更紗のタペストリー(L)

auoneblogから引っ越してきました。 主に、アート・書籍・音楽・映画などについて語ってるブログです。 もうひとつのブログ(http://sarasata.seesaa.net/)では、日経新聞の連載小説の感想を綴っています。

江戸川区

科学技術館『アトモス』について(その5)

その4からの続き)


コロガリトロン(表)


コロガリトロン
君は鉄球を加速できるか?挑戦しよう!

円形のレール上の2つの電磁(でんじ)コイル、そして1つの鉄球。「コロガリトロン」は、スイッチのオンオフのタイミングによって、鉄球をどんどん加速させていくゲーム仕立ての実験装置だ。

加速器を使って微粒子(びりゅうし)を加速すると、とても細かい構造まで解析(かいせきできる
 スイッチを押すと電磁コイルに電気が流れる。すると、電磁コイルに磁場(じば)がつくられ、鉄球は地磁場にひきつけられる。そのあと離すんだ。タイミングよくコイルに電気を入れたり、切ったりすると、ボールはどんどん加速できるよ。
 ほんとうの加速器では、電子(でんし)や陽子(ようし)、イオンなどの粒子(りゅうし)を高い電場(でんば)をくり返しかけることによって粒子がもつエネルギーを増幅させ、加速させていくんだ。
  加速器ではどのような研究をしているのだろうか?X線には透過(とうか)作用があり、物の内部の構造を知ることができるおとは「X線ビュワー」で体験したよね。同じX線でもエネルギーの高い方が、より細かい構造まで透視することができる。加速器では、加速された高エネルギーの粒子を使って、原子や微小な物質の構造を解析したり、物質に含まれている微量な元素(げんそ)などを調べているんだ。

ポイント
スイッチをどのタイミングで入れたり、切ったりすれば、効率良く鉄球を加速できるのだろうか? 鉄球が電磁コイルに入った瞬間にスイッチを離すのが、ベストタイミングだ。そのタイミングで加速を続ければ、ものすごい速さでレール上を走るようになるよ。




コロガリトロン(裏)


加速器の医療分野への応用が期待されているんだ

 がんはとても多い病気だね。外科療法、放射線治療、化学療法など医療技術はどんどん進んでいるけど、まだ、がんが完全に治るという治療法は確立されていないんだよ。
 加速器についての解説なのに、どうして病気の話しをするのかって? 実は、加速器の利用法として、いちばん注目されているのが、医療分野への応用なんだ。特に、がんの新しい治療法として期待されている。

がん細胞をねらいうち

 加速器を使った治療法は放射線治療の一種で、「重粒子線(じゅうりゅうしせん)治療」と呼ばれている。重粒子線とは、電子よりも重い粒子を高速に加速したものだよ。重粒子線をがん細胞にねらいを定めて、水平方向と垂直方向から照射して、重なった部分を重点的にやっつけるんだ。加速器を使った重粒子線治療では、正常な細胞にはできるだけ傷をつけずに、がん細胞だけを破壊(はかい)することができる。
 重粒子線治療は、21世紀の新しいがん治療の有望な方法になっていくだろう。原子の構造を調べるためにはじまった加速器が、医療に貢献しているというのも科学技術のおもしろさだ。


 放射線治療といえば、思い出すのは、中川恵一氏です。中川氏は放射線医学の専門家で、放射線治療に関する書籍を出していますし、東京江戸川がんセンターの放射線治療に関わっています。

東京江戸川がんセンターHP『当施設での放射線治療』
http://www.edogawa.or.jp/centers/cancer/cancer_rt.html



 以前にもブログに書きましたが、中川氏は「がんの治療の専門家」であって、放射能汚染の専門家ではありません。私は、医師としての中川氏の活動には突っ込む気は全くありませんし、医療被曝を全否定する気もありません。私が許せないのは、江戸川区の汚染状況を全く把握していない段階で安全宣言を出したことです。

『広報えどがわ』で中川恵一氏が安全宣言(2011年7月1日の記事)
http://blog.livedoor.jp/sarasata/archives/65696986.html

togetterのまとめ
【東大放射線科准教授・中川恵一氏が『広報えどがわ』で江戸川区に安全宣言】
http://togetter.com/li/156317



 中川恵一氏が加速器に関する論文か何かを書いているのでは…と、思い、検索してみたら、下記のPDFファイルを見つけました。2003年11月に筑波で開催された「第14回加速器科学研究発表会」での講演の資料です。中川恵一氏と上坂充氏の二人による講演です。

【先進小型加速器による化学放射線治療展開】(PDF)
http://conference.kek.jp/sast03it/WebPDF/3AA3.pdf

(他の研究者の講演の資料は、こちらのページにあります→http://conference.kek.jp/sast03it/oral.html



 上記をPDFファイルを見れば、中川恵一氏は「原発事故に起因する放射能汚染」に関しては完全に門外漢だということが、よく分かります。がんの治療においては、放射線や放射性物質は「管理されていること」が大前提です。その当たり前すぎる大前提が崩れ去ってしまうのが原発事故だというのに、中川氏は一体何をもって、江戸川区に安全宣言を出したり、「魚を食べても大丈夫」とテレビで言ったりしたのでしょうか。理解に苦しみます。


その6に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その11)

ブログネタ
東京都江戸川区 に参加中!

その10からの続き)


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【要望5】区民の立場に立ち、政府や東電による犯罪と対決する姿勢を

 9月29日の区議会本会で、滝沢泰子江戸川区議が「区民と区が協働しての放射線対策」を求めたことに対して多田区長は以下のような趣旨の答弁をされました。

 「区民の参画と言われても、区民とはいったいどなたなのかということもある。私どもも、区民の方々も専門家ではないから到底不可能。地域の行政に何ができるのか。不毛な議論をしてもしかたがない。例えば、給食の食材についても、国が『大丈夫だ』と言ったら、それは大丈夫だと思わなければわれわれは生活はできない。収拾がつかなくなる」

 これは、子や孫たちの身を案じ、必死の思いで対策を求めてきた区民を愚弄し、深く傷つける答弁と言わざるをえません。
 「史上最悪」とさえ言われる福島第一原発事故を引き起こしたのは、いったい誰なのですか。「原発は絶対安全」と言い続けてきた国や東電です。俗に「原子力ムラの住人」といわれる原発推進派の学者たちにも、その責任の一端があることは明白です。その張本人(国、東電、専門家たち)たちが、今なお放射線被曝について「ただちに健康に影響はない」「心配はいらない」と説明し続けていることも納得できませんし、それがなぜ私たちの判断基準になりえるのでしょうか。
 区の方針を決めるために「専門家の意見を参考にする」のは当然としても、区が招致している専門家が、明らかに政府寄り、「安全派」と評判の方ばかりであることが多くの区民に深い失望を与えています。少なくとも、原発反対の立場の専門家、厳しい被曝対策を求める専門家の方たちも招いて、平等に意見を求めるべきではないでしょうか。
 9月29日の区長答弁の撤回を求めるとともに、区民の立場に立ち、原発事故を引き起こした国や東電と対決して積極的な被曝低減策を実施に移して下さるよう重ねて要望します。
     

→総務部危機管理室危機管理担当からの回答
「答弁の撤回については考えておりません。」


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 9月29日の本会議の会議録を『江戸川区議会公式サイト』(http://www.gikai.city.edogawa.tokyo.jp/)で探してみました。


平成23年 第3回 定例会,09月29日-02号

【滝沢泰子区議会議員】(P.37)
「東日本大震災後、はじめての定例会の第二回定例会では、本会議で登壇をしたすべての会派から、放射線対策の質問があり、今の第三回定例会でもそれに近しく、同僚議員の皆様から多く放射線対策に触れられていくというふうに存じます。区民社会の関心の高さと憂慮、危機感の表れと私ども受けとめて、この定例会に臨むものです。
 議会には、第二回定例会で、特に放射線の影響を受けやすいとされるという子どもたちや妊産婦さんを中心に、江戸川区としての取り組みを求める陳情が八本寄せられ、そのうち一本は福祉健康委員会で既に採択をされ、結論を出せるものから早急にとの姿勢が議会内にもあるという中で、この定例会の初日にも新たに三本の陳情が付託をされました。この間、区政当局にも、また、学校や幼稚園、保育園などの現場に対しても、子どもたちを中心とする取り組みについて、地域の皆様、保護者の皆様から多くの意見が寄せられているところであると思います。
 そして、この間、福士政広首都大学東京教授を講師に招いての講演会が開かれて、告知期間の短かさにもかかわらず、タワーホール船堀の大ホールは満席でございました。「広報えどがわ」の臨時特集号、発行配布をされました。子ども施設の砂場の五百四十カ所の計測、今も続いているところであります。区役所の体制も、あらゆる問い合わせを、健康部保健予防課で受けていた段階から、危機管理室を軸とする全庁的な連絡協議体制及び対応体制の確認がされているところであります。
 そんな中、セシウムに汚染された稲わらを摂取していた牛肉が、区内でも流通、消費され、学校給食の食材となっていたことが明らかになり、今もなお追跡調査が続いています。江戸川区にある江戸川清掃工場の焼却灰、西水再生センターの汚泥という副生成物から、高濃度の放射性物質が検出されていること、近隣の方々からも不安の声が寄せられる中、江戸川区としても近隣の計測に着手している。そして、また、東京都の取り組みとして新設するモニタリングポストの一つが、江戸川区の都立篠崎公園に場所が決定したことも公表されました。
 このような中での今定例会でございますが、区長提案の議案の中には、放射線関連の補正予算等の議案が明示されたものが付託されていないところでございます。江戸川区として、環境放射線測定器の区独自での購入と運用や、消費者庁が助成を提示している食品検査機器の購入の検討など、区としても考えているということもあると思いますが、財政措置が必要なものについては、しかるべき措置を的確に取っていくべきところであるところであることは言うまでもなく、区長の今のお考えを伺いたいところでございます。
 私どもが、今どのようにこの問題への取り組みとあり方を受けとめて展望しているかを申し上げますと、この問題には、区民と区が協働で取り組んでいくことがしかるべきであるというふうに考えております。実際に地域の中で、家庭の中で、子どもの居場所で、区民自らが高濃度の放射線量のある局所の場所を取り除こうと努力をしています。保育園や幼稚園、学校といった現場でも取り組みが模索されていると受けとめております。
 八月十日の「広報えどがわ」特集号では、記事の中で局所的に放射線が高いところはどのようなところですかという問いに、一般的に側溝や落ち葉が堆積している場所、雨水が溜まりやすく排水しにくい砂場やすべり台の下などは、放射性物質が集まっている可能性があり、ほかに比べると高いと考えられますと答えています。江戸川区としても、危険性を認識しているといえる、この放射性物質の除染について取り組むべき一つが、この点だというふうに考えております。
 ところが、今は仕組みがない。区としての方針も明示がない中で、どのようにすれば適切に専門家の派遣を受けることができるのか、しかるべき除染をして、その副生成物をどう保管し、処分すればいいのか。いろいろな問い合わせが区役所にも寄せられていると思います。私ども、議会にも寄せられております。
 それから、食の安全についてでございます。
 先日の江戸川区教育委員会定例会、月曜日にございましたが、その席上で、瑞江小学校が、給食の食材産地の公開を二学期から始めたという情報が提示をされていまして、拝見しに行ってまいりました。そこでは、玄関から入った場所に、手書きの日本地図があり、その上に食材のイラストと産地の名前が書かれたポストイットのような形状の紙が張りつけられている、本当にカラフルで温かい、栄養士さんの手づくりの掲示で、大変に感銘を受けてまいりました。
 このような食材の産地の公表は、食育の推進の観点からも、原子力のこれほど大きな災害があるなしにかかわらず、もっともっと早くから、我が区として大々的に取り組むべきであったと、私どもも早くから提案できなかったことを反省しているところもございますが、このような中で、食の安全、安心のために、いろいろな現場の方が今、知恵を絞られています。区内でも、農家の方が堆肥の放射線量は大丈夫かと心配をしているお声をお聞きします。家庭菜園をはじめとする菜園の野菜が大丈夫かと心配するお声もあります。
 私は、実は八月末に鶴岡市を訪ねてまいりまして、その際、学校給食用の特別栽培米「はえぬき」を、江戸川区の多くの学校で提供されていますが、栽培しているJA鶴岡の方ともお話をさせていただきました。江戸川区で、これだけ議会にも学校食材の安全性を確保したいのだということで陳情をいただいている現状も、じっくりと聞いていただいたところであります。
 この江戸川区の中には、食の生産者がいます。流通者、小売業者の方がいます。消費者がいます。多くの方が、それぞれの立場で苦慮されています。子どもたちに安全なものを食べてもらいたいのだというところでの苦心であります。
 区長、ここは区政が立ちあがるときであります。と、申しますのも、江戸川区がはっきりとした放射線対策の方向性、方針を明示していないため、行政の意向というものを立場、立場で気にされる方にお会いすることが大変に多いのでございます。今もなお、原子力災害が起こって、最初に大きく起こって半年もたつ今もなお、いろいろな現場で放射線対策についての議論がオープンにしにくいという状況をお見受けします。まず、ぜひ、それを解消しましょう。
 若い子育て世代の皆さんも立ち上がっています。お住まいの自治会ぐるみでの除染活動を提案される方もおられます。行政に求めるというばかりの姿勢ではないのです。できることをやる。それぞれの立場で、持てる力で時間をやりくりをして工夫をして、知恵を集めて知識を培って、つながりあって、この状況を打破していこう、そのような動きに、私どもは、もう出会える、そのような段階になっているのでございます。
 ここは、区としての方向性の明示、
江戸川区が地域とともに協働で放射線対策に取り組むのだという宣言をしっかりと果たせば、いろいろなことがきっちりと動いていく土壌も、地域の中にできつつあるというふうに思っております。区長から前向きな宣言をお伺いしたいというふうに思います。
 それから、次に、子ども・若者ビジョンを、
江戸川区として区民と協働で構築することについて、区長のお考えを伺います。(略)」

【多田正見区長】(P.41)
「お答えをしてまいりますが、いろいろ次元がいろいろなところでこうなっているお話もありましたので、何か答弁漏れと言われるようなことがあるかもわかりませんが、まとめて御趣旨をそんたくしてお答えをしたいと思います。
 特に、一番目の、主として放射能にかかわる問題でありますが、これは江戸川区だけではなく全国自治体、あるいは全国民が、つまり非常に混乱をしているというふうに思います。私も、こんなにたくさんの原子力関係の学者がいて、その方々が思い思いのことをおっしゃるということが、これでは混乱を増すばかりだなということを、かねがね感じてまいうりました。
 私は、ある学者から、こういうことではいけないのだと。つまり、いろいろなことを論じる学者が、たまには原発のところに行って、あるいは福島県へ行って、いろいろそこで見聞したことを冷静な議論をやって、それが政治の中でどういうふうに評価したらいいのかということも、しっかりとやってもらうと。そこに、やっぱりある種の不安解消とか、あるいは日本の国の今の状況をどう把握して、どういうふうにそれぞれの国民が対応したらいいのかと、そういうことをやるべきであるのに、全くできていないという指摘も聞きましたけれども、何というか、まるきり正反対のことが語られるというようなですね。
 一つには、原発そのものに関する考え方もありますが、あとは放射能にかかわる医学の面からの話もいろいろあります。その双方ともに、意見はさまざまでございまして、しかも、これは非常に専門的なことでありますので、一般国民がそのことの是非について、なかなか議論ができないというか、今さら勉強し得ないことばかりでございます。
 私どもも、そういうことに対して専門的知識を持っているわけではないし、恐らく滝沢議員さんも専門的ないろいろ見解をお持ちだとは、失礼ながら思いません。これは、そういうことを長年積み重ねてきた専門家の皆さんが、本当に思い思いということではなくして、国民の立場に立って、我々は学者だから、どういうふうに国家に対しても提言をし、そして国の考え方をこのように持っていったらいいのではないかということを導き出していただくと、こういうことがないという状況だというふうに考えておりまして、今、区民参画ということもいろいろありましたけれども、実を言うとこういう問題に区民参画というのは、なかなかできないんですね。つまり、区民が参画して、区がどうしろといっても、お互いに専門的なものを持っていなければ、ただ、人の言うことをああだこうだと言って受けとめて、それをどのように自分が考えるか。それは自由はありますけれども、その自由をめいめいが言っていたのでは、到底まとまりはつかないと、こういうことではないかというふうに思っているわけであります。
 したがって、今、先ほど、ちょっとまとめるような形で、放射能に対する区の基本的な方針を明示してくれと、あるいはそれを区民参画のもとでやるべきだというようなお話がありましたけれども、
それは到底不可能なことではないかというふうに思っているわけであります。
 ですから、例えば給食の食材にしても、
国は全食品を検査するわけにはいきませんから、その抽出検査をやって、こういうものについては大丈夫だと言ったら、それは大丈夫だと思わなければ、我々は生活できないんですね。それを疑ってかかったら、これはもう、本当のところを言って、収拾がつかなくなるということになるだろうと思います。
 学校給食はもちろん子どもたちが食べますから、大変重要なことでありますが、学校給食のかなりの部分は、区内の業者の方々から調達をする。そういう方々は区民の方々が、全部その食品を摂取しているわけであります。これは、学校だけに限ったことではありません。病院もそうです。それから、いろいろな障がい者の施設もそう、保育園も幼稚園もみんなそうなんです。みんな、そういう食材を食べているんですけれども、それは学校だけの問題ではなく、社会全体で本当にこれはいいのですかということは、今、区民のどなたに聞いても、それは専門家でない限りは、こうだということは言えない。私たちも専門家ではないから、それはこうだと言えない。
 ですから、私は、安全かどうかということを、時々、国はある種の問題については出します。今朝のニュースでも、福島県のお米はもう大丈夫だというふうに言っておりました。おりましたけれども、そういうことを、やっぱりもう少し政府は、この混乱の中で、専門家のいろいろな意見を集約して、そして、これはこうだ、これはこうだと。結論的なものでないにしても、これはこれでいいことにしようと、そういうことを明確に言って、そして、国民が混乱しないように持っていかなければ、この問題はいつまでも続く。
 例えば、いろいろな放射能の問題について、小さなお子さんを持っていらっしゃる親御さんのお気持ちはよくわかります。非常に不安だと。これから何十年も育っていく子どもたちですから。そこのところに危険なことはしたくないということは、重々わかるのでありますが、じゃあ、それを地域の行政がどうできるかといったって、全部食品は外国から輸入しましょうとか、どうとかこうとかとできるわけがないわけですから。そういう不可能な、
不毛の議論をしても仕方がないので、できるだけ私たちは、正確な情報をなるべく入れたいと。私たちが正確な情報というのは、つまり国が出してくれる情報か、あるいは専門性のある東京都が出してくれる情報、あるいは多くの学者の中で、こういうことが最大公約数的に言われている、そのものが、やっぱり常識的に考えていいのではないかということであれば、そういう線で行こうということを、一応、私たちは対応の限界点だと思わなければいけないと、そういうふうに思っているわけでありますので、その点は、よく御理解をいただかないと、区民の方の参画でといっても、その区民の方とは一体どなたなのかということが、極めて問題になる。
 そういうことでもあるわけでありますから、これは、私たちが冷静にそういうことについて、余り揺れ動くことなく、お互いに正しい情報らしきものを求めると、そういうことを続けていくしかないと。私たちも、そのことのために努力をして、これは、区民の方々にお知らせをしてしかるべきだという情報は、できるだけ出す。もちろん、危険な情報もあれば、危険な情報も出すと。そういうことをしっかりやっていくと、こういうことではないかというふうに思っているわけであります。(略)」



 ↑ 多田区長は専門家、専門化と連呼していますけど、原発事故に起因する放射能汚染の専門家など日本にいません。
 いろんな分野での専門化の意見をどれだけ集約したとしても、それは、「原発事故に起因する放射能汚染の正しい知識」にはなりえません。
 ガンについて知りたいのなら中川恵一氏に教えを乞うても構いません。放射性同位元素について知りたいのなら福士政広氏に教えを乞うても構いません。でも、どんなに彼らからレクチャーしてもらっても、原発事故に起因する放射能汚染に対する正しい知識が身に付くわけではありません。

 そもそも、中川氏率いる「チーム中川」は、住民と自治体と専門家による意見交換を重視しています。


《チーム中川ブログの2011年5月13日の記事 http://tnakagawa.exblog.jp/15529507/
「専門家を交えた、原発近郊の地域住民の皆さまに対する意見交換会や勉強会は大変重要であると考えます。こうした機会を自治体だけではなく、各専門の学会が単独で、もしくは共同しながら作っていく必要があります。」


 区長が「専門家」とみなして教えを乞うた人物が率いるチームのブログにはこう書かれているのに、それを無視して、中川氏の「江戸川区は安全(だと思う)」という単なる“個人的見解”をピックアップして広報紙でアピールするなんて、どんだけ卑怯なんでしょうか。(2011年7月1日の記事参照)
 専門家や専門家の率いるチームに対して「この意見は採用」「この意見は却下」などという選択を区長自身がやっておきながら、それでいて、その判断の根拠を問われたら、「国が大丈夫と言っているのだから大丈夫」ですか? 
 「国が大丈夫と言っているのだから大丈夫」という認識でいるのなら、「専門家」を呼んで研修会を開く必要など全くありません。(参照→中川恵一氏を講師に迎えて江戸川区で行われた研修会について - NAVER まとめ
 「放射線・放射能のリスクに対する考え方がひとりひとり違っているのは混乱を招く」と言いながら、ご自分の主催で特定の人物(=中川恵一氏)だけを呼んで研修会を開くなんて、おかしな話です。中川氏は、区が絶対的なものとして扱っている「国の基準」に、どんな風に関与しているというのでしょうか。仮に、中川氏が一方的に国の基準を「納得のいくもの」とみなしていたとしても、国の基準は「中川氏の個人的見解」を採用して決められたわけではありません。

 もしかしたら、「放射線のリスクに対する考え方がひとりひとり違っている」ことを学ぶための研修会だったとでも言うのでしょうか。だったら、なぜ、中川恵一氏の個人的見解の一部を利用して「江戸川区は安全」などとアピールしたのでしょうか。色々と矛盾しています。

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その10)

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その9からの続き)


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【要望4】低線量被曝が人体に与える影響について

 区の回答書は、低線量被曝が人体に与える影響についての評価があまりに低すぎます。
とりわけ、保健所保健予防課の回答では「私たちの身体の中では、常に生命を守るための素晴らしい仕組みが働いています」と人体の防御機能を万能視するような見方をされており、到底受け入れられるものではありません。この回答の撤回を求めます。
 放射線によって傷つけられたDNAは修復される場合もあるし、修復に失敗して細胞が死ぬこともあります。死ねば、その細胞ががんになることもありません。修復されるかもしれないし、されないかもしれない。それらはすべて確率の問題とされています。これらを全部クリアして、がんになる場合も間違いなくあるのです。
 また、放射線の健康影響は、がんや白血病に限りません。心臓疾患、「ぶらぶら病」と言われる全身疲労や倦怠感、集中力の低下、抵抗力の低下などが確認されています。
 加えて、回答の中で紹介されている「放射線ホルミシス効果」については、今日ではICRPでさえ基本的に採用していません。WHO(世界保健機構)も2006年、ラドンの放射線が肺がんの重要な原因になっている可能性を指摘し警告を出しています。低線量での被曝は、高線量での被曝に比べて単位線量あたりの危険度がむしろ高くなるという研究結果も出ています。これらの事実について、担当者の方は十二分にご存じのことだと思います。にもかかわらず、人体の防御機能のみをことさら強調する回答からは、誠実な姿勢が感じられません。
 論争がしたいのではありません。「どちらとも言えない」のであるならば、積極的に区内の調査を行い、ホットスポットを探し、少しでも危険要因を取り除いていくことが行政に求められる基本姿勢であるべきではないのでしょうか。
 ICRPによれば、江戸川区が目安としている年間1ミリSvの被曝とは「1万人に1人ががんで死ぬ」確率の数値とされています。これ自身が大変な数です。数字にすれば「0.01%」かもしれません。しかし、自分の子や孫が発症したならばそれは「100%」なのです。こうした気持ちを汲んでいただき、誠実な対応をよろしくお願いします。


→環境部環境推進課指導係からの回答
「【1】の(2)、(3)および【4】の区内の調査の部分について回答します。前回の要望書・質問書でも回答したとおり、一般的に、側溝や落ち葉が堆積している場所、雨水がたまりやすく排水しにくい場所は、放射性物質が集まっている可能性があり、ほかに比べると空間放射線量は高いと思われますが、これらは清掃などの日常管理の中で放射線量は低減できると考えています。ただし、公的スペースにおいて地上1メートルの高さで毎時1マイクロシーベルト以上の地点があるとの区民の方々からの連絡に対しては、文部科学省から示された『放射線測定に関するガイドライン』に沿って対応しています。」


→江戸川保健所保険予防課感染症第二係からの回答
「前回の回答では『細胞周期チェックポイント』の存在、『細胞が犠牲的に発動するアポトーシス』、『がん細胞の発生に対する、免疫細胞(リンパ球)の攻撃』など、生命の防御機能(特に発がんに対して)の存在を指摘しているのであって、それが万能ということは申し上げていません。
 もちろん、『放射線被曝は可能な限り少なくすることが大切」という考え方に異論はありません。区としましてもこの立場で、必要なことを実施しているところです。」


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 環境部環境推進課指導係からの回答に対するツッコミは「その2」の記事で書いたので省略するとして、問題は江戸川保健所保険予防課感染症第二係からの回答ですね。


>それが万能ということは申し上げていません。


 子供じみた言い訳ですね。確かに「万能」という単語は使ってはいませんが、それは単なる言葉のすり替えです。


《ご承知のように、日本人の寿命は男女とも80歳前後です。80歳まで生きたとすると、多くの方が積算で大体500ミリシーベルト以上の低線量被曝による被曝を受けたことになります。人によっては、ご病気になり、エックス線CT等の医療検査に伴う被曝を含め、年間で10ミリシーベルトを超えた方もいることでしょう。
 では、これらの放射線被曝に対して、その影響はいったいどこへ消えてしまったのでしょうか?
 じつは、消えたわけではないのです。これらは生命の持つ防御機能が働いたことにより、
DNA損傷が完璧に修復されたのです。まだ修復不能な細胞は「アポトーシス」によって自爆し、マクロファージによって跡形もなく掃除され、表面上は何も起きずに推移してきたということです。》
11月14日の記事参照)


 DNA損傷が「完璧に修復」されたって、書きましたよね、貴殿は。
 この文章の意味は、「生命の持つ防御機能が万能である」と、どう違うというんですか?
 クラスメイトをばかにして担任の先生に怒られた小学生男子が「バカって言ってないもん!アホって言っただけだもん!」と言い訳しているのと同じなんですよ、貴殿のやっていることは。そんなに謝りたくないんですか?

 私に対してなんかは別に謝らなくてもいいですけど(そもそもこの要望書を提出したのは『放射能を考える下町ネットワーク』さんですし)、少なくとも、がんで死亡した人やがんの治療をした人には謝って下さい。貴殿の回答には、がんで死亡した人やがんの治療をした人への配慮が微塵もありません。11月14日の記事11月17日の記事参照)
 貴殿のような人物が保健所の職員として働いているなんて、何かの間違いとしか思えません。

 個人的には、前回の回答に出てきた「生涯の被曝量=500mSv」という数字が、一体どこから降って湧いてきたものなかが、すごーく気になっていますが(11月14日の記事)どうせ相手を煙にまくために適当に持ってきた数字でしょうね。「細胞が犠牲的に発動するアポトーシス」「がん細胞の発生に対する、免疫細胞(リンパ球)の攻撃」という言葉も、いかにも相手を煙にまく気マンマンで選んでいますしね。どんな言葉を持ってこようと、貴殿にがんで死亡した人やがんの治療をした人への配慮が欠落していることを誤魔化すことなどできません。

 私は別に、人としての道理など説く気は毛頭ありません。ただ、保健所の職員として働くために必要とされる配慮をちゃんと見せるべき、と言っているだけです。つまり、ちゃんと肩書きに見合った仕事をして下さいってことです。(なんでこんな当たり前のことを書かなきゃいけないんですかね、ったく…。)

 

 


その11に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その9)

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その8からの続き)

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【要望3】‐(4) 当面、子どもたちが食べる給食についてだけは、欧米諸国などの基準値を参考に、区としてより厳しい基準の採用を検討して下さい

→江戸川区教育委員会事務局学務課給食保健係からの回答
「厚生労働省が定めた暫定規制値は、原子力安全委員会が国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき提示した指標値ですので、国際的な考え方を基にしています。放射性セシウムに関しては、コーデックスより日本の方が低く設定されています。
 規制値については、現在国が示す暫定規制値が基準となっていますが、国による見直しの動きもあり、さまざまな状況に応じ総合的に判断していきます。」


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 「その6」でも書きましたけど、ICRPはNPOの民間団体です。つまり、「国際的な組織」ではあっても、「国際機関」ではありません。(国際機関とは、「構成員を国家として常設の事務局を有する実体があるもの、および、条約によって設立されている組織」です。詳しくはwikipedia参照)
 さらに、原子力安全委員会は日本の行政機関ですから、「国際的な組織」ですらありません。
 そこのところをちゃんと認識した上で、「国際的な考え方」と主張しているのかどうか、ちょっと怪しい回答ですねぇ…

 現在の日本セシウムの基準はコーデックスより低い、と主張していますが、コーデックスの指針がそれほどまでに信用のおけるものなら、なぜ、日本は原発事故前まで、輸入食品の安全基準を370Bq/kgにしていたのでしょうか? 以前からずっとコーデックスの基準を採用していればよかったじゃないですか
 後出しで「ほら!コーデックスの基準はこんなに高いよ!」って言ったって、今さらって感じです。

 コーデックスの他に、アメリカやカナダなどの規制値も入れて、原発事故後の日本の汚染っぷりを分かりやすくまとめているサイトがありますので、興味のある方はどうぞ。

「基準値比較:発表されているヨウ素131とセシウム137の数値を並べてみた」(『中鬼と大鬼のふたりごと』より)
http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-18.html


その10に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その8)

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その7からの続き)

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【要望3】‐(3) 実際に江戸川区でも、検査をくぐり抜けて汚染牛肉が給食に使用された事例もあります。当面する現実的な対処として、給食の食材についての検査を重ねて検討して下さい。

→江戸川区教育委員会事務局学務課給食保健係からの回答
「生産地における放射性物質モニタリング調査により、汚染食品が流通しないような仕組みを厳守させるのは原則国が担うべき役割です。そして、市販流通品の中に暫定規制値超えの食品が一部見られたことは事実です。
 江戸川区では、給食の食材を含め暫定規制値を超えた食品が流通することのないよう、今後も東京都とともに違反品は市場から排除するなど必要な措置を行い、区民の不安を解消していきます。」


→子ども家庭部保育課給食指導担当係からの回答
「生産地における放射性物質モニタリング検査により、汚染食品が流通しないような仕組みを厳守させるのは原則国が担うべき役割です。そして、市販流通品の中に暫定規制値超えの食品が一部見られたことは確かです。
 江戸川区では、給食の食材を含め暫定規制値を超えた食品が流通することのないよう、今後も東京都とともに違反品は市場から排除するなど必要な措置を行い、区民の不安を解消していきます。」



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>汚染食品が流通しないような仕組みを厳守させるのは原則国が担うべき役割です。

 国が行うべきことであることは確かですが、だからといって、 「市区町村は汚染食品を流通させてもいい」という決まりもありません。
 「暫定規制値超えの食品が一部見られたこと」は認めるわけですよね? でも、江戸川区は、「国が検査しているんだから暫定規制値超えの食品は市場に流通していません」というスタンスだったはずです。


「放射能の暫定規制値を超えた食品は、国により出荷規制がされ、市場には出回っておりませんし、市場でも出荷制限をされている食品が流通しないよう、監視をしていますので、納品されている食材は安心して食べられる食材として取り扱っています。」by子ども家庭部保育課給食指導担当係

10月14日の記事参照)

「市場に流通している食品については、出荷元の都道府県が定期的に放射性物質の検査を行っており、厚生労働省が抜き打ち検査も行っています。牛肉や米については検査体制が強化され、安全な食材の流通が図られているため、江戸川区では特定の産地の食材について使用を制限する予定はありません。」by江戸川区教育委員会事務局学務課給食係
10月25日の記事参照)


 「国が検査しているんだから暫定規制値超えの食品は市場に流通していません」というスタンスが間違っていたことを“反省”して、区の方針をよりよい方向に“改善”していってほしい、というのがこちらの願いなのに、反省している様子もなければ、改善する方向性も見られないとは、呆れてしまいます。
 このブログでは過去に何度も書いていることですが、失敗から何も学ばないのは、ドジではなく、ただの馬鹿ですから!

 …それにしても、この二つの回答は、別々の係から返ってきているのに、全く同じ文章って…
 2人で相談しながら考えた文章なんでしょうか? それとも、一人が考えた文章をもう一人もいただいちゃったってことなんでしょうか?
 矛盾した回答が返ってくるよりは、こっちの方がいいですけど…

その9に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その7)

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その6からの続き)



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【要望3】‐(2) 国に対して暫定基準値を徹底的に厳しく見直すよう働きかけて下さい。

→総務部危機管理室危機管理担当係からの回答
「厚生労働省においては、食品安全委員会の『食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価』(10月27日)を受けて、新たな暫定規制値の設定に向けた本格的な議論を開始する予定です。
 『新たな規制値設定のための基本的な考え方』厚生労働大臣発言要旨(10月28日)によると、現在の暫定規制値は、食品から許容することのできる線量を放射性セシウムでは年間5ミリシーベルトとした上で設定していますが、より一層食品の安全と安心を確保するため、年間1ミリシーベルトに引き下げることを基本として検討していくとしています。
 今後も国等の動向を注視していきます。」




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 「働きかけて下さい」って言ってるのに、「注視していきます」との答えって…
 教育委員会もそうですけど、江戸川区って、見守ったり見据えたりするのが好きですねぇ

平成23年第22回江戸川区教育委員会定例会会議録→
「実際に給食の全てを測ればいいのでしょうけど、それは難しいので、今は実際に出回っている食材が安全な、基準内のものであると確認していく方向に移っているのではないかということで、もう少し時間的をかけて見守っていったらいいのではないかと思います。」『江戸川こども守る会ブログ』1月4日の記事より)

平成23年第21回江戸川区教育委員会定例会会議録→「東京都が、スーパーマーケットを抜き打ち抽出で500種類の食品を検査し、そのデータをホームページで公表するという動きを国に先んじて出しました。これなどは歓迎できることだと思うのですが、こうした動きもしっかり見据えてまいりたいと思います。」
『江戸川こども守る会ブログ』12月21日の記事より)


 ちなみに、食品安全委員会の
『食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価』(10月27日)というのは、↓ これですね。

食品安全委員会委員長談話~食品に含まれる放射性物質の食品健康影響評価について~[PDF]


 で、厚生労働大臣発言要旨(10月28日)というのは、↓ これ。

小宮山大臣閣議後記者会見概要(H23.10.28(金) 8:55 ~ 9:20 省内会見室)


 どこ(誰)が、いつ、何を発表して、それがどんな内容なのか、一応は区はちゃんと認識しているようなので、そこのところは評価します。(本当に、ただ「見ているだけ」だったら、困りますからねっ


その8に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その6)

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その5からの続き)

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【要望3】国の暫定基準値は高すぎるため、給食に関する「流通しているものは安全」という説明は成り立ちません。やはり独自の検査体制は必要と考えます

 子や孫を持つ区民が最も心配しているのは、国が定めた食品暫定基準値があまりにも高いことです。百歩ゆずって厳格な検査が行われ、流通している食品が「基準値内」だと仮定しても、それが「安心して食べられる食材」とは到底言えません。
 基準値内のものを食べているだけで、内部被曝線量は年間1ミリSvをはるかにオーバーします。米、肉などの暫定基準値である500ベクレル/㌔(セシウム137)は、コメなど穀類を300㌘、肉類を70㌘食べたとして、年5㍉Svを越えないレベルに設定された数値とされています。これは、江戸川区が被曝の目安としている年間1mSvとも矛盾します。原発の排水基準よりも、飲み物の暫定基準値のほうがはるかに高いなど、とても受け入れられるものではありません。

 (参照)原発の排水基準 セシウム137、90Bq/リットル
     飲み物の暫定基準値 セシウム137、乳児100Bq/リットル
              その他200Bq/リットル(資料参照)


 流通しているすべての食品が基準値ぎりぎりではないとしても、様々な要因による重複内部被曝を考えれば、政府の定めた暫定基準値では子どもたちを守ることはできません。

(1) 国の定めた暫定基準値に対する区としての見解をお聞かせ下さい。


→健康部生活衛生課食品調整係からの回答
「現在の暫定規制値については、原子力安全委員会が国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき提示した指標値ですので、国際的な考え方を基にしています。食品安全委員会の『放射性物質に関する緊急取りまとめ』(3月29日)により、緊急時の対応として、相当な安全性を見込んで設定されたものと理解しています。
 この暫定規制値については、厚生労働省においてあらためて検討される予定です。」




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>原子力安全委員会が国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に基づき提示した指標値ですので、国際的な考え方を基にしています。


 ふ~ん…「国際的な考え方」ねぇ…。
 よもや江戸川区は、「組織の名称に“国際”って入っているから“国際的な組織”である」という認識ではないですよね?
 ICRPは、いくつかの国の研究者が関わっている組織なので、そういう意味では“国際的な組織”と言えますけど、この組織は、NPOの民間団体です。つまり、「国際的な組織」ではあっても、「国際機関」ではありません。(国際機関とは、「構成員を国家として常設の事務局を有する実体があるもの、および、条約によって設立されている組織」です。詳しくはwikipedia参照)

 ICRPの委員になれる人物は、核保有国や原発推進国の学者や官僚などに限られています。そんな人事ですから、当然、ICRPの基準というのは、核保有国や原発推進国にとって都合のいい内容になります。
 核保有国や原発推進国の学者や官僚しかいないような組織の作った基準を「国際的な考え方」と見做すなんて、江戸川区の職員は随分と視野が狭いですね …まぁ、いいですけどね、別に。1回目の要望書への回答を見れば、区の職員がICRPの基準を理解していないのなんてバレバレですから。(11月17日の記事参照。)区の職員にとっては、ICRPがどんな組織で、何を主張しているのかなんて、どうでもいいんですよね。要は、「仕事をしなくて済む理由」の根拠をひねり出せれば何でもいい、ってことですよね。


その7に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その5)

その4からの続き)


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【要望2】‐(3) 内部被曝の問題を重視する観点から、給食食材に含まれる放射性物質含有量の独自調査がやはり必要と考えます。すでに23 区では港区、新宿区、江東区、目黒区、世田谷区、渋谷区、杉並区、豊島区で検査実施または実施予定となっています。前向きな検討をお願いします。

→江戸川区教育委員会事務局学務課給食保険係からの回答
「江戸川区の学校給食用食材のうち、牛乳については、製造元のコーシン乳業(株)が製品の独自検査を原則週1回行っており、これまで結果はすべて不検出となっていますので、区が検査を行う必要はないと判断しています。
 さらに、他の食材についても、お問い合わせに応じて各学校では食材の産地を公表していますので、厚生労働省のホームページなどで食品中の放射性物質に関する検査結果を確認することができます。
 江戸川区では小中学校106校がそれぞれ異なった献立で給食を実施しており、各学校が直接業者と契約しているため、毎回1,000種類以上の食材が納品されています。さらに、食材は当日の朝に納品されその日にすべてを使用するため、事前に放射性物質の検査を行い結果を得ることは現実的に不可能です。
 また、区保育園では、給食食材は各園の近隣の小売店より購入しています。1日1園当たり平均30種類の食材を使用しており、区立保育園全てとなると毎日1,320種類となります。こちらも、子どもたちが喫食するまでに、毎日の食材を検査し結果を得ることは困難です。
 以上のことから現在は検査を実施していませんが、今後も情報を注視し区民の皆さんの声を参考に、適切な対応を行っていきます。」




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>製造元のコーシン乳業(株)が製品の独自検査を原則週1回行っており、これまで結果はすべて不検出となっていますので、

 コーシン乳業のHP(http://www.koshinmilk.co.jp/)を見てみましたが、放射性物質の検査結果はどこにも出ていません。これでは、検出限界値がいくつなのかも分かりません。いくら独自検査をしていても、、誰もが見れるような形で検査結果を公表しなければ、意味がありません。
 コーシン乳業側が自ら進んで公表する様子がないのであれば、教育委員会側が公表するなり、学校側が公表するなりして下さい。自信を持って「不検出」だと主張するのであれば、検出限界値も含めて公表できるはずです。


>厚生労働省のホームページなどで食品中の放射性物質に関する検査結果を確認することができます。

 厚生労働省のHPを見ると、きのこ類からセシウムがバンバン出ているんですが、学校給食ではきのこ類をガンガン使ってますよね。学校関係者の方にこそ、「厚生労働省のホームページを見ろ」と言って下さい。

 
食品中の放射性物質検査の結果について(概略)(PDF:82KB)(平成23年12月19日19:00時点速報値)


 江戸川区の給食のシステム(自校式)では、給食を作る前(あるいは食べる前)に放射性物質の検査ができないのは仕方のないことですが、だったらせめて、調理後の給食を検査し、「内部被曝量の管理」くらいして下さい。厚生労働省は、来年4月をめどに、内部被曝の限度を年間1ミリシーベルトまで引き下げる方針でいます。


放射性物質:食品内部被ばく、年1ミリシーベルトに厳格化--厚労省(毎日新聞社)
http://mainichi.jp/life/food/news/20111028ddf001040009000c.html

小宮山大臣閣議後記者会見概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/2r9852000001tghx.html


 内部被曝量の管理もしないで、区はどうやって国の指針に従う気でいるのでしょうか?


>今後も情報を注視し区民の皆さんの声を参考に、適切な対応を行っていきます

 最後のこのお言葉は大変嬉しいです。「国等の動向を注視します」とか言っちゃってるどこかの課の人に比べれば、区民への心遣いが感じられます。「区民の意見を聞く姿勢」を見せるのは、とても大事なことです。


その6に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その4)

その3からの続き)


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【要望2】内部被曝の問題を重視して下さい

 回答書に対して、多くの区民から意見が出されたのが内部被曝の問題でした。現在もっとも考慮すべきは、ホコリや飲食物を通して放射性物質を体内に取り込み、身体の中から被曝する内部被曝の問題だと考えます。これは外部被曝よりはるかに打撃が大きく、微量の放射性物質でも特定の臓器に大きな被害を与える可能性があると多くの学者が指摘しています。
 放射線防護に関して政府が基準としているICRP(国際放射線防護委員会)勧告は事実上、内部被曝の影響を除外しており、それは「被曝に関してのいつわりの世界」(矢ヶ崎克馬琉球大教授、『隠された被曝』)とさえ指摘されています。区の回答書で「最も信頼できる情報源」としてその意見を参考にされている東大病院の中川恵一氏のブログサイト、東京都立大の福士政広氏の講演でも内部被曝に対する注意を喚起しています。
 江戸川区の回答書は、空間線量からの判断が中心であり、内部被曝についての言及がありません。内部被曝の問題について、どのようにお考えですか。また内部被曝を重視する観点から、改めて以下の対策の検討をお願いします。

(1) 土壌の放射性物質含有量と放射性核種の調査を
 回答書では「土壌放射性物質の含有量」について「空間線量から類推できる」から測定の予定はないとされていますが、プルトニウム239 が出すのは主にアルファ線、ストロンチウム90 が出すのは主にベータ線です。これらは空間線量に反映されないため、その有無は類推できませんし、トータルな区民の被曝の実態もつかめません。核種によって臓器との親和性、健康被害の深刻さ、対策も違います。微量でも身体に深刻な打撃を与える場合もあります。土壌の放射性物質含有量と核種の調査をぜひ実施して下さい。

(2) 上記理由から園児、児童、生徒などの内部被曝検査について改めて検討下さい。


→環境部環境推進課指導係からの回答
「文部科学省の福島第一原子力発電所周辺土壌のプルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果によると、セシウムの沈着量に比べてプルトニウムやストロンチウムの沈着量は非常に小さいと考えられることから、プルトニウム及びストロンチウムの含有量を緊急に測定する予定はありません。
(参考)<文部科学省による、プルトニウム、ストロンチウムの核種分析の結果について>
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/0002/5600_0930.pdf



→江戸川保健所健康予防課感染症第二係からの回答

「今のところ、江戸川区独自で園児・児童・生徒に対し内部被曝検査を行う予定はありません。」



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 「緊急に測定する予定はありません」と答えているということは、「将来測定する必要性が出てくる可能性については考えている」というニュアンスを感じます。
 …とはいっても、江戸川区は、「国が検査してくれるのを待っている」というスタンスなんでしょうね、きっと…。

 東京都健康安全研究センターのHPを見ると、東京では、テルル(Te)と銀(Ag)が検出されているんですが、この事は江戸川区の方ではきちんと認識しているのでしょうか?

東京都健康安全研究センターHP都内の環境放射線測定結果1か月毎の降下物の放射能調査結果


1か月毎の降下物2



 都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果の一日毎のデータでは、8月7日以降はセシウムは不検出になっているんですが、上記の表を見ての通り、一か月毎のデータでは9月も10月もセシウムが検出されています。
 これはつまり、「一日毎の測定ではセシウムがあまりに少なすぎて検出限界値以下になってしまうけど、一か月分を累積すると検出限界値以上のセシウムの量になる」ということです。

 微量といえども、大気中にセシウムが飛散していることは東京都健康安全研究センターのデータを見れば明らかなのに、江戸川区は内部被曝対策ゼロですか…。ヤレヤレですね


その5に続く)


2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その3)

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その2からの続き)



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【要望1】‐(4) 砂場の線量測定の終了後、なにか計画されている対策があれば教えて下さい。


→総務部危機管理室危機管理担当係からの回答

「江戸川区では、『砂場の線量測定終了後』の砂の入れ替え等、適切な対応をしてきました。
 今後、必要に応じて対応していく予定です。」



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 江戸川区は砂場の測定は全て終わり、現在は遊具の下や木蔭などの局所的な部分の放射線量を測っています。

区内における放射線量の測定結果について(23年12月実施)

 これからも測定を宜しくお願いします。



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【要望1】‐(5) 回答の中で「放射線量の測定機器を購入する方向で検討」とありましたが、その後の結論をお聞かせ下さい。

→環境部環境推進課指導係からの回答

「放射線量の測定機器については、区でも購入する予定です。」



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 「予定」ということは、やっぱり予算の関係で、すぐには購入できないということなのでしょうか…。
 一之江名主屋敷を維持するためなら18億もの区債を発行することを厭わないくせに(参照→『名主屋敷は18億で買うのに、なぜか放射線の検査機は買わない江戸川区』http://togetter.com/li/214540)、なぜ、測定器の購入には二の足を踏むんでしょうか…。


その4に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その2)

その1からの続き)



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【要望1】‐(2) 汚染はマダラ状に広がっており、どこに高線量スポットが隠れているか分からないことも多くの報道から明らかです。「江戸川区だけは、毎時1マイクロSvを越えるようなスポットは存在しない」と考えるほうが無理があります。砂場にとどまらず、植え込み、側溝、落ち葉などが堆積している場所、雨どいの下など子どもたちが日常的に接する場所について「清掃などの日常管理の中での対処」にとどめることなく、より詳細な放射線量の測定を改めてお願いします。言い換えれば積極的にホットスポットを探し出し対処してほしいのです。 

【要望1】-(3) 区として調査してほしいのが第一なのですが、区民から「高線量の場所を発見した」
という連絡があった場合に、即座に「再測定」「立ち入り禁止措置」などの対処ができる体
制をつくって下さい。


【要望4】低線量被曝が人体に与える影響について

 区の回答書は、低線量被曝が人体に与える影響についての評価があまりに低すぎます。
 とりわけ、保健所保健予防課の回答では「私たちの身体の中では、常に生命を守るための素晴らしい仕組みが働いています」と人体の防御機能を万能視するような見方をされており、到底受け入れられるものではありません。この回答の撤回を求めます。
 放射線によって傷つけられたDNAは修復される場合もあるし、修復に失敗して細胞が死ぬこともあります。死ねば、その細胞ががんになることもありません。修復されるかもしれないし、されないかもしれない。それらはすべて確率の問題とされています。これらを全部クリアして、がんになる場合も間違いなくあるのです。
 また、放射線の健康影響は、がんや白血病に限りません。心臓疾患、「ぶらぶら病」と言われる全身疲労や倦怠感、集中力の低下、抵抗力の低下などが確認されています。
 加えて、回答の中で紹介されている「放射線ホルミシス効果」については、今日ではICRPでさえ基本的に採用していません。WHO(世界保健機構)も2006年、ラドンの放射線が肺がんの重要な原因になっている可能性を指摘し警告を出しています。低線量での被曝は、高線量での被曝に比べて単位線量あたりの危険度がむしろ高くなるという研究結果も出ています。これらの事実について、担当者の方は十二分にご存じのことだと思います。にもかかわらず、人体の防御機能のみをことさら強調する回答からは、誠実な姿勢が感じられません。
 論争がしたいのではありません。「どちらとも言えない」のであるならば、積極的に区内の調査を行い、ホットスポットを探し、少しでも危険要因を取り除いていくことが行政に求められる基本姿勢であるべきではないのでしょうか。
 ICRPによれば、江戸川区が目安としている年間1ミリSvの被曝とは「1万人に1人ががんで死ぬ」確率の数値とされています。これ自身が大変な数です。数字にすれば「0.01%」かもしれません。しかし、自分の子や孫が発症したならばそれは「100%」なのです。こうした気持ちを汲んでいただき、誠実な対応をよろしくお願いします。

→環境部環境推進課指導係からの回答

「【1】の(2)、(3)および【4】の区内の調査の部分について回答します。前回の要望書・質問書でも回答したとおり、一般的に、側溝や落ち葉が堆積している場所、雨水がたまりやすく排水しにくい場所は、放射性物質が集まっている可能性があり、ほかに比べると空間放射線量は高いと思われますが、これらは清掃などの日常管理の中で放射線量は低減できると考えています。ただし、公的スペースにおいて地上1メートルの高さで毎時1マイクロシーベルト以上の地点があるとの区民の方々からの連絡に対しては、文部科学省から示された『放射線測定に関するガイドライン』に沿って対応しています。」



***************



 文部科学省から示されたガイドラインに区が従うのは当たり前の話です。国からの命令に逆らう自治体なんてありません。
 こちらは、別に、「国の対応に逆らってくれ」なんて頼んでいません。「国の対応を待っているのでは遅すぎるから、江戸川区独自の対応をして下さい」とお願いしているんです。

 
前回の要望書&質問書への回答の時も突っ込みましたけど(『区民をバカにしている江戸川区の回答(その21)』参照))、日常の管理の延長上で清掃なんかしたら、清掃している人が被曝してしまいます。除染を清掃の延長で考えないで下さい。清掃している人の健康を考えて下さい。

 植え込み、通学路、排水溝、雨どい、側溝なんて、そうしょっちゅう掃除する場所じゃありません。「日常の管理の延長上」で清掃されるのを待っているうちに、どれほど無駄な被曝が生じると思っているんですか? 放射性物質がたまりやすい場所はすでに予想をつけているのなら、区民(とくに子供)が近づかないような対策を立てて下さい。(ロープを張るとか、看板を立てるとか。)

 そもそも、都の除染基準である「毎時1マイクロシーベルト」は、「放射線管理区域」の基準を完全に超えています。『区民をバカにしている江戸川区の回答(その3)』でも書きましたけど、「実効線量が3か月で1.3mSvを超える場所」(時間あたりで換算すると0.6μSv/h)があった場合、その場所は「放射線管理区域」となります。放射線管理区域を放置し、その区域にむやみに人を入れたり、その区域内にある物を区域外に持ち出したりしたら、それは法令違反となります。
 つまり、「0.6μSv/h以上1μSv/h未満を放置する」という都の判断は、法令違反なんです。「都が法令違反をするなら区もそれに従う」なんて、まるで、「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」という心理と同じですね


その3に続く)

2回目の要望書に対する江戸川区からの回答(その1)

 去る10月20日に、「放射能を考える下町ネットワーク」(江戸川区、江東区、葛飾区を中心とした東京下町の放射能汚染を考える有志のネットワーク)メンバーが、江戸川区役所に二度目の要望書と質問書を提出しました。

 要望書と質問書の提出の様子は、「放射能を考える下町ネットワーク」のHP(http://nonukes-edogawa.jimdo.com/)の中の、「これまでの取り組み」のページにアップされています。要望書と質問書のPDFファイルも同ページにあります。
 回答のPDFファイルはこちらです。→江戸川区への要望書と回答書(2)


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【要望1】放射線量のさらに詳細な測定を求めます

 この間、首都圏における放射能汚染の実態が、日を追うごとに詳細に明らかになってきました。文部科学省が公表した「東京都・神奈川県の航空機モニタリングの測定結果」(10/6)では、明らかに江戸川区はホットスポット南端部分に入っています。
 実際にも、「葛飾区で民間団体が231カ所を線量調査、56地点で高濃度(毎時1マイクロSv以上)検出」(10月14日)、「足立区内で毎時3・99マイクロSvの放射線量を検出」(同17 日)など、見過ごせないニュースが続出しています。なによりも「横浜市で放射性ストロンチウム検出」のニュースは多くの区民に衝撃を与えています。東電の発表でも、9月段階で毎時2億ベクレル、10 月段階で毎時1億ベクレルという恐るべき量の放射性物質が、いまこの瞬間にも放出され続けています。事態はなにも収束していません。

(1) こうした事実からみた時、区内の放射線量の測定をせず、東京都健康安全研究センター(新宿)のモニタリングポスト(上空18㍍)の測定値だけをもとに『広報えどがわ』(7月1日号)で「安全」宣言を出した姿勢は、やはり早計だったと言わざるをえません。この点について現在、どのようにお考えですか。



→江戸川保健所保険予防課感染症第二係からの回答

「6月1日号の『広報えどがわ』で行った区の判断は、その当時の空間放射線量の観測体制から、妥当なものだったと考えております。」



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 「その当時の空間放射線量の観測体制」って、それ、「江戸川区は何もしていない」という体制ですよね。「何もしていない体制」での判断が妥当なんですか

 この回答を書いている人が、いったいおいくつなのか分かりませんが、30歳以上なら、東海村のJCOの臨界事故を覚えているはずです。あの時、東京の線量が上がったことを、ご存じないんでしょうか?
 JCOの臨界事故当時の東京都の線量のデータが見つからないので、ソースを示すことはできないのですが、あの時、確かに、TVで「線量が上がった」というニュースを見ました。(何シーベルトだったのかは残念ながら覚えていないのですが、観測地が新宿だったのは覚えています。おそらく、東京都健康安全研究センターのモニタリングポストだったのでしょう。)
 私の記憶では、「線量の上昇は一時的なものだから健康に影響は出ません」というような趣旨の報道がありました。当時、上の子が小さかったし、「そろそろ2人目が欲しい」と思っていた矢先の事故だったので、この事件はすごく気になっていて、かなり真剣にニュースを見ていたんです。
 茨城県で起こった臨界事故で東京の線量が上がったのですから、福島の原発事故でも東京の線量が上がることを予想できるはずです。しかも、江戸川区は新宿区よりも事故現場に近いのですから、新宿区よりも線量が高くなる可能性くらい予想できて当然です。
 江戸川区の行政は、過去の出来事から何も学ばないということが、証明されてしまいましたね


その2に続く)

区民をバカにしている江戸川区の回答(その23)

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その22からの続き)


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【質問11】すでに区内に住む多くの子どもたちが内部被曝をしていることが十分に予想されます。学校で実施する健康診断で、専門医による尿検査、甲状腺被曝検査を実施する予定はありますか? その必要性について、どのようにお考えですか?


→江戸川区教育委員会事務局学務課給食保険係からの回答

「要望書5の回答と同じ。」


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 「要望書5」の回答は、「江戸川区の小中学生について、空気中および水道水の放射線量等の状況から現在のところ内部被曝の検査を行う予定はありません」というものです。(その7の記事参照)

 同じ回答が返ってきたのであれば、私はまた同じ突っ込みを入れます。(しつこくてスミマセン)

 空気中および水道水の放射線量等の状況」から「内部被ばくの検査の必要性」を判断するのは、医師でないとダメです。

 ・どんな肩書を持った人物が、どのような判断でそれを決めたのか。
 ・区がその人に判断を仰ぐことに決めた根拠は何なのか。
 ・その人物のアドバイスを区がきちんと理解し、納得しているのか。

 そこまできちんと示して下さい。



 第1回目の要望書・質問書に対する回答に対する突っ込み(なんかややこしいですね)はこれで終わりますが、第2回目の要望書が10月20日に提出されていまして、それに対する回答が11月8日に返ってきています。詳しくは「放射能を考える下町ネットワーク」のHP(http://nonukes-edogawa.jimdo.com/)をご覧下さい。
 こちらの方も、近いうちにこのブログでご紹介していきます。

区民をバカにしている江戸川区の回答(その22)

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その21からの続き)


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【質問8】現在実施されている砂場の放射線量測定を直接担当しているのは何課ですか?
 

→環境部環境推進課指導係からの回答

「砂場の空間放射線量測定を担当しているのは、環境部環境推進課です。」



【質問9】給食食材の放射線量の独自調査について、23区の状況を教えてください。



→江戸川区教育委員会事務局学務課給食保険係からの回答

給食食材1学期



【質問10】区議会に対して提出された放射線対策に関する陳情の件数は、現在まで何件ですか? それぞれの採択の可否について教えてください。


→江戸川区議会事務局調査係からの回答

「陳情は8件です。
 その内、1件が委員会で採択となりました。平成23年9月27日から開催される第3回定例会の本会議で、表決が行われる予定です。」


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>砂場の空間放射線量測定を担当しているのは、環境部環境推進課です。

 お疲れ様です。計測頑張って下さい。



>給食食材の放射線量の独自調査

 この回答書は9月22日に返ってきたものなので、表のデータは今となっては古くなってしまっています。(私の更新のスピードが遅くて申し訳ありません

 NO!放射能「東京連合こども守る会」(http://tokyo-mamoru.jimdo.com/)のHPでダウンロードできる「全国区市町村別給食状況一覧」(平成23年10日27日改訂)によると、港区・江東区・目黒区・杉並区・豊島区が「実施予定」、新宿区が「単発実施」となっています。



>陳情は8件です。その内、1件が委員会で採択となりました。

 8件の陳情の内容は、以下の通り。

江戸川区内の子どもの居場所の放射線量計測に関する陳情(PDF)
原発事故から子どもたちの命と健康を守るため放射線量測定を求める陳情(PDF)
幼稚園・学校校庭等における放射線測定及び処置に関する陳情(PDF)
子どもを放射能汚染から守る為に放射線量測定等を求める陳情(PDF)
福島第一原発事故に関して江戸川区の子どもたちの安全と健康を護るための措置に関する陳情(PDF)
江戸川区のこどもたちを放射能から守るための陳情(PDF)
子どもが活動する場所の放射線量測定と実効ある対策の実施を求める陳情(PDF)
江戸川区に住む子どもたちを放射線被曝から守るための陳情(PDF)

 このうち、採択となった1件は、一番上の「江戸川区内の子どもの居場所の放射線量計測に関する陳情」です。
 他の7件は「継続審査」です。(江戸川区議会HP「請願・陳情一覧」のページ参照)


その23に続く)

区民をバカにしている江戸川区の回答(その21)

その20からの続き)



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【質問7】今後の情報開示、被曝低減策の方針について
 現在、小学校、中学校、幼稚園、保育園、公園等の放射線量の測定が行われています。今後の被曝低減策について、どのような対策をお考えですか?
 砂場については計測を始めていただきましたが、植え込み、通学路、排水溝、雨どいなど、小学校、中学校、幼稚園、保育園、公園等の施設全般についての定期的な放射線量計測が必要と考えますが、実施する予定はありますか?

→環境部環境推進課指導係からの回答

「上記3「その3」の記事に書かれてる「要望3 除染活動の実施」を指しています)でも回答しましたとおり、測定の結果、年間を通じて毎時0.25マイクロシーベルト以上(年間1ミリシーベルト超)となる砂場については、砂の入れ替えなどの対策を行います。また、一般的に、側溝や落ち葉が堆積している場所、雨水がたまりやすく排水しにくい場所は、放射性物質が集まっている可能性があり、ほかに比べると空間放射線量は高いと思われます。こうした場所については、清掃などの日常の管理の中で、放射線量を低減できると考えています。」



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 日常の管理の延長上で清掃なんかしたら、清掃している人が被曝してしまうんですけど?
 除染を清掃の延長で考えないで下さい。清掃している人の健康を考えて下さい。

 植え込み、通学路、排水溝、雨どい、側溝なんて、そうしょっちゅう掃除する場所じゃありません。「日常の管理の延長上」で清掃されるのを待っているうちに、どれほど無駄な被曝が生じると思っているのでしょうか? 放射性物質がたまりやすい場所はすでに予想をつけているのなら、区民(とくに子供)が近づかないような対策を立てて下さい。(ロープを張るとか、看板を立てるとか。)


その22に続く)

区民をバカにしている江戸川区の回答(その20)

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その19からの続き)


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【質問6】「広報」の放射線対策に関する記述には、区民にとって死活的な状況判断が含まれてい
ると思いますが、その判断は区のどの部署が行うのですか?


→経営企画部広報課区政案内係からの回答

「江戸川区では、放射能に関することについては以下の部署が担当しています。


江戸川区の部署



江戸川区では、今まで区民の皆さまには、放射能についての正しい情報の提供に努めてまいりました。今後も、放射能についての正しい情報の提供に努めてまいります。」



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 「正しい情報の提供」に努めて下さるのはまことに結構なことなのですが、過去の間違った情報についての訂正も是非ともお願いいたします。

 『広報えどがわ』の8月10日臨時号の、明らかに間違った記述(8月26日の記事参照)の訂正、首を長くしてお待ちしています。

 「原稿の締め切りのタイミングで、結果的に間違った情報を載せてしまった」というのであれば、その経緯を『広報えどがわ』紙上できちんと説明すべきです。訂正はおろか、説明もしないなんて、一体どういうことなんですか? 区民に対する説明責任というものをどうお考えなんですか?


その21に続く)

区民をバカにしている江戸川区の回答(その19)

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その18からの続き)


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(江戸川保健所保健予防課感染症第二係からの回答の続き)


世界の自然放射線


「もう少し一般的なお話しをさせていただきますと、上の図を見て頂きますと、世界にはイランのラムサールやブラジルのガラパリなど年間の自然放射線が日本の数倍から十数倍の3.5~10.2mSvといった地域が何か所か存在します。
 そのレベルの自然放射線を浴びて生活をされている方たちを、日本の大学チームが調査しましたが、発がんに関する有意差は認められませんでした。
 さて、江戸川区が中川恵一准教授と同様の立場か、というご質問ですが、放射線医学・放射線影響に関しましては、私たちは可能な限り、その分野の優れた学識・見識を持たれた方のお話を伺って行きたいと考えております。したがいまして、それらの方々のお話をお聞きしたからと言って、その先生と同じ「立場」であるとは考えていません。
 私たち行政としましては、ICRPの『直線しきい値なし仮説(LNP)』の考え方を参酌しつつ、お招きした先生方のご意見を最も信頼できる情報源として活用してまいりたいと考えております。」




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はい、来たー。ガラパリ。「放射能は安全」と主張する人がやたらに出してくる地名ですね。あと、有名なのはインドのケララです。
 自然放射線が高い地域を出して「放射能は安全」と主張することへの突っ込みは、以前にこのブログで書きました。
 めんどっちいので、過去記事からコピペして、回答への突っ込みに代えさせていただきます。

《「インド南部ケララ州のカルナガパリ地域はがんになるリスクが小さい」ということを引き合いにして、さも「自然放射線量の高さとがんになるリスクの高さとは相関関係はない」とでも言いたげな内容になっていますけど、がんになるリスクというのは自然放射線量の高さだけでは決まりません。食生活や生活習慣でもかなり変わりますし、遺伝的な要因も大きいはずです。》
4月17日にアップした、日経新聞の記事への突っ込み)


《「蓄積線量が600ミリシーベルトにもなる人々でも、がんの発症率は自然放射線レベルが低い地域の人々と差がない」理由には、食生活の違いや、ウイルスやバクテリアによる感染の有無も大いに関係しているのではないでしょうか?
 仮に、中国の陽江地方やインドのケララ地方は、喫煙率が低かったり、大気汚染が少ないとします。そうだとすると、それだけで肺がんのリスクがぐっと減るはずです。放射線による発がん上昇のリスクが、何か他の要因によって「相殺」されている可能性は、十分にあるはずです。》

9月5日にアップした、日経新聞の記事への突っ込みより)



 質問では『中川氏は「年間10 ㍉シーベルト以下では発がんが増えるとは考えられていない」と述べていますが、江戸川区も同様の立場ですか?』と聞いています。(「その9」の記事参照)
 文脈からすれば、「中川氏と同じ立場」かというのは、「同じ見解を持っているのか」という意味であるのは明白です。
 要は、「江戸川区は、中川氏同様、年間10 ㍉シーベルト以下では発がんが増えるとは考えていない、との見解を持っているんですか?」と聞いているんです。ここまで詳しく解説しないと文章を理解できないんですか? 



>私たち行政としましては、ICRPの『直線しきい値なし仮説(LNP)』の考え方を参酌しつつ

 なんでICRPの「直線しきい値なし仮説」の考え方を参酌するくせに、同じICRPのホルミシス効果に対する評価(=放射線防護において考慮に加えるには十分でない)は無視して、区民からの質問への回答に利用したんですかねぇ。
 ICRP基準を参酌した上で専門家を選んでいるわけではない事がバレバレですね( ̄3 ̄)



お招きした先生方のご意見を最も信頼できる情報源として活用してまいりたいと考えております。

 その、「お招きした先生方のご意見」とやらをきちんと理解できるほどのオツムが、この回答を書いている職員にあるとは到底思えません。
 江戸川区からの回答は全般的に酷いですけど、江戸川保健所保健予防課感染症第二係からの回答が一番酷いです。区民の健康にたずさわる職員からの回答とはとても思えません。
 この回答に比べれば、区長の「ミリデシベル発言」の方がまだマシです。本来の区長の職務には、放射線の単位など必要とされませんけど(とはいえ、知っているにこしたことはないのはもちろんです)、保健所の職員に、がんで死亡した人やがんの治療をした人への配慮が全くないのは、あまりに酷過ぎます。(その18の記事参照) 
 江戸川区からの回答に突っ込みを入れていて、「この回答を書いた職員はクビにするべき」と思ったのは、江戸川保健所保健予防課感染症第二係からの回答を書いた人物だけです。
 実際の回答には実名が載っているんですけど、このブログでは公表しないのは、せめてもの「情け」です。区民から「情け」をかけられていることを恥じて下さい。
 

その20に続く)

区民をバカにしている江戸川区の回答(その18)

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その17からの続き)


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(江戸川保健所保健予防課感染症第二係からの回答の続き)


「中川恵一准教授のお話しは、放射線の専門家ではない、一般聴衆に向けたもので、かなり噛み砕いてやさしく話されていましたが、実は人体への放射線影響の理解には、放射線物理学や分子細胞生物学等の高レベルの知識が必要とされます。したがいまして、それを専門としない一般の方にとりましては、大変と敷居の高い学問分野だと言わざるを得ません。
 一例を挙げますと、放射線従事者あるいは専門家の間では常識となっている、細胞のDNA修復機能や修復不能細胞のアポトーシスによるプログラム死など、生命の持つ高度な防御機能・免疫機能については、ご存じない方も多く、放射線影響を議論する上で、大きな認識のギャップが生じていることも事実です。
 これらの生命の持つ高度な修復機能や免疫機能を理解しなければ、簡単な現象の説明すら出来ません。
 ご承知のように、日本人の寿命は男女とも80歳前後です。80歳まで生きたとすると、多くの方が積算で大体500ミリシーベルト以上の低線量被曝による被曝を受けたことになります。人によっては、ご病気になり、エックス線CT等の医療検査に伴う被曝を含め、年間で10ミリシーベルトを超えた方もいることでしょう。
 では、これらの放射線被曝に対して、その影響はいったいどこへ消えてしまったのでしょうか?
 じつは、消えたわけではないのです。これらは生命の持つ防御機能が働いたことにより、DNA損傷が完璧に修復されたのです。まだ修復不能な細胞は「アポトーシス」によって自爆し、マクロファージによって跡形もなく掃除され、表面上は何も起きずに推移してきたということです。
 私たちの身体の中では、常に生命を守るための、この素晴らしい仕組みが働いています。この話は仮説でも空想でもありません、いわゆる放射線の専門家達が学ぶ教科書に、しっかり記述されているお話しです。」




(続く)


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>実は人体への放射線影響の理解には、放射線物理学や分子細胞生物学等の高レベルの知識が必要とされます。


 
そこまで専門化・細分化された知識などこちらは必要としていません。
 区に提出された要望書と質問書の、一体どこに、「高レベルの知識が必要とされる回答」を要求する部分があったというのでしょうか?
 そこまで知りたいのなら、初めから研究者に直接質問しますし、お金と時間があるのなら、大学に入って勉強します。(合格できるかどうかは別として。)
 こう言っちゃ悪いですけど、たかが区の職員ごときにそんな高度な質問なんかする区民はいません。うぬぼれないで下さい。

 こちらが知りたいのは、被曝のリスクを最小限に抑える方法です。できる限りリスクを下げたいと思っている人間に、「がんが0.5%増えるだけ」とか「江戸川区は白に近いグレー」だとか、トンチンカンなアドバイスをしているから、中川氏は役に立たないと、前々から指摘しているんです。
 中川氏のような人物が必要とされるのは、「大人のがん治療や予防」です。中川氏の過去の発言を見れば、小児医療との関わりが薄い(あるいは皆無)であることがバレバレです。子供のがんリスクについて少しでも配慮があるのなら、低線量被曝によるがんリスクを喫煙・飲酒・野菜不足・塩分過多によるがんリスクと比べて「大したことはない」と言わんばかりの発言なんかしません。

 そもそも、中川氏は放射線治療の専門家であって、放射線物理学や分子細胞生物学が専門ではないでしょう。(放射線治療を行う上での最低限の物理と生物の知識は持っているでしょうけど。)
 区の職員が放射線物理学や分子細胞生物学についての知識を得たいと思っているのなら(まぁ、そんな人はいないとは思いますけど)、ちゃんとそれぞれの専門家から学ぶべきです。



>細胞のDNA修復機能や修復不能細胞のアポトーシスによるプログラム死など、生命の持つ高度な防御機能・免疫機能については、ご存じない方も多く

 私は知ってましたよ? SFで良く出てくるネタですから、単語くらい見た(聞いた)ことがある人は、結構いると思いますけど?
 生命は高度な防御機能・免疫機能を持っていますけど、その機能は万能ではありません。万能ではないから、がんが発生するんです。防御機能・免疫機能が完璧だったら、病気の予防なんて一切不要になりますよね。防御機能・免疫機能が完璧ではないからこそ、リスクを最小限に抑える努力を怠りたくない、と言っているんです。
 例えば、風邪は、大抵の人は、数日で自然に治ります。けれども、冬になれば、医者もマスコミも、こぞって「風邪予防にマスクやうがいを心がけましょう」とアピールしますよね? 「風邪なんかほっときゃ治るんだから、マスクもうがいもやるだけ無駄」だなんてアピールしませんよね? その理由は、風邪が「万病の元」だからです。風邪なんてひかないにこしたことはないんですよ。
 被曝だって同じことです。



>これらの生命の持つ高度な修復機能や免疫機能を理解しなければ、簡単な現象の説明すら出来ません。


 繰り返しますけど、区に提出された要望書と質問書の、一体どこに、そのような「高レベルの知識が必要とされる回答」を要求する部分がありましたか? 「生命の持つ高度な修復機能や免疫機能」について知りたいのなら、たかが区の職員なんか質問相手に選びません。
 


80歳まで生きたとすると、多くの方が積算で大体500ミリシーベルト以上の低線量被曝による被曝を受けたことになります。

 現在80歳まで生きている人の中に、子供の頃に、原発事故による被曝を体験した人が、一体どれくらいいるというのでしょうか? こちらが気にかけているのは、現在の子供たちの健康、及び、未来の子供たちの健康です。子供の頃に原発事故による被曝を体験した人の“全員”が元気に80歳まで生きているとでも言うのでしょうか?

 そもそも、「生涯の被曝量=500mSv」という数字は、どこから降って湧いてきたのでしょうか? 自然放射線による被曝は年間で2.4mSvとされていますから、80年分を積算しても192mSvにしかなりません。ひょっとして、内部被曝も含めた数字なのでしょうか? でも、内閣府の食品安全委員会は、「食品に含まれる放射性物質からの内部被曝の生涯累積線量は100mSv」とする答申を正式に発表しています。
   
参考→asahi.com【食品からの被曝「生涯100ミリシーベルト」安全委答申】(2011年10月27日のニュース)

 80歳になるまで、放射性物質が含まれた食品を、安全委が主張するところの「健康被害がギリギリ出るか出ないかのライン」まで食べ続けた人がいたとしても、自然放射線との合計は292mSvです。残りの218mSvの被曝の内訳は何ですか? 
 医療被曝について「年間で10ミリシーベルトを超えた方もいることでしょう」と書いていますけど、わざわざこう書いているということは、前記の「500mSv」の中には含まれていないはずです。
  恐らく、「10mSv」という数字は、CT一回分の被曝量として出したのだと思われますが、ここでは「平均寿命まで生きた場合の一般的な被曝量」について述べているので、CTのような特殊な医療被曝を含めるのは妥当ではありません。



では、これらの放射線被曝に対して、その影響はいったいどこへ消えてしまったのでしょうか?
 

 「生涯の被曝量=500mSv」という前提がそもそも意味不明なのに、「影響が消えてしまった」も何もないでしょう。



じつは、消えたわけではないのです。これらは生命の持つ防御機能が働いたことにより、DNA損傷が完璧に修復されたのです。

 ウソ言わないで下さい。80歳になるまで生きている人の中には、「DNA損傷が完璧に修復されなかったけど治療で治った人(=がんを克服した人)」がある程度は含まれますし、80歳まで生きて死亡した人の中には「DNA損傷が完璧に修復されなかったことが原因で亡くなった人(=死因ががんの人)」がかなり含まれます。

 この回答に書かれている「日本人の寿命は男女とも80歳前後」という文章の中の「80歳前後」という数字が、平均余命から来ていることは明らかです。
 がんは三大死因の一つとされているのに(他の二つは心疾患と脳血管疾患)、平均余命の割り出しから除外されるわけがありません。この回答を書いた人は、本当に保健所の職員なんですか?
 平均余命の割り出しから三大死因を取り除くのは、「死因がどの程度平均余命に影響しているのか」を測る時だけです。

 厚生労働省のHP(http://www.mhlw.go.jp/index.shtml)の中に、「日本人の平均余命 平成17年簡易生命表」というページがあるので、興味がある方は読んでみて下さい。一般的に平均余命と言われている数字には、がんで死亡した人を含んで計算されていることがお分かりいただけますし、また、三大死因を取り除いて計算をするのは「死因が平均余命に与える影響」(=平均余命の延びを)を調べる場合だということも、お分かりいただけると思います。

 

>放射線の専門家達が学ぶ教科書


 その教科書には、「平均余命まで生きる人は、DNA損傷が完璧に行われた人」(=死因ががんの人は一人もいないし、がんの治療を行った人もいない)とでも書いてあるんですか?
 「DNA損傷が完璧に修復されなかった場合」(=がんの発症)については何も書かれていないんですか?


 なんかもう、この部分の最後の数行って、いかにも「自分の文章に酔っちゃってます」って感じですね。区民に対する回答でオ●ニーするのは止めて下さい。


(その19に続く)
 

区民をバカにしている江戸川区の回答(その17)

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その16からの続き)


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(江戸川保健所保健予防課感染症第二係からの回答の続き)


「低線量被曝については、放射線超感受性の現れとされる『バイスタンダー効果』や『遅延型影響』、それとは逆に細胞の放射線に対する積極的な防衛機能の発動と思われる『放射線適応応答』や『放射線抵抗性増加』さらには『放射線ホルミシス効果』等の存在が実験や理論上で確認されています。
 『バイスタンダー効果』については、実験的に存在が確認されてから、既に20年近い研究の歴史を経ています。実験動物での出現は確認されているものの、ヒト細胞等では出現しない可能性もあるなど、いまだ人類を含む生命の普遍的現象なのかどうかの検証は終わっていません。
 いずれの現象にしましても、現象の発生メカニズムが未だに教科書的に説明できる状況ではありません。したがいまして、これまでの放射線影響の科学的な理論や認識に、今のところ大きな変更を伴うものではないと理解しております。
 しかしながら、低線量放射線による様々な現象は、がん治療等の医学的応用に大きな期待が持たれていることは事実で、我が国においては医学部を有する多くの大学や、放射線医学総合研究所などの『がん専門治療機関』などによって、共同開発が進められているところです。」


(続く)

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>いまだ人類を含む生命の普遍的現象なのかどうかの検証は終わっていません。

 
なんでバイスタンダー効果に対しては、こんなに慎重な評価をしているんですかね。ホルミシス効果の方がよっぽど信憑性がない仮説だと思うんですが。なにせ、行政や御用学者が絶対の信頼を寄せているICRPですら、「放射線防護において考慮に加えるには十分でない」と評価している仮説ですし

 ホルミシス効果に関しては図まで出してアピールしていたくせに、バイスタンダー効果に関してはろくな説明がないなんて、手抜きもいいトコです。
 バイスタンダー効果は、原発推進新聞である日経新聞でさえ、一応それなりに紹介しています。

 
低線量放射線の影響はまだ分からないことが多い。1つの細胞に放射線が当たると、少し離れた細胞が影響を受けることが知られる。直接関係のない細胞が「もらい泣き」をするような現象で、バイスタンダー(傍観者)効果と呼ばれる。
(↑日経新聞朝刊の『弱い放射線を長く浴びると?』という記事より)




>いずれの現象にしましても、現象の発生メカニズムが未だに教科書的に説明できる状況ではありません。

 
 だからこそ、慎重に慎重を期して、放射線のリスクを低くする努力をしなければならないんですよ。
 「放射線のリスクがよく分からないから、具体的な対策は何もしない。とりあえず様子を見るだけ。」というのは、ただの人体実験にすぎません。



>しかしながら、低線量放射線による様々な現象は、がん治療等の医学的応用に大きな期待が持たれていることは事実で、


 放射線治療でメシを食っている人たちが、低線量被曝のリスクを高く見積もるわけがありません。確実におまんまを食い上げるわけですから。
 「低線量被曝はリスクが小さい」と言い張れば利益が上がるような機関の評価を期待するなんて、正気とは思えません。



放射線医学総合研究所などの『がん専門治療機関』などによって、共同開発が進められていることろです。

 その「放射線医学総合研究所」は文部科学省管轄の団体です。文部科学省は原発を推進しようと躍起なんですから、文部科学省管轄の放射線医学総合研究所が原発推進に不利になるような研究結果を出すわけがないじゃないですか

 ちなみに、放射線医学総合研究所のHPの中を色々と見ていたら、面白い発見をしてしまいました。
 役員一覧のページ(http://www.nirs.go.jp/about/officer.shtml)を見ていたら、監事の一人の有澤正俊氏という人物が、花王の出身なんです。

《有澤正俊氏のデータ》
任期 平成23年4月1日から平成25年3月31日まで
職務 研究所の業務を監査する。
経歴 昭和50年4月 花王石鹸(株)入社
    平成6年2月 花王(株)食品研究所長
    平成9年2月 花王(株)パーソナルケア事業本部商品開発部長
    平成15年2月 花王(株)化粧品事業本部商品開発部長
    平成19年4月 花王(株)ビューティーケア事業ユニット部長(商品開発担当)
    平成22年6月 モルトンブラウンジャパン(株)非常勤顧問
    平成23年4月 現職




 業務報告書のページ(http://www.nirs.go.jp/public/plan/index.shtml)があったので、第2期中期目標期間(平成18年4月1 日~平成23 年3 月31 日)の事業報告書データをダウンロードしてみたら、そこにも、花王の出身の人物が、監事の一人として名を連ねていました。


《田中省三氏のデータ》
昭和41年 4月 花王石鹸(現花王)(株)販売部 九州地区課採用
昭和55年 7月 同 販売本部東京西部地区課長
昭和58年 7月 同 家庭品企画本部プロダクトマネジャー
平成元年 7月 同 家庭品販売部門中国地区統括
平成 6年 2月 同 ハウスホールド第一事業部長
平成 8年 6月 同 取締役ハウスホールド事業本部長
平成10年 2月 同 取締役パーソナルケア事業本部長
平成17年 4月 中間法人ディレクトフォースメンバー
平成19年 4月 独立行政法人放射線医学総合研究所監事
平成21年 4月 現職
(注:23年現在の役職は謎)

第2期中期目標期間・事業報告書→http://www.nirs.go.jp/public/plan/pdf/g_2.pdf(PDFファイル)
(9ページに、上記の経歴が載っています。)


 江戸川区役所からの回答書から脱線してしまうので、この件に関してはここでストップしておきます。
 花王といえば、現在、フジテレビのスポンサーということで不買運動が起こっている企業ですが(詳しくは「花王・カネボウ不買運動まとめWiki http://okusama.jpn.org/kao/wiki/wiki.cgi をご覧になって下さい)、原発関連団体にこういう形でさりげなく関わっているなんて、ちょっと面白いなぁと思いました。



(その18に続く)

区民をバカにしている江戸川区の回答(その16)

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その15からの続き)


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(江戸川保健所保健予防課感染症第二係からの回答の続き)


「下の表は ICRP Publication 96 に見る、放射線影響に関する記述です。ICRPは10mSv以下を極線量として『大きな被曝集団でさえ、がん罹患率の増加は見られない』としています。

健康影響ICRP


 下図は、今現在100ミリシーベルト(年間の実効線量)以下で議論されている放射線影響の見方をまとめたものです。

がん発症率


 一方で、低線量放射線は有害なばかりではなく、人体にとってプラスの影響をもたらす(ホルミシス効果)という考え方もあります。つまり、生物に対して通常有害な作用を示す『毒』であっても、微量であれば逆に良い効果を示す場合がある、といった放射線影響を『生物的刺激作用』の一つと見る考え方です。


 ホルミシス


(続く)

***************



>がん罹患率の増加は見られない


 
「がん罹患率の増加は見られない」=「低線量被曝ではがんにならない」という意味ではありません。ここの表で述べられていることは、あくまで「増加が見られるかどうか」だけです。10mSv以下の被曝による発がんリスク自体が否定されているわけではありません。ただ、「被曝以外の原因による発がんリスクに埋もれてしまって、増加してるかどうかは分からない」だけです。さも、ICRPは低線量被曝のリスクをゼロとみなしているかのような印象操作は止めて下さい。

 ちなみに、「ICRP Publication 96 」のPDFファイルは、社団法人日本アイソトープ協会のHP(http://www.jrias.or.jp/)内の、「ICRP Publication 96 -全文データ公開のお知らせ」のページからダウンロードできますが、有効期限は2011年12月31日までです。

「「ICRP Publication 96 -全文データ公開のお知らせ」 http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15521,76,html

 ダウンロードはお早めに。



一方で、低線量放射線は有害なばかりではなく、人体にとってプラスの影響をもたらす(ホルミシス効果)という考え方もあります。


 
あららら…。先ほどICRPがどうたら言っておきながら、ここでホルミシス効果の話を出すなんて、なんちゅー恥ずかしい大失敗…。アイタタタ~(><)

 ICRPは、ホルミシス効果に対して、「放射線防護において考慮に加えるには十分でない」と評価しています。

 
詳しくは、このブログの9月9日の記事をご覧下さい。

 ICRP基準の都合のいい部分だけ持ち出しているのがバレバレですね~( ̄3 ̄)


その17に続く)
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