更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

育児/教育

『日本の怖い数字』(佐藤拓・著)からの抜粋

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 「ゆかりんノート」のサービスが終了することになったので、今まで作った「本の抜粋のまとめ」(ここは覚えておきたい、と思った部分をTwitterでツイートし、それをまとめたもの)をブログの方に掲載することにしました。  このまとめは、『日本の怖い数字』(佐藤拓・著)の抜粋をまとめたものです。

Date:2013年05月03日

『日本の怖い数字』























【訂正】 「二〇一一年一〇年」 → 「二〇一一年一〇月」 
from 更紗蝦(@sarasaebi)
2013-05-06 18:42:47



 

映画『そして父になる』

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 かなり久しぶりの映画レビューです。上映会の券が当たったので、『そして父になる』を観てきました。 

 観終わって真っ先に思ったのは、「観る人によって評価がかなり分かれる映画だろうな・・・」という事でした。鑑賞者が既婚者なのか独身者なのか、子供がいるのかどうか、男なのか女なのか・・・等々。

 野々宮家(福山雅治&尾野真千子)は「子供にとって楽しくない家」であり、斉木家(リリー・フランキー&真木よう子)は「子供にとって楽しい家」として描写されているのですが、この部分に不快感を示す人がかなりいるのではないかと思ったので、この部分に関して、ちょっと長めに感想を書かせて頂きます。

 恐らく、野々宮家が「子供にとって楽しくない家」である理由を「一人っ子家庭だから」として解釈した人は多いのではないかと思いますが、私の解釈は違います。野々宮家が「子供にとって楽しくない家」であるのは、そこが「夫にとって居心地のいい場所」として用意されているからです。つまり、野々宮家は「夫中心の家庭」なのです。
 そういう家庭をセッティングしているのは、もちろん妻です。野々宮家では、妻が、夫のために最高の働きをしているというわけです。育児にしても同じで、妻は、「夫が満足するかどうか」を優先して子育てしています。

 一方の斉木家は、「子供にとって居心地のいい場所」です。つまり、斉木家は「子供中心の家庭」なのです。しかも、そういう家庭をセッティングしているのは、夫と妻の両方です。妻だけがそうしようと思っているわけではないのです。

 「夫(父親)にとって居心地のいい場所」と「子供にとって居心地のいい場所」のどちらを選ぶかと子供に問えば、当然、「子供にとって居心地のいい場所」に決まっています。野々宮家が一人っ子で、斉木家が三人兄弟であるなんてことは、この映画では重大な違いではないのです。

 野々宮家の妻と斉木家の妻が仲良くなるシーンを、ただ単に「女同士だから」と解釈した人も多いかと思いますが、ここも私の解釈は違います。二人が仲良くなったのは、双方に「家庭に尽くしている」という自負があり、「夫のために苦労している」という共通部分があるからです。

 二人ともよく出来た妻すぎて、夫への不満を口にしているシーンなどほとんどありませんが(全くないわけではありません)、仕事で忙しい夫のために家事と育児を一身に負っている野々宮家の妻と、夫の稼ぎでは生活できずにパートで働いている斉木家の妻に、夫への不満がないはずがなく、二人にとっては夫という存在は「共通の敵」といってもいいくらいなのです。(とはいっても、双方とも「よく出来た妻」なので、夫婦関係が壊れるほど夫に不満を言うことはしません。)

 そういう部分を考慮すれば、この映画は「お金で幸せは買えない」とか「貧乏でも子沢山であれば幸せ」などというテーマなわけではなく、「夫婦関係の有り方・家族の有り方」を問うているということが見えてくるのではないかと思います。決して、野々宮家の有り方が「間違って」いて、斉木家の有り方が「正しい」としているわけではないのです。

 野々宮家の有り方が否定されているように見えてしまうのは、「子供目線の判断」を重視して物語が進んでいるからに他なりません。野々宮家の夫が、「父親としての自分の有り方」を反省したのは、「小学一年生の息子の判断」を通して父親としての自分を顧みたからであって、これがもし、息子の年齢が二十歳とか三十歳とかだったら、ストーリーは全然違ってしまったはずです。
 「小学一年生の息子」という設定があってこそ、この映画がこういうストーリーなのだということを念頭に置かないと、ただ単に「仕事に打ち込む夫(父親)を全否定する映画」という評価になりかねないので、ここは注意しなければならない点なのではないかと思いました。


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2014-04-23

 

リチャード・アダムズ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』

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 先日、次女の通っている小学校から、「子どもにすすめるこの一冊」というアンケートが来ました。
 最初は、自分が小学生の頃にハマっていた本のタイトルを書こうと思ったのですが、よく考えたら、私が小学生の頃にハマっていたのは、江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」とか、平井和正の「幻魔大戦シリーズ」とかだったので、今時の一般的な子どもに薦められるような本は読んでいませんでした(-_-;)

 仕方がないので、大人になってから読んだ本の中で、子どもに薦められるものを…と思い、リチャード・アダムズの『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』を選びました。

ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (上) (評論社文庫)
ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (上) (評論社文庫)
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ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち (下) (評論社文庫)
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 私が読んだのは評論社から出版されている文庫版なのですが、文字が小さいですし、漢字にルビがふられている割合も少ないので、このバージョンだと小学生には読みにくいかと思いますが、ウィキペディアを見ると作品としてのカテゴリは「児童文学」となっていますし、多分、子どもに読みやすいバージョンも出版されているかと思います。

 久しぶりに本棚からこの本を引っ張り出して、ざっとななめ読みしてみましたのですが、上巻で出てくる「カウスリップの村」が、まるで現在の日本をモデルにして描写したかのように思えて、驚きました。
 初めて読んだ時も、「この村、なんだか日本っぽいなぁ」とは思ったのですが、今読み返してみると、現在の日本の有様がますます「カウスリップの村」に近くなっているように感じて、ぞわっとしました。

 ネタバレしてしまうのであまり詳しくは書けませんが、「カウスリップの村」に住んでいるウサギたちは、生死に関わる問題から目を背けて生きています。仲間から定期的に犠牲者が出ているのですが、「快適な生活を送るためなら、多少の犠牲は仕方がない」という感じで、諦めてしまっているんです。
 この「カウスリップの村」の状態は、まさに、原発事故後の日本です。

・放射能汚染で健康リスクが高まっていることは分かっているのに、「でも、病気になる確率は少ないはず」と言い聞かせ、放射能汚染なんか起こっていないかのように生活している。
・原発事故は収束していないのに、原発の状態も、原発で被ばくしながら作業している人たちのことも、マスコミに取り上げられず、世間からほとんど忘れられている。
・「原発があれば電気をじゃんじゃん使って快適な生活を送れる」と刷り込まれているため、「電気が使えなくなる生活は嫌だ」→「原発のリスクに目をつぶるのは当然」という思考回路になっている。
・事実を口にすることがタブーのような空気があって、その「空気」に大多数の人間が従っている。 

 『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』には、イギリスが制作した劇場アニメとTVアニメもありますが、アニメ版よりも小説版の方が、より、「カウスリップの村」の異様さが際立っていると思います。(劇場アニメ版は、ビジュアル的な不気味さがありますが…。)
 アニメ版は、別途の記事でご紹介します。



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『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その17)

その16からの続き)


===19、20ページ目===


0(19)


【大阪の精神科医のブログより】

前半は、あの「年間20mSvまでは安全」というとんでもない基準について
述べられていて、これだけでもかなり不愉快なのですが、我々精神科医に
直接関係してくるのは後半です。2ページの一番下に
「放射能の影響そのものよりも、『放射能を受けた』という不安を抱き続ける
心理的ストレスのほうが大きいと言われています」と書き、
13ページ以降にその説明として、心理的ストレスをうけたときの子供
の反応を説明し、「PTSD」について述べ、「放射能のことを必要以上に
心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします」と結論付けて、
「からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!」と結んでいます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は過去の心的外傷が原因で発症しますから、
現在進行形の事態に対してPTSDを持ち出すことはそもそもおかしな話です。
また、あたかも「放射能を心配しすぎて」PTSDになるかのような説明は
間違っています。「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。
PTSDはレイプ、虐待、戦争体験、交通事故などなど、生命が危険にさらされる
現実の出来事の後に生じる疾患です。
今、原発事故に関してPTSDを論じるのであれば、PTSDの予防ですから、
「安全な場所に避難すること」「事実を伝えること」が必要です。
ところが文科省のこの文書は「年間20mSvでも安全という間違った情報」を与え、
「避難の必要はない」と言っていますから、PTSDの予防としても間違っています。
そもそも放射線の被曝による生命の危機を認めていません。
あまりのお粗末さにあきれてしまい、開いた口がふさがりません。


0(20)
 

福島原発の事故の責任は国にあります。
この文章は加害者である国が、被害者の口を封じ、あたかも被害の責任が
被害者側にあるかのような論述を組み立てています。
これは、レイプでも幼児虐待でも加害者側がよくやるやり方です。
このやり方を繰り返されているうちに、被害者は被害を受けたという事実が
見えなくなり、自分を責め、PTSDであることすらわからなくなってしまいます。
PTSDという疾患概念は、被害者が自分の症状と過去の出来事との関連に
気づくためのものです。
それを被害者の口封じのために利用していることに腹立ちを感じます。
こんな内容の文書を信じる人はいないだろうと思っていたのですが、
先週末に福島出身の作業療法士さんと話をしたら、
「そんなことはありませんよ。信じてしまいます。肩書のある偉い先生や、
政府の人が言ったら、一般の人はそうかなって信じてしまいますよ。
福島は混乱しています」と言っていました。事態は切迫していて、
黙っていたら加害者側に立つのと同じになってしまいます。
時間も気力も限られていますので、まずは伝わりそうな人に伝えています。
この文書の作成に協力している小児心身医学会とメールのやり取りをしている
のですが、なかなか動こうとしません。
トラウマティックストレス学会には原発事故の際の心のケアについてちゃんとした
文章が載っていました。

原発事故による避難者/被災者のメンタルヘルス支援について
http://www.jstss.org/pdf/konishi0324.pdf



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


12ページ
放射能について正しく理解するために(12)


   チェルノブイリ原発事故による影響

・チェルノブイリ原発事故では、多量のヨウ素131が数百キロに及ぶ範囲に飛散しました。そこに住む子供たちが、高濃度(日本の規制値の17-450倍以上)のヨウ素131を含む牛乳を摂取し、小児甲状腺がんが増加しました。

・ベラルーシでは、事故前の11年間で7名であった小児甲状腺がんが、チェルノブイリ原発事故の後16年間で、18歳以下の子について2,101名もの方が甲状腺がんになったことがわかりました。

・チェルノブイリ原発事故において、早期の段階で放射性ヨウ素の摂取制限が取られていれば、甲状腺がんの発生を低く抑えられたと考えられます。

・今回の福島第一原発事故では、乳製品に対して早期に規制が行われました。環境放射線の量も、避難区域外で、積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を超えた地域はありません。

・したがって、今後大量の放射性物質の飛散が抑えられていけば、今回の事故による甲状腺がんの発生はほとんどないと考えられます。

・なお、チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。

・放射線の影響そのものよりも、「放射線を受けた」という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きいと言われています。


13ページ
放射能について正しく理解するために(13)


  普通の生活で、こころの安心を取戻し、子どもの成長を支援しましょう。

・災害時の子どものこころとケアとしては、日々の普通の生活を送って、教職員、保護者、友人などとの人間関係で安心感を持てるようにすることが基本です。

・そうした全般的な配慮により大部分の子どものこころは安定に向かいます。

・保護者のふさぎこんだ気分や不安は、子どものこころの不安定さにつながります。放射能問題については保護者が正確な知識を持ち、必要以上に心配しすぎないことが重要です。

・いじめや心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などは災害時の子どものこころのケアの一部ですが、個別の対応が必要な場合には病院など専門の窓口に相談しましょう。


14ページ
放射能について正しく理解するために(14)


  心配やストレスは心身の不調を起こします

いやなことがあったり、頭(大脳皮質)で心配なことを考え過ぎると、その命令が脳の奥の部分(大脳辺縁系や視床下部)に伝えられ、様々な心身の不調を起こします。これをストレス反応といい、誰にでも起こります。

大脳辺縁系の反応 いらいらする ぼーっとする ひきこもる

視床下部の反応 脈が速くなる 食欲がない 眠れない 頭痛や腹痛 微熱が出る 排尿の失敗 高血圧や低血圧


15ページ
放射能について正しく理解するために(15)
 

心とからだはつながっています

楽しいことやうれしいことがあると、心が軽くなって、ごはんもおいしく、夜もよく眠れますね

逆に、いやなことや心配なこっとがあると、胸のあたりが重くなって、ソワソワして、心が暗くなります。ご飯もおいしくなく、夜が眠れない、頭やおなかが痛くなったり、からだがだるくなりますね

これは心とからだがつながっているからです

(子どもにはこのように説明しましょう)



16ページ
放射能について正しく理解するために(16)
 
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

トラウマの中でも、地震や津波の被害のように生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験したり目撃した場合で、以下の3つの症状が1か月以上続きます。

1.トラウマ体験が自分の意思と無関係にくり返し思い出される(フラッシュバック)、夢を見る

2.トラウマ体験に関する思考や会話を避けようとしたり、忘れている

3.不眠、イライラ、興奮状態が続く

(子どもではこれらの症状がはっきりしない場合もあります)




17ページ
放射能について正しく理解するために(17)


心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

トラウマの中でも、地震や津波の被害のように生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験したり目撃した場合で、以下の3つの症状が1か月以上続きます。

1.トラウマ体験が自分の意思と無関係にくり返し思い出される(フラッシュバック)、夢を見る

2.トラウマ体験に関する思考や会話を避けようとしたり、忘れている

3.不眠、イライラ、興奮状態が続く

(子どもではこれらの症状がはっきりしない場合もあります)


18ページ
放射能について正しく理解するために(18)

放射能のこと必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします

・放射能のことをいつもいつも考えていると、その考えがストレスとなって、不安症状や心身の不調を起こします。

・もし保護者が過剰に心配すると、子どもに不安が伝わって、子どもの心身が不安定になります。

(だから)
・不確かな情報や、人の噂などの風評に惑わされず、学校から正しい知識と情報をもらって、毎日、明るく、楽しく、仲良く、安心した生活を送ることが心身の病気を防ぐ一番よい方法です。


19ページ
放射能について正しく理解するために(19)

(まとめ)
からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!

・放射能は伝染しませんが、不安な気持ちは伝わります。

・ストレス反応を少なくするためには、子どもが安全な日常生活をおくり、身近な人との親密なつながりを実感でき、安心感を取り戻すことです。

・学校では、友達と楽しく、お互いにいたわりあって、安心して過ごせることを優先します。

・放射能について過敏に心配しない、させないことが大切です。

 
もし、ストレス症状のために日常生活に支障が出たら早めに病院など専門の窓口に相談をしましょう。




(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



==========



 …以上が、『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5の内容です。
 この文書と、元の文書(文部科学省制作『放射能を正しく理解するために』)を比べれば、いかに元の文書が酷い内容か、お分かりいただけると思います。

 添削バージョンがネットで話題になった頃(去年の5月)、添削バージョンに対する批判をかなり目にしました。批判の主な理由は「誰が作ったものなのか分からない」とか「添削という表現が上から目線」とか「何が正しいのかなんて誰も分からない」などでしたが、それを言うなら、元の文書だって同じことです。元の文書の内容の信頼性は「発表した機関が文部科学省だと判明している」というただ一点だけしかなく、「内容が間違っていた場合に誰が責任を取るのか明確ではない」ということに関しては、元の文書も添削バージョンも同じです。

 元の文書の1ページと25ページに「本資料は、日本小児心身医学会のご指導・ご協力を得て作成しています」と書かれていますが、日本小児心身医学会の誰が指導・協力をしたのかは公表されていません。
 以前(2011年7月19日)にもこのブログで書きましたけど、私は、指導・協力をした人物は、日本小児心身医学会理事長の田中英高氏の可能性が高いのではないかと思っています。(2011年6月1日の記事参照)

 ↓Youtubeには、こういう動画もありました。



 ↑文部科学省が5月31日に行ったヒアリングです。
  発言内容が、『放射能を正しく理解するために』とよく似ています。

 下記のサイトで、このヒアリングに参加した学者の動画がまとめられています。

  福島県内の学校生活に関し、文科省が専門家ヒアリングOurPlanet-TV

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その16)

その15からの続き)


===18ページ目===

0(18)


 7.学校と家庭でできる対策

放射線管理区域の基準となる毎時0.6マイクロシーベルト以上の区域では、十分に注意が必要です。

 8.誤解をなくそう

だれかに被害を与えることはありませんが、まったく心配ないということはありません。
毎時0.6マイクロシーベルト以上の環境にいる方は、そこは特殊な空間であることを自覚して、自分と家族を守ることを第一に考えることです。

放射能は一定の値なら影響がないという説もありますが、どんなに少なくてもリスクはあるという説もあります。
どちらを信じて生活するかは、各自が考えるしかないのかもしれません。
しかし、「放射能は浴びれば浴びるほど健康になる」などに騙されてはいけません。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===


0(32)


7.学校と家庭でできる対策

・避難指示区域外で、特段の指示がなければ、外で遊んでも大丈夫。徒歩通学も可能です。

・外で遊んだら、手や顔についた土や砂をよく洗い落とすこと。

・服についたほこりを払い落して、教室や家に入ること。

・洗髪は通常通り行っていれば安心です。

・雨が降ったら傘をさす方が安心です。




0(33)

8.誤解をなくそう

・「放射能」が、まるでウイルスのように、ある人から別の人に「うつる」ことはありません。

・避難指示が出された区域から避難した先で、だれかに「放射能」の影響が出ることはありません。

・まして、避難指示の出ていない区域に暮らしていれば、健康被害も、だれかに被害を与えることも、まったく心配はいりません。

・一部に誤解があるようです。正しい理解が行き届くように、国も努力します。


(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その17に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その15)

その14からの続き)


===17ページ目===


0(17)


 目安となる放射線の量(その2)

3月17日に作られた暫定基準値内であっても、安全とは言えません。

【飲用水】の基準値
アメリカの法令基準 0.1 Bq/L
ドイツガス水道協会 0.5 Bq/L
ウクライナ(Cs-137) 2 Bq/L
ベラルーシ 10 Bq/L
WHO基準 10 Bq/L
日本の暫定基準値 
 ヨウ素(I-131) 300Bq/L
 セシウム(Cs-137) 200Bq/L

【食品】の基準値
アメリカの法令基準 170 Bq/kg
これまでの日本の輸入品規制値 370 Bq/kg
日本の暫定基準値
 ヨウ素(I-131)
  牛乳・乳製品 300 Bq/kg
  野菜類(根菜、芋類を除く) 2,000 Bq/kg
 セシウム(Cs-137)
  牛乳・乳製品 200 Bq/kg
  野菜類 500 Bq/kg



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===

放射能について正しく理解するために(31)
 
 6.目安となる放射線の量(その2)

・政府の原子力安全委員会の指針によれば、木造家屋内にいる場合は1割程度に下がります。

・ただし、土埃を吸い込んだり、たまり水を口にしたりした場合の内部被ばくを考えなければなりません。

・なお、水道水や市場で流通している食品は、安全基準を満たしています。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その16に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その14)

その13からの続き)


===16ページ目===


0(16)



目安となる放射線の量(その1)

「住民がどうしても汚染地域に留まることを望んでいる場合、当局が必要なすべての防護対策を実施して」という条件つきです。

どんなに小さくても放射線の影響はあるという「しきい値なし」の考え方では、1ミリシーベルトより20ミリシーベルトのほうが、がんの危険性が増します。
アメリカやドイツでは、原子力発電所でかたらく男性の年間許容量が20ミリシーベルトです。
また、子供は放射線感受性が高く、白血病で4~5倍、甲状腺がんで2~3倍と言われています。

1時間当たり平均2.2マイクロシーベルトですと、3月間で5ミリシーベルトとなります。
3月間につき1.3マイクロシーベルトを超えるおそれのある区域は、放射線管理区域となります。
放射線管理区域とは、人が放射線の不必要な被ばくを防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区域し人の不必要な立ち入りを防止するために設けられる区域のことです。
放射線管理区域では、18歳未満の就労は禁止されています。
また、放射線管理区域で、飲食することはできません。

空間線量だけで評価するのは間違っています。
呼吸による内部被曝、水と食物による内部被曝も考慮するべきです。




===原文===

放射能について正しく理解するために(30)
 
5.目安となる放射線の量(その1)

・国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」とする声明を出しています。

・学校生活においては、1~20ミリシーベルト(=1,000~20,000マイクロシーベルト)を暫定的な目安とし、今後できる限り、受ける線量を減らしていくことが適切です。

・1年間に蓄積される放射線量が、20ミリシーベルト=20,000マイクロシーベルトを超えないようにすることにしました。

・これは、1日あたり平均55マイクロシーベルト以下、1時間あたり平均2.2マイクロシーベルト以下であることに対応します。

・また、1日の生活を、原子力安全委員会が示した考え方に基づき、8時間の屋外、16時間の屋内活動とすると、毎時3.8マイクロシーベルトとなります。

 (注)20,000マイクロシーベルト÷365≒55マイクロシーベルト/日
    55マイクロシーベルト/日÷24時間≒2.2マイクロシーベルト/時



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その15に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その13)

その12からの続き)


===15ページ目===


0(15)
 

4.避難指示がない=暮らせる場所

文部科学省が12日発表した福島県の累積放射線量(3月23日~5月11日)は、福島第1原発から北西約31キロの浪江町で28・26ミリシーベルト、同約33キロの飯館村で16・09ミリシーベルトでした。
放射性物質が降り注いだ3月12日~22日までのデータを入れるともっと多くの地域が20ミリシーベルト越えていると推定されます。
このデータは外部被曝だけです。内部被曝は考慮されていません。
現在でもテラベクレル単位で、放射性物質が放出されています。今後が心配です。

チェルノブイリ事故で旧ソ連が強制移住にした汚染度は55万Bq/m2です。
その6倍も汚染されている飯館村の避難が震災後2か月が経ち、やっと始まりました。

避難指示が出されていないからと言って、そこが安全な場所ではありません。
大切なことは、政府の指示を鵜呑みにするのではなく、自分で考えて行動することです。





===原文===

放射能について正しく理解するために(29)
 

4.避難指示がない=暮らせる場所

・放射線の量をチェックしましょう。文部科学省や福島県が毎日発表する観測データがあります。大事なのは、積算の放射線量です。

・放射線による健康への影響は出る恐れのある区域には、すでに避難指示が出されています。

・避難地域が見直されつつあります。原発からの距離ではなく、それぞれの地域の放射線量にしたがって避難するかどうかを決めます。

・避難指示が出ていなければ、そこで暮らせるということです。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その14に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その12)

その11からの続き)



===14ページ目===

0(14)

 
3.何に気をつけるか(その2)

3月17日に設定された暫定基準値は、非常に緩やかなものになっています。
基準値以内だからと言って不用意に食べないようにしましょう。

【飲用水】の基準値
アメリカの法令基準 0.1 Bq/L
ドイツガス水道協会 0.5 Bq/L
ウクライナ(Cs-137) 2 Bq/L
ベラルーシ 10 Bq/L
WHO基準 10 Bq/L
日本の暫定基準値 
 ヨウ素(I-131) 300Bq/L
 セシウム(Cs-137) 200Bq/L

【食品】の基準値
アメリカの法令基準 170 Bq/kg
これまでの日本の輸入品規制値 370 Bq/kg
日本の暫定基準値
 ヨウ素(I-131)
  牛乳・乳製品 300 Bq/kg
  野菜類(根菜、芋類を除く) 2,000 Bq/kg
 セシウム(Cs-137)
  牛乳・乳製品 200 Bq/kg
  野菜類 500 Bq/kg





===原文===

放射能について正しく理解するために(28)

 
 3.何に気をつけるのか(その2)

・3月17日以降、大規模な放射性物質の大気中への放出はありません。それから一か月以上たったので、半減期の短いヨウ素131は当初の放射能の5%程度にまで減少しています。

・気をつけることは、体内に放射性物質をできるだけ取り込まないことです。

・特に、半減期の長いものへの対策が必要です。地中に入り、30年たっても50%の強さを保つ物質(セシウム137など)です。

・半減期の長い放射性物質を、体の中にできるだけ取り込まないことがポイントです。土や砂を口に入れない、飲料水以外の川や水たまりの水を口にしないことが大事です。





(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その13に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その11)

その10からの続き)


===13ページ目===

0(13)


保護者の皆様へ

1.原発と放射線、いまの状況


半減期の短い放射性ヨウ素は減少しているかもしれませんが、半減期30年のセシウム137は累積で増え続けています。

炉心に水を注入していますが、水蒸気となって蒸発している水量に比べて、放水量のほうが多い状態が続いています。
地下水に漏れて海に流れている可能性があります。
文部科学省は6日、5日に採取した福島県の海岸線から約30キロ地点の海水1リットル当たりから放射性ヨウ素9・63~66・1ベクレル、放射性セシウム11.3~38・5ベクレルを検出したと発表しています。 日に日に汚染が広がっています。

半減期が長く毒性の強いストロンチウムやプルトニウムなど、ヨウ素・セシウム以外の放射性核種がまだ報告されていません。早急な測定・公開を望んでいます。



2011年4月の発表です。
  ソース→福島第一原子力発電所周辺の海域モニタリング結果[平成23年4月6日] (PDF:193KB) 
文部科学省HP放射線モニタリング情報放射線モニタリング情報【旧ウェブサイト】海域モニタリング結果福島第一原子力発電所周辺の海域モニタリング結果・平成23年4月


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(26)


1.原発と放射線、いまの状況

・福島第一原発から大気中に出る放射性物質の量は、3月17日以降、ずっと減少しています。大気中の放射線量は、各地で横ばいか減少中です。

・高い濃度の放射性物質を含む水の海への漏出は止まりました。低いレベルの放射性物質の海への排出は終了しました。30着㎞沖の海水中の放射性物質の濃度は、原子力施設の排出基準を概ね下回ってます。

・原子炉にある核燃料を冷却する作業が、引き続き行われています。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


(その12に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その10)

その9からの続き)


===12ページ目===

0(12)


《 日常生活と放射線 》

[250,000マイクロシーベルト/年] 緊急作業従事の場合に認められている上限

[50,000マイクロシーベルト/年] 放射線業務従事者及び防災に係る警察・消防従事者に認められている上限

[10,000マイクロシーベルト/年] ブラジル・ガラパリの放射線(年間、大地などから)

[6,900マイクロシーベルト/回] 胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン)1回

[2,4000マイクロシーベルト/年] 1人あたりの自然放射線(宇宙から0.39 食物から0.29 大地から0.48 空気中のラドンから1.26)

[1,000マイクロシーベルト/年] 一般公衆の線量程度(医療は除く)

[600マイクロシーベルト/回] 胃のX線集団検診

[400マイクロシーベルト/年] 国内自然放射線の差(県別平均値の差の最大)

[200マイクロシーベルト/往復] 東京―ニューヨーク航空機旅行(往復)(高度による宇宙線の増加)

[50マイクロシーベルト/回] 胸のX線集団検診

[22マイクロシーベルト/年] 再処理工場からの放射線物質の放出による評価値

[10マイクロシーベルト/年] クリアランスレベル導出の線量目安

※Sv=【シーベルト】=放射線の種類による生物効果の定数(※) × Gy【グレイ】 ※X線、γ線では1

資源エネルギー庁「原子力2002」をもとに文部科学省において作成


年間20ミリシーベルトは、胸のX線400回分となります。

CTスキャンの実施前に医師は患者にがんのリスクを説明する義務があります。




(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===

放射能について正しく理解するために(23)


(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その11に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その9)

その8からの続き)


===10~11ページ目===

0(10)
 

放射能のことを適切に心配する必要があります。
目の前の心身の安定の為に、将来の健康被害から目を背けてはいけません。

高濃度の放射能汚染地域で生活を行うなら、不安症状や心身の不調を覚悟してください。

過剰に心配する必要はありませんが、正しく心配することは必要です。
現実をしっかり見つめて、将来に後悔をしない対処をしてください。

正しい知識を学び、何が風評で何が正しい知識なのかを理解してください。
正しい知識を得ることだけが、心身の安定につながります。

放射能は伝染しませんが、間違った安心な気持ちは伝わります。
結果として、防護を難しくします。

高濃度の放射能汚染地域で安全な日常生活をおくる事は、不可能です。
ストレス反応は覚悟してください。





0(11)
 

放射能について正しい知識で防護する、防護させることが大切です。

精神科や心療内科は、怖いところではありません。
ストレス症状が出た場合は、通院を決意するのが治療の第一歩です。

チェルノブイリ原発事故の後に、IAEAは事故調査委員会を派遣しました。
IAEA事故調査委員長を務めたのが、重松逸重という人物です。
重松逸重は、水俣病の調査責任者で、水俣病と有機水銀との因果関係を否定しています。
また、イタイイタイ病の裁判で、イタイイタイ病はカドミウムとは因果関係はない、岡山スモンの裁判では、キノホルムと因果関係はないと報告しました。
その重松逸重は、チェルノブイリ事故のIAEA報告会にて、「汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない。むしろ、放射能恐怖症による精神的ストレスの方が問題である。」と報告しています。
しかし、その結果は・・・
 
 


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(18)
 

放射能のこと必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします

・放射能のことをいつもいつも考えていると、その考えがストレスとなって、不安症状や心身の不調を起こします。

・もし保護者が過剰に心配すると、子どもに不安が伝わって、子どもの心身が不安定になります。

(だから)
・不確かな情報や、人の噂などの風評に惑わされず、学校から正しい知識と情報をもらって、毎日、明るく、楽しく、仲良く、安心した生活を送ることが心身の病気を防ぐ一番よい方法です。


放射能について正しく理解するために(19)
 

からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!

・放射能は伝染しませんが、不安な気持ちは伝わります。

・ストレス反応を少なくするためには、子どもが安全な日常生活をおくり、身近な人との親密なつながりを実感でき、安心感を取り戻すことです。

・学校では、友達と楽しく、お互いにいたわりあって、安心して過ごせることを優先します。

・放射能について過敏に心配しない、させないことが大切です。

 もし、ストレス症状のために日常生活に支障が出たら早めに病院など専門の窓口に相談をしましょう。

(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その10に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その8)

その7からの続き)


===9ページ目===


0(9)
 
心とからだはつながっています

避けられたかもしれない体の不調は、将来に精神的な不調を限りなく大きくしてしまいます。

心的外傷ストレス障害(PTSD)とは

「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。
PTSDは、生命が危機にさらされる現実の出来事に生じる疾患です。

初動での政府の情報隠匿により、お子様に不必要な被曝をさせてしまったご両親などが、強いストレスを受けている可能性があります。心当たりがある方は、精神科の受診をおすすめします。
将来、お子様に健康被害が発生した場合には、強いストレスを受けると思われます。
その場合にも、精神科の受診をおすすめします。




(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(15)
 
心とからだはつながっています

楽しいことやうれしいことがあると、心が軽くなって、ごはんもおいしく、夜もよく眠れますね

逆に、いやなことや心配なこっとがあると、胸のあたりが重くなって、ソワソワして、心が暗くなります。ご飯もおいしくなく、夜が眠れない、頭やおなかが痛くなったり、からだがだるくなりますね

これは心とからだがつながっているからです

(子どもにはこのように説明しましょう)
 
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

トラウマの中でも、地震や津波の被害のように生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験したり目撃した場合で、以下の3つの症状が1か月以上続きます。

1.トラウマ体験が自分の意思と無関係にくり返し思い出される(フラッシュバック)、夢を見る

2.トラウマ体験に関する思考や会話を避けようとしたり、忘れている

3.不眠、イライラ、興奮状態が続く

(子どもではこれらの症状がはっきりしない場合もあります)



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その9に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その7)

その6からの続き)


===8ページ目===


0(8)

 
普通の生活で、こころの安心を取り戻し、子どもの成長を支援しましょう

管理区域の基準となる0.6マイクロシーベルト以上の放射能汚染地域で生活するには、健康被害を受けるリスクがあるということを忘れないでください。

安全な地域で必要以上に不安を持つことはありませんが、警戒すべき地域では十分な対策が必要です。
今が大丈夫だと思って安心してはいけません。低線量の影響は、発病までに何年もかかります。5年先10年先のことを考えて行動してください。

マスクをすることが、いじめの対象になる危険があります。
正しい知識を共有することが大切です。
精神科や心療内科は、怖いところではありません。専門家に相談しましょう。 




(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(13)
 
  普通の生活で、こころの安心を取戻し、子どもの成長を支援しましょう。

・災害時の子どものこころとケアとしては、日々の普通の生活を送って、教職員、保護者、友人などとの人間関係で安心感を持てるようにすることが基本です。

・そうした全般的な配慮により大部分の子どものこころは安定に向かいます。

・保護者のふさぎこんだ気分や不安は、子どものこころの不安定さにつながります。放射能問題については保護者が正確な知識を持ち、必要以上に心配しすぎないことが重要です。

・いじめや心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などは災害時の子どものこころのケアの一部ですが、個別の対応が必要な場合には病院など専門の窓口に相談しましょう。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その8に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その6)

その5からの続き)



===7ページ目===


0(7)
 
チェルノブイリ原発事故による影響

文部科学省が12日発表した福島県の累積放射線量(3月23日~5月11日)は、福島第1原発から北西約31キロの浪江町で28・26ミリシーベルト、同約33キロの飯館村で16・09ミリシーベルトでした。
放射性物質が降り注いだ3月12日~22日までのデータを入れるともっと多くの地域が20ミリシーベルト超えていると推測されます。
このデータは外部被曝だけです。内部被曝は考慮されていません。
現在でもテラベクレル単位で、放射性物質が放出されています。今後が心配です。

がん以外にも放射線起因の疑いがあるものに不妊症、老化の促進(筋肉、関節、神経脈管、心臓血管、指示結合組織への影響)(BEIR III, 1980, P505 and 502)、生殖機能異常、先天性異常、先天性奇形などがあります。
また、低線量放射線が原因で起こる著しい倦怠感で、広島・長崎の被爆者や原発労働者、アメリカ兵の湾岸戦争症候群などに現れる「ぶらぶら病」などが報告されています。

症状がでるのは多くの場合、白血病で3年後、甲状腺がんは5年後です。
まだまだ、大量の放射性物質は流出している状態です。できるだけ被曝を避けることが大事です。
食料品に気をつけて、内部被曝を少なくする努力を続けてください。

※ここでいう「現在」とは、「添削Ver0.5」が作成された2011月5月当時を指します。

(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(12)


チェルノブイリ原発事故による影響

・チェルノブイリ原発事故では、多量のヨウ素131が数百キロに及ぶ範囲に飛散しました。そこに住む子供たちが、高濃度(日本の規制値の17-450倍以上)のヨウ素131を含む牛乳を摂取し、小児甲状腺がんが増加しました。

・ベラルーシでは、事故前の11年間で7名であった小児甲状腺がんが、チェルノブイリ原発事故の後16年間で、18歳以下の子について2,101名もの方が甲状腺がんになったことがわかりました。

・チェルノブイリ原発事故において、早期の段階で放射性ヨウ素の摂取制限が取られていれば、甲状腺がんの発生を低く抑えられたと考えられます。

・今回の福島第一原発事故では、乳製品に対して早期に規制が行われました。環境放射線の量も、避難区域外で、積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を超えた地域はありません。

・したがって、今後大量の放射性物質の飛散が抑えられていけば、今回の事故による甲状腺がんの発生はほとんどないと考えられます。

・なお、チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。

・放射線の影響そのものよりも、「放射線を受けた」という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きいと言われています。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その7に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その5)

その4からの続き)


===6ページ目===

0(6)
 
確率的影響と確定的影響(その2)

日本における第80回医師国家試験では、「放射線による遺伝的障害は、しきい値がない確率的影響である」という内容が出題されています。
第86回医師国家試験では、「放射線障害では奇形は確率的影響と考えられている」という内容が出題されています。

福島の事故を欧州放射線リスク委員会(ECRR)のモデルで計算すると、100km圏内で191,986人、100~200kmのドーナツ部で224,623人のがん発症の増加が予測されています。
これらの半分が最初の10年間で発症し、残りは10~50年の間に発症すると仮定してます。

アメリカ科学アカデミー、原子放射線の影響に関する国連科学委員会、国際放射線防護委員会(ICRP)は、被曝量が下がればリスクは減るものの、どんな低線量でもリスクはゼロではないとする立場をとっています。
また、欧州放射線リスク委員会(ECRR)は、低線量だからといって必ずしもリスクは小さくならないとしています。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(11)


  確率的影響と確定的影響(その2)

・「確率的影響」のうち「遺伝的影響」は、これまで人間(広島、長崎の原爆被爆者や核実験被爆者、チェルノブイリなどの原発被ばく者を含む)で見られたことがありません。

・「発がん」の確率は、弱い放射線の場合、積算100ミリシーベルト(=100,000マイクロシーベルト)で約0.5%程上昇すると見積もられています。今回、原発事故で考えられる唯一の身体の影響は、「発がん」です。

・原発付近に滞在する住民の方におかれても、積算で100ミリシーベルト(=100,000マイクロシーベルト)を被ばくすることは、今の状況で考えられませんが、放射線量を監視していくことは必要です。積算で100ミリシーベルト(=100,000マイクロシーベルト)以下では、他の要因による「発がん」の確率上昇は認められていません。

・しかし、「発がん」が起こる確率は、低い量の被ばくであっても被ばくした放射線の量に応じて増加すると考えて、必要のない放射線をできるだけ浴びないようにするという考え方は、大切です。

(※表記が「被爆」だったり「被ばく」だったりしているのは原文のまま。)


(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その6に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その4)

その3からの続き)


===5ページ目===

0(5)
 

 放射線、放射能は感染しません

放射能は感染しませんが、体内に取り込まれた放射性物質は長い間体内に留まることもあります。
長崎での被曝から60年余りが過ぎた現在も、死の灰が骨や腎臓などの細胞の中で放射線を出し続けている例もあります。


 確率的影響と確定的影響(その1)

「確定的影響」は細胞死によって生体器官の機能が損なわれて生じる影響です。
ごく少数の被曝では影響が現れず、一定のしきい線量を超えて被曝すると影響が発現します。
細胞死による機能低下によりほぼ確実に身体機能が損なわれるため、確率的影響に対比して確定的影響と呼ばれています。



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===


放射能について正しく理解するために(9)
 

 放射線、放射能は感染しません

・私たちが放射線を受けたからといって、私たちの体から放射線が出てくることはありません。(例えば、レントゲン写真を撮った後、私たちの体から放射線は出てきません。)

・放射性物質が付着したり、体内に取り込まれたりしても、その周りにいる人に影響を与えるほどの放射線は発しません。(医療用で用いられるPET薬剤や治療内服薬は、桁違いに強力な放射性物質を患者の体内に取り込みます。それでも患者の周りの人に影響を与えることはありません)

・3月17日以降、放射性物質の大量放出はありません。したがって、その時に放射性物質が体や服に付着していたとしても、すでに取れています。口などから体内に入っていた場合でも、体外に排出されています。

・避難された方々から、放射線、放射能が感染するということはありません。親や子供たちへの教育を徹底するとともに、避難された方々へのケアも大切です。

 


放射能について正しく理解するために(10)

 

確率的影響と確定的影響(その1)

・放射線が身体に与える影響には、「確率的影響」と「確定的影響」があります。

・「確率的影響」は、”発がん”と”遺伝的影響”のことで、それ以外のすべての影響は、「確定的影響」です。

・「確定的影響」には、ある線量以下では症状が全く現れない”しきい値(閾値)”があります。例えば、白血球の一時的な減少は、250ミリシーベルトというしきい値を超えた場合に現れます。

・ただし、数年で250ミリシーベルト(=250,000マイクロシーベルト)となるような弱い放射線では、影響は生じません。したがって、避難区域外における放射線の強さで、「確定的影響」によって身体的な影響が生じることは、考えられません。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その5に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その3)

その2からの続き)


===4ページ目===

0(4)


 

 学校生活における留意点(その2)

●毎秒3.8マイクロシーベルト以上の区域

チェルノブイリ事故のあった4号機は現在、石棺と言われるコンクリートで囲まれていますが、そこでの放射線量は毎秒5.24マイクロシーベルトです。
毎秒3.8マイクロシーベルトは、日常生活に適した場所とは言えません。


 学校生活における留意点(その3)

●毎秒3.8マイクロシーベルト未満の区域

普通に生活してよいレベルではありません。
放射線管理区域の基準となる毎時0.6マイクロシーベルト以上の区域では、十分に注意が必要です。
外出はできるだけ避け、外出時はマスクを着用するなどして、被曝量をできるだけ少なくするように心がけてください。



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(7)


学校生活における留意点(その2)

●毎時3.8マイクロシーベルト以上の区域

 -水たまりや、砂場、草木、建物の屋根など、万が一ですが、放射性物質がたまっている場所があるかもしれません。そうしたところを触った手で食べ物を口のすれば、放射性物質が体内に入るおそれもあります。お子さんには、念のため、手洗いやうがいなどを十分意識させてください。

 -放射線量に応じて、校庭や外で遊ぶ時間を制限してください。

 -具体的な学校生活での過ごし方や屋外での活動の仕方については、国の情報や教育委員会の指示などを踏まえて対応して下さい。


 

放射能について正しく理解するために(8)


 学校生活における留意点(その3)

●毎時3.8マイクロシーベルト未満の区域

 -普通に生活して支障はありません。

・毎時2.2マイクロシーベルト以上3.8マイクロシーベルト未満の区域
 (一日平均8時間程度の屋外活動であれば、1年間の積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)以下となります。これまで通り、普通に生活しても支障はありません。)

・毎時2.2マイクロシーベルト未満の区域
 (一日24時間屋外で過ごしたとしても、1年間の積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)以下となります。これまで通り、普通に生活しても支障はありません。)




(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その4に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その2)

その1からの続き)


===3ページ目===

0(3)
 

学校生活における留意点(その1)

ICRPは、「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」とする声明を出しています。

ただし、

「住民がどうしても汚染地域に留まることを望んでいる場合、当局が必要なすべての防護対策を実施して」という条件付きです。

どんなに小さくても放射能の影響はあるという「しきい値なし」の考え方では、1ミリシーベルトより20ミリシーベルトのほうが、がんの危険性が増します。
アメリカやドイツでは、原子力発電所で働く男性の年間許容量が20ミリシーベルトです。
また、子供は放射線感受性が高く、白血病で4~5倍、甲状腺がんで2~3倍と言われています。

1時間当たり1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域は、放射線管理区域とされます。
放射線管理区域とは、人が放射線の不必要な被曝を防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区域し人の不必要な立ち入りを防止するために設けられる区域のことです。
放射線管理区域では、18歳未満の就労は禁止されています。
また、放射線管理区域で、飲食することはできません。

空間線量だけで評価するのは間違っています。
呼吸による内部被曝、水と食物による内部被曝も考慮するべきです。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5




===原文===


放射能について正しく理解するために(6)


学校生活における留意点(その1)

・国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」とする声明を出しています。

・学校生活においては、1~20ミリシーベルト(=1,000~20,000マイクロシーベルト)を暫定的な目安とし、今後できる限り、受ける線量を減らしていくことが適切です。

・1年間で蓄積される放射線量が20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を超えないようにすることとしました。

・これは、1日あたり平均55マイクロシーベルト以下、1時間当たり平均2.2マイクロシーベルト以下であることに対応します。

・また、1日の生活を、原子力安全委員会が示した考え方に基づき、8時間の屋外、16時間の屋内活動とすると、毎時3.8マイクロシーベルトとなります。




(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その3に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その1)

ブログネタ
原発 に参加中!
 原発事故が起きてから約1年経った節目として、日本が事故直後にどういう対応をしていたを振り返るため、文部科学省の極悪文書『放射能を正しく理解するために』の添削バージョンをご紹介していこうと思います。

 文部科学省が発表した、ありのままの『放射能を正しく理解するために』は、去年の6月29日から7月19日にかけて、このブログでご紹介しています。(当時は添削バージョンは3.1が発表されていて、ブログで「近いうちにご紹介します」と書いていたのですが、こんなに遅くなってしまった上に、バージョンは5.0まで進んでいました。申し訳ありません

 『放射能を正しく理解するために』の原文は、今でも文部科学省のHPでダウンロードできます。

 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1305458.htm

文部科学省トップページ政策について審議会情報中央教育審議会議事要旨・議事録・配付資料中央教育審議会(第76回)配布資料関連資料放射能を正しく理解するために


 『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5は、「放射能について正しく学ぼう」というサイト(http://kingo999.web.fc2.com/)でダウンロードできます。



===1ページ目===

0(1)




  放射能を正しく理解するために

  文部省の資料と合わせてお読みください。
  http://www.jpeds.or.jp/pdf/touhoku_11.pdf
                      Ver5.0

  資料の利用は自己責任でお願いします。




===2ページ目===


0(2)

 

  “自然放射線”

レントゲン技師は、被曝しないように防護する服を身に着けています。
また、どれだけ被曝したかを計測する器具を常に携帯してます男性のレントゲン技師の年間被曝量「上限」が「最大」50mSvで、5年間の累積の被曝量「上限」は100mSvです。
「平均すると」1年間で20mSv「以下」が目安です。
妊娠可能な女性技師は、5年間の累積の被曝量「上限」は100mSvに加えて、3ヶ月で「上限」50mSvの縛りもあります。放射線は実に危険なものなのです。



 放射線と「被ばく」の基礎

放射性物質と体の距離が、近ければ近いほど人体にあたえる影響は大きくなります。β(γ)核種の場合は外部被曝に注意です。
しかし、α波は外部被ばくでは空気中で数cmしか届きませんし、紙一枚で遮蔽されてしまいますが、内部被曝では大きなダメージを受けます。

体内にとり込まれた放射性物質が半減するのに要する期間を生物学的半減期と言います。生物学的半減期は蓄積された部位によって異なりますが、ヨウ素131で60-80日、セシウム137は70日、ストロンチウム90で30-50年、プルトニウム239は200年が目安です。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(4)
  

“自然放射線”

食物や大気には、普段から放射性物質(カリウム40やラドンなど)が混ざっています。私たちはその他にも、宇宙や大地から放射線を受けています。これらを”自然放射線”と呼びます。

医療でレントゲン写真を撮影したり、海外旅行で飛行機に乗ったりすることでも、放射線を受けています。これまであまり意識されて来なかっただけで、放射線は、実は大変身近なものなのです。

”放射線から身を守る”という立場で、必要のない放射線をできるだけ受けないようにすることは、大切です。しかし、過剰な対策は、生活に支障をきたしたり、偏見を産み出したりすることにもつながります。何事もバランスが大事です。


 


放射能について正しく理解するために(5)


  放射線と「被ばく」の基礎

●放射線を受けることを”被ばく”と呼びます。被ばくには、「外部被ばく」と「内部被ばく」があります。どちらも人体に及ぼす影響は同じです。

●「外部被ばく」は衣服や皮膚に放射性物質が付着することで生じます。これは、花粉症対策と同じようにして、放射線の影響を減らせます。

●放射性物質を体内に取り込んでしまうことを「内部被ばく」といい、そうなると、放射性物質を洗い流したりできないので、注意が必要です。

●ただし、放射性物質をいったん体内に取り込んでも、排泄時に対外に排出されたり、自然に放射能が弱まったりすることで、放射線の影響は弱まっていきます。

(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その2に続く)
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