週プレの懸賞でタダ券が当たったので観てきました。(パートⅠの方はDVDで観賞。)

 実は、感想を書いていない映画が何本も溜まっているのですが、この映画がダントツで「苦笑い度」が高かったので、先に記事します。

 週プレがタダ券を配っているくらいなので、多分、アレな内容なんだろうなぁ…とは思っていましたが…やっぱりアレな出来栄えでした

 私が三国志の映像化作品に期待する部分は、「戦略をどういう風にビジュアル化するか」ということなので(孔明のトンチではなく、「軍VS軍」のちゃんとした戦闘の方)、パートⅠでは「八卦の陣」のシーンがものすごく楽しかったんです。
 逆に、全然楽しくなかったのが、周瑜と孔明がダラダラ映っているだけのシーン。
 私は三国志で好きな登場人物は荀イクとかホウ統とか徐庶あたりなので(これは多分『蒼天航路』と『SWEET三国志』の影響です)、周瑜と孔明には全然萌えないんです。(嫌いというわけではないのですが、特にお気に入りというわけでもないということです。)
 この二人に萌えられない観客には、三時間という上映時間は長すぎます



【苦笑いポイント①】本来は「曹操軍孫権軍(&劉備軍)」の戦いのはずなのに、なぜか「曹操周瑜」の個人VS個人の戦いになってしまっている。

 小僑というキャラを前面に押し出しすぎたせいで、小僑を挟んで周瑜と曹操が戦う構図になってしまっているのには、なんだかな~って思いました。周瑜って、孫権に仕えているはずなのに、全然孫権のことなんて頭にないじゃん


【苦笑いポイント②】戦いの大義名分が忘れ去られている。

 軍VS軍(あるいは国VS国)の戦いにおいては、「戦う目的」をはっきりさせることが重要なのに、これが曖昧になっているのは、ちょっとイタいな~と思いました。
 周瑜が曹操と戦うのは、孫権が治める国(=呉)を守りたいからなのか? 曹操が漢王朝にとって「逆臣」だからなのか? 小僑を取られなくないからなのか? そこのところが、話が進むにつれてどんどんあやふやになってしまっているんです。

 曹操にしても、なぜ赤壁を落とすのにこだわるのかが、はっきりしていませんでした。小僑目当てに孫権軍と戦っている、というウワサは「策略だ」と言いたげな態度をとっていましたけど、本当に策略だったのか、とっさに口から出たでまかせだったのか、はっきり分かりませんでした。
 まぁ、よしんば曹操が赤壁を攻略したところで、小僑は手に入りませんから(小僑が赤壁にへばりついているわけじゃあるまいし)、きっと、策略としてウワサを流したというのは本当なんでしょうね。小僑をモノにしたいというのも本心だったようですけど。

 それにしても、ラスト近くで劉備軍が孫権軍に加勢するシーンで、劉備・関羽・張飛・趙雲が完全に「周瑜のため」に戦っちゃってるのは、ちょっとねぇ~ 劉備達が恩義を感じないといけないのは、周瑜に対してじゃなくて孫権(あるいは「呉」という国)に対してじゃなきゃいけないんですけどねぇ。孫権立場無さすぎ



【苦笑いポイント③】小僑がでしゃばりすぎ。

 なんか、「孫権軍が勝ったのは小僑のおかげ」という雰囲気になってましたけど、どう考えても小僑がやったことって余計なことだったと思います。あれじゃ周瑜が戦いにくくって仕方が無いじゃないですか。わざわざ自分が身ごもっていることまで、なぜかバラすし…。むざむざ殺されに行くようなものなのに、なんでそんな事いちいち言うわけ? 周瑜を心配させたいの?

 自分の命を盾にすれば曹操の意志を変えられるかも…という計算も、思い上がりとしか言いようがないです。傾国気取りですかい



【苦笑いポイント④】曹操陣営での小僑の扱いが不自然すぎ。

 人質同然の身柄なのに、何で火を自由に使えるのでしょうか? いくらなんでも厚遇されすぎです。

 あと、あの茶器って、どこから持ってきたのでしょうか? わざわざ自分のものを運び込んできたとでもいうのでしょうか?

 人質同然の身柄の女が淹れたお茶を飲む曹操の軽々しさも不自然ですけど、毒じゃなくて「ちょっと体調が悪くなるだけの薬」しか入れない小僑も不自然ですし、明らかに小僑が入れたお茶のせいで曹操の具合がおかしくなってるのに小僑をほったらかしにしている曹操の部下達も不自然。(まぁ、後になって、一人、「あの女を殺す!」とか言ってた人がいましたけどね。)

 

【苦笑いポイント⑤】なぜか曹操を見逃す周瑜たち御一行

 曹操と周瑜が対面するシーンを入れたかった製作側の意図は分かりますけど、あの状況で曹操を見逃してやるなんて、ありえません。
 あの場で曹操を殺してしまったら『三国志』じゃなくなってしまうので、仕方なく「見逃してやる」ということにしたんでしょうけど、「華容道」の関羽じゃあるまいし、周瑜や孫権が曹操を見逃してやる理由なんて全くありません。




【苦笑いポイント⑥】実はこの映画のテーマは「ラブ&ピース」

 小僑のウザさが鼻についてイライラしっぱなしだったのですが、ラストの周瑜のセリフでこの映画が実は反戦映画だと分かり、小僑は「ラブ&ピース」の象徴だと気付きました。

 ちなみに、尚香も「ラブ&ピース」を象徴するキャラの一人なんですけど、個人的には、この映画のヒロインは尚香一人で十分だったのではないかと思っています。(それほど小僑の描写がクドくてウザいんです