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その2からの続き)


●当時は、実はそういう無謀なことばっかりやってたんだよね。客電つけたままのライヴとか。
宮本「僕はそれは好きじゃないです。もちろん武道館3千席だって、反対したんですから」
●でもそんなことばっかりやってたわけでしょう。
宮本「そう。だから神出鬼没って山崎さんに言われたけど。スライダーズとかかっこいいバンドはいたし、最初からもっと普通にやりたかったんですね。ナショナルの電池のコマーシャルのタイアップが決まったのになんで出ないんだろうとか、なんで『夜のヒットスタジオ』断るんだろうとか、僕は思ってた。だから当時は、武道館3千席っていうのは、『またそういうことやってる!』って冷めてたし、観に来てくれた人たちには悪いんだけれども、腹が減ってたのしか覚えてない。”夢のちまた”っていう曲を1曲目にやってると思うんだけど、単に腹が減って、メシ食っときゃよかったなと思ってやってたんだよ。まあ、僕のことだから、そう思いながらも武道館でやるっていうのは喜んでるはずだよ。ただ、とはいえ、まあしょうがない。それはバンド云々とは別で、世の中に生きてれば、みんなあることだと思う。ここ自分の居場所じゃないじゃないかなあ、でもがんばらなきゃ、仕事だし、って思う場面ていっぱいあるじゃん?」
(『ROCKIN'ON JAPAN VOL.350』53ページ)


 2月15日の記事で私が書いた、

《当時のEPICソニーは、コアなロックファンにだけターゲットを絞って、エレファントカシマシを売り出していました。…というか、むしろ、私にしてみれば、コアなロックファン以外の耳には入らないように努力していたようにすら見えました。》

 …という文章を裏付けるような事を宮本氏は言っています。『夜のヒットスタジオ』のオファーをEPICの人が断った、とか、「普通のライブ」をやりたかったのにやらせてもらえなかった、とか…。
 宮本氏は当時のそういう戦略を明らかに不満に思っていますが、「とはいえ、まあしょうがない。それはバンド云々は別で、世の中に生きてれば、みんなあること」と自分に言い聞かせています。これが妥協じゃなければ一体何だというのでしょうか? 山崎氏の言うところの「妥協のないロック」とやらは一体何なのでしょうか?

 ちなみに、宮本氏はこの後で、当時の境遇に対して不満ばかり持っていたわけではないことをアピールしています。


宮本「(略)俺、実際言ったの覚えてんだけど、3千人しか入んないから3千人で、それが面白いみたいな。『よっしゃあ!』みたいになってんのは、そりゃもうアホかと思うよね。でも、今こうやって持続してやってみると、それもひとつの面白さでもあるじゃん。伝説。エピック・ソニー時代のああいったものの積み重ねが、ポニーキャニオン時代の大キャンペーン作戦に流れが行ってるから。今思うとわかるけど」
(『ROCKIN'ON JAPAN VOL.350』53~54ページ)


 色々積み重ねた結果としての「現在の成功」があるから、当時のEPICの戦略を「伝説」扱いにできますけど、「成功した現在」がなかったらそんなものは「ただの失敗」でしかありません。
 …まあ、この場合は、宮本氏はEPICをフォローするために敢えてこういう言い方をしているのであって、決して自分達の過去を「武勇伝」扱いしているわけではないわけですけど。

 これの数ページ後では、宮本氏は、EPICソニー、及び、EPICとの契約が切れた後もファンでいてくれた人たち両方を気遣うような発言をしています。


●(略)ポニーキャニオンに決まって、そこから大ブレイク。
宮本「そん時って夢中だからね、わからないんですよ。でもバンドの頂点なんですよ、ある種の。僕はなにしろこのバンドで売れてやると思ったし。なんかの雑誌で、『一部の熱狂的なファンを呼んで、シーンから去った』みたいなことが書いてあったの。それをまたいい具合にコンビニとかで俺が目につけちゃって。『なんだこの野郎! 絶対4人で売れてやる!』みたいなのがあったんですよ。ほんとは『東京の空』ぐらいから、ちょっと『うわ、大変だこれから』って思ってるとこに、いい具合に契約が切れたんだよ。だからエピックの人がチャンスをくれたぐらいに僕は思ったね。僕はそう解釈した。でも、世間のみんなはわりとエピックを悪者にしてくれたんだよ。それもありがたかった。下北で『エピック馬鹿野郎! 俺の契約切りやがって!』って言うと盛り上がるみたいな。面白いもんですよ、世の中って」
(『ROCKIN'ON JAPAN VOL.350』57ページ)


 レーベルに気遣いするあまりに、リスナーを悪者扱いした山崎氏とは全然違いますね。




その4に続く)



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