更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

生活

明治聖徳記念學會のホームページより『最近に於ける地震学の諸問題』

 日経新聞で連載中の『琥珀の夢』(伊集院静・著)が、現在、関東大震災の話になっているので、こちらのブログでも関東大震災に関連する記事をアップします。


番号121 明治聖徳 第10巻
大正7年11月20日 講演
【最近に於ける地震学の諸問題】 今村明恒
http://www.mkc.gr.jp/seitoku/pdf/m10-7.pdf




 ↑上記の講演記録は、「明治聖徳記念學會のホームページ(http://www.mkc.gr.jp/seitoku/search.htm)で公開されている資料です。
 タイトルには「最近」とありますが、実際には大正7年の講演です。

 大正時代の地震といえば関東大震災が有名ですが、関東大震災は大正12年(1923年)の出来事なので、この講演が行われたのは関東大震災の5年前にということになります。

 この講演記録を読むと、日本で地震を一つの学問として研究し始めたのは明治の頃であり、その当時、地震に関する学問的な文献はイギリス人のマレットという人物が書いたイタリアの地震に関する本が一冊だけだったのだそうです。

 関東大震災の前のことだけあって、この講演では、震災の被害といえば建造物の倒壊のことばかり気にしており、火災の危険性については全く触れていません。
 この講演の中では日本並の地震国として比較の対象に上がっている国はイタリア(伊太利)なのですが、イタリアの地震の解説においても火災による被害は挙げられておらず(おそらくは木造の建造物が少ないせいだと思われます)、そのせいで日本人の地震の研究者が火災の危険性が頭からすっぽり抜け落ちることに繋がってしまったようです。
 現在は「震災には火災の危険性が付き物」というのは“常識”となっていますが、この“常識”は関東大震災以前には存在せず、それだけに、いかに関東大震災による火災が悲惨を極めたかが、この講演内容から想像できます。

 火災のみならず、この講演では津波の危険性についても全く触れられておらず、当時は地震と津波を関連付けて研究している研究者がいなかったのかどうか気になったので、ネットで検索をかけてみたら、明治期に吉田東伍氏という地理学者が、貞観地震と貞観津波を研究の対象としていたそうです。ですが、その後研究が進まず、再び津波の研究が開始されるまで、80年以上もかかったとのことです。


 それにしても、大正7年の講演記録であるというのに、イギリスの雑誌『ネイチャー』(論文の中の表記は『ネーチューア』)で日本の地震研究が評価されたことを講演者が自慢げに語っている部分があるのは、まるで現在の日本のようです。
 ここ最近で『ネイチャ―』がらみの話題というと、やはりSTAP細胞騒動でしょうか。小保方晴子氏がマスコミで持ち上げられた直接のきっかけは『ネイチャー』に論文が載ったことがであり、研究内容が評価されての報道というわけではなく、『ネイチャー』という“権威”のお墨付きが凄いから報道した…という感じでした。
 日本国内で行われている研究の評価を「海外からの評価」を基準にし、それを根拠として権威付けを行う…という流れが、大正時代も現在も変わらないのは、良くいえば謙虚ですが、悪く言えば自国というものを客観的に評価することができない…と言えるでしょう。


『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その17)

その16からの続き)


===19、20ページ目===


0(19)


【大阪の精神科医のブログより】

前半は、あの「年間20mSvまでは安全」というとんでもない基準について
述べられていて、これだけでもかなり不愉快なのですが、我々精神科医に
直接関係してくるのは後半です。2ページの一番下に
「放射能の影響そのものよりも、『放射能を受けた』という不安を抱き続ける
心理的ストレスのほうが大きいと言われています」と書き、
13ページ以降にその説明として、心理的ストレスをうけたときの子供
の反応を説明し、「PTSD」について述べ、「放射能のことを必要以上に
心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします」と結論付けて、
「からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!」と結んでいます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は過去の心的外傷が原因で発症しますから、
現在進行形の事態に対してPTSDを持ち出すことはそもそもおかしな話です。
また、あたかも「放射能を心配しすぎて」PTSDになるかのような説明は
間違っています。「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。
PTSDはレイプ、虐待、戦争体験、交通事故などなど、生命が危険にさらされる
現実の出来事の後に生じる疾患です。
今、原発事故に関してPTSDを論じるのであれば、PTSDの予防ですから、
「安全な場所に避難すること」「事実を伝えること」が必要です。
ところが文科省のこの文書は「年間20mSvでも安全という間違った情報」を与え、
「避難の必要はない」と言っていますから、PTSDの予防としても間違っています。
そもそも放射線の被曝による生命の危機を認めていません。
あまりのお粗末さにあきれてしまい、開いた口がふさがりません。


0(20)
 

福島原発の事故の責任は国にあります。
この文章は加害者である国が、被害者の口を封じ、あたかも被害の責任が
被害者側にあるかのような論述を組み立てています。
これは、レイプでも幼児虐待でも加害者側がよくやるやり方です。
このやり方を繰り返されているうちに、被害者は被害を受けたという事実が
見えなくなり、自分を責め、PTSDであることすらわからなくなってしまいます。
PTSDという疾患概念は、被害者が自分の症状と過去の出来事との関連に
気づくためのものです。
それを被害者の口封じのために利用していることに腹立ちを感じます。
こんな内容の文書を信じる人はいないだろうと思っていたのですが、
先週末に福島出身の作業療法士さんと話をしたら、
「そんなことはありませんよ。信じてしまいます。肩書のある偉い先生や、
政府の人が言ったら、一般の人はそうかなって信じてしまいますよ。
福島は混乱しています」と言っていました。事態は切迫していて、
黙っていたら加害者側に立つのと同じになってしまいます。
時間も気力も限られていますので、まずは伝わりそうな人に伝えています。
この文書の作成に協力している小児心身医学会とメールのやり取りをしている
のですが、なかなか動こうとしません。
トラウマティックストレス学会には原発事故の際の心のケアについてちゃんとした
文章が載っていました。

原発事故による避難者/被災者のメンタルヘルス支援について
http://www.jstss.org/pdf/konishi0324.pdf



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


12ページ
放射能について正しく理解するために(12)


   チェルノブイリ原発事故による影響

・チェルノブイリ原発事故では、多量のヨウ素131が数百キロに及ぶ範囲に飛散しました。そこに住む子供たちが、高濃度(日本の規制値の17-450倍以上)のヨウ素131を含む牛乳を摂取し、小児甲状腺がんが増加しました。

・ベラルーシでは、事故前の11年間で7名であった小児甲状腺がんが、チェルノブイリ原発事故の後16年間で、18歳以下の子について2,101名もの方が甲状腺がんになったことがわかりました。

・チェルノブイリ原発事故において、早期の段階で放射性ヨウ素の摂取制限が取られていれば、甲状腺がんの発生を低く抑えられたと考えられます。

・今回の福島第一原発事故では、乳製品に対して早期に規制が行われました。環境放射線の量も、避難区域外で、積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を超えた地域はありません。

・したがって、今後大量の放射性物質の飛散が抑えられていけば、今回の事故による甲状腺がんの発生はほとんどないと考えられます。

・なお、チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。

・放射線の影響そのものよりも、「放射線を受けた」という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きいと言われています。


13ページ
放射能について正しく理解するために(13)


  普通の生活で、こころの安心を取戻し、子どもの成長を支援しましょう。

・災害時の子どものこころとケアとしては、日々の普通の生活を送って、教職員、保護者、友人などとの人間関係で安心感を持てるようにすることが基本です。

・そうした全般的な配慮により大部分の子どものこころは安定に向かいます。

・保護者のふさぎこんだ気分や不安は、子どものこころの不安定さにつながります。放射能問題については保護者が正確な知識を持ち、必要以上に心配しすぎないことが重要です。

・いじめや心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などは災害時の子どものこころのケアの一部ですが、個別の対応が必要な場合には病院など専門の窓口に相談しましょう。


14ページ
放射能について正しく理解するために(14)


  心配やストレスは心身の不調を起こします

いやなことがあったり、頭(大脳皮質)で心配なことを考え過ぎると、その命令が脳の奥の部分(大脳辺縁系や視床下部)に伝えられ、様々な心身の不調を起こします。これをストレス反応といい、誰にでも起こります。

大脳辺縁系の反応 いらいらする ぼーっとする ひきこもる

視床下部の反応 脈が速くなる 食欲がない 眠れない 頭痛や腹痛 微熱が出る 排尿の失敗 高血圧や低血圧


15ページ
放射能について正しく理解するために(15)
 

心とからだはつながっています

楽しいことやうれしいことがあると、心が軽くなって、ごはんもおいしく、夜もよく眠れますね

逆に、いやなことや心配なこっとがあると、胸のあたりが重くなって、ソワソワして、心が暗くなります。ご飯もおいしくなく、夜が眠れない、頭やおなかが痛くなったり、からだがだるくなりますね

これは心とからだがつながっているからです

(子どもにはこのように説明しましょう)



16ページ
放射能について正しく理解するために(16)
 
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

トラウマの中でも、地震や津波の被害のように生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験したり目撃した場合で、以下の3つの症状が1か月以上続きます。

1.トラウマ体験が自分の意思と無関係にくり返し思い出される(フラッシュバック)、夢を見る

2.トラウマ体験に関する思考や会話を避けようとしたり、忘れている

3.不眠、イライラ、興奮状態が続く

(子どもではこれらの症状がはっきりしない場合もあります)




17ページ
放射能について正しく理解するために(17)


心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

トラウマの中でも、地震や津波の被害のように生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験したり目撃した場合で、以下の3つの症状が1か月以上続きます。

1.トラウマ体験が自分の意思と無関係にくり返し思い出される(フラッシュバック)、夢を見る

2.トラウマ体験に関する思考や会話を避けようとしたり、忘れている

3.不眠、イライラ、興奮状態が続く

(子どもではこれらの症状がはっきりしない場合もあります)


18ページ
放射能について正しく理解するために(18)

放射能のこと必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします

・放射能のことをいつもいつも考えていると、その考えがストレスとなって、不安症状や心身の不調を起こします。

・もし保護者が過剰に心配すると、子どもに不安が伝わって、子どもの心身が不安定になります。

(だから)
・不確かな情報や、人の噂などの風評に惑わされず、学校から正しい知識と情報をもらって、毎日、明るく、楽しく、仲良く、安心した生活を送ることが心身の病気を防ぐ一番よい方法です。


19ページ
放射能について正しく理解するために(19)

(まとめ)
からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!

・放射能は伝染しませんが、不安な気持ちは伝わります。

・ストレス反応を少なくするためには、子どもが安全な日常生活をおくり、身近な人との親密なつながりを実感でき、安心感を取り戻すことです。

・学校では、友達と楽しく、お互いにいたわりあって、安心して過ごせることを優先します。

・放射能について過敏に心配しない、させないことが大切です。

 
もし、ストレス症状のために日常生活に支障が出たら早めに病院など専門の窓口に相談をしましょう。




(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



==========



 …以上が、『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5の内容です。
 この文書と、元の文書(文部科学省制作『放射能を正しく理解するために』)を比べれば、いかに元の文書が酷い内容か、お分かりいただけると思います。

 添削バージョンがネットで話題になった頃(去年の5月)、添削バージョンに対する批判をかなり目にしました。批判の主な理由は「誰が作ったものなのか分からない」とか「添削という表現が上から目線」とか「何が正しいのかなんて誰も分からない」などでしたが、それを言うなら、元の文書だって同じことです。元の文書の内容の信頼性は「発表した機関が文部科学省だと判明している」というただ一点だけしかなく、「内容が間違っていた場合に誰が責任を取るのか明確ではない」ということに関しては、元の文書も添削バージョンも同じです。

 元の文書の1ページと25ページに「本資料は、日本小児心身医学会のご指導・ご協力を得て作成しています」と書かれていますが、日本小児心身医学会の誰が指導・協力をしたのかは公表されていません。
 以前(2011年7月19日)にもこのブログで書きましたけど、私は、指導・協力をした人物は、日本小児心身医学会理事長の田中英高氏の可能性が高いのではないかと思っています。(2011年6月1日の記事参照)

 ↓Youtubeには、こういう動画もありました。



 ↑文部科学省が5月31日に行ったヒアリングです。
  発言内容が、『放射能を正しく理解するために』とよく似ています。

 下記のサイトで、このヒアリングに参加した学者の動画がまとめられています。

  福島県内の学校生活に関し、文科省が専門家ヒアリングOurPlanet-TV

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その16)

その15からの続き)


===18ページ目===

0(18)


 7.学校と家庭でできる対策

放射線管理区域の基準となる毎時0.6マイクロシーベルト以上の区域では、十分に注意が必要です。

 8.誤解をなくそう

だれかに被害を与えることはありませんが、まったく心配ないということはありません。
毎時0.6マイクロシーベルト以上の環境にいる方は、そこは特殊な空間であることを自覚して、自分と家族を守ることを第一に考えることです。

放射能は一定の値なら影響がないという説もありますが、どんなに少なくてもリスクはあるという説もあります。
どちらを信じて生活するかは、各自が考えるしかないのかもしれません。
しかし、「放射能は浴びれば浴びるほど健康になる」などに騙されてはいけません。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===


0(32)


7.学校と家庭でできる対策

・避難指示区域外で、特段の指示がなければ、外で遊んでも大丈夫。徒歩通学も可能です。

・外で遊んだら、手や顔についた土や砂をよく洗い落とすこと。

・服についたほこりを払い落して、教室や家に入ること。

・洗髪は通常通り行っていれば安心です。

・雨が降ったら傘をさす方が安心です。




0(33)

8.誤解をなくそう

・「放射能」が、まるでウイルスのように、ある人から別の人に「うつる」ことはありません。

・避難指示が出された区域から避難した先で、だれかに「放射能」の影響が出ることはありません。

・まして、避難指示の出ていない区域に暮らしていれば、健康被害も、だれかに被害を与えることも、まったく心配はいりません。

・一部に誤解があるようです。正しい理解が行き届くように、国も努力します。


(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その17に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その15)

その14からの続き)


===17ページ目===


0(17)


 目安となる放射線の量(その2)

3月17日に作られた暫定基準値内であっても、安全とは言えません。

【飲用水】の基準値
アメリカの法令基準 0.1 Bq/L
ドイツガス水道協会 0.5 Bq/L
ウクライナ(Cs-137) 2 Bq/L
ベラルーシ 10 Bq/L
WHO基準 10 Bq/L
日本の暫定基準値 
 ヨウ素(I-131) 300Bq/L
 セシウム(Cs-137) 200Bq/L

【食品】の基準値
アメリカの法令基準 170 Bq/kg
これまでの日本の輸入品規制値 370 Bq/kg
日本の暫定基準値
 ヨウ素(I-131)
  牛乳・乳製品 300 Bq/kg
  野菜類(根菜、芋類を除く) 2,000 Bq/kg
 セシウム(Cs-137)
  牛乳・乳製品 200 Bq/kg
  野菜類 500 Bq/kg



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===

放射能について正しく理解するために(31)
 
 6.目安となる放射線の量(その2)

・政府の原子力安全委員会の指針によれば、木造家屋内にいる場合は1割程度に下がります。

・ただし、土埃を吸い込んだり、たまり水を口にしたりした場合の内部被ばくを考えなければなりません。

・なお、水道水や市場で流通している食品は、安全基準を満たしています。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その16に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その14)

その13からの続き)


===16ページ目===


0(16)



目安となる放射線の量(その1)

「住民がどうしても汚染地域に留まることを望んでいる場合、当局が必要なすべての防護対策を実施して」という条件つきです。

どんなに小さくても放射線の影響はあるという「しきい値なし」の考え方では、1ミリシーベルトより20ミリシーベルトのほうが、がんの危険性が増します。
アメリカやドイツでは、原子力発電所でかたらく男性の年間許容量が20ミリシーベルトです。
また、子供は放射線感受性が高く、白血病で4~5倍、甲状腺がんで2~3倍と言われています。

1時間当たり平均2.2マイクロシーベルトですと、3月間で5ミリシーベルトとなります。
3月間につき1.3マイクロシーベルトを超えるおそれのある区域は、放射線管理区域となります。
放射線管理区域とは、人が放射線の不必要な被ばくを防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区域し人の不必要な立ち入りを防止するために設けられる区域のことです。
放射線管理区域では、18歳未満の就労は禁止されています。
また、放射線管理区域で、飲食することはできません。

空間線量だけで評価するのは間違っています。
呼吸による内部被曝、水と食物による内部被曝も考慮するべきです。




===原文===

放射能について正しく理解するために(30)
 
5.目安となる放射線の量(その1)

・国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」とする声明を出しています。

・学校生活においては、1~20ミリシーベルト(=1,000~20,000マイクロシーベルト)を暫定的な目安とし、今後できる限り、受ける線量を減らしていくことが適切です。

・1年間に蓄積される放射線量が、20ミリシーベルト=20,000マイクロシーベルトを超えないようにすることにしました。

・これは、1日あたり平均55マイクロシーベルト以下、1時間あたり平均2.2マイクロシーベルト以下であることに対応します。

・また、1日の生活を、原子力安全委員会が示した考え方に基づき、8時間の屋外、16時間の屋内活動とすると、毎時3.8マイクロシーベルトとなります。

 (注)20,000マイクロシーベルト÷365≒55マイクロシーベルト/日
    55マイクロシーベルト/日÷24時間≒2.2マイクロシーベルト/時



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その15に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その13)

その12からの続き)


===15ページ目===


0(15)
 

4.避難指示がない=暮らせる場所

文部科学省が12日発表した福島県の累積放射線量(3月23日~5月11日)は、福島第1原発から北西約31キロの浪江町で28・26ミリシーベルト、同約33キロの飯館村で16・09ミリシーベルトでした。
放射性物質が降り注いだ3月12日~22日までのデータを入れるともっと多くの地域が20ミリシーベルト越えていると推定されます。
このデータは外部被曝だけです。内部被曝は考慮されていません。
現在でもテラベクレル単位で、放射性物質が放出されています。今後が心配です。

チェルノブイリ事故で旧ソ連が強制移住にした汚染度は55万Bq/m2です。
その6倍も汚染されている飯館村の避難が震災後2か月が経ち、やっと始まりました。

避難指示が出されていないからと言って、そこが安全な場所ではありません。
大切なことは、政府の指示を鵜呑みにするのではなく、自分で考えて行動することです。





===原文===

放射能について正しく理解するために(29)
 

4.避難指示がない=暮らせる場所

・放射線の量をチェックしましょう。文部科学省や福島県が毎日発表する観測データがあります。大事なのは、積算の放射線量です。

・放射線による健康への影響は出る恐れのある区域には、すでに避難指示が出されています。

・避難地域が見直されつつあります。原発からの距離ではなく、それぞれの地域の放射線量にしたがって避難するかどうかを決めます。

・避難指示が出ていなければ、そこで暮らせるということです。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その14に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その12)

その11からの続き)



===14ページ目===

0(14)

 
3.何に気をつけるか(その2)

3月17日に設定された暫定基準値は、非常に緩やかなものになっています。
基準値以内だからと言って不用意に食べないようにしましょう。

【飲用水】の基準値
アメリカの法令基準 0.1 Bq/L
ドイツガス水道協会 0.5 Bq/L
ウクライナ(Cs-137) 2 Bq/L
ベラルーシ 10 Bq/L
WHO基準 10 Bq/L
日本の暫定基準値 
 ヨウ素(I-131) 300Bq/L
 セシウム(Cs-137) 200Bq/L

【食品】の基準値
アメリカの法令基準 170 Bq/kg
これまでの日本の輸入品規制値 370 Bq/kg
日本の暫定基準値
 ヨウ素(I-131)
  牛乳・乳製品 300 Bq/kg
  野菜類(根菜、芋類を除く) 2,000 Bq/kg
 セシウム(Cs-137)
  牛乳・乳製品 200 Bq/kg
  野菜類 500 Bq/kg





===原文===

放射能について正しく理解するために(28)

 
 3.何に気をつけるのか(その2)

・3月17日以降、大規模な放射性物質の大気中への放出はありません。それから一か月以上たったので、半減期の短いヨウ素131は当初の放射能の5%程度にまで減少しています。

・気をつけることは、体内に放射性物質をできるだけ取り込まないことです。

・特に、半減期の長いものへの対策が必要です。地中に入り、30年たっても50%の強さを保つ物質(セシウム137など)です。

・半減期の長い放射性物質を、体の中にできるだけ取り込まないことがポイントです。土や砂を口に入れない、飲料水以外の川や水たまりの水を口にしないことが大事です。





(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その13に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その11)

その10からの続き)


===13ページ目===

0(13)


保護者の皆様へ

1.原発と放射線、いまの状況


半減期の短い放射性ヨウ素は減少しているかもしれませんが、半減期30年のセシウム137は累積で増え続けています。

炉心に水を注入していますが、水蒸気となって蒸発している水量に比べて、放水量のほうが多い状態が続いています。
地下水に漏れて海に流れている可能性があります。
文部科学省は6日、5日に採取した福島県の海岸線から約30キロ地点の海水1リットル当たりから放射性ヨウ素9・63~66・1ベクレル、放射性セシウム11.3~38・5ベクレルを検出したと発表しています。 日に日に汚染が広がっています。

半減期が長く毒性の強いストロンチウムやプルトニウムなど、ヨウ素・セシウム以外の放射性核種がまだ報告されていません。早急な測定・公開を望んでいます。



2011年4月の発表です。
  ソース→福島第一原子力発電所周辺の海域モニタリング結果[平成23年4月6日] (PDF:193KB) 
文部科学省HP放射線モニタリング情報放射線モニタリング情報【旧ウェブサイト】海域モニタリング結果福島第一原子力発電所周辺の海域モニタリング結果・平成23年4月


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(26)


1.原発と放射線、いまの状況

・福島第一原発から大気中に出る放射性物質の量は、3月17日以降、ずっと減少しています。大気中の放射線量は、各地で横ばいか減少中です。

・高い濃度の放射性物質を含む水の海への漏出は止まりました。低いレベルの放射性物質の海への排出は終了しました。30着㎞沖の海水中の放射性物質の濃度は、原子力施設の排出基準を概ね下回ってます。

・原子炉にある核燃料を冷却する作業が、引き続き行われています。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


(その12に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その10)

その9からの続き)


===12ページ目===

0(12)


《 日常生活と放射線 》

[250,000マイクロシーベルト/年] 緊急作業従事の場合に認められている上限

[50,000マイクロシーベルト/年] 放射線業務従事者及び防災に係る警察・消防従事者に認められている上限

[10,000マイクロシーベルト/年] ブラジル・ガラパリの放射線(年間、大地などから)

[6,900マイクロシーベルト/回] 胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン)1回

[2,4000マイクロシーベルト/年] 1人あたりの自然放射線(宇宙から0.39 食物から0.29 大地から0.48 空気中のラドンから1.26)

[1,000マイクロシーベルト/年] 一般公衆の線量程度(医療は除く)

[600マイクロシーベルト/回] 胃のX線集団検診

[400マイクロシーベルト/年] 国内自然放射線の差(県別平均値の差の最大)

[200マイクロシーベルト/往復] 東京―ニューヨーク航空機旅行(往復)(高度による宇宙線の増加)

[50マイクロシーベルト/回] 胸のX線集団検診

[22マイクロシーベルト/年] 再処理工場からの放射線物質の放出による評価値

[10マイクロシーベルト/年] クリアランスレベル導出の線量目安

※Sv=【シーベルト】=放射線の種類による生物効果の定数(※) × Gy【グレイ】 ※X線、γ線では1

資源エネルギー庁「原子力2002」をもとに文部科学省において作成


年間20ミリシーベルトは、胸のX線400回分となります。

CTスキャンの実施前に医師は患者にがんのリスクを説明する義務があります。




(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===

放射能について正しく理解するために(23)


(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その11に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その9)

その8からの続き)


===10~11ページ目===

0(10)
 

放射能のことを適切に心配する必要があります。
目の前の心身の安定の為に、将来の健康被害から目を背けてはいけません。

高濃度の放射能汚染地域で生活を行うなら、不安症状や心身の不調を覚悟してください。

過剰に心配する必要はありませんが、正しく心配することは必要です。
現実をしっかり見つめて、将来に後悔をしない対処をしてください。

正しい知識を学び、何が風評で何が正しい知識なのかを理解してください。
正しい知識を得ることだけが、心身の安定につながります。

放射能は伝染しませんが、間違った安心な気持ちは伝わります。
結果として、防護を難しくします。

高濃度の放射能汚染地域で安全な日常生活をおくる事は、不可能です。
ストレス反応は覚悟してください。





0(11)
 

放射能について正しい知識で防護する、防護させることが大切です。

精神科や心療内科は、怖いところではありません。
ストレス症状が出た場合は、通院を決意するのが治療の第一歩です。

チェルノブイリ原発事故の後に、IAEAは事故調査委員会を派遣しました。
IAEA事故調査委員長を務めたのが、重松逸重という人物です。
重松逸重は、水俣病の調査責任者で、水俣病と有機水銀との因果関係を否定しています。
また、イタイイタイ病の裁判で、イタイイタイ病はカドミウムとは因果関係はない、岡山スモンの裁判では、キノホルムと因果関係はないと報告しました。
その重松逸重は、チェルノブイリ事故のIAEA報告会にて、「汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない。むしろ、放射能恐怖症による精神的ストレスの方が問題である。」と報告しています。
しかし、その結果は・・・
 
 


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(18)
 

放射能のこと必要以上に心配しすぎてしまうとかえって心身の不調を起こします

・放射能のことをいつもいつも考えていると、その考えがストレスとなって、不安症状や心身の不調を起こします。

・もし保護者が過剰に心配すると、子どもに不安が伝わって、子どもの心身が不安定になります。

(だから)
・不確かな情報や、人の噂などの風評に惑わされず、学校から正しい知識と情報をもらって、毎日、明るく、楽しく、仲良く、安心した生活を送ることが心身の病気を防ぐ一番よい方法です。


放射能について正しく理解するために(19)
 

からだと心を守るために正しい知識で不安を解消!

・放射能は伝染しませんが、不安な気持ちは伝わります。

・ストレス反応を少なくするためには、子どもが安全な日常生活をおくり、身近な人との親密なつながりを実感でき、安心感を取り戻すことです。

・学校では、友達と楽しく、お互いにいたわりあって、安心して過ごせることを優先します。

・放射能について過敏に心配しない、させないことが大切です。

 もし、ストレス症状のために日常生活に支障が出たら早めに病院など専門の窓口に相談をしましょう。

(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その10に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その8)

その7からの続き)


===9ページ目===


0(9)
 
心とからだはつながっています

避けられたかもしれない体の不調は、将来に精神的な不調を限りなく大きくしてしまいます。

心的外傷ストレス障害(PTSD)とは

「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。
PTSDは、生命が危機にさらされる現実の出来事に生じる疾患です。

初動での政府の情報隠匿により、お子様に不必要な被曝をさせてしまったご両親などが、強いストレスを受けている可能性があります。心当たりがある方は、精神科の受診をおすすめします。
将来、お子様に健康被害が発生した場合には、強いストレスを受けると思われます。
その場合にも、精神科の受診をおすすめします。




(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(15)
 
心とからだはつながっています

楽しいことやうれしいことがあると、心が軽くなって、ごはんもおいしく、夜もよく眠れますね

逆に、いやなことや心配なこっとがあると、胸のあたりが重くなって、ソワソワして、心が暗くなります。ご飯もおいしくなく、夜が眠れない、頭やおなかが痛くなったり、からだがだるくなりますね

これは心とからだがつながっているからです

(子どもにはこのように説明しましょう)
 
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

トラウマの中でも、地震や津波の被害のように生命が危険にさらされるような強い恐怖を経験したり目撃した場合で、以下の3つの症状が1か月以上続きます。

1.トラウマ体験が自分の意思と無関係にくり返し思い出される(フラッシュバック)、夢を見る

2.トラウマ体験に関する思考や会話を避けようとしたり、忘れている

3.不眠、イライラ、興奮状態が続く

(子どもではこれらの症状がはっきりしない場合もあります)



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その9に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その7)

その6からの続き)


===8ページ目===


0(8)

 
普通の生活で、こころの安心を取り戻し、子どもの成長を支援しましょう

管理区域の基準となる0.6マイクロシーベルト以上の放射能汚染地域で生活するには、健康被害を受けるリスクがあるということを忘れないでください。

安全な地域で必要以上に不安を持つことはありませんが、警戒すべき地域では十分な対策が必要です。
今が大丈夫だと思って安心してはいけません。低線量の影響は、発病までに何年もかかります。5年先10年先のことを考えて行動してください。

マスクをすることが、いじめの対象になる危険があります。
正しい知識を共有することが大切です。
精神科や心療内科は、怖いところではありません。専門家に相談しましょう。 




(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(13)
 
  普通の生活で、こころの安心を取戻し、子どもの成長を支援しましょう。

・災害時の子どものこころとケアとしては、日々の普通の生活を送って、教職員、保護者、友人などとの人間関係で安心感を持てるようにすることが基本です。

・そうした全般的な配慮により大部分の子どものこころは安定に向かいます。

・保護者のふさぎこんだ気分や不安は、子どものこころの不安定さにつながります。放射能問題については保護者が正確な知識を持ち、必要以上に心配しすぎないことが重要です。

・いじめや心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などは災害時の子どものこころのケアの一部ですが、個別の対応が必要な場合には病院など専門の窓口に相談しましょう。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その8に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その6)

その5からの続き)



===7ページ目===


0(7)
 
チェルノブイリ原発事故による影響

文部科学省が12日発表した福島県の累積放射線量(3月23日~5月11日)は、福島第1原発から北西約31キロの浪江町で28・26ミリシーベルト、同約33キロの飯館村で16・09ミリシーベルトでした。
放射性物質が降り注いだ3月12日~22日までのデータを入れるともっと多くの地域が20ミリシーベルト超えていると推測されます。
このデータは外部被曝だけです。内部被曝は考慮されていません。
現在でもテラベクレル単位で、放射性物質が放出されています。今後が心配です。

がん以外にも放射線起因の疑いがあるものに不妊症、老化の促進(筋肉、関節、神経脈管、心臓血管、指示結合組織への影響)(BEIR III, 1980, P505 and 502)、生殖機能異常、先天性異常、先天性奇形などがあります。
また、低線量放射線が原因で起こる著しい倦怠感で、広島・長崎の被爆者や原発労働者、アメリカ兵の湾岸戦争症候群などに現れる「ぶらぶら病」などが報告されています。

症状がでるのは多くの場合、白血病で3年後、甲状腺がんは5年後です。
まだまだ、大量の放射性物質は流出している状態です。できるだけ被曝を避けることが大事です。
食料品に気をつけて、内部被曝を少なくする努力を続けてください。

※ここでいう「現在」とは、「添削Ver0.5」が作成された2011月5月当時を指します。

(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===

放射能について正しく理解するために(12)


チェルノブイリ原発事故による影響

・チェルノブイリ原発事故では、多量のヨウ素131が数百キロに及ぶ範囲に飛散しました。そこに住む子供たちが、高濃度(日本の規制値の17-450倍以上)のヨウ素131を含む牛乳を摂取し、小児甲状腺がんが増加しました。

・ベラルーシでは、事故前の11年間で7名であった小児甲状腺がんが、チェルノブイリ原発事故の後16年間で、18歳以下の子について2,101名もの方が甲状腺がんになったことがわかりました。

・チェルノブイリ原発事故において、早期の段階で放射性ヨウ素の摂取制限が取られていれば、甲状腺がんの発生を低く抑えられたと考えられます。

・今回の福島第一原発事故では、乳製品に対して早期に規制が行われました。環境放射線の量も、避難区域外で、積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を超えた地域はありません。

・したがって、今後大量の放射性物質の飛散が抑えられていけば、今回の事故による甲状腺がんの発生はほとんどないと考えられます。

・なお、チェルノブイリ原発事故では、小児甲状腺がん以外のがんの増加は認められていません。

・放射線の影響そのものよりも、「放射線を受けた」という不安を抱き続ける心理的ストレスの影響の方が大きいと言われています。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]



その7に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その5)

その4からの続き)


===6ページ目===

0(6)
 
確率的影響と確定的影響(その2)

日本における第80回医師国家試験では、「放射線による遺伝的障害は、しきい値がない確率的影響である」という内容が出題されています。
第86回医師国家試験では、「放射線障害では奇形は確率的影響と考えられている」という内容が出題されています。

福島の事故を欧州放射線リスク委員会(ECRR)のモデルで計算すると、100km圏内で191,986人、100~200kmのドーナツ部で224,623人のがん発症の増加が予測されています。
これらの半分が最初の10年間で発症し、残りは10~50年の間に発症すると仮定してます。

アメリカ科学アカデミー、原子放射線の影響に関する国連科学委員会、国際放射線防護委員会(ICRP)は、被曝量が下がればリスクは減るものの、どんな低線量でもリスクはゼロではないとする立場をとっています。
また、欧州放射線リスク委員会(ECRR)は、低線量だからといって必ずしもリスクは小さくならないとしています。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(11)


  確率的影響と確定的影響(その2)

・「確率的影響」のうち「遺伝的影響」は、これまで人間(広島、長崎の原爆被爆者や核実験被爆者、チェルノブイリなどの原発被ばく者を含む)で見られたことがありません。

・「発がん」の確率は、弱い放射線の場合、積算100ミリシーベルト(=100,000マイクロシーベルト)で約0.5%程上昇すると見積もられています。今回、原発事故で考えられる唯一の身体の影響は、「発がん」です。

・原発付近に滞在する住民の方におかれても、積算で100ミリシーベルト(=100,000マイクロシーベルト)を被ばくすることは、今の状況で考えられませんが、放射線量を監視していくことは必要です。積算で100ミリシーベルト(=100,000マイクロシーベルト)以下では、他の要因による「発がん」の確率上昇は認められていません。

・しかし、「発がん」が起こる確率は、低い量の被ばくであっても被ばくした放射線の量に応じて増加すると考えて、必要のない放射線をできるだけ浴びないようにするという考え方は、大切です。

(※表記が「被爆」だったり「被ばく」だったりしているのは原文のまま。)


(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その6に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その4)

その3からの続き)


===5ページ目===

0(5)
 

 放射線、放射能は感染しません

放射能は感染しませんが、体内に取り込まれた放射性物質は長い間体内に留まることもあります。
長崎での被曝から60年余りが過ぎた現在も、死の灰が骨や腎臓などの細胞の中で放射線を出し続けている例もあります。


 確率的影響と確定的影響(その1)

「確定的影響」は細胞死によって生体器官の機能が損なわれて生じる影響です。
ごく少数の被曝では影響が現れず、一定のしきい線量を超えて被曝すると影響が発現します。
細胞死による機能低下によりほぼ確実に身体機能が損なわれるため、確率的影響に対比して確定的影響と呼ばれています。



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5


===原文===


放射能について正しく理解するために(9)
 

 放射線、放射能は感染しません

・私たちが放射線を受けたからといって、私たちの体から放射線が出てくることはありません。(例えば、レントゲン写真を撮った後、私たちの体から放射線は出てきません。)

・放射性物質が付着したり、体内に取り込まれたりしても、その周りにいる人に影響を与えるほどの放射線は発しません。(医療用で用いられるPET薬剤や治療内服薬は、桁違いに強力な放射性物質を患者の体内に取り込みます。それでも患者の周りの人に影響を与えることはありません)

・3月17日以降、放射性物質の大量放出はありません。したがって、その時に放射性物質が体や服に付着していたとしても、すでに取れています。口などから体内に入っていた場合でも、体外に排出されています。

・避難された方々から、放射線、放射能が感染するということはありません。親や子供たちへの教育を徹底するとともに、避難された方々へのケアも大切です。

 


放射能について正しく理解するために(10)

 

確率的影響と確定的影響(その1)

・放射線が身体に与える影響には、「確率的影響」と「確定的影響」があります。

・「確率的影響」は、”発がん”と”遺伝的影響”のことで、それ以外のすべての影響は、「確定的影響」です。

・「確定的影響」には、ある線量以下では症状が全く現れない”しきい値(閾値)”があります。例えば、白血球の一時的な減少は、250ミリシーベルトというしきい値を超えた場合に現れます。

・ただし、数年で250ミリシーベルト(=250,000マイクロシーベルト)となるような弱い放射線では、影響は生じません。したがって、避難区域外における放射線の強さで、「確定的影響」によって身体的な影響が生じることは、考えられません。



(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その5に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その3)

その2からの続き)


===4ページ目===

0(4)


 

 学校生活における留意点(その2)

●毎秒3.8マイクロシーベルト以上の区域

チェルノブイリ事故のあった4号機は現在、石棺と言われるコンクリートで囲まれていますが、そこでの放射線量は毎秒5.24マイクロシーベルトです。
毎秒3.8マイクロシーベルトは、日常生活に適した場所とは言えません。


 学校生活における留意点(その3)

●毎秒3.8マイクロシーベルト未満の区域

普通に生活してよいレベルではありません。
放射線管理区域の基準となる毎時0.6マイクロシーベルト以上の区域では、十分に注意が必要です。
外出はできるだけ避け、外出時はマスクを着用するなどして、被曝量をできるだけ少なくするように心がけてください。



(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(7)


学校生活における留意点(その2)

●毎時3.8マイクロシーベルト以上の区域

 -水たまりや、砂場、草木、建物の屋根など、万が一ですが、放射性物質がたまっている場所があるかもしれません。そうしたところを触った手で食べ物を口のすれば、放射性物質が体内に入るおそれもあります。お子さんには、念のため、手洗いやうがいなどを十分意識させてください。

 -放射線量に応じて、校庭や外で遊ぶ時間を制限してください。

 -具体的な学校生活での過ごし方や屋外での活動の仕方については、国の情報や教育委員会の指示などを踏まえて対応して下さい。


 

放射能について正しく理解するために(8)


 学校生活における留意点(その3)

●毎時3.8マイクロシーベルト未満の区域

 -普通に生活して支障はありません。

・毎時2.2マイクロシーベルト以上3.8マイクロシーベルト未満の区域
 (一日平均8時間程度の屋外活動であれば、1年間の積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)以下となります。これまで通り、普通に生活しても支障はありません。)

・毎時2.2マイクロシーベルト未満の区域
 (一日24時間屋外で過ごしたとしても、1年間の積算で20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)以下となります。これまで通り、普通に生活しても支障はありません。)




(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その4に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その2)

その1からの続き)


===3ページ目===

0(3)
 

学校生活における留意点(その1)

ICRPは、「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」とする声明を出しています。

ただし、

「住民がどうしても汚染地域に留まることを望んでいる場合、当局が必要なすべての防護対策を実施して」という条件付きです。

どんなに小さくても放射能の影響はあるという「しきい値なし」の考え方では、1ミリシーベルトより20ミリシーベルトのほうが、がんの危険性が増します。
アメリカやドイツでは、原子力発電所で働く男性の年間許容量が20ミリシーベルトです。
また、子供は放射線感受性が高く、白血病で4~5倍、甲状腺がんで2~3倍と言われています。

1時間当たり1.3ミリシーベルトを超えるおそれのある区域は、放射線管理区域とされます。
放射線管理区域とは、人が放射線の不必要な被曝を防ぐため、放射線量が一定以上ある場所を明確に区域し人の不必要な立ち入りを防止するために設けられる区域のことです。
放射線管理区域では、18歳未満の就労は禁止されています。
また、放射線管理区域で、飲食することはできません。

空間線量だけで評価するのは間違っています。
呼吸による内部被曝、水と食物による内部被曝も考慮するべきです。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5




===原文===


放射能について正しく理解するために(6)


学校生活における留意点(その1)

・国際放射線防護委員会(ICRP)は、3月21日に「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベルとして、1~20ミリシーベルト/年の範囲で考えることも可能」とする声明を出しています。

・学校生活においては、1~20ミリシーベルト(=1,000~20,000マイクロシーベルト)を暫定的な目安とし、今後できる限り、受ける線量を減らしていくことが適切です。

・1年間で蓄積される放射線量が20ミリシーベルト(=20,000マイクロシーベルト)を超えないようにすることとしました。

・これは、1日あたり平均55マイクロシーベルト以下、1時間当たり平均2.2マイクロシーベルト以下であることに対応します。

・また、1日の生活を、原子力安全委員会が示した考え方に基づき、8時間の屋外、16時間の屋内活動とすると、毎時3.8マイクロシーベルトとなります。




(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その3に続く)

『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5(その1)

ブログネタ
原発 に参加中!
 原発事故が起きてから約1年経った節目として、日本が事故直後にどういう対応をしていたを振り返るため、文部科学省の極悪文書『放射能を正しく理解するために』の添削バージョンをご紹介していこうと思います。

 文部科学省が発表した、ありのままの『放射能を正しく理解するために』は、去年の6月29日から7月19日にかけて、このブログでご紹介しています。(当時は添削バージョンは3.1が発表されていて、ブログで「近いうちにご紹介します」と書いていたのですが、こんなに遅くなってしまった上に、バージョンは5.0まで進んでいました。申し訳ありません

 『放射能を正しく理解するために』の原文は、今でも文部科学省のHPでダウンロードできます。

 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1305458.htm

文部科学省トップページ政策について審議会情報中央教育審議会議事要旨・議事録・配付資料中央教育審議会(第76回)配布資料関連資料放射能を正しく理解するために


 『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5は、「放射能について正しく学ぼう」というサイト(http://kingo999.web.fc2.com/)でダウンロードできます。



===1ページ目===

0(1)




  放射能を正しく理解するために

  文部省の資料と合わせてお読みください。
  http://www.jpeds.or.jp/pdf/touhoku_11.pdf
                      Ver5.0

  資料の利用は自己責任でお願いします。




===2ページ目===


0(2)

 

  “自然放射線”

レントゲン技師は、被曝しないように防護する服を身に着けています。
また、どれだけ被曝したかを計測する器具を常に携帯してます男性のレントゲン技師の年間被曝量「上限」が「最大」50mSvで、5年間の累積の被曝量「上限」は100mSvです。
「平均すると」1年間で20mSv「以下」が目安です。
妊娠可能な女性技師は、5年間の累積の被曝量「上限」は100mSvに加えて、3ヶ月で「上限」50mSvの縛りもあります。放射線は実に危険なものなのです。



 放射線と「被ばく」の基礎

放射性物質と体の距離が、近ければ近いほど人体にあたえる影響は大きくなります。β(γ)核種の場合は外部被曝に注意です。
しかし、α波は外部被ばくでは空気中で数cmしか届きませんし、紙一枚で遮蔽されてしまいますが、内部被曝では大きなダメージを受けます。

体内にとり込まれた放射性物質が半減するのに要する期間を生物学的半減期と言います。生物学的半減期は蓄積された部位によって異なりますが、ヨウ素131で60-80日、セシウム137は70日、ストロンチウム90で30-50年、プルトニウム239は200年が目安です。


(参照『放射能を正しく理解するために』添削Ver0.5



===原文===


放射能について正しく理解するために(4)
  

“自然放射線”

食物や大気には、普段から放射性物質(カリウム40やラドンなど)が混ざっています。私たちはその他にも、宇宙や大地から放射線を受けています。これらを”自然放射線”と呼びます。

医療でレントゲン写真を撮影したり、海外旅行で飛行機に乗ったりすることでも、放射線を受けています。これまであまり意識されて来なかっただけで、放射線は、実は大変身近なものなのです。

”放射線から身を守る”という立場で、必要のない放射線をできるだけ受けないようにすることは、大切です。しかし、過剰な対策は、生活に支障をきたしたり、偏見を産み出したりすることにもつながります。何事もバランスが大事です。


 


放射能について正しく理解するために(5)


  放射線と「被ばく」の基礎

●放射線を受けることを”被ばく”と呼びます。被ばくには、「外部被ばく」と「内部被ばく」があります。どちらも人体に及ぼす影響は同じです。

●「外部被ばく」は衣服や皮膚に放射性物質が付着することで生じます。これは、花粉症対策と同じようにして、放射線の影響を減らせます。

●放射性物質を体内に取り込んでしまうことを「内部被ばく」といい、そうなると、放射性物質を洗い流したりできないので、注意が必要です。

●ただし、放射性物質をいったん体内に取り込んでも、排泄時に対外に排出されたり、自然に放射能が弱まったりすることで、放射線の影響は弱まっていきます。

(原文→放射能を正しく理解するために[PDF:476KB]


その2に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その11)

ブログネタ
東京都江戸川区 に参加中!

その10からの続き)


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【要望5】区民の立場に立ち、政府や東電による犯罪と対決する姿勢を

 9月29日の区議会本会で、滝沢泰子江戸川区議が「区民と区が協働しての放射線対策」を求めたことに対して多田区長は以下のような趣旨の答弁をされました。

 「区民の参画と言われても、区民とはいったいどなたなのかということもある。私どもも、区民の方々も専門家ではないから到底不可能。地域の行政に何ができるのか。不毛な議論をしてもしかたがない。例えば、給食の食材についても、国が『大丈夫だ』と言ったら、それは大丈夫だと思わなければわれわれは生活はできない。収拾がつかなくなる」

 これは、子や孫たちの身を案じ、必死の思いで対策を求めてきた区民を愚弄し、深く傷つける答弁と言わざるをえません。
 「史上最悪」とさえ言われる福島第一原発事故を引き起こしたのは、いったい誰なのですか。「原発は絶対安全」と言い続けてきた国や東電です。俗に「原子力ムラの住人」といわれる原発推進派の学者たちにも、その責任の一端があることは明白です。その張本人(国、東電、専門家たち)たちが、今なお放射線被曝について「ただちに健康に影響はない」「心配はいらない」と説明し続けていることも納得できませんし、それがなぜ私たちの判断基準になりえるのでしょうか。
 区の方針を決めるために「専門家の意見を参考にする」のは当然としても、区が招致している専門家が、明らかに政府寄り、「安全派」と評判の方ばかりであることが多くの区民に深い失望を与えています。少なくとも、原発反対の立場の専門家、厳しい被曝対策を求める専門家の方たちも招いて、平等に意見を求めるべきではないでしょうか。
 9月29日の区長答弁の撤回を求めるとともに、区民の立場に立ち、原発事故を引き起こした国や東電と対決して積極的な被曝低減策を実施に移して下さるよう重ねて要望します。
     

→総務部危機管理室危機管理担当からの回答
「答弁の撤回については考えておりません。」


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 9月29日の本会議の会議録を『江戸川区議会公式サイト』(http://www.gikai.city.edogawa.tokyo.jp/)で探してみました。


平成23年 第3回 定例会,09月29日-02号

【滝沢泰子区議会議員】(P.37)
「東日本大震災後、はじめての定例会の第二回定例会では、本会議で登壇をしたすべての会派から、放射線対策の質問があり、今の第三回定例会でもそれに近しく、同僚議員の皆様から多く放射線対策に触れられていくというふうに存じます。区民社会の関心の高さと憂慮、危機感の表れと私ども受けとめて、この定例会に臨むものです。
 議会には、第二回定例会で、特に放射線の影響を受けやすいとされるという子どもたちや妊産婦さんを中心に、江戸川区としての取り組みを求める陳情が八本寄せられ、そのうち一本は福祉健康委員会で既に採択をされ、結論を出せるものから早急にとの姿勢が議会内にもあるという中で、この定例会の初日にも新たに三本の陳情が付託をされました。この間、区政当局にも、また、学校や幼稚園、保育園などの現場に対しても、子どもたちを中心とする取り組みについて、地域の皆様、保護者の皆様から多くの意見が寄せられているところであると思います。
 そして、この間、福士政広首都大学東京教授を講師に招いての講演会が開かれて、告知期間の短かさにもかかわらず、タワーホール船堀の大ホールは満席でございました。「広報えどがわ」の臨時特集号、発行配布をされました。子ども施設の砂場の五百四十カ所の計測、今も続いているところであります。区役所の体制も、あらゆる問い合わせを、健康部保健予防課で受けていた段階から、危機管理室を軸とする全庁的な連絡協議体制及び対応体制の確認がされているところであります。
 そんな中、セシウムに汚染された稲わらを摂取していた牛肉が、区内でも流通、消費され、学校給食の食材となっていたことが明らかになり、今もなお追跡調査が続いています。江戸川区にある江戸川清掃工場の焼却灰、西水再生センターの汚泥という副生成物から、高濃度の放射性物質が検出されていること、近隣の方々からも不安の声が寄せられる中、江戸川区としても近隣の計測に着手している。そして、また、東京都の取り組みとして新設するモニタリングポストの一つが、江戸川区の都立篠崎公園に場所が決定したことも公表されました。
 このような中での今定例会でございますが、区長提案の議案の中には、放射線関連の補正予算等の議案が明示されたものが付託されていないところでございます。江戸川区として、環境放射線測定器の区独自での購入と運用や、消費者庁が助成を提示している食品検査機器の購入の検討など、区としても考えているということもあると思いますが、財政措置が必要なものについては、しかるべき措置を的確に取っていくべきところであるところであることは言うまでもなく、区長の今のお考えを伺いたいところでございます。
 私どもが、今どのようにこの問題への取り組みとあり方を受けとめて展望しているかを申し上げますと、この問題には、区民と区が協働で取り組んでいくことがしかるべきであるというふうに考えております。実際に地域の中で、家庭の中で、子どもの居場所で、区民自らが高濃度の放射線量のある局所の場所を取り除こうと努力をしています。保育園や幼稚園、学校といった現場でも取り組みが模索されていると受けとめております。
 八月十日の「広報えどがわ」特集号では、記事の中で局所的に放射線が高いところはどのようなところですかという問いに、一般的に側溝や落ち葉が堆積している場所、雨水が溜まりやすく排水しにくい砂場やすべり台の下などは、放射性物質が集まっている可能性があり、ほかに比べると高いと考えられますと答えています。江戸川区としても、危険性を認識しているといえる、この放射性物質の除染について取り組むべき一つが、この点だというふうに考えております。
 ところが、今は仕組みがない。区としての方針も明示がない中で、どのようにすれば適切に専門家の派遣を受けることができるのか、しかるべき除染をして、その副生成物をどう保管し、処分すればいいのか。いろいろな問い合わせが区役所にも寄せられていると思います。私ども、議会にも寄せられております。
 それから、食の安全についてでございます。
 先日の江戸川区教育委員会定例会、月曜日にございましたが、その席上で、瑞江小学校が、給食の食材産地の公開を二学期から始めたという情報が提示をされていまして、拝見しに行ってまいりました。そこでは、玄関から入った場所に、手書きの日本地図があり、その上に食材のイラストと産地の名前が書かれたポストイットのような形状の紙が張りつけられている、本当にカラフルで温かい、栄養士さんの手づくりの掲示で、大変に感銘を受けてまいりました。
 このような食材の産地の公表は、食育の推進の観点からも、原子力のこれほど大きな災害があるなしにかかわらず、もっともっと早くから、我が区として大々的に取り組むべきであったと、私どもも早くから提案できなかったことを反省しているところもございますが、このような中で、食の安全、安心のために、いろいろな現場の方が今、知恵を絞られています。区内でも、農家の方が堆肥の放射線量は大丈夫かと心配をしているお声をお聞きします。家庭菜園をはじめとする菜園の野菜が大丈夫かと心配するお声もあります。
 私は、実は八月末に鶴岡市を訪ねてまいりまして、その際、学校給食用の特別栽培米「はえぬき」を、江戸川区の多くの学校で提供されていますが、栽培しているJA鶴岡の方ともお話をさせていただきました。江戸川区で、これだけ議会にも学校食材の安全性を確保したいのだということで陳情をいただいている現状も、じっくりと聞いていただいたところであります。
 この江戸川区の中には、食の生産者がいます。流通者、小売業者の方がいます。消費者がいます。多くの方が、それぞれの立場で苦慮されています。子どもたちに安全なものを食べてもらいたいのだというところでの苦心であります。
 区長、ここは区政が立ちあがるときであります。と、申しますのも、江戸川区がはっきりとした放射線対策の方向性、方針を明示していないため、行政の意向というものを立場、立場で気にされる方にお会いすることが大変に多いのでございます。今もなお、原子力災害が起こって、最初に大きく起こって半年もたつ今もなお、いろいろな現場で放射線対策についての議論がオープンにしにくいという状況をお見受けします。まず、ぜひ、それを解消しましょう。
 若い子育て世代の皆さんも立ち上がっています。お住まいの自治会ぐるみでの除染活動を提案される方もおられます。行政に求めるというばかりの姿勢ではないのです。できることをやる。それぞれの立場で、持てる力で時間をやりくりをして工夫をして、知恵を集めて知識を培って、つながりあって、この状況を打破していこう、そのような動きに、私どもは、もう出会える、そのような段階になっているのでございます。
 ここは、区としての方向性の明示、
江戸川区が地域とともに協働で放射線対策に取り組むのだという宣言をしっかりと果たせば、いろいろなことがきっちりと動いていく土壌も、地域の中にできつつあるというふうに思っております。区長から前向きな宣言をお伺いしたいというふうに思います。
 それから、次に、子ども・若者ビジョンを、
江戸川区として区民と協働で構築することについて、区長のお考えを伺います。(略)」

【多田正見区長】(P.41)
「お答えをしてまいりますが、いろいろ次元がいろいろなところでこうなっているお話もありましたので、何か答弁漏れと言われるようなことがあるかもわかりませんが、まとめて御趣旨をそんたくしてお答えをしたいと思います。
 特に、一番目の、主として放射能にかかわる問題でありますが、これは江戸川区だけではなく全国自治体、あるいは全国民が、つまり非常に混乱をしているというふうに思います。私も、こんなにたくさんの原子力関係の学者がいて、その方々が思い思いのことをおっしゃるということが、これでは混乱を増すばかりだなということを、かねがね感じてまいうりました。
 私は、ある学者から、こういうことではいけないのだと。つまり、いろいろなことを論じる学者が、たまには原発のところに行って、あるいは福島県へ行って、いろいろそこで見聞したことを冷静な議論をやって、それが政治の中でどういうふうに評価したらいいのかということも、しっかりとやってもらうと。そこに、やっぱりある種の不安解消とか、あるいは日本の国の今の状況をどう把握して、どういうふうにそれぞれの国民が対応したらいいのかと、そういうことをやるべきであるのに、全くできていないという指摘も聞きましたけれども、何というか、まるきり正反対のことが語られるというようなですね。
 一つには、原発そのものに関する考え方もありますが、あとは放射能にかかわる医学の面からの話もいろいろあります。その双方ともに、意見はさまざまでございまして、しかも、これは非常に専門的なことでありますので、一般国民がそのことの是非について、なかなか議論ができないというか、今さら勉強し得ないことばかりでございます。
 私どもも、そういうことに対して専門的知識を持っているわけではないし、恐らく滝沢議員さんも専門的ないろいろ見解をお持ちだとは、失礼ながら思いません。これは、そういうことを長年積み重ねてきた専門家の皆さんが、本当に思い思いということではなくして、国民の立場に立って、我々は学者だから、どういうふうに国家に対しても提言をし、そして国の考え方をこのように持っていったらいいのではないかということを導き出していただくと、こういうことがないという状況だというふうに考えておりまして、今、区民参画ということもいろいろありましたけれども、実を言うとこういう問題に区民参画というのは、なかなかできないんですね。つまり、区民が参画して、区がどうしろといっても、お互いに専門的なものを持っていなければ、ただ、人の言うことをああだこうだと言って受けとめて、それをどのように自分が考えるか。それは自由はありますけれども、その自由をめいめいが言っていたのでは、到底まとまりはつかないと、こういうことではないかというふうに思っているわけであります。
 したがって、今、先ほど、ちょっとまとめるような形で、放射能に対する区の基本的な方針を明示してくれと、あるいはそれを区民参画のもとでやるべきだというようなお話がありましたけれども、
それは到底不可能なことではないかというふうに思っているわけであります。
 ですから、例えば給食の食材にしても、
国は全食品を検査するわけにはいきませんから、その抽出検査をやって、こういうものについては大丈夫だと言ったら、それは大丈夫だと思わなければ、我々は生活できないんですね。それを疑ってかかったら、これはもう、本当のところを言って、収拾がつかなくなるということになるだろうと思います。
 学校給食はもちろん子どもたちが食べますから、大変重要なことでありますが、学校給食のかなりの部分は、区内の業者の方々から調達をする。そういう方々は区民の方々が、全部その食品を摂取しているわけであります。これは、学校だけに限ったことではありません。病院もそうです。それから、いろいろな障がい者の施設もそう、保育園も幼稚園もみんなそうなんです。みんな、そういう食材を食べているんですけれども、それは学校だけの問題ではなく、社会全体で本当にこれはいいのですかということは、今、区民のどなたに聞いても、それは専門家でない限りは、こうだということは言えない。私たちも専門家ではないから、それはこうだと言えない。
 ですから、私は、安全かどうかということを、時々、国はある種の問題については出します。今朝のニュースでも、福島県のお米はもう大丈夫だというふうに言っておりました。おりましたけれども、そういうことを、やっぱりもう少し政府は、この混乱の中で、専門家のいろいろな意見を集約して、そして、これはこうだ、これはこうだと。結論的なものでないにしても、これはこれでいいことにしようと、そういうことを明確に言って、そして、国民が混乱しないように持っていかなければ、この問題はいつまでも続く。
 例えば、いろいろな放射能の問題について、小さなお子さんを持っていらっしゃる親御さんのお気持ちはよくわかります。非常に不安だと。これから何十年も育っていく子どもたちですから。そこのところに危険なことはしたくないということは、重々わかるのでありますが、じゃあ、それを地域の行政がどうできるかといったって、全部食品は外国から輸入しましょうとか、どうとかこうとかとできるわけがないわけですから。そういう不可能な、
不毛の議論をしても仕方がないので、できるだけ私たちは、正確な情報をなるべく入れたいと。私たちが正確な情報というのは、つまり国が出してくれる情報か、あるいは専門性のある東京都が出してくれる情報、あるいは多くの学者の中で、こういうことが最大公約数的に言われている、そのものが、やっぱり常識的に考えていいのではないかということであれば、そういう線で行こうということを、一応、私たちは対応の限界点だと思わなければいけないと、そういうふうに思っているわけでありますので、その点は、よく御理解をいただかないと、区民の方の参画でといっても、その区民の方とは一体どなたなのかということが、極めて問題になる。
 そういうことでもあるわけでありますから、これは、私たちが冷静にそういうことについて、余り揺れ動くことなく、お互いに正しい情報らしきものを求めると、そういうことを続けていくしかないと。私たちも、そのことのために努力をして、これは、区民の方々にお知らせをしてしかるべきだという情報は、できるだけ出す。もちろん、危険な情報もあれば、危険な情報も出すと。そういうことをしっかりやっていくと、こういうことではないかというふうに思っているわけであります。(略)」



 ↑ 多田区長は専門家、専門化と連呼していますけど、原発事故に起因する放射能汚染の専門家など日本にいません。
 いろんな分野での専門化の意見をどれだけ集約したとしても、それは、「原発事故に起因する放射能汚染の正しい知識」にはなりえません。
 ガンについて知りたいのなら中川恵一氏に教えを乞うても構いません。放射性同位元素について知りたいのなら福士政広氏に教えを乞うても構いません。でも、どんなに彼らからレクチャーしてもらっても、原発事故に起因する放射能汚染に対する正しい知識が身に付くわけではありません。

 そもそも、中川氏率いる「チーム中川」は、住民と自治体と専門家による意見交換を重視しています。


《チーム中川ブログの2011年5月13日の記事 http://tnakagawa.exblog.jp/15529507/
「専門家を交えた、原発近郊の地域住民の皆さまに対する意見交換会や勉強会は大変重要であると考えます。こうした機会を自治体だけではなく、各専門の学会が単独で、もしくは共同しながら作っていく必要があります。」


 区長が「専門家」とみなして教えを乞うた人物が率いるチームのブログにはこう書かれているのに、それを無視して、中川氏の「江戸川区は安全(だと思う)」という単なる“個人的見解”をピックアップして広報紙でアピールするなんて、どんだけ卑怯なんでしょうか。(2011年7月1日の記事参照)
 専門家や専門家の率いるチームに対して「この意見は採用」「この意見は却下」などという選択を区長自身がやっておきながら、それでいて、その判断の根拠を問われたら、「国が大丈夫と言っているのだから大丈夫」ですか? 
 「国が大丈夫と言っているのだから大丈夫」という認識でいるのなら、「専門家」を呼んで研修会を開く必要など全くありません。(参照→中川恵一氏を講師に迎えて江戸川区で行われた研修会について - NAVER まとめ
 「放射線・放射能のリスクに対する考え方がひとりひとり違っているのは混乱を招く」と言いながら、ご自分の主催で特定の人物(=中川恵一氏)だけを呼んで研修会を開くなんて、おかしな話です。中川氏は、区が絶対的なものとして扱っている「国の基準」に、どんな風に関与しているというのでしょうか。仮に、中川氏が一方的に国の基準を「納得のいくもの」とみなしていたとしても、国の基準は「中川氏の個人的見解」を採用して決められたわけではありません。

 もしかしたら、「放射線のリスクに対する考え方がひとりひとり違っている」ことを学ぶための研修会だったとでも言うのでしょうか。だったら、なぜ、中川恵一氏の個人的見解の一部を利用して「江戸川区は安全」などとアピールしたのでしょうか。色々と矛盾しています。

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その10)

ブログネタ
東京都江戸川区 に参加中!
その9からの続き)


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【要望4】低線量被曝が人体に与える影響について

 区の回答書は、低線量被曝が人体に与える影響についての評価があまりに低すぎます。
とりわけ、保健所保健予防課の回答では「私たちの身体の中では、常に生命を守るための素晴らしい仕組みが働いています」と人体の防御機能を万能視するような見方をされており、到底受け入れられるものではありません。この回答の撤回を求めます。
 放射線によって傷つけられたDNAは修復される場合もあるし、修復に失敗して細胞が死ぬこともあります。死ねば、その細胞ががんになることもありません。修復されるかもしれないし、されないかもしれない。それらはすべて確率の問題とされています。これらを全部クリアして、がんになる場合も間違いなくあるのです。
 また、放射線の健康影響は、がんや白血病に限りません。心臓疾患、「ぶらぶら病」と言われる全身疲労や倦怠感、集中力の低下、抵抗力の低下などが確認されています。
 加えて、回答の中で紹介されている「放射線ホルミシス効果」については、今日ではICRPでさえ基本的に採用していません。WHO(世界保健機構)も2006年、ラドンの放射線が肺がんの重要な原因になっている可能性を指摘し警告を出しています。低線量での被曝は、高線量での被曝に比べて単位線量あたりの危険度がむしろ高くなるという研究結果も出ています。これらの事実について、担当者の方は十二分にご存じのことだと思います。にもかかわらず、人体の防御機能のみをことさら強調する回答からは、誠実な姿勢が感じられません。
 論争がしたいのではありません。「どちらとも言えない」のであるならば、積極的に区内の調査を行い、ホットスポットを探し、少しでも危険要因を取り除いていくことが行政に求められる基本姿勢であるべきではないのでしょうか。
 ICRPによれば、江戸川区が目安としている年間1ミリSvの被曝とは「1万人に1人ががんで死ぬ」確率の数値とされています。これ自身が大変な数です。数字にすれば「0.01%」かもしれません。しかし、自分の子や孫が発症したならばそれは「100%」なのです。こうした気持ちを汲んでいただき、誠実な対応をよろしくお願いします。


→環境部環境推進課指導係からの回答
「【1】の(2)、(3)および【4】の区内の調査の部分について回答します。前回の要望書・質問書でも回答したとおり、一般的に、側溝や落ち葉が堆積している場所、雨水がたまりやすく排水しにくい場所は、放射性物質が集まっている可能性があり、ほかに比べると空間放射線量は高いと思われますが、これらは清掃などの日常管理の中で放射線量は低減できると考えています。ただし、公的スペースにおいて地上1メートルの高さで毎時1マイクロシーベルト以上の地点があるとの区民の方々からの連絡に対しては、文部科学省から示された『放射線測定に関するガイドライン』に沿って対応しています。」


→江戸川保健所保険予防課感染症第二係からの回答
「前回の回答では『細胞周期チェックポイント』の存在、『細胞が犠牲的に発動するアポトーシス』、『がん細胞の発生に対する、免疫細胞(リンパ球)の攻撃』など、生命の防御機能(特に発がんに対して)の存在を指摘しているのであって、それが万能ということは申し上げていません。
 もちろん、『放射線被曝は可能な限り少なくすることが大切」という考え方に異論はありません。区としましてもこの立場で、必要なことを実施しているところです。」


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 環境部環境推進課指導係からの回答に対するツッコミは「その2」の記事で書いたので省略するとして、問題は江戸川保健所保険予防課感染症第二係からの回答ですね。


>それが万能ということは申し上げていません。


 子供じみた言い訳ですね。確かに「万能」という単語は使ってはいませんが、それは単なる言葉のすり替えです。


《ご承知のように、日本人の寿命は男女とも80歳前後です。80歳まで生きたとすると、多くの方が積算で大体500ミリシーベルト以上の低線量被曝による被曝を受けたことになります。人によっては、ご病気になり、エックス線CT等の医療検査に伴う被曝を含め、年間で10ミリシーベルトを超えた方もいることでしょう。
 では、これらの放射線被曝に対して、その影響はいったいどこへ消えてしまったのでしょうか?
 じつは、消えたわけではないのです。これらは生命の持つ防御機能が働いたことにより、
DNA損傷が完璧に修復されたのです。まだ修復不能な細胞は「アポトーシス」によって自爆し、マクロファージによって跡形もなく掃除され、表面上は何も起きずに推移してきたということです。》
11月14日の記事参照)


 DNA損傷が「完璧に修復」されたって、書きましたよね、貴殿は。
 この文章の意味は、「生命の持つ防御機能が万能である」と、どう違うというんですか?
 クラスメイトをばかにして担任の先生に怒られた小学生男子が「バカって言ってないもん!アホって言っただけだもん!」と言い訳しているのと同じなんですよ、貴殿のやっていることは。そんなに謝りたくないんですか?

 私に対してなんかは別に謝らなくてもいいですけど(そもそもこの要望書を提出したのは『放射能を考える下町ネットワーク』さんですし)、少なくとも、がんで死亡した人やがんの治療をした人には謝って下さい。貴殿の回答には、がんで死亡した人やがんの治療をした人への配慮が微塵もありません。11月14日の記事11月17日の記事参照)
 貴殿のような人物が保健所の職員として働いているなんて、何かの間違いとしか思えません。

 個人的には、前回の回答に出てきた「生涯の被曝量=500mSv」という数字が、一体どこから降って湧いてきたものなかが、すごーく気になっていますが(11月14日の記事)どうせ相手を煙にまくために適当に持ってきた数字でしょうね。「細胞が犠牲的に発動するアポトーシス」「がん細胞の発生に対する、免疫細胞(リンパ球)の攻撃」という言葉も、いかにも相手を煙にまく気マンマンで選んでいますしね。どんな言葉を持ってこようと、貴殿にがんで死亡した人やがんの治療をした人への配慮が欠落していることを誤魔化すことなどできません。

 私は別に、人としての道理など説く気は毛頭ありません。ただ、保健所の職員として働くために必要とされる配慮をちゃんと見せるべき、と言っているだけです。つまり、ちゃんと肩書きに見合った仕事をして下さいってことです。(なんでこんな当たり前のことを書かなきゃいけないんですかね、ったく…。)

 

 


その11に続く)
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