更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

映画

映画『そして父になる』

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 かなり久しぶりの映画レビューです。上映会の券が当たったので、『そして父になる』を観てきました。 

 観終わって真っ先に思ったのは、「観る人によって評価がかなり分かれる映画だろうな・・・」という事でした。鑑賞者が既婚者なのか独身者なのか、子供がいるのかどうか、男なのか女なのか・・・等々。

 野々宮家(福山雅治&尾野真千子)は「子供にとって楽しくない家」であり、斉木家(リリー・フランキー&真木よう子)は「子供にとって楽しい家」として描写されているのですが、この部分に不快感を示す人がかなりいるのではないかと思ったので、この部分に関して、ちょっと長めに感想を書かせて頂きます。

 恐らく、野々宮家が「子供にとって楽しくない家」である理由を「一人っ子家庭だから」として解釈した人は多いのではないかと思いますが、私の解釈は違います。野々宮家が「子供にとって楽しくない家」であるのは、そこが「夫にとって居心地のいい場所」として用意されているからです。つまり、野々宮家は「夫中心の家庭」なのです。
 そういう家庭をセッティングしているのは、もちろん妻です。野々宮家では、妻が、夫のために最高の働きをしているというわけです。育児にしても同じで、妻は、「夫が満足するかどうか」を優先して子育てしています。

 一方の斉木家は、「子供にとって居心地のいい場所」です。つまり、斉木家は「子供中心の家庭」なのです。しかも、そういう家庭をセッティングしているのは、夫と妻の両方です。妻だけがそうしようと思っているわけではないのです。

 「夫(父親)にとって居心地のいい場所」と「子供にとって居心地のいい場所」のどちらを選ぶかと子供に問えば、当然、「子供にとって居心地のいい場所」に決まっています。野々宮家が一人っ子で、斉木家が三人兄弟であるなんてことは、この映画では重大な違いではないのです。

 野々宮家の妻と斉木家の妻が仲良くなるシーンを、ただ単に「女同士だから」と解釈した人も多いかと思いますが、ここも私の解釈は違います。二人が仲良くなったのは、双方に「家庭に尽くしている」という自負があり、「夫のために苦労している」という共通部分があるからです。

 二人ともよく出来た妻すぎて、夫への不満を口にしているシーンなどほとんどありませんが(全くないわけではありません)、仕事で忙しい夫のために家事と育児を一身に負っている野々宮家の妻と、夫の稼ぎでは生活できずにパートで働いている斉木家の妻に、夫への不満がないはずがなく、二人にとっては夫という存在は「共通の敵」といってもいいくらいなのです。(とはいっても、双方とも「よく出来た妻」なので、夫婦関係が壊れるほど夫に不満を言うことはしません。)

 そういう部分を考慮すれば、この映画は「お金で幸せは買えない」とか「貧乏でも子沢山であれば幸せ」などというテーマなわけではなく、「夫婦関係の有り方・家族の有り方」を問うているということが見えてくるのではないかと思います。決して、野々宮家の有り方が「間違って」いて、斉木家の有り方が「正しい」としているわけではないのです。

 野々宮家の有り方が否定されているように見えてしまうのは、「子供目線の判断」を重視して物語が進んでいるからに他なりません。野々宮家の夫が、「父親としての自分の有り方」を反省したのは、「小学一年生の息子の判断」を通して父親としての自分を顧みたからであって、これがもし、息子の年齢が二十歳とか三十歳とかだったら、ストーリーは全然違ってしまったはずです。
 「小学一年生の息子」という設定があってこそ、この映画がこういうストーリーなのだということを念頭に置かないと、ただ単に「仕事に打ち込む夫(父親)を全否定する映画」という評価になりかねないので、ここは注意しなければならない点なのではないかと思いました。


そして父になる Blu-rayスタンダード・エディション
福山雅治
アミューズソフトエンタテインメント
2014-04-23

 

アニメ『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』

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 前回の記事では小説版の『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』について書きましたが、今回はアニメ版です。
 アニメ版には劇場版とテレビ版があり、劇場版はDVD化されています。両方とも制作はイギリスです。
 テレビアニメ版はDVD化されていないようなのですが、劇場版はDVD化されています。(劇場版のアニメのタイトルは『・』が抜けて『ウォーターシップダウンのうさぎたち』になっています。)

ウォーターシップダウンのうさぎたち コレクターズ・エディション [DVD]
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 劇場版は大体原作通りの内容になっていますが、テレビ版は結構アレンジが入っています。原作ではオスだったキャラがメスになっていたり、原作では影が薄かったキャラの活躍の場が増えたりしています。どうやら、視聴者が原作を知っていることを前提に話が作られているようで、序盤は説明不足の感が否めず、原作を知らない人は第1話で見る気を失ってしまう可能性がありますが、原作を知っている人なら、原作との違いを見つける楽しみがあります。(改悪だと感じる方もいるかもしれませんが、私は悪くないアレンジだと思いました。)

 劇場版もテレビ版も、絵柄はあまり可愛くありません。原作の方でうさぎが擬人化された描写になっていないため、アニメ版もそれに合わせて制作したと思われます。
 テレビ版は、多少、ディズニーっぽいタッチになっていて、それなりに見やすい絵柄なのですが、劇場版はかなりキツいです。

 ↓テレビ版は、こんな感じです。



 ↓劇場版は、怖いシーンばかり集めた動画がありました。



 ↑この映像だけ見ると「どんだけバイオレンスなアニメなんだ」と思われるかもしれませんが、全編を通して観れば、ただ残酷なだけのアニメではないとお分かりいただけると思いますので、これからDVDでご覧になる方は、挫折しないで最後までご覧になってみて下さい。

 私は劇場版はレンタルで観たので、劇場に直接足を運んではいないのですが、古本市で偶然見つけた劇場版のパンフレットを持っています。

ウォータシップダウン・パンフ

 日本語版の監修を、ムツゴロウさんこと畑正憲氏が担当されている関係で、このパンフレットには、畑正憲氏と手塚治虫先生の対談が掲載されています。

ウォータシップダウン・パンフ・対談

 対談のページには、畑正憲氏と手塚治虫先生のイラストが掲載されています。

ウォータシップダウン・パンフ・畑
 

ウォータシップダウン・パンフ・手塚


 劇場版の主題歌は「サイモン&ガーファンクル」のアート・ガーファンクルによる『BRIGHT EYES』で、私はこの曲が大好きなのですが、長くなるので、別途で記事にします。

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