更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

宇野亜喜良

日経新聞で4月18日から『波止場浪漫』が連載開始

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 本日(4月11日)の日経新聞には、18日から始まる新しい連載小説の予告が載っていました。

↓40面
新しい連載小説 波止場浪漫 

 4月18日から新しい連載小説「波止場浪漫」(諸田玲子作、横田美砂緒絵)が始まります。(1面参照)  

<作者の言葉> 恋の話を書きます。せつなく艶めいて、身を焦がす恋。時代は明治二十年代の半ばと大正の初め。日露戦争をはさんで、日清戦争と第一次世界大戦の前後、これまでこれまであまり書かれていない両時代の世相と市井の人々の暮らしを丁寧に描きたいと思います。
 舞台は清水港。巴川の河岸港から外洋港へ開港を夢見て築かれた波止場へ明治十九年、いち早く船宿を建てて引っ越したのが清水の次郎長でした。主人公は次郎長の娘のけん、「波止場のおけんちゃん」と呼ばれて愛された実在の人物です。
 波乱の時代を気丈に生き抜いた女性の真摯な思いが、皆さまの心に届きますように。

↓1面
新しい連載小説
波止場浪漫
   諸田玲子
   横田無美砂緒 画

 本紙朝刊連載小説、浅田次郎氏の「黒書院の六兵衛」は4月17日で終わり、4月18日からは諸田玲子氏の「波止場浪漫」を掲載します。(作者の言葉を文化面に)

 諸田氏は1954年静岡県生まれ。外資系企業勤務を経て作家デビュー。本誌夕刊に連載した「奸婦にあらず」で2007年に新田次郎文学賞を受賞しました。時代小説を得意とし、「お鳥見女房」シリーズなどが人気のベテラン作家です。
 今回の連載は明治から大正にかけて静岡・清水港の船宿を切り盛りした女性「けん」が主人公。けんは清水の次郎長の娘で実在の人物です。日清・日露戦争に沸く活気ある日々と大正デカダンの世情を背景に、けんの悲恋と波乱に満ちた半生を描きます。諸田氏にとって初めての明治を舞台とする小説です。
 挿絵は時代ものを中心に活躍する横田美佐緒氏が担当します。大事は諸田透氏。電子版でもお読みいただけます。

 『奸婦にあらず』は、『愛の流刑地』との比較をかねて、ブログで紹介したことがあります。

 2005年9月2日の記事

 『愛の流刑地』なんかと比較してしまって、諸田先生、及び、諸田先生のファンの方には本当に申し訳ありません

 ↓こちらの記事では、『奸婦にあらず』の挿絵(宇野亜喜良氏担当)を3枚紹介しています。

 2006年2月18日の記事

 明治時代を舞台にした小説というと、過去の日経新聞朝刊では、北方謙三先生の『望郷の道』があります。(挿絵の担当は天明屋尚氏。)
 『望郷の道』は途中から舞台が台湾になっているので(ただし終盤近くで日本に帰っていますが)、「大正デカダン」とは縁のない小説でした。(デカダンというより、任侠の世界でした。)
 『波止場浪漫』の「デカダンっぷり」が、はたしてどんな感じになるのか、とても楽しみです。

 日経新聞の連載小説は、Seesaaブログの方で扱っているので、興味のある方はどうぞ。

 Seesaaブログ→http://sarasata.seesaa.net/

『絵小説』(皆川博子・著/宇野亜喜良・画)

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 宇野亜喜良氏の表紙に釣られて、図書館で『絵小説』(皆川博子・著/集英社)という本を借りてきました。
 
絵小説・表紙
 

 この本は6本の短編小説から成る本なのですが、どれも幻想的な内容でした。海を「なじめないもの」とか「死」のイメージで描写している場合が多いのですが、実は私もそれに近いイメージを持っているので、「ああ、なんか分かるなぁ」と思いました。きっと、海の側で育っていたら違ったイメージなのでしょうけど…。

 タイトルの『絵小説』の意味は、最後に収録されている『あれ』という物語で判明します。
 物語を読み進んでいくと、唐突に、宇野亜喜良氏のお名前が出てきて、意表をつかれます。

《記憶は、まったくあてにならない。
 たとえば、宇野亜喜良さんの絵を、わたしは、戦前、小学校の5年生ぐらいのときに初めて見たと思い込んでいた。(略)
 しかし、宇野さんはわたしより四つ年下なので、わたしが十のころといったら、小学校にあがるかどうかという年齢だ。(略)
 70年代になるか……寺山修司の『人魚姫』や竹内健の幻想恐怖短編集などのイラストレーションを見たとき、<宇野亜喜良>に再会できた! と、どきどきするくらい嬉しかったのは、どういうことなんだろう。そのころから少しずつ雑誌に物語を発表し始めていたわたしは、いつか、宇野さんの絵にふさわしい幻想作品を創れるようになりたい、そうして宇野さんに飾っていただきたいと、ひそかに思うようになった。(略)
 本書の連作のコラボレーションは、普通とは逆の試みをしている。わたしが好みの詩の一節を宇野さんにお渡しし、それを発想のきっかけにした絵を宇野さんが描いてくださる。詩と絵をもとにわたしが物語を創る、そういう過程を経ている。宇野さんの絵が先にあり、それにわたしが物語を添えるのである。》
(『絵小説』135ページ~137ページより)


 …つまり、宇野氏から皆川氏への「イメージのバトン」によって、6本の短編集が作られているわけですね。

 どんな絵が掲載されているのかというと、『赤い蝋燭と……』という物語の場合は、↓ こんな感じです。インスパイア元の詩は、水木彌三郎の『幻冬抄』です。

絵小説A


 ↓ こちらは、『沼』という短編小説の絵。インスパイア元の詩はジャン・コクトオの『わるさながらも素晴らしい』(堀口大学・訳)。
 
絵小説C


 ↓ こちらは、先ほど一部を引用した、『あれ』という短編小説の絵。インスパイア元の詩はアンリ・ミショーの『怠惰』。(小海永二・訳)

絵小説D



 皆川博子氏の小説を読んだのはこれが始めてだったのですが、結構私好みの内容でした。ミステリや時代小説など、色々なジャンルの小説を書かれている方らしいので、機会があったら他の本を借りてみようかと思います。


絵小説
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宇野亜喜良氏による『DISCO ARMADILLO』のジャケット

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 宇野亜喜良氏がジャケットのイラストを手掛けたCDというと、去年発売されたBACK-TICKの『RAZZLE DAZZLE』が記憶に新しいところですが、1994年に発売されたBAD MESSIAHの『DISCO ARMADILLO』というアルバムでも、宇野氏がジャケットのイラストを手掛けられています。

バッド・メサイア(宇野1)


 CDは中古でしか入手できない状態ですが、曲だけなら、ソニーミュージック オフィシャルサイトでダウンロードできます。

→ バッド・メサイアの『DISCO ARMADILLO』のダウンロードのページ 



 ブックレットの中にも、宇野氏のイラストがあります。
 auoneブログでは、たとえイラストであっても乳首はNGだったんですけど、livedoorブログなら大丈夫ですよね、多分…


バッド・メサイア(宇野2)
↑ ブックレットの2ページのイラスト

バッド・メサイア(宇野5)
↑ ブックレットの21&22ページのイラスト

バッド・メサイア(宇野6)
↑ ブックレットの25ページのイラスト



 ブックレットの3&4ページのイラストが、そのままアップするのはちょっと憚られる内容だったので、一部だけご紹介します。

バッド・メサイア(宇野3)
↑ ブックレットの3ページのイラスト(一部)

バッド・メサイア(宇野4)
↑ ブックレットの4ページのイラスト(一部)

 見開きで一つの絵になっています。
 どんな絵なのかは…ご想像にお任せします





Disco Armadillo
アーティスト:BAD MESSIAH
エピックレコードジャパン(1994-10-01)
販売元:Amazon.co.jp
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RAZZLE DAZZLERAZZLE DAZZLE
アーティスト:BUCK-TICK
BMG JAPAN Inc.(2010-10-13)
販売元:Amazon.co.jp
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2月13日の日経朝刊に掲載された『ウルルンドの幻』(その1)

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 かなり遅れてしまいましたが、2月13日の日経新聞の朝刊に掲載された、辻原登先生による『韃靼の馬』のあとがきをご紹介します。
 タイトルは『ウルルンドの幻』です。


《「韃靼の馬」連載を終えてほっとしつつ、登場人物たちを最も身近な友として過ごしてきた一年と三ヶ月の日々をふり返ってみるにつけ、まだまだ彼らの人生は続いているのだという感慨が胸に迫る。》


 「登場人物たち」という書き方をしているということは、辻原先生は、登場人物全員に思い入れがあるようです。主人公の紅子のことしか頭になかった(それどころか「さようならです。最後の舞台となった寧波での貴女を、私はもう知りたくない」とまで言い放った)高樹先生とは違いますね~。


《チャハル・ハーンのマンハ旗とハーンの牧場、会寧(フェリョン)の馬市、倭館、対馬の府中や鰐浦、大坂や江戸、敦賀の港といった場所を鮮明に思い出す。しかし、やはり何といっても、政府の弾圧の気配がしのび寄っていたマウルはどうなるのか? 良枝(ヤンジ)はどんな娘に成長するのだろうか? 気にかかるいところだ。》


 私もマウルのその後はすごく気になっていました。良枝の父の李順之に死亡フラグらしきものが立っていたのも気になりましたし…。(328話参照)


《―――最終回(434回)の掲載日は1月21日だった。その数日後、浅草橋の小体なすし屋で、挿絵を描いて下さった宇野亜喜良さんと担当記者の方三人で静かな相互慰労の宴を持った。(略)
 宇野さんが私にこんな質問をされた。
「克人を書くとき、あるいは李順之(イスンジ)や徐青(ソチョン)、利根や恵淑(ヘスク)などを書くとき、具体的な容貌をイメージしますか?」
「いいえ、じつは僕は全くそういうことができないのです。せいぜい、目が鋭く光った、とか、微笑を浮かべたとか、表情の描写ぐらいしか……」(略)》


 言われてみれば、本文には、キャラクターの具体的な外見はほとんど書かれていませんでした。例外は朴秀実でしょうか? 朴が眇(すがめ)だという説明は何度も出てきた記憶があります。


《宇野さんは、作者の文章から(行動や心理と表情しか表現していない)、毎回、注意深く、愛情をこめて読み込んで、人物(馬も!)を目にみえる姿に描いて下さった。それが常にぴったりで、作者たる私は、その肖像をもとに次の行動と心理を書いてゆく。毎朝、一読者となって「韃靼の馬」を読む。そのたびに、文と絵のハーモニーをたのしむことができた。》


 どうやら辻原先生の方からは、「こういう挿絵を描いてほしい」という指示は一切出さなかったようですね。それなのに、作者のイメージピッタリの挿絵を描けるとは… やっぱり宇野先生は凄いです

 「文と絵のハーモニー」 ← そうそう、そうなんです! 『韃靼の馬』は本文も挿絵がばっちり合っていたんです。本文と挿絵が相乗効果を生んでい作品というと、『望郷の道』(北方謙三・作×天明屋尚・画)も思い出します

 『世界を創った男 チンギス・ハン』も面白かったんですけど…人物を描いた挿絵が、抽象的すぎたというか、なんというか… 動物を描いた挿絵は、リアルですごく素敵だったのですが…。(興味を持たれた方は、36話297話の挿絵を比較してみて下さい。)

 『愛の流刑地』や『甘苦上海』に関しては……ノーコメントで



その2に続く)




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