
レギオンと共に眠る水晶の竜の元にアリアンロッドが辿り着き、20巻目にしてようやく『クリスタル☆ドラゴン』というタイトルの意味するものが分かりました。アリアンロッドが寒さで震えていると知ったグリフィスが「俺の毛皮を剥いで着るといい」と言うシーンには、「死を覚悟したグリフィスはこんなに優しくなるのか…!」と驚きました。アリアンロッドの力で回復した後、しばらくアリアンロッドを見ないようにしているのは、全裸のアリアンロッドへの気遣いだけでなく、自分が優しさを見せてしまったことの照れ隠しもありますよね、きっと…。
読了日:04月28日 著者:あしべゆうほ
クリスタル☆ドラゴン(19)クリスタル☆ドラゴン(19)感想
強大な力を秘めながらも、魔法使い(ドルイド/ドルイダス)としては未だ“見習い”であるアリアンロッドですが、サールの一族の巫女のサリ(=「おっかさま」)と行動を共にしたことで、魔法使いとしてのレベルはアップしたのでしょうか…? サリは巫女でありながらも戦士の風格があり、絶壁から落ちたアリアンロッドの無事を願って涙する姿には「情の厚さ」が感じられてグッときました。
読了日:04月27日 著者:あしべゆうほ
クリスタル☆ドラゴン(18)クリスタル☆ドラゴン(18)感想
過去の世界(ひょっとしたらパラレルワールドの可能性も?)で、レギオンはアリアンロッドに「アリアンロッド」という名前を“与え”、アリアンロッドは風の精(シルフ)の王に「パラルダ」という真実の名を“与え”ます。アリアンロッドにとってレギオンが二重の形での「名付け親」であり、風の精の王の「(真実の名の方の)名付け親」がアリアンロッドであるという状況は、「縛りつける者/縛られる者」という関係を複雑にしています。
読了日:04月27日 著者:あしべゆうほ
クリスタル☆ドラゴン(17)クリスタル☆ドラゴン(17)感想
アリアンロッドとバラーが、“竜の杖”の主になるために、四つの破片を取り合うことに…?  “竜の杖”とエラータが顔見知り(?)だったとは意外でした。グリフィスとサールは堅実に冬を越そうとしているのに、アリアンロッドととソリルは(ヘンルーダを探さなければならないという事情があるとはいえ)あまり下調べもせずに冬山に入ってしまっており、「慎重派」と「楽観派」の違いがよく現れています。
読了日:04月26日 著者:あしべゆうほ
KAPPEI 4 (ヤングアニマルコミックス)KAPPEI 4 (ヤングアニマルコミックス)感想
勝平と山瀬の想いがすれ違うもどかしさには、「ハーレクインか!?」と思ってしまいました。女性を侮辱する男性に対して、その場にいる第三者の男性がしっかり怒るというシチュエーションも、何気にハーレクインっぽいです。『北斗の拳』要素とハーレクイン要素を足して、キャンパスライフラブコメに仕上げたのが、『KAPPEI』という作品なのでしょうか…!?
読了日:04月26日 著者:若杉公徳
KAPPEI 3 (ヤングアニマルコミックス)KAPPEI 3 (ヤングアニマルコミックス)感想
勝平の寿司職人姿が、驚くほどしっくりと馴染んでいます。これはもう天職と言っていいのでは…? なんだかんだで勝平は人付き合いを上手にこなしていますし、働く意欲もあるので、いずれはちゃんと自立できそうな気がしますが、他のメンバー(守、正兄ぃ、俊也)は、果たして…。
読了日:04月25日 著者:若杉公徳
バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ 2バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ 2感想
本編と比べると、こちらの烈海王は他者への無礼な態度がかなり目立つのですが、キング・ヒュドラを倒した際には「謝謝了ッ」と言っているので、強敵だと認めた相手になら敬意を払うということなのでしょうか…? 仲村にはかなり世話になったのに、きちんと面と向かってお礼を言わずに「再見 中村」とメッセージを残しただけ(しかも「仲」を「中」と誤字ってる)で去っていくなんて、何をそんなに急いでいるのでしょうか…。あまりにもせっかちすぎるのでは…?
読了日:04月25日 著者:陸井栄史,猪原賽,板垣恵介
イタリアの色 (コロナ・ブックス)イタリアの色 (コロナ・ブックス)感想
イタリアの伝統色のうち227色を色票と美しい写真と共に解説しています。カラーイメージを通してイタリアの文化を学ぶというコンセプトが一風変わっていて、楽しく読み進めましたが、色票の金・銀は4色のオフセット印刷では表せないために、それに近い色相・彩度・明度の色が掲載されているとのことで(5p)、印刷技術上の問題点にも気付かされる本でした。岡田邦雄氏・畠中光享氏・谷川渥氏のエッセイが収録されています。
読了日:04月24日 著者:
へうげもの(16) (モーニングコミックス)へうげもの(16) (モーニングコミックス)感想
家康がどんなに努力して己の欲望を自制しているかを知らず、余計な策を講じ、「計画通り」の時の夜神月ばりのドヤ顔をしている古田が最高に間抜けです。渾身の「風炉サンドアート」は鑑賞者を感動させているわけですから、古田はクリエイターとして一流なのは間違いないのですが、行動原理が「欲」である古田には、「自制心」によって成功を収めた家康が理解できず、こういうコミュニケーションの齟齬の描写に、古田の「驕り」がよく表れています。
読了日:04月24日 著者:山田芳裕
GIGANT(4) (ビッグコミックス)GIGANT(4) (ビッグコミックス)感想
街が破壊される様子をリアルタイムで見ているのに、それが「自分のすぐそばで起こっている出来事ではない」という認識だと他人事のような感覚になってしまい、ギリギリの状態にまで追い詰められないと「命の危険」を感じない…という、「当事者感覚の鈍さ」の描写には、リアリティがあります。パピコ(ちほ)の苦しい戦いぶりに同情して「見てらんない」「誰か止めなかったのかよ」とネットに書き込みする人はいても、祈るような気持ちで「死なないでほしい」と願っているのは、おそらくは零一人なんだろうなぁ…と、悲しい想像をしてしまいました。
読了日:04月22日 著者:奥浩哉
GIGANT(3) (ビッグコミックス)GIGANT(3) (ビッグコミックス)感想
巨大化して戦うことのリスクというものに焦点を当ててくる展開には、『ウルトラマンメビウス』を思い出してしまいましたが、メビウスは「バカヤロー!!なんてヘタクソな戦い方だ!」と言われる程度で済んだのに対し、パピコ(ちほ)の場合は内乱罪として起訴されてしまいます。巨大化すれば拘置所から脱出することは可能なはずなのですが、それをしないのは、行き場のなさと、罪悪感と、「何をどうしていいのか分からない」という混乱のせいですね、多分…。
読了日:04月22日 著者:奥浩哉
GIGANT(2) (ビッグコミックス)GIGANT(2) (ビッグコミックス)感想
『GANTZ』は男子高校生が愛する者を守るために戦う話でしたが、『GIGANT』は男子高校生は“守られる”側…? 「巨大兵器(?)による都市の破壊」とか「全裸で走り回るヒロイン」とか「愛のあるセックスで満たされる喜び」とか、シチュエーションを個別に挙げていけば『GANTZ』との共通点はあるものの、『GANTZ』の焼き直し感はなく、きちんと「新しい物語」として成立していると感じます。
読了日:04月22日 著者:奥浩哉
GIGANT(1) (ビッグコミックス)GIGANT(1) (ビッグコミックス)感想
「映画マニアの男子高校生が同級生の可愛い女の子を誘って映画を撮ろうとする」というシチュエーションは『HEN』にもありましたし、その女の子がモデル体型で、映画マニアの男の子よりも背が高いという点も同じなのですが、これはセルフオマージュという解釈で良いのでしょうか?(ちなみに、以前に単行本を読んでいるので、これは再読です。単行本の感想はこちら→https://bookmeter.com/reviews/83408262)
読了日:04月22日 著者:奥浩哉
諸葛孔明 時の地平線(14)諸葛孔明 時の地平線(14)感想
「泣いて馬謖を斬る」で有名な「街亭の戦い」に、諸葛喬が深く関わり、孔明が「泣いて馬謖と諸葛喬を斬る」と判断する展開には驚きましたが、そこで子竜が策を構ずる展開にはもっと驚きました。これまでずっと典型的な体育会系として描かれてきた子竜の、最初で最後の策士っぷりには、胸が熱くなります。子竜が豪姫(孫権の妹)と親しかった設定がさりげなく活かされているのも上手いです。魏延をただのウザキャラでは終わらせず、「乱世の収束に伴う軍縮」の“被害者”という位置づけにしているのも、とても良かったです。
読了日:04月21日 著者:諏訪緑
諸葛孔明 時の地平線(13)諸葛孔明 時の地平線(13)感想
曹操の背後にいた「龍」を孔明の「龍」が引き寄せてしまったことで、陸遜に対する殺意を抑えきれなくなっていたものの、劉備と子竜のおかげで孔明は自分を取り戻し、陸遜との和平交渉に前向きになります。安期生が語っている「ある男」とは、てっきり始皇帝のことかと思ったのですが、「乱世は終わり 長く新しい王朝が生まれた」というセリフからすると、劉邦…? 孔明と馬謖と英が奇妙な三角関係になっていますが、仮に馬謖が女性だったなら、馬謖が第一夫人、英が第二夫人となって孔明を支えることで、丸く収まるのでは…と思ってしまいました。
読了日:04月20日 著者:諏訪緑
へうげもの(15) (モーニングコミックス)へうげもの(15) (モーニングコミックス)感想
負け戦によって自分の「弱さ」を認めた石田三成は、砕けた小茄子に「愛おしさ」を感じる自分に気付いて涙し、韮の花に「わび」を見出します。再起叶わぬと悟った石田が残した「数寄」(一種のジャンク・アート?)を目にして、古田は初めて石田を「ひょうげもの」として評価しますが、時すでに遅し…。古田は「数寄」を人脈作りに利用することに長け、コレクターとしての熱意がありますが、石田にとっては「数寄」は「内在化した美意識」として完結しており、コミュニケーションの手段やコレクションの対象ではなく、ゆえに悲劇を招いたと言えます。
読了日:04月20日 著者:山田芳裕
海とヒトの関係学5 コモンズとしての海 (シリーズ海とヒトの関係学)海とヒトの関係学5 コモンズとしての海 (シリーズ海とヒトの関係学)感想
環境問題、文化論、考古学、地球科学などの視点から、「海とヒト」の関わり方について述べている個々の文章はとても興味深かったものの、それらを「コモンズ」という概念でくくるとなると哲学のジャンルに突入せざるをえないのに、哲学に主眼を置いている執筆者が誰もおらず、倫理学の観点がゼロであるせいで「持続可能な海洋経済(ブルーエコノミー)」というテーマが「いかに資本家にお金を還元するか」に収束してしまっています。2025年開催予定の大阪・関西万博を好意的に紹介していますが、夢洲の完成図からは環境破壊の予感しかしません。
読了日:04月20日 著者:秋道 智彌,角南 篤
諸葛孔明 時の地平線(12)諸葛孔明 時の地平線(12)感想
司馬懿というと、横山光輝の『三国志』の「待てあわてるなこれは孔明の罠だ」が有名ですが、『時の地平線』での司馬懿の場合は「陸遜の罠」を警戒し、しかもそれは深読みのしすぎというわけではなく大正解なのですが、曹真以外は誰も気にかけていません。頭脳派キャラがあまり策士ぶらない『時の地平線』の中で、一番「策士気どり」なキャラは陸遜なので、読んでいて妙にイラッとしてきます。
読了日:04月19日 著者:諏訪緑
へうげもの(14) (モーニングコミックス)へうげもの(14) (モーニングコミックス)感想
南蛮鉄砲を撃ちまくって15人の兵士を血祭りに上げた後、自身も銃弾を浴びて壮絶な死を遂げた細川ガラシャ(玉子)ですが、「我が軍の士気に係わる」という石田兵の判断により「重臣と刺し違え屋敷を焼いた」と矮小化されてしまい、凄惨な最期よりも、勇敢な戦いぶりが誰にも伝わらないことの方に悲劇性を感じました。古田は「嘲笑されること」に慣れている自分を「乙将」と称していますが、一発芸でスベッた時の石田三成を「真の姿」と評して思い出し笑いしている大谷吉継にとっては、石田三成こそが「乙将」であると言えます。
読了日:04月19日 著者:山田芳裕
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)感想
この作品の舞台を日本に置き換えると、「山姥伝説の近代版」ということになるでしょうか…。閉鎖的な村の中にある裕福なお屋敷で起きた毒殺事件が物語の背景にあるので、これが探偵小説であったなら訪問者のチャールズは探偵役となるのがお約束ですが、あいにく、財産目当てのしょーもない男なので、「謎が解明されて事件が解決」という方向性のオチにはなりません。…が、主人公のメリキャットと、その姉のコンスタンスの視点においては、ハッピーな結末であり、ある意味、究極的なシスターフッドの物語と言えます。
読了日:04月18日 著者:シャーリィ ジャクスン
諸葛孔明 時の地平線(11)諸葛孔明 時の地平線(11)感想
司馬懿の兄の司馬朗を殺したのは楊修で、孔明の妹(隴)の夫の龐山民(士元の従兄弟)の死因は病気…って、曹操はとんだ濡れ衣だったんですね…。曹操に「人質で脅して人材登用」のイメージがついてしまっているのは、徐庶の母親を人質にとったことが大きいので、自業自得と言えますが…。曹植について語っている時の楊修の頬が赤らんでいて、まるで恋をしているように見える(157p)ので、曹植の擁立に張り切りすぎてしまったのは、保身のためだけではなかったのでは…?と想像してしまいました。
読了日:04月18日 著者:諏訪緑
諸葛孔明 時の地平線(10)諸葛孔明 時の地平線(10)感想
劉備陣営から見ると、法正はトラブルメーカーなのですが(とはいえ、そもそもの問題は劉璋にあるですが)、「漢人への憤り」という面においては馬超と同じメンタリティであり、それゆえに、馬超に自らを客観視するきっかけを与える役目を(法正自身はそれを自覚しないまま)果たしています。馬岱は地味なキャラですが、馬超にツッコミを入れているシーンを見ると、2人がいいコンビに思えてきて、馬超の直情的な気質はあまり好きではないのですが、馬岱とセットでなら愛着が湧いてきます。
読了日:04月17日 著者:諏訪緑
恋する鬼畜島 1巻 (LINEコミックス)恋する鬼畜島 1巻 (LINEコミックス)感想
『鬼畜島』の学園パロディ作品です。マリはほとんど変わっていませんが、カオルとサトルは女の子(名前は「カヲル」と「サトコ」)、高久は女子力が高めの癒し系のほんわかした好男子として登場しています。義一、アンナ、カンナにあたるキャラがいることは明らかになっていますが(ただしこの巻では顔に影がかかっています)、おとき婆さんにあたるキャラが登場するのかどうかが気になります。
読了日:04月17日 著者:ホリエリュウ,外薗昌也
新装版 範馬刃牙 1 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)新装版 範馬刃牙 1 (少年チャンピオン・コミックス エクストラ)感想
週刊少年チャンピオン連載時の「巻末目次コメント」(2006年1号~16号)が収録されているのですが、【森川ジョージさん。今度はこっちで勝負しねェ?】(12号)、【なァ……森川ジョージさん、短期集中でいいからさァ。勝負しようよォ…。】(14号)というコメントが気になります。先生同士の勝負なのか、キャラ同士の勝負(刃牙vs一歩?)なのか、果たしてどちらなのでしょうか…。
読了日:04月17日 著者:板垣恵介
諸葛孔明 時の地平線(9)諸葛孔明 時の地平線(9)感想
亡き周瑜との「蜀攻略」という約束(見方を変えれば“やんわりとした脅迫”)に縛られていたために苦しんだ士元ですが、孔明も馬超と「涼州を元々の住民(羌人・氐人)の手に戻す」という約束をしてしまっており、士元にしても孔明にしても、合理性だけで駆け引きをしているわけではなく、自らの中のエゴイズムに嫌悪し、「他に選択肢があったのではないか」と後悔し、人の世の不条理に身悶えしながら、軍師としての役目を全うしようとしています。長い付き合いの二人が、ここにきてようやく共感し合うようになりますが、士元の背に東州兵の矢が…。
読了日:04月16日 著者:諏訪緑
へうげもの(13) (モーニングコミックス)へうげもの(13) (モーニングコミックス)感想
追い詰められた石田三成の「一発芸」のスベリっぷりに古田がドン引きしていますが、読者目線においては、古田だって、これまで「度を超した必死さ」を幾度となく発揮してきました。その「必死さ」がすっかりなくなり、ただの日和見主義を「新しき乙将の生き方」とか言って余裕をぶっこいている今の古田には、石田三成にかつての自分を見出すだけの内省性がなく、石田三成が「憎めないキャラ」になっていくのと相反して、古田が「憎たらしいキャラ」になってきました。
読了日:04月15日 著者:山田芳裕
中高年のためのやわらか筋トレ&ストレッチ―1日10分 全身の若返りと生活習慣病の予防に驚きの効果 (セレクトBOOKS)中高年のためのやわらか筋トレ&ストレッチ―1日10分 全身の若返りと生活習慣病の予防に驚きの効果 (セレクトBOOKS)感想
モデルさんが着ているビキニ型のトレーニングウェアに特徴がありすぎるせいで、再編集して再版した本だとすぐに気づきました。もくじのページに「この本は、2008年小社刊『中高年からの筋トレとストレッチ入門』を元に、新規に取材・撮影を加えて再編集し、新たに石井直方先生に監修をお願いしたものです。」…との記載がありますが、これは、2005年刊の『中高年からのやわらか筋トレとストレッチ入門』の間違いでは…?(https://bookmeter.com/books/1819872)
読了日:04月15日 著者:
マジカル3Dブック―目に効いて、頭がさえるマジカル3Dブック―目に効いて、頭がさえる感想
4つ、もしくは5つの図像が並んでいるタイプのものは、画面酔いしやすいです。特に、14ページの「未来都市」は、下の部分のブレが酷いので、せっかく絵そのものは綺麗なのに、頭がクラクラして気持ちが悪くなってきます。
読了日:04月15日 著者:
よくある場面から学ぶリスク予防 (ステップアップ介護)よくある場面から学ぶリスク予防 (ステップアップ介護)感想
移動とか姿勢とかの身体面での介助に関しては、介護士側の注意力と技術力でリスクを下げることは可能ですが、被介護者側のメンタルの問題、特に、「介護を受けるのは屈辱」と感じてしまっている場合の対策法は、実質、ないも同然なのでは…と思ってしまいました。「タイミングや気分を変える」「ゆとりを持って接する」「想いをくみ取る」等のアドバイスは、「介護のされ方」に不満がある場合にのみ有効なのであって、「介護されているという状況」に不満がある場合は、対処のしようがありません。介護問題で一番やっかいなのは、そこなのでは…?
読了日:04月15日 著者:神吉 大輔
諸葛孔明 時の地平線(8)諸葛孔明 時の地平線(8)感想
ついに士元が劉備陣営の軍師に正式に着任しますが、孔明とは息が合わない…というか、孔明に真意を悟らせまいとしているふしがあり、わざと心理的に距離を置いているように見えます。孔明にとっては、手に取るように心の内が理解できてしまう相手は曹操ですが、士元にとってはそういう相手は周瑜であり、孔明と士元の間には思考や思想に大きな「隔たり」があります。孔明と馬謖は価値観がかなり近いのですが、だからこそ馬謖は被害者の視点で「赤壁の戦い」を評価して孔明に反発することとなり、この心理状況は「曹操に反発する孔明」と同じです。
読了日:04月14日 著者:諏訪緑
灼熱の王と美しき逃亡者 (ハーレクインコミックス)灼熱の王と美しき逃亡者 (ハーレクインコミックス)感想
原題は『A CHRISTMAS BRIDE FOR THE KING』。子供の頃のトラウマがクリスマスと結びついてしまっているヒロインが、クリスマスに新たな思い出が上書きされたことで、クリスマスを素直に祝えるようになる…という流れには、「クリスマスを楽しめないこと」=「不幸なこと」という価値観が前提になっていて、モヤモヤ…。ヒロインにとってクリスマスには宗教的な意味がなく、だからこそ「楽しめないこと」に「惨めさ」を感じているのですが、だったらクリスマスを気にしない方向性で抑圧から解放されてほしかったです。
読了日:04月14日 著者:氷栗 優,アビー・グリーン
フレンチトーストとパン料理: ラスクやサラダ、スープにグラタンまで。パン好きさんに届けたい、とっておきのパン活用レシピフレンチトーストとパン料理: ラスクやサラダ、スープにグラタンまで。パン好きさんに届けたい、とっておきのパン活用レシピ感想
パンを使った料理というと、作るのも食べるのも、比較的手軽なイメージがあったのですが、この本ではかなりの「ごちそう感」があるレシピが紹介されています。プディングというと「クリスマスプディング」の印象が強かったので、なんとなく「プディング=冬のデザート」だと思い込んでいたのですが、イギリスには「サマープディング」というものもあることをこの本で初めて知りました。
読了日:04月13日 著者:ナガタユイ
柑橘料理の本柑橘料理の本感想
みかん、レモン、グレープフルーツ、すだち、ライムなどを使ったレシピが紹介されています。みかんを皮つきのまま2等分したものを使うという「みかん鍋」(41p)のような大胆なレシピもあれば、オレンジジュースをみりんの代わりに使う「無限そぼろ丼」(62p)のようなレシピもあり、柑橘類の用途の幅広さを確認できました。
読了日:04月13日 著者:尾田衣子
ステキな英文フレーズ1230―各種クラフト、グリーティングカード&アルバム作り、トールペインティング、刺しゅうなどにすぐ使える (ブティック・ムック (no.610))ステキな英文フレーズ1230―各種クラフト、グリーティングカード&アルバム作り、トールペインティング、刺しゅうなどにすぐ使える (ブティック・ムック (no.610))感想
142~143ページの、「very」や「merry 」を「bear」とひっかけたり、ダブルミーニングを利用したりした“熊ジョーク”は、とても面白いと思いましたが(「Beary good!」、「Beary Christmas!」、「I can't bear to be without you=あなたがいなくてクマッた」「Bear with me=クマッた私だけど我慢して」等)、テディベアとか熊グッズをプレゼントする時くらいしか使い道がないのが、ちょっと残念です。
読了日:04月13日 著者:
なぜ私は怒れないのだろうなぜ私は怒れないのだろう感想
怒らなくなることを目指すのではなく「怒る必要のあることに上手に怒り、怒る必要のないことには怒らなくて済むようになること」を目指すアンガーマネジメントについて、優しくレクチャーしている本です。「怒れない心理」や「怒りをネガティブに捉える文化」についての分析はとても納得感がありましたが、「日本語の特質」(日本語独特の言い回し)と、「ジェンダー格差」(男よりも女の方が怒りに対する抑圧が強いことや、男が女を“叱る”時はマンスプレイニングが入り込みがちなこと等)への問題提起がなかったのが、少々物足りなかったです。
読了日:04月12日 著者:安藤 俊介
JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~(1) (ビッグコミックス)JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~(1) (ビッグコミックス)感想
EDで53歳にまるまで一度も勃起したことのない主人公が、バツイチの子持ち女性と意気投合して結婚までこぎつけたはいいものの、泥酔して記憶のない“初夜”で妻が妊娠したことで妻への不信感が芽生える…という流れまでは理解できるとして、その状況がどうして「幻のED治療薬の有効成分を突き止めて自分でその薬を作る」と主人公に決意させることに繋がるのか、その心理過程が一巻の段階では説明不足なように思いました。「ED治療薬で勃起して“男のプライド”を得なければ、妻を追及できない」ということなのかもしれませんが…。
読了日:04月12日 著者:高橋ツトム
婀穹昇伝婀穹昇伝感想
収録されている2作品はどちらも中国の説話っぽい雰囲気ですが、作者のあとがきによると「中国モノ」ではなく「あくまでも中国風」だそうです。表題作の『婀穹昇伝』の、皇帝が「この村に生まれた者の中から自分に災いをもたらす者が出る」という予言を信じて村中の赤ん坊を皆殺しにするところは、キリスト教におけるヘロデ王の幼児虐殺エピソードを思い起こさせます。個人的に気に入っているのは『弥勒浄蘭』の方で、主人公の秋燕のポーズがなんとなくバレエやフィギュアスケートっぽい感じに描かれているところが良いです。
読了日:04月11日 著者:飯田耕一郎
沙の悪霊沙の悪霊感想
佐藤史生の『ワン・ゼロ』とかなり共通する部分のある作品ですが、『ワン・ゼロ』とは違って『沙の悪霊』は明確にインセスト・タブーがテーマになっています。『ワン・ゼロ』(及びその原型の短編『夢喰い』)の摩由璃は孔雀明王の化身なのに対し、『沙の悪霊』の真魚は阿修羅の化身であるところも大きく違います。おそらくどんなに真魚が転生を繰り返しても愛する人(=兄)を殺し続けるであろう予感を読者に与えている所は、萩尾望都の『酔夢』っぽさがあり、阿修羅が少女の姿である所は『百億の昼と千億の夜』っぽさがあります。
読了日:04月11日 著者:飯田耕一郎
諸葛孔明 時の地平線(7)諸葛孔明 時の地平線(7)感想
孫権の妹と劉備の政略結婚(「政略結婚にかこつけての劉備の暗殺」が孫権陣営の真の目的なので、実は誰も本気で政略結婚は進めていませんが)のくだりでは、性格的にも年齢的にも劉備とお似合いなのは、孫権の妹よりも、むしろ孫権の母親の国太の方だと感じられるような描写になっているので、「劉備と国太が結婚したら、三国志ワールドは一体どうなるんだろう?」と、想像せずにはいられませんでした。士元が酒好き(アル中になりかけ?)であることと、“名誉の負傷”を負ったことで、張飛がやたらにフレンドリーになる心理は、納得感があります。
読了日:04月11日 著者:諏訪緑
チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(2) (ビッグコミックス)感想
オクジーは夜空の星が「大地に生きている人間を蔑む眼」に見えてしまうため、「星空恐怖症」とでもいうような心理状態に陥っていますが、太陽と月、及び、昼の空に関してはどう感じているのか全く分からないのが、少々気になりました。「夜空を綺麗だと感じる感性」が強すぎるせいで、相対的に「地上の汚れ」を耐えがたく感じてしまう…というオクジーの心理は分かるものの、そんなにまで繊細な感性を持つ男が、「青空の美しさ」や「太陽と月の美しさ」は何とも思っていないのは不自然です。「夜」にこだわる心理にもうひとつ工夫がほしかったです。
読了日:04月11日 著者:魚豊
億万長者と一輪のすみれ (ハーレクインコミックス)億万長者と一輪のすみれ (ハーレクインコミックス)感想
親子ほど年の離れているレオナルドとローレンスが「疑似的な親子関係」ではなく「対等な友人関係」を築いていたという設定はグッときますし、「たとえ不倫の結果だとしても、生まれてくる子供は祝福されるべき」という価値観が貫かれている点はとても良かったのですが、男性キャラが避妊をしないことにモヤモヤ…。レオナルドはイタリア人なので(ちなみに原題は『THE ITALIAN'S UNEXPECTED LOVE-CHILD』)、「イタリア人」=「カトリック」=「避妊はタブー」ということなのかもしれませんが…。
読了日:04月10日 著者:本橋 馨子,ミランダ・リー
チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)チ。―地球の運動について―(1) (ビッグコミックス)感想
科学と宗教の対立を描いた作品かな…?と思ったのですが、少なくともこの巻では、「相反する勢力のぶつかり合い」よりも、「個人の価値観の変化」の描写の方に力が入っているように感じられます。この巻の主人公のラファウは、とても打算的な判断をする少年で、地動説を知ったことで「自分の命」よりも「感動を残すこと」の方に利を感じるようになり、最終的に「死」を選びます。ラファウにとっては「嘘をついて生き残ること」よりも「死を選ぶこと」の方こそが「打算的な判断」だったわけです。
読了日:04月10日 著者:魚豊
極主夫道 8巻 (バンチコミックス)極主夫道 8巻 (バンチコミックス)感想
雪が降った朝は、雪景色よりも結露が気になってしまうという龍さんに、共感しまくってしまいました。
読了日:04月10日 著者:おおのこうすけ
チェンジ 1巻チェンジ 1巻感想
野球好きのヒロインに弱小野球部の部員が感化されてゆく部分は、野球漫画・部活漫画的にはオーソドックスな内容なのですが、そのヒロインの命は49日しかなく、死すべき運命だったヒロインに与えられたその命は、ヒロインに恋した死神の命を“切り刻む”ことと引き換えになっている…という背景が、ものすごく重くて、青春を謳歌する若者たちと、恋に命を捧げたことで苦痛に苛まれる死神の対比が、「命」というテーマを浮き彫りにしています。
読了日:04月10日 著者:小山 ゆう
エロスの種子 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)エロスの種子 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
女性の内面に焦点を絞ってエロスを追及した作品としては楽しめるものの、冒頭の『産む女』に関しては、「子供を産む機能を持つがゆえの苦悩」の描写にモヤモヤしました。妙子が傷ついている理由は「産む道具扱いされること」ではなく「産める女であることを証明できないこと」なので、己のプライドを守るために「産める女であることを証明」してしまっており、結局、「産む道具」という立場に甘んじてしまっています。「産む道具」であることを逆手に取るという展開に込めた皮肉は理解できるものの、そこにカタルシスを感じるのは無理でした。
読了日:04月09日 著者:もんでんあきこ
SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)感想
「スパイもの」+「ファミリーもの」の作品ですが、家族は家族でも「父・母・娘が己が利のために作った疑似家族」という設定がキモで、疑似家族でありながらもしっかりと「ファミリーもの」として物語が成立している上に、「スパイもの要素」に「お受験漫画要素」を無理なく絡める構成力が凄いです。「スパイの父とその娘」という組み合わせの作品には『スパイの家』(作画:雨松、原作:真刈信二)もありますが、こちらは父と娘の描写は「同居人ラブコメ」の亜種(父と娘の擬似的な夫婦ごっこ萌え漫画」)でしかありませんでした。
読了日:04月08日 著者:遠藤達哉
七魂岬 (ホラーMコミック文庫)七魂岬 (ホラーMコミック文庫)感想
カバーの折り返しの「著者からのひとこと」によると、この本に収録されている作品は「私にとってはずい分前の(若い頃の)作品です」とのことで、初出が分かっている作品の中では、一番古いものは1988年の『ラザラスハート』です。竹崎先生の作品は『まんがグリム童話 金瓶梅』しか知らなかったので、初期の絵柄には小椋冬美っぽさがあり、ホラーの系統としてはゴシックっぽさがあることに驚きました。
読了日:04月08日 著者:竹崎 真実
諸葛孔明 時の地平線(6)諸葛孔明 時の地平線(6)感想
この巻では『赤壁の戦い』が描かれているのですが、火攻めのシーンや曹操軍の退却シーンよりも、微妙な立場に立っているゆえの士元の受難の方が印象に残ります。華佗が、義理の父親の安期生のいる場所(仙境?)に自分の意思で自由に行き来する描写には、ファンタジー要素が強めに出ていて、華佗のこういうふわふわした雰囲気には、『蒼天航路』での若かりし頃の孔明の描写を思い出しました。(『蒼天航路』だと、急激にキモいキャラに変貌しますが…。)
読了日:04月08日 著者:諏訪緑
諸葛孔明 時の地平線(5)諸葛孔明 時の地平線(5)感想
子竜による阿斗救出、長阪橋での張飛の活躍、孫権の家臣団と孔明の舌戦、3万本の矢を調達する奇策…など、あまり『三国志』を知らない私でも知っている有名エピソードがこの巻は目白押しです。女をはべらしてだらしない姿で再登場した士元には、『蒼天航路』の孔明を思い出してしまいました。『蒼天航路』では士元はストイックな雰囲気なので、『時の地平線』と『蒼天航路』を比較すると、孔明と士元の性格設定は逆になっています。
読了日:04月08日 著者:諏訪緑
白の闇白の闇感想
目が見えなくなった人類の混乱を描き、「人間の尊厳」や「社会の脆弱性」をテーマに含んでいるところはジョン・ウィンダムの『トリフィドの日』に近いですが、夜が明けたら(一部の人を除いて)一斉に目が見えなくなっている『トリフィドの日』とは違い、『白の闇』の場合は「徐々に“感染”が拡大していく」という設定であるため、狭い隔離施設にどんどん感染者が押し込まれていく「閉塞感」と、溜まっていく排泄物の「異臭」(終盤だと腐臭が加わります)の描写が突出しています。こんなにも嗅覚に訴えてくる作品は初めてです。
読了日:04月07日 著者:ジョゼ サラマーゴ
諸葛孔明 時の地平線(4)諸葛孔明 時の地平線(4)感想
戦国モノでは軍師ポジションのキャラは「戦略によってどうやって勝利を得るか」がクローズアップされがちですが、この作品では「徐庶はよぉ 農民と武人しかいねえ新野でよ 税の計算やら公共施設の建設やら事務全部ひとりでやってたんだぜ」という劉備のセリフによって、乱世といえども「コミュニティをどう機能させて維持していくか」という問題の重要性を読者に提示しています。そして、この巻で孔明が尽力しているのは、「犠牲者を出さずに万単位の人間を移動させること」であり、決して「曹操の鼻を明かすこと」ではありません。
読了日:04月06日 著者:諏訪緑
首・肩のこりがつらいときの本 (みんなの女性外来)首・肩のこりがつらいときの本 (みんなの女性外来)感想
産婦人科、内科、整形外科、泌尿器科、眼科、皮膚科、精神科、耳鼻科、漢方、サプリメント、栄養、アロマセラピー、運動の専門家(全員女性)による監修を元に、「普通の若い女性によくある症状」としての「首・肩のこり」について、様々な方面からアドバイスしている本です。「肩こり程度で病院に行くのはちょっと…」と思ってしまう人向けに、整形外科での検査や治療について解説しているページは、診察・通院への心理的なハードルを下げてくれます。
読了日:04月06日 著者:
大人のおしゃれ手帖特別編集 旬野菜 私のおすすめレシピ (TJMOOK)大人のおしゃれ手帖特別編集 旬野菜 私のおすすめレシピ (TJMOOK)感想
元々自分は食べ物への関心が薄い上に、大抵の食材はスーパーで一年中手に入ってしまうせいで、日々の買い物で「あれ?これって今が旬?」と思うのは、特別に値段が安い時か、店頭のポップで「今が旬」であることがアピールされている時くらいなので、「旬野菜」をテーマにした本は、積極的に参考にしていきたいです。
読了日:04月05日 著者:
KAPPEI 2 (ヤングアニマルコミックス)KAPPEI 2 (ヤングアニマルコミックス)感想
かつての師匠の言葉をしっかり覚えている勝平の記憶力が、何気に凄いです。この記憶力があれば、山瀬の大学に入学できるのでは…。
読了日:04月04日 著者:若杉公徳
KAPPEI 1 (ヤングアニマルコミックス)KAPPEI 1 (ヤングアニマルコミックス)感想
せっかく“世界滅亡の日”に備えて「無戒殺風拳」を身に付けたのに、そんな日は来なかったせいで救世主になりそこねた“終末の戦士”が、平和の世で試行錯誤しながら青春を取り戻そうとするラブコメです。絵面的には『北斗の拳』へのオマージュが明確ですが、「来るべき“世界滅亡の日”に備える」というシチュエーションには『7SEEDS』、「正義感が強くて純情だけどやぼったい男+天然系のかわいこちゃん」という組み合わせには『俺物語!!』っぽさがあり、ヤングアニマル連載なのに表紙は「花とゆめコミックス」のデザインを模しています。
読了日:04月04日 著者:若杉公徳
人形の墓―美内すずえ作品集 (角川ホラー文庫)人形の墓―美内すずえ作品集 (角川ホラー文庫)感想
『黒百合の系図』(初出は1977年の「ララ」)、『泥棒シンデレラ』(1975年の「花とゆめ」)、『人形の家』(1973年の「週刊マーガレット」)、『孔雀色のカナリア』(1973~1974年の「セブンティーン」)が収録されています。ジャンルとしては、『黒百合の系図』は伝奇系、『泥棒シンデレラ』は「世にも奇妙な物語」系、『人形の家』はゴシック系、『孔雀色のカナリア』はサスペンス系です。『黒百合の系図』に登場する蛇(82~83ページ)は、もしかしたら魔夜峰央先生による作画でしょうか?
読了日:04月02日 著者:美内 すずえ
明日のエサ キミだから(2) (ヤングマガジンコミックス)明日のエサ キミだから(2) (ヤングマガジンコミックス)感想
カメラを回している政井は、実は生徒ではなく、部外者であることが判明し、何やら陰謀めいたものが匂わされてきました。前日譚にあたる「第0話」では、バケモノ(=ミケ)は最初から「人食い」だったわけではなく、「人間(の血)の味」を覚える前は、人間に“懐いて”いたことが判明しており、ねこじゃらしで遊んでもらって喜ぶしぐさには、愛らしさがあります。
読了日:04月02日 著者:若杉公徳
警部補ダイマジン 2警部補ダイマジン 2感想
平安が意識不明で入院している母親に向かって「約束を守るためにちょっとズルをしてね 最終兵器みたいな男を手に入れた ダイマジンて仇名の僕以上に悪が許せない熱血漢だよ」と語っていますが、このセリフの感じからすると、人の弱みにつけこむことでしか人間関係を築けないというわけではなく、少なくとも台場に関しては、「どうしても協力者になってほしいからやむなく卑怯な手段をとった」という感じ…? 台場の正義感の強さからすれば、事情を話せば普通に協力してくれそうな気がしますが、それができない理由が何かあるのでしょうか?
読了日:04月01日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
警部補ダイマジン 1警部補ダイマジン 1感想
『クロコーチ』は「汚職刑事」と「清廉潔白な刑事」のコンビものでしたが、『警部補ダイマジン』は「熱血漢でガタイのいい刑事」と「性格が悪くてヤサ男の刑事」のコンビものです。『クロコーチ』の黒河内と清家は対等な関係だったのに対し、『警部補ダイマジン』の台場と平安は「弱みを握られる者/弱みを握る者」という“支配関係”にあるのが特徴的です。
読了日:04月01日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
ファイブスター物語 16 (ニュータイプ100%コミックス)ファイブスター物語 16 (ニュータイプ100%コミックス)感想
大風呂敷の広げっぷりがこの作品の醍醐味だと個人的に思っているので、スケールのどでかいバトルシーンは読んでいて楽しかったものの、「強さに物を言わせての性行為の強要」が「ギャグ扱い」であることにはモヤモヤしてしまいました。騎士が「相手を力で捻じ伏せる」時は、同性同士だろうが異性同士だろうが真剣勝負扱いなのに、それが「女が男を力でねじ伏せてセックス」になるとギャグ扱いって…。目的がセックスだろうが何だろうが、力でねじ伏せられている段階で騎士としては“死んだ”も同然なのに、エストは笑っている場合ではないのでは…?
読了日:04月01日 著者:永野 護
トーストの本 (マイライフシリーズ)トーストの本 (マイライフシリーズ)感想
焼いてから塗る(のせる)タイプのレシピが多いので、パンに塗ってから(のせてから)焼くタイプのレシピが知りたかった自分としては、少々期待が外れてしまいました。38~39ページのピザトーストのバリエーションをもっと多くしてほしかったです。
読了日:04月01日 著者:みなくちなほこ
腸活 オートミールレシピ腸活 オートミールレシピ感想
オートーミールには「クイックオーツ」「インスタントオーツ」「スティールカットオーツ」「ロールドオーツ」の4種類があることを25ページで紹介していますが、“簡単”とか“手軽”を売りにしている他のオートミール本同様に、「ロールドオーツ」と「クイックオーツ」を使ったレシピのみを紹介しています。個人的に、カルディで売られているオドラムズのスティールカットオーツ(アイリッシュオーツ)が好きなので、ほんのちょっとでもいいのでスティールカットオーツのレシピを載せてほしいです…。
読了日:04月01日 著者:おなつ

読書メーター

「一時停止の車にお辞儀」のニュースを見て思い出した、「旗当番」について

「ありがとうございます」一時停止の車にお辞儀 新1年生が横断歩道で実践|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000250874.html


 ↑このニュースを見て、私が真っ先に思ったのは、「えっ?それ、旗当番の仕事では…?」でした。
 …というのも、私の住んでいる地域では、小学生の朝の登校時間は、保護者が持ち回りで「旗当番」というのをやっていて、信号のない横断歩道で旗を持って通学中の小学生の誘導、及び、車の一時停止を指示(というかお願い)するのですが、一時停止してくれたドライバーには会釈をするのが「旗当番のマナー」だということになっていたからです。

 その「旗当番のマナー」は、警察による指導というわけではなく、PTAの郊外委員からの指導なのですが、入学前の説明会の中に含まれている「旗当番のレクチャー」の時間の中で、「朝の忙しい時間帯に一時停止してくれているのだから、ドライバーに感謝の意くらいは示しましょうね」的な説明を受けるのです。
 これを聞いた時、「朝は忙しいのは保護者も生徒も同じなのはでは…?」とは思いつつも、「事故が起こりやすそうな横断歩道」に保護者が目を光らせる必要性自体は納得のいくものですし、保護者がドライバーに会釈するというのは、「お礼」の意味合いだけでなく、「子供の存在に大人は注意を払うべき」という「大人同士の共通認識」に対するアイコンタクトという意味合いもある…と、なんとなく思っていました。「ドライバー」と「保護者」は対等な立場であるはず…と、思っていたわけです。
 よもや、「ドライバー」と「保護者」では「ドライバーの方が立場が上」であり、保護者は「立場が低いゆえに頭を下げて“お願い”せねばならない」…などというような価値観なわけがない…と、思っていたんです。

 ・・・しかし、「ドライバーと保護者」という関係性が、「ドライバーと通学中の小学生」という関係性になった時、そこでは「会釈」どころか、はっきりと「お礼のためのお辞儀」が指導され、そこには明確に「立場の違い」というものが可視化されました。「ドライバーの立場」が上であり、「通学中の小学生の立場は下」という、上下関係です。 

 …ここで私は思いました。「あれ?旗当番として保護者が頭を下げていたのは、子供の代わりだったのか…?」と。「本来は子供が頭を下げるべきだけど、保護者が代わってあげていた」のだとしたら、そこには「ドライバーと保護者の対等な関係」などはなく、「子供の存在に大人は注意を払うべき」という「大人同士の共通認識」は存在していなかった…ということになります。「対等な大人同士」が「大人としての共通認識」を持っていたのではなく、「立場が下の者(=保護者)」が「立場が上の者(=ドライバー)」を「気持ちよくさせる」という、いわば「接待」に近い状態が、そこにはあったわけです。

 下の子供が小学校を卒業して10年近く経つので、今はもう私は「旗当番」というからは解放されているのですが、この「旗当番」が、実態は「接待」に等しいのだとしたら、「小学生のお辞儀」の件とセットで、その是非を見直す必要があるでしょう。

3月の読書メーター

3月の読書メーター
読んだ本の数:63
読んだページ数:10484
ナイス数:1648

やるっきゃ騎士 11 (みやすのんきデジタル全集)やるっきゃ騎士 11 (みやすのんきデジタル全集)感想
セクハラ野郎としてのキモさは豪介も雅麻呂も完全に同レベルなのに、豪介の方がマシという扱いになっているのは、「ハゲかフサフサか」の違いしかないのでは…? 豪介が綾子への未練を断ち切っていないのは明らかで、元カノにこうまで執着するような性格である上に、だれかれ構わずセクハラしておきながら反省も謝罪もただの一度たりともしていない男なのですから、一生一途に静香を愛してくれる確率が高いのはむしろ雅麻呂の方です。仮に豪介が若ハゲになったら、雅麻呂と大差ないどころか、浮気しない分だけ雅麻呂の方がマシになってしまいます。
読了日:03月31日 著者:みやす のんき
忍者武芸帳(影丸伝)(1)忍者武芸帳(影丸伝)(1)感想
「陰の流れ 疾風剣」の伝授が、「親から子」とか「師匠から弟子」ではなく、「瀕死の落ち武者から行きずりの若者」に「水を飲ませてくれたお礼」として行われているのがとても印象的で、武士の面子とか血縁のしがらみなどが全く絡んでいない「純粋な恩義」として描かれていることにグッときます。
読了日:03月30日 著者:白土三平
このマンガ 恐るべし・・・!!このマンガ 恐るべし・・・!!感想
B級漫画レビューサイト『BLACK徒然草』の書籍版です。(実は私はこのサイトの長年のファンです。)前作の『なんだ!?このマンガは!?』で取り上げられていた作品の約半分は雑誌掲載時にリアルタイムで読んでいたものだったので、「なんだこりゃ!?」よりも「懐かしい~!!」という気持ちの方が勝ってしまったのですが、『このマンガ恐るべし…!!』ではリアルに読んでいたのは『恐竜大紀行』くらいだったので、「なんだこりゃ!?」度が高かったです。2015年出版の本を底本としているので、情報はやや古めです。
読了日:03月30日 著者:J君
9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 7 (ボニータ・コミックス)9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 7 (ボニータ・コミックス)感想
篠塚がキリを「試す」ようなことをしているのは、意地悪をしているわけではなく、「エージェントとしての成長」を期待してのことですし、キリも自分の中の「一人の人間としての自意識」よりもまずは「エージェントとしての使命感」の方を優先させるようにマインドセットしているでしょうから、“真相”を知ったからといってキレることはないはずですが、仮に「試される」ことを嫌う慎悟が同じことやられたら絶対にキレますよね…。そういう意味では、慎悟がエージェントにならないのは、正しい判断だよなぁ…と、キリを見ていて思ってしまいました。
読了日:03月29日 著者:高橋美由紀
食材使い切り&時短で簡単! ラクうま鶏ささみ献立 (タツミムック)食材使い切り&時短で簡単! ラクうま鶏ささみ献立 (タツミムック)感想
ささみの特徴は「低カロリー・低脂肪・高たんぱく」で、期待できるパワーは「免疫力アップ・抗酸化作用・筋肉づくりの促進・代謝アップ・美肌・美髪」などだそうです。「1週間分の買い物リストつき献立表」でレシピを紹介しているページは、買い置きした食材を無駄なく使い切りたい人には参考になります。
読了日:03月28日 著者:
9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 6 (ボニータ・コミックス)9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 6 (ボニータ・コミックス)感想
赤い馬のネームバリューが、思わぬ方向で篠塚の“正体”の隠蔽に役立っています。篠塚は、一般人のふりをするスキルに関してはやや劣るところがあるので(只者ではないオーラを隠しきれていません)、いっそ、「元・赤い馬」という偽の経歴を正式に設定して、積極的に活用していくのがいいかもしれませんね…。
読了日:03月28日 著者:高橋美由紀
9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 5 (ボニータ・コミックス)9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 5 (ボニータ・コミックス)感想
上司であるNo.9(=篠塚)から「今は何も言えない」「何が起ころうと事が終わるまで手を出すな」「万が一の事態が起きた時はUBアジア地域の全権を託す」と言われ、任務の内容自体を教えてもらえないNo.19は、「影」としての役割への自信が揺らぎ、「自分は信頼を置いてもらえない人間なのか」と落ち込みますが、メールの“ヒント”に気づいたことでNo.9からの絶大な信頼を確信し、心が震えるほどの喜びに満たされます。モチベーション・マネジメントというものがいかに重要か、気付かされる巻です。
読了日:03月28日 著者:高橋美由紀
9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 4 (ボニータ・コミックス)9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 4 (ボニータ・コミックス)感想
同じ組織に属している者同士なのに、それに気付かずに、お互いに探りを入れ合う…というシチュエーションは「勘違いコント」じみていますが、その組織の規模を考えると、桁違いに壮大なスケールのコントですね…。慎悟は、任務中の篠塚のことが心配で心配で仕方がない割には、その場にいない(つまり任務中の可能性が高い)No.19のことは一ミリも心配せずに「(篠塚の様子がわかるかもしれないから)電話してみようかなあ…」って、相変わらずですね…。篠塚の任務に配慮できるのなら、No.19の任務にも配慮しようよ、慎悟ぉ…。
読了日:03月27日 著者:高橋美由紀
9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 3 (ボニータ・コミックス)9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 3 (ボニータ・コミックス)感想
No.19とNo.33がコンビを組むと、No.19がボケ役で、No.33がツッコミ役になるんですね…。お仕事(暗殺)用の異様な装備をしてゾロゾロ出てきた「異端のD」(=SB)を見たかがりが、恐怖を感じずに「安堵感」と「心強さ」を感じているのは、気配を消すことに長けていてその場の空気に完璧に馴染んでいるせいなのか、それとも、敵があまりにもザコすぎて殺気を出すまでもないのか、はたしてどちらなのでしょうか…。
読了日:03月27日 著者:高橋美由紀
マルクスガール 2巻マルクスガール 2巻感想
栄が清子やルイやフミから「セックスするのに丁度いい男」扱いされることが、栄の「人間的成長」に良い影響を与えているかのような描写になっていますが、私には誰もかれもがセックス依存症に陥っているようにしか見えませんでした。もしかしたら、リビドーとイデオロギーの関係性について追及する構想があったのかもしれませんが…。栄と太田が肉体関係を持たないまま物語が終わっているので、最終的にこの2人はそれぞれセックスへの依存から解放されたと解釈でき、この点に関しては、結果的に打ち切りが良い方向に出たと言えます。
読了日:03月26日 著者:山本 夜羽
忍法秘話(1)忍法秘話(1)感想
超能力的なものはあまり出てこない白土作品にしては珍しく、「大摩のガロ」と「露木道人」というキャラクターは、「遠方から姿もみず、相手の心や運命をしる能力」(=他心通)を持っています。「陽忍とはすがたをあらわしたまま敵地に潜入することをいう このようにあらかじめねがえりをうつことを予想して敵がわにすがたをかえ まったく別人として十数年 数十年とすごしチャンスをまつことを 陽忍遠入りの術のうち桂男の法という」…だそうですが、これは、「里入り忍」と同じものと解釈していいのでしょうか?
読了日:03月25日 著者:白土三平
マルクスガール 1巻マルクスガール 1巻感想
「煮え切らないオドオドした男の子が、エロくてアクティブな女の子に振り回される」というシチュエーションは、「学園青春グラフィティあるある」という感じで、ストーリーの方も序盤は“お約束”を踏襲しているのですが、ヒロインの菅野清子がトークイベントで「革命」について語るあたりを境にして、政治的・思想的な要素が強くなります。この作品で特徴的なのは、清子は「お騒がせキャラ」的には既存の学園青春グラフィティにはありがちなタイプなのに、その「ありがちなお騒がせぶり」に政治的・思想的な要素が脱臭されていない点です。
読了日:03月25日 著者:山本 夜羽
ペスト 3巻: バンチコミックスペスト 3巻: バンチコミックス感想
「男たちがお互いをリスペストし合う」というシチュエーションを「見せ場」として演出してしまうという、日本の漫画表現の“お約束”のせいで、あらゆる葛藤が「ガンバリズム」に収束してしまっているかのような印象を受けます。単にエンタメ的配慮を意図したに過ぎない漫画上の演出とはいえ、原作には読者の視点を「感動探し」に誘導するようなことはしていないのですから、「コミカライズに向いていない作品」を「安易な漫画的表現に走らない、巧みなテクニックのある漫画家」に任せなかったのは、企画そのものが安易だったとしか…。
読了日:03月25日 著者:カミュ,車戸亮太
封筒ギフトスタイル封筒ギフトスタイル感想
クラフト封筒に手を加えてギフトバッグやギフトボックスに作り替えるアイデアが載っています。私が学生の頃は、ちょっとしたプレゼントを入れる小分けの袋は雑貨屋で買うしかなく、金額がめちゃくちゃ高くついたので、「この手があったか~!」と、目からウロコでした。今は100円ショップで色んなラッピング用品が扱われているので、コスパ的にはクラフト封筒をアレンジするメリットは少ないですが、テトラ型や牛乳パック型のギフトボックスは、工作が好きな人ならチャレンジ精神を刺激されます。
読了日:03月25日 著者:森 珠美
カムイ伝全集 第二部(3) (ビッグコミックススペシャル)カムイ伝全集 第二部(3) (ビッグコミックススペシャル)感想
錦丹波の息子の源之助は、とんでもなくたちの悪いドラ息子で、学問好きで素直な性格の宮城音弥とは対照的なのですが、立場的には恵まれているのに真人間になる努力をしようとしない源之助をただ「ダメな男」として扱うのではなく、「世の移り変わりと共に要求される自己改造の圧力」への不安に駆られる心理というものについて解説しており、源之助もまた「社会の歪の犠牲者」であることを示唆しています。…とはいえ、源之助の性格の悪さには読んでいてイヤ~な気持ちになり、とても同情する気にはなりませんが…。
読了日:03月25日 著者:白土三平
星に住む人びと星に住む人びと感想
『ローマのモザイク』『早春』『姉さん』『水の町』『わたしたちの始まり』『星に住む人びと』が収録されています。社会派漫画っぽい雰囲気があるにも関わらず、主人公の女性(主人公が男性の場合はヒロインも)が社会に対して薄ぼんやりとした視点しか持っておらず、特に何の意見も感想もないことにモヤモヤします。それが一番顕著なのが『水の町』のルイで、ゆるふわに共産主義を語る男と交際していたのに困民党事件(秩父事件)をきっかけに別れてしまった理由が「私があこがれたのはあの人自身ではなくあの人の夢だった」と語っていることです。
読了日:03月24日 著者:樹村 みのり
女ことばと日本語 (岩波新書)女ことばと日本語 (岩波新書)感想
日本の多くの方言には男女の区別がないのに標準語には「女ことば」という概念があるのはなぜなのか? なぜ女性だけが言葉づかいによって「女らしさ」を表現することを期待されるのか? …という問いに答えることを目指して、鎌倉時代から第二次世界大戦までの「女ことば」の歴史を辿っている本です。日本のジェンダーギャップが世界的に見てかなり酷い理由には、日本語の在り方が男女格差を内包しているからなのでは?…という疑問が自分の中にあったのですが、その推測は間違っていなかったと確信できました。
読了日:03月24日 著者:中村 桃子
カムイ伝全集 第二部(2) (ビッグコミックススペシャル)カムイ伝全集 第二部(2) (ビッグコミックススペシャル)感想
百姓の娘の加代と代官の娘の鞘香とのシスターフッドがとても印象に残ります。2人ともとても賢く逞しいのですが、加代の賢さや逞しさが「生活の知恵」や「サバイバル」であるのに対し、鞘香の賢さや逞しさは「奸計」や「戦術」であり、この取り合わせは『ゴールデンカムイ』のアシリパと杉元を思い起こさせます。
読了日:03月23日 著者:白土三平
野菜のおいしい冷凍・解凍野菜のおいしい冷凍・解凍感想
おいしい冷凍&解凍のコツは、「かたまりにして小さく、薄くする」「水分が多い食品はブランチング(短時間で堅めに茹でる)」「ブランチングしたらよく冷ます」「下ごしらえをして味をつける」「空気が入る隙間を作らない」だそうです。パセリ、ショウガ、大葉などの、一度に大量には使わない野菜は、冷凍を活用したいと思いました。
読了日:03月23日 著者:島本 美由紀,鈴木 徹
B-PASS (バックステージ・パス) 2021年8月号 [雑誌]B-PASS (バックステージ・パス) 2021年8月号 [雑誌]感想
映画『東京リベンジャーズ』の主題歌をSUPER BEAVERが歌っているということで、東京育ちの4人に東京について語ってもらっているのですが、「うちはじいちゃん、ばあちゃん家も東京で。マジで知らないんですよ、他のところを」「帰省するという概念もない」「(夏休みに田舎に帰ることへの憧れは)まったくないですね。(略)でも、もともと出不精だし、外に行くことに対する興味ががない子だったので、“なんで自分はこんななんだ”っていうのはまったくなかったですね」という渋谷龍太氏が自分と全く同じなので、共感しまくりました。
読了日:03月23日 著者:B-PASS編集部
へうげもの(12) (モーニングコミックス)へうげもの(12) (モーニングコミックス)感想
等伯作の草間彌生風の襖絵の時は、古田が受け入れるまでに少々時間がかかりましたが、又兵衛作のキース・ヘリング風の襖絵は一目見て満足しているので、古田の美意識はますますポップアート寄りになっているようです。戦国ネタのフィクション作品で、秀吉の趣味が「無粋な成金趣味」かつ「猿真似」として描かれがちなことにずっと違和感を持っていたので、『へうげもの』では「利休のわびもわかり信長の華も理解できる」=「美意識の範囲の広い人物」として描かれていることには、すごく納得感があります。
読了日:03月22日 著者:山田芳裕
シビレシピ (エイムック 4382)シビレシピ (エイムック 4382)感想
表紙の下の方に書かれている「シビ辛」とは、舌が痺れるような辛さである“麻”と、ピリリとした辛さの“辣”を併せ持った味のことで、本書では中国の花椒・青花椒・粉花椒、日本の実山椒を使い分け、手作り調味料(「麻辣醤」「椒麻醤」「甜醤油」「麻辣油」「花椒油」「山椒油」)をベースとしたレシピを紹介しています。冷菜、鍋物、揚げ物、炒め物、麺類、ご飯類に加え、デザートまである(「花椒シャーベット」「花椒牛乳プリン」「香麻ジンジャー豆花」)のには驚きました。
読了日:03月21日 著者:
単位のキホンがわかる本単位のキホンがわかる本感想
普段の生活で何気に目にしているけど定義は意識していなかった「デニール」や「番手」(繊維の単位)、近視の自分にとっては物凄く生活に密着しているのに全く知らなかった「ディオプトリ」(レンズの焦点距離の逆数)、なんとなく「明るさ」の意味でとらえてしまう「ワット」は「消費電力」を意味していて光度の単位は「カンデラ」…など、色々と知ることができて、勉強になりました。「ベクレル」は、原発事故がなかったら、おそらくは一生、興味を持つことはなかった単位だったろうなぁ…と思うと、やるせなくなりました。
読了日:03月20日 著者:コンデックス情報研究所
肉の天使肉の天使感想
クズとロクデナシと生活無能力者ばかりが住んでいる「渡久呂町」(通称ドクロ町)を舞台に繰り広げられる、凌辱と拷問と復讐の物語です。タイトルの『肉の天使』は、ストレートに解釈すれば、切り刻まれた肉体に整形を施して完璧な美貌を手に入れた麗美(元の名前は美樹)を指していると思われますが、もしかしたら、妖精めいた美青年の花村・筋肉質な巨漢のジャンボ・白豚に例えられる肥満体の市子も含まれているのかもしれません。(肉質的な描写に力が入っているので…。)あとがきでは、映画評論家の小川徹氏の思い出を語っています。
読了日:03月19日 著者:友成 純一
クロコーチ 23クロコーチ 23感想
沢渡の前に姿を現した河内が手袋をしているという分かりやすい伏線により、黒河内が沢渡を撃ち殺す展開は予想がついたのですが、その後に、芥川龍之介の『藪の中』に近い感じの展開が来るとは予想外でした。黒河内が沢渡の口から「白藤里香子」の名を言わせてから撃ち殺したのは、(読者に真相を伝えるためという作者側の都合は除くとして、)黒河内が最も拘ったのは「姉を殺害したのは沢渡であるという確たる証拠」であり、一番恐れていたのは、「自分の恨みの矛先が間違っていること」ことだったのでは…と想像しました。
読了日:03月18日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~ (扶桑社新書)ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~ (扶桑社新書)感想
「持続化給付金」の不正受給、新型コロナ関連詐欺、マスクの転売と粗悪マスク氾濫の経緯などに注目したルポルタージュです。発行日が2020年9月1日なので、スピード重視で出版したらしく、愚策の極みであるアベノマスクとGoToキャンペーンにはほぼ触れていない(165ページに単語が出てくるのみ)ことが少々残念ですが、緊急事態に対して政府がどのように迷走し、それに対してどのような不正が起こり、どのように反社会勢力が跋扈していくのかの一定の「パターン」が見えてくる内容なのがとても良かったです。
読了日:03月17日 著者:奥窪 優木
クロコーチ 22クロコーチ 22感想
沢渡を殺人容疑で引っ張れる有力な証人である桃坂マミを命懸けで守る黒河内は最高に格好よかったのですが、毒矢使いの殺し屋の手により、結局マミは殺されてしまうという悲劇が…。沢渡が行きずりの少女に声をかけていたところをマミが目撃していたのであれば、マミの彼氏のシゲも目撃していた可能性があるのですが、シゲは再登場しないのでしょうか? マミは事情聴取の時に、「(沢渡から)誘われたけど彼氏が来たからついて行かなかったの」と言っているのですから、「決定的な瞬間」に居合わせていたことを警察は把握しているはずなのですが…。
読了日:03月17日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
クロコーチ 21クロコーチ 21感想
一色に嵌められ、沢渡に拉致られた浅黄ですが、事前に黒河内が一色の実父・群青を手懐けていたことにより、無事救出されることに…。キレた沢渡が豊田真由子と化して群青に「このハゲ~~~!!!」「ちがうだろおお!!」と電話で叫んでいるのですが、仮にこの暴言が録音されていたとしたら、沢渡の政治家生命は確実に終わるわけですから、随分と軽はずみな言動をしているものです。いかに群青を舐めているかということですね…。
読了日:03月17日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
クロコーチ 20クロコーチ 20感想
黒河内が沢渡に執着する理由が、やっと明らかに…。たった二十万円の賄賂で、助けられるはずだった少女を殺してしまった罪悪感に、ずっと苦しんできたわけですね…。堂々と汚職警官として振る舞っているのは、一種の自罰行為なのかもしれません。前巻で高宮に頼んでいた「死ぬほどつらい仕事」とは、「ハニートラップ」ならぬ「ハニーガード(?)」で、好きでもない女性と一時的に恋人同士となってデートの体裁で護衛をするというものでした。ピュアな性格のゲイである高宮にとっては、確かに、辛いお役目ではありますね…。
読了日:03月16日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
お香が好き。にほんの香りを楽しむための便利帖お香が好き。にほんの香りを楽しむための便利帖感想
本来なら写真で補足すべきところを手描きイラストにしてしまっているため、「自分語りエッセイ」が趣旨ではないページに「自分語りエッセイ」臭が出てしまっており、そのくせ正真正銘の「自分語りエッセイ」のページには「雰囲気だけの写真」がデカデカ付いているという謎構成が少々気になりましたが(わざわざ写真家の名前が表紙に記載されているので、おそらくはこの方とのコラボであることが重要で、更に、著者が自分の絵を披露したいという欲目もあったのでしょう)、内容自体はとても良く、お香アイテムとか様々なアイデアは参考になりました。
読了日:03月16日 著者:吉田 揚子
さくらんぼデュエットさくらんぼデュエット感想
『なかよし』掲載時にリアルタイムで読んでいました。「主人公(千絵)が眼鏡コンプレックスのドジッ子」「主人公に片想いしている長髪の美形男子(高戸)がツンデレ」「美形男子の友人(田山)が超絶ウザい」「美形男子のファンクラブが全員男(筆頭は田山)」「男嫌いが高じて主人公を好きになる美少女(恵美子)」等、結構色んな設定を覚えていましたが、千絵が当初好きだったのは一見無骨だけど性格は柔和な先輩だということはすっかり忘れていました。改めて読み直してみると、田山はゲイではなく腐男子に近い性癖なのが、なかなか画期的です。
読了日:03月16日 著者:高橋 千鶴
クロコーチ 19クロコーチ 19感想
黒河内の動きを察した沢渡が、白庄司とその娘に卑劣な脅しを…! 身内のいない黒河内に圧力をかけるとすれば、「仕事仲間」として親しくしている人に仕掛けてくるのは想定できることなのですが、黒河内があまり注意を払っていなかったのは、警察関係者ならそれなりに自衛はできるはずだし、リスクは覚悟しているはず…という認識だったということなのでしょうか…。黒河内が自分と親しい人間を守るために、高宮に「死ぬほどつらい仕事」を頼んでいますが、高宮の恋心につけ込んでいるわけですから、下手したら緑川の時のような悲劇が再び…?
読了日:03月16日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
クロコーチ 18クロコーチ 18感想
久々に高宮が登場し、個人的に“癒しキャラ”だと思っている自分としては嬉しい限りです。どうやら浅黄は高宮がタイプのようですが、高宮は今でも清家に心を寄せているようです。沢渡には「本物の沢渡」がいて、「本物の沢渡」は三歳で亡くなっていることを黒河内が突き止めますが、どうやら家族ごと「沢渡家」に成りすましたようで、このシチュエーションには日経新聞で連載されていた浅田次郎先生の『黒書院の六兵衛』を思い出してしまいました。
読了日:03月15日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
クロコーチ 17クロコーチ 17感想
黒河内の新しい相棒の浅黄は、キュートな印象の、赤穂と同じタイプの女性…かと思いきや、性犯罪・性暴力の加害男性を前にするとブチ切れて全力で蹴る殴るの攻撃性を発揮するバイオレンス刑事(デカ)で、その豹変ぶりは、海千山千の黒河内すらもあっけにとられるほどです。浅黄のこの性格は、15年前に姉を強姦魔によって殺されたことに起因していますが、どうやら黒河内にも浅黄のような辛い過去があり、汚職に手を染めてでもターゲットに迫ろうとする執念の根源であることが匂わされています。
読了日:03月15日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
クロコーチ 16クロコーチ 16感想
赤穂も緑川も、清家に好意を持っていたがために、危険な単独行為が結果的に死を招いてしまうことに…。赤穂の場合は清家への好意を清家自身により利用され、緑川の場合は黒河内から「(清家は)今でもあんたに惚れてますぜ だから今度の仕事は彼のために頑張って下さい」とはっぱをかけられたという違いはありますが…。五浄院の“口寄せ”を聞いてショックを受けている清家は、かなりあやうい精神状態ですが、果たして黒河内の方は、どんな心境なのでしょうか…。
読了日:03月14日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
図説 江戸のエンタメ 小説本の世界図説 江戸のエンタメ 小説本の世界感想
江戸時代中期以降のエンタメ小説(読本、黄表紙、合巻、人情本)を、インパクトの強い挿絵を元にして紹介している本です。図版が大きいので「見て楽しめる」のはもちろんのこと、解説も分かりやすく、読み応えがあります。今で言う絵コンテにあたるようなものも掲載されているのには驚きました。(40~41p、90~91p) 下絵の段階でかなり細かい指示を出しており、しかもかなり絵が上手く、曲亭馬琴と柳亭種彦は、なれるのもなら絵師にもなりたかったのでは…?と思いました。
読了日:03月14日 著者:深光富士男
南インド料理店総料理長が教える だいたい15分! 本格インドカレー南インド料理店総料理長が教える だいたい15分! 本格インドカレー感想
本書でアドバイスされている“時短&簡素化”のテクニックは、「玉ネギのみじん切りはテキトーで」「ニンニク、ショウガはチューブのものを使う」「トマト水煮はカットorあらごしを使う(ただしあらごしタイプは濃縮タイプは使わない)」「材料の計量はフライパンごとはかりに載せて行う」「加熱中でも鍋敷きを使うことでフライパンごと計量する」です。最終ページ(折り込み)の「インドカレーの設計図」は、チャートでインドカレーの作り方を説明しているのですが、この発想は、もしかしたら著者の音楽の知識から来ているかもしれません。
読了日:03月13日 著者:稲田 俊輔
クロコーチ 15クロコーチ 15感想
これまで”ピンク”の職場環境の描写はゆるゆるだったので、「こんな公安ならぜひ働いてみたい」とすら思ったので、赤穂の死はショックでした…。やはり危険な仕事だったんですね…。赤穂を単独行動させてしまったくらいなので、清家も相当、気が抜けていたってことですよね…。アンズの種に含まれている成分が酵素によって青酸カリになるというネタは、徳弘正也先生の『亭主元気で犬がいい』でも使われていたので、前巻の黒河内の「杏仁豆腐のにおい……」という伏線があったことで、『スパイク・ミー』のカラクリは予想できました。
読了日:03月12日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
クロコーチ 14クロコーチ 14感想
「体力ねえなあ 禁煙しようかなあ」とか言いながらヨロヨロしている割には、黒河内の戦闘スキルがやたらに高いのですが、どこでどうやって身に付けたのでしょうか!? 前々巻から清家が所属している”ピンク”の、「プロフェッショナル感はあるのにピリピリ感はない」という雰囲気は、職場としてはすごく理想的に見えて、「こんな公安ならぜひ働いてみたい」と思ってしまいました。
読了日:03月11日 著者:リチャード・ウー,コウノコウジ
大人になるっておもしろい? (岩波ジュニア新書)大人になるっておもしろい? (岩波ジュニア新書)感想
「説教」とか「指導」とかの形ではなく、若者への「寄り添い」のスタンスで、「生きる希望」を自らの内側から自然とあふれ出すように若者を促したい…という著者の想いが感じられる内容でした。言葉の持つ力(特に暴力性)に関する記述は、文学者・翻訳者・教育者ならではの目線があり、日ごろ当たり前のように使っている言葉や言い回しの中に内包されている「抑圧」というものに気付かされ、はっとしました。一番共感したのは、「気が利かない」と言われることへの忌避感で、私の場合はこれに加えて「要領が悪い」という言葉への忌避感もあります。
読了日:03月10日 著者:清水 真砂子
悪女聖書Ⅱ(3)悪女聖書Ⅱ(3)感想
3巻で完結しているのかと思ったら、まさかの未完でした…。電動刈込み機を振り回す謎の人物から業子が追い回されるシーンで話が終わっているので、続きが気になって仕方がありません。最後のページだけ見るとまるでスラッシャー映画のようですが、この巻は贋作の話がメインなので、全般的な雰囲気は『ゼロ』とか『ギャラリーフェイク』の系統です。
読了日:03月10日 著者:牧 美也子,池田 悦子
悪女聖書Ⅱ(2)悪女聖書Ⅱ(2)感想
前巻を読んだ時は、この作品には『子連れ狼』の女バージョンのような印象を受けたのですが、業子が看護婦を辞めて百貨店の店員に転職をしたのは、行方をくらますことが目的ではなく、音威一家を監視するためであり、つまりは潜入調査でした。(百貨店の社長は音威家の長女の婿。) 職場(帽子売り場)で先輩店員からこき使われているシーンのしおらしさと、「総裁の後見人」として社長の前で横柄な態度を取るシーンの不遜さのギャップはメリハリがあって楽しいものの、音威家の次男が業子に粘着するシーンはイヤ~な気持ちになります。
読了日:03月10日 著者:牧 美也子,池田 悦子
援助交際撲滅運動援助交際撲滅運動感想
「罰したい」という欲望を持つ者同士の戦いをみっちりと描いたバイオレンス作品です。「誰でもいいから加害したい」というわけではないので、「罰せられる条件」を満たした者を加害しているのですが、その条件というのは「援助交際」であり、女子高生(&その彼氏)は「買うオヤジ」を、オヤジは「売る女子高生」を罰したいと望み、暴力の限りを尽くします。女子高生同士は極めて仲が良いことと、オギスという元ホストが「女の子と快楽を分かち合いたい」と思うタイプ(女の子を苦しめることに喜びを感じない)であることが、僅かながらの救いです。
読了日:03月10日 著者:山本英夫
悪女聖書Ⅱ(1)悪女聖書Ⅱ(1)感想
「業子」という主人公の名前とビジュアルは前作と同じですが、名字は「根津」ではなく「露木」ですし、看護婦として働いている設定(この巻の後半では百貨店の店員に転職)なので、どうやら前作の「その後」というわけではなく、パラレルストーリーのようです。赤ちゃんを育てながら、悪事を働く人間を懲らしめていく内容なので、もしかしたら『子連れ狼』の女バージョンを意識したのかもしれません。(ただし、業子と赤ちゃんには血縁関係はなく、業子は「後見人」として面倒を見ているという設定です。)
読了日:03月09日 著者:牧 美也子,池田 悦子
アンダーニンジャ(1) (ヤングマガジンコミックス)アンダーニンジャ(1) (ヤングマガジンコミックス)感想
太平洋戦争終結後にGHQによって解体されて消滅したかに見えた忍者組織が実はまだ存在していて、極秘裏に暗殺や破壊活動を行ったり、秘密裡に国民を監視したりしていた!…という内容なのですが、主人公の雲隠九郎(それなりの忍者スキルはあります)のニート生活のダラダラ感と、組織としての忍者の存在意義に「政治的な思惑」がほのめかされている緊張感とのちぐはぐさが、独特な世界観を構築しています。
読了日:03月09日 著者:花沢健吾
悪女聖書(27) (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪女聖書(27) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
業子が新たに選んだ仕事が考古学絡みだったり、恵の復讐方法がえげつなかったり、夏世の運命が無惨だったり…などのシチュエーションに、かなり『悪魔の花嫁』テイストがあり、“池田悦子先生による原作らしさ”が存分に出ている最終巻でした。ラストの怒涛の展開は、仕掛けた人物(雲水)の手際の良さが人間離れしているのですが、本当に人間ではないと解釈していいのでしょうか…。(つまり亡霊…。)
読了日:03月09日 著者:池田悦子,牧美也子
大富豪と禁断の眠り姫 (ハーレクインコミックス)大富豪と禁断の眠り姫 (ハーレクインコミックス)感想
『大富豪と禁断の眠り姫』というタイトルからは想像がつきにくいですが、同じF1チームに所属する男と女(ドライバーのフィンとテクニカルディレクターのセリーナ)を主人公にしたラブロマンスです。タイトルの通り、確かにフィンは大富豪ではあるのですが、オチには「玉の輿」的なニュアンスはなく、「犯罪が暴かれて真実が明らかになる」という部分の方が、ラストをハッピーエンドたらしめる要素としては重要です。フィンが妹のエヴァことを思い出しているシーンが妙に意味ありげなのですが、どうやら他のハーレクイン作品のヒロインのようです。
読了日:03月09日 著者:JET;ウ゛ィクトリア・パーカー
悪女聖書(26) (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪女聖書(26) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
女将として働けるまで回復した百合子に「雨蝶」を引き渡し、「ここでの私の仕事は終わった……」と、一息ついた業子ですが、夏世のことをすっかり忘れているわ、よせばいいのに利章とヨリを戻してしまうわで、「気を抜きすぎだろ!?」と思ってしまいました。殿山のことを忘れてはおらず、宮脇に殿山のことを頼んでいるのは救いですが…。業子が宮脇を「許す」のは、それなりにお灸を据えた後なのでまぁいいとして、業子をレイプした藤吾はまだ一度も痛い目を見ていないのですが、泣き寝入りのままでいいのでしょうか?
読了日:03月08日 著者:池田悦子,牧美也子
栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで (らんぷの本/マスコット)栗本薫・中島梓---JUNEからグイン・サーガまで (らんぷの本/マスコット)感想
『一度きりの大泉の話』と『少年の名はジルベール』を読んだ時、増山のりえという人物には「表現者としての才能を取っ払った栗本薫」という印象を持ったのですが、この『栗本薫・中島梓』を読んで、その印象はますます強くなりました。栗本先生の凄いところは、自分が読みたいものを自分で書いているゆえに、常に自分の作品を「読者目線」で客観視し、「自分(のような読者)がこういった作品のどこに惹かれ、それを好む理由は何なのか」を追及し、自己分析と創作活動を表裏一体にしてぐるぐると循環させていたことです。
読了日:03月08日 著者:
ゆらゆら じんわり お香ぐらし~自分らしく生きる贅沢時間の過ごし方ゆらゆら じんわり お香ぐらし~自分らしく生きる贅沢時間の過ごし方感想
「お香で開運」系のスピリチュアル要素と、「お寺に嫁いだ自分」をアピールする“嫁エッセイ本”要素と、仏教とお香の関係についての説明(おそらくは参考文献の受け売り)で構成されています。厄除けお香のページは「ワークショップをアピールしたい」という著者の欲目がかなり出ていますし、仲の悪かった姉と生活を別にして清々したという話を「お香とお寺のおかげ」ということにして本の中に書き立てる(157p)という態度が陰湿で、「お香で自分の内面とより深く向き合っていく」(63p)を御自分で実践できていないことを露呈しています。
読了日:03月08日 著者:石濵栞
少女革命ウテナ(1) (フラワーコミックス)少女革命ウテナ(1) (フラワーコミックス)感想
初出は1996年の『ちゃお』。原作としてクレジットされている「ビーパパス」の説明がどこにもないのですが、Wikipediaによると、『美少女戦士セーラームーン』シリーズのメインスタッフだった幾原邦彦氏が少数精鋭のスタッフを集めた制作集団だそうで、漫画版はメディアミックスの一環だそうです。『セーラームーン』に、『おにいさまへ…』と『ファイブスター物語』とグリム童話を足したような、不思議な作風です。
読了日:03月07日 著者:さいとうちほ,ビーパパス
満州アヘンスクワッド(2) (コミックDAYSコミックス)満州アヘンスクワッド(2) (コミックDAYSコミックス)感想
1巻を読んだ時は、この作品は「ノワールもの」の方向性で話が進んで行くのかな?…と思ったのですが、この巻ではリンとバータルが仲間に加わるシチュエーションがRPG的なノリであるせいで、安っぽい冒険ファンタジーの序盤の部分のような印象を受けます。リンの“特別な”能力をなぜ麗華が知っているのかも謎なら、リンのその能力が青幇の中でどの程度知れ渡っているのかも謎で、リンがわざわざ目立つ格好で阿片を売っている理由も謎です。パジャマにしか見えない恰好で四六時中ウロウロしている子供なんて、目立ってしょうがないのでは…。
読了日:03月07日 著者:鹿子,門馬司
MOONLIGHT MILE(5) (ビッグコミックス)MOONLIGHT MILE(5) (ビッグコミックス)感想
黒人であるアボットと、白人であるキャロラインとロストマンの間には、レイシズムは全く感じられず、人間関係は極めて良好(キャロラインに対する女性蔑視も見られません)なのに、中国という国に対しては三人とも「上から目線」が酷く、特にアボットは、キャロラインの乗る機体が中国のキラー衛星(と思わせて実は宇宙戦闘機)のレーザーに撃破された後は、「中国人」という人種に対する憎悪を漲らせます。宇宙開発は「地球人同士の結束」を強める方向には向かわず、「ナショナリズムをこじらせるもの」として描かれています。
読了日:03月07日 著者:太田垣康男
Tarzan特別編集 ストレッチ 本当に効くランキング 《完全版》: 100人のトレーナーが選ぶ症状別/部位別/スポーツ別 全149ストレッチTarzan特別編集 ストレッチ 本当に効くランキング 《完全版》: 100人のトレーナーが選ぶ症状別/部位別/スポーツ別 全149ストレッチ感想
100人のアスレティック・トレーナーからアンケートを取り、特定の部位や症状に有効とされるストレッチをピックアップし、部位別・症状別にストレッチング肢位をランキングした本です。「ストレッチ肢位から効果的なものを選ぶ」というのは専門家ではない読者には難しいので、部位別・症状別に選択できるのはとても有難いです。本のコンセプト上、同じストレッチングが重複して載ってしまっていますが、自分が必要とする情報を早く見つけることができるメリットがあります。
読了日:03月05日 著者:
9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 2 (ボニータ・コミックス)9番目のムサシ ゴースト アンド グレイ 2 (ボニータ・コミックス)感想
No.19が、本来のエージェントとしての務めに専念できているのは、「異端のD」=「SB」たちが、慎悟の“お守役”を引き受けてくれているからですね。久々に登場したNo.33と一緒に仕事をしている様子にはものすごく安定感があって、「現場に戻れてよかったね!No.19ゥ~!」と、祝福する気持ちが先に立ってしまい、かがりの心の救済の方は二の次になってしまいました。(まぁ、空の時とは違い、慎悟との関係がこじれるようなことは、おそらくはないであろうと、確信できるので…。)
読了日:03月05日 著者:高橋美由紀
へうげもの(11) (モーニングコミックス)へうげもの(11) (モーニングコミックス)感想
死の恐怖の中で英子(ヨンジャ)と最高に盛り上がるHをしてしまったことをわざわざ妻のおせんに暴露してしまった古田ですが、おせんが傷ついたのは、「他の女とHした」という単純な事実ではなく、「この上なき回春に見悶えてしもうた」「久々ぶりに一切の気をやってしもうた」というセリフであり、そこから「夫に我慢を強いてきた」(=自分とのHは古田には負担だった)という結論に至ってしまったからなのに、北政所が「浮気は男の甲斐性」「信頼されているからこそ浮気を暴露した」的な意味合いのアドバイスをしているのは、的外れなのでは…?
読了日:03月04日 著者:山田芳裕
悪女聖書(25) (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪女聖書(25) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
殿山は、業子の言うことなら何でも信じてくれるし、業子の頼みとあれば殺人ですら引き受けてくれるのですから、もう、いっそのこと、殿山と本気で付き合っちゃえばいいのでは?…と思うのですが、殿山への恋愛感情は一ミリも湧かないようです。哀れ、殿山…。殿山による駒谷の殺害シーンと、業子と宮脇のHシーンが、うまい具合にシンクロしている演出は、手法としてはアンジャッシュがよくやる「勘違いコント」の系統なので、「殺人という深刻なシチュエーションなのに、笑いを取る方向性でいいのか?」と思ってしまいました…。
読了日:03月04日 著者:池田悦子,牧美也子
悪女聖書(24) (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪女聖書(24) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
業子が夏世に後をつけられるという大ポカをやらかしたせいで、百合子との繋がりが発覚し、業子の目論見が夏世と駒谷にバレてしまい、百合子を誘拐されて脅迫されるはめに…。業子にしては詰めが甘くて不用心なので、フランス時代のキレのある悪女ぶりと比べると、ヤキが回ったなぁ…と感じてしまうのですが、「持って生まれた熱い血が 私を踏みにじり辱めたやつらを許してはおけないの あとでどのような天罰を受けようとも 私のいく道ははだひとつ……毒には毒を!悪には悪を!」というセリフはかっこいいので、ここらで挽回してほしいものです。
読了日:03月03日 著者:池田悦子,牧美也子
へうげもの(10) (モーニングコミックス)へうげもの(10) (モーニングコミックス)感想
古田が伏見に新しい屋敷を造ることになり、等伯の紹介で岩佐又兵衛が襖絵を描くことになりますが、等伯のセンスが草間彌生風だったとすると、又兵衛はアンディ・ウォーホル風…? 屋敷が全体にぐんにゃり(古田による表現だと「うぎゃあ」)したデザインになっているところには、ガウディっぽさを感じます。この巻では、「表現者」としての才のある女性キャラとして、阿国の他に、柳英子(ユウ・ヨンジャ)というキャラが登場しますが、優れた作陶の知識を持つ上に、美的センスが古田と完全に一致しています。
読了日:03月03日 著者:山田芳裕
悪女聖書(23) (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪女聖書(23) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
夏世が一千万の借金(利息をつけて二千万)のカタに働かされている場所がラブホテルだということが判明しますが、掃除やベッドメイクをかなりテキパキやっていますし、「晴れ着でやってきて着崩れた娘の着物の着付け」も仕事に含まれていて、案外、夏世に向いている職場なのでは…と思いました。宮脇・駒谷・夏世を罠に嵌めようと画策している業子にいいように利用されている代議士秘書の殿山は、これまで登場した男性キャラの中ではかなりいい人の部類なのですが、それでも、妻がいる身で業子の色仕掛けに負けているんですよね…。(つまり不倫。)
読了日:03月02日 著者:池田悦子,牧美也子
へうげもの(9) (モーニングコミックス)へうげもの(9) (モーニングコミックス)感想
利休の介錯という辛い役目を負わされた古田ですが、利休の最後の「もてなし」により、激しく怒ったり爆笑したり滂沱の涙を流したり…と、様々な表情を見せており、この「喜怒哀楽」のストレートさが、利休が古田に求めたものであり、古田の「数寄者」としてのクリエイティビティを高め、人々を魅了してきたわけですが、そんな古田の心の中に潜んでいる「保身」を見抜いてしまった忠興は、古田に失望し、憤りを抱えることに…。古田が秀吉の命令に従った決定的な理由は「保身」ではないのですが、それを忠興が知る術はなく…。
読了日:03月02日 著者:山田芳裕
悪女聖書(22) (ゴマブックス×ナンバーナイン)悪女聖書(22) (ゴマブックス×ナンバーナイン)感想
せっかく百合子のために取り返したエメラルドなのに、それを自分自身の恨みを晴らすことに利用してしまう業子には、全く共感できません。夏世は確かにあくどい女ではありますし、一泡吹かせたいのは分かりますけど、そこで百合子のエメラルドを利用してはダメでしょう。そのエメラルドに、火野がどんな思いを託したか、よもや忘れているのでは…? 宮脇の嘘にまんまと騙される利章なんて、その程度の男ということでしかないのに、「あの人の恋をなくしてしまえば……私に失うものはなにもない」って、業子はあまりにも利章を買い被りすぎでは…?
読了日:03月01日 著者:池田悦子,牧美也子
諸星大二郎の世界 (コロナ・ブックス)諸星大二郎の世界 (コロナ・ブックス)感想
『諸星大二郎の本棚』のページが圧巻です。本棚に置いてある本のタイトルを10ページ使って列挙しています。「作成・編集部」との表記があるので、諸星先生が作った目録が元々あったというわけではなく、地味にコツコツと編集員が作業したということのようです。山岸凉子先生との対談は、山岸先生側がかなり興奮して舞い上がっていることが伝わってくる内容でした。諸星先生が元公務員だったことはいろんな所で語っているので知っていましたが、山岸先生が半官半民のところ(地下資源調査所)に一年間だけ勤めていたという話は初耳でした。
読了日:03月01日 著者:

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