2016年09月25日

yamazakiunder 2015年8月19日発売、デビュー20周年時企画としてシングルカップリング曲、配信限定曲、提供楽曲のセルフカバー他を収録した山崎まさよしの裏ベストアルバム。全18曲収録。

 同時発売のA面シングル集「ROSE PERIOD 〜the BEST 2005-2015〜」の兄弟盤であり、デビュー10周年記念時にリリースされたカップリング集「OUT OF THE BLUE」の続編たる本作。2004年以降にリリースされたシングルのカップリング曲のうちオリジナルアルバム未収録曲を一部バージョン違いを除いて収録、さらに配信限定シングルだった「心の手紙」の初CD音源化、山崎まさよし名義の作品には初収録となる「ホームタウン」「黄昏のビギン」の各カバー曲、タイアップソングとして既に発表されていた「青いタペストリー」「うたたね」の初音源化、さらにラストにはインディーズ時代に録音された「ビートルズメドレー」がボーナストラック的に収録されるなど、まさに全編ごった煮の内容になっています。

 曲順は発表時系列…と思いきや、なぜか最終盤に2004〜2005年の作品が収録されていたりと、若干意図が読めない並び方(笑)。楽曲の流れを考慮したオリジナルアルバムとは一線を画す混沌感が漂うのですが、曲単位で聴いてみると、実は彼のオリジナルアルバムや、「山崎まさよし」のイメージを重視せざるを得ないA面シングル集よりはっきり言って面白い、という印象。「non ignition」「幸せのBefore&After」のようなロック色強めの楽曲、往年の名曲を朗々とカバーした「君が好き」「浜辺の歌」、Eテレ教育番組に提供した「おなかとせなかがぺっタンゴ」のセルフカバーでは、言われなければ山崎本人だと判別できなさそうなバリトンボイスで熱唱するなど、アナザースタイル的な遊び心を加えた楽曲がとても愉快。

 今やオフィスオーガスタの屋台骨としてベテランの風格も漂ってきた山崎まさよし。もちろんそんな彼のパブリックイメージに沿った曲も良いですが、シングルカップリングを実験の場として、一定のクオリティを保ちつつ、良い意味で好き放題やっている、というナイスな「裏」を見せてくれていることを再認識した1枚でした。

sasa0053 at 12:00コメント(0)トラックバック(0)CD Review ヤ行 

2016年09月19日

kobukurotimeless 2016年6月15日発売、前作から2年半ぶり、通算9枚目となるコブクロのオリジナルアルバム。シングル「陽だまりの道」「奇跡」「未来」、配信限定シングル「42.195km」「Twilight」「hana」「SNIFF OUT!」を含む全15曲収録。初回限定盤はジャケットフィルム封入+学園祭ライブ映像を収録したDVDが同梱。本エントリーは通常盤のレビューとなります。

 現時点での最新CDシングル「未来」が、かつての「桜」を彷彿とさせるスプリングパッケージで発売されたり、その「桜」を収録した約10年前のオリジナルアルバム「NAMELESS WORLD」を捩ったアルバムタイトルを冠するなど、過去の作品との関連性が少なからず話題に上がった本作。とは言っても特に「NAMELESS〜」の続編、というコンセプト的なものはないようで、従来通りのコブクロ節(小渕節?)が奏でられるファン安心安定の楽曲集となっています。

 そんな中で今回面白いな、と思ったのは、既発のシングルも含めてアルバム全体でちょくちょくと顔を出す実験的路線。カーナビを恋愛に喩えた「tOKi meki」、ロカビリー調の「SNIFF OUT!」、バンド演奏が基本の彼らのサウンドにプログラミングを導入した「サイ(レ)ン」、更にEDM的要素も取り入れた黒田俊介作の「Tearless」。コブクロの代名詞たる壮大バラードが良くも悪くもいつも通り…な感想しか抱けなかったのに対し、あくまで「コブクロの枠内」ではありつつ、バリエーション、実験色、さらに布袋寅泰に作曲を依頼し、彼のギターとコラボした「NO PAIN,NO GAIN」など、新たなステップに進む模索のような意志が見受けられたのは嬉しいポイント。中でもマラソンをモチーフにした全編関西弁のアップテンポ「42.195km」のようなコミカル路線は、終盤へと向かうアルバムの良いアクセントになっていて好感でした。

 全15曲(うち新曲8曲)、総演奏時間75分と、相変わらずアルバム1枚の情報量が多く、筆者の持論ではオリジナルアルバムにしては長過ぎる、というのは毎回書いているような気もするのですが(苦笑)、前述の楽曲のバラエティ感と、長尺の作品も目立ってないということもあり、近年のコブクロのアルバムの中でも比較的聴きやすい作品ですね。

sasa0053 at 22:37コメント(0)トラックバック(0)CD Review カ行 

2016年09月10日

seiyasongselection 2016年8月24日発売、今年で漫画連載&アニメ放送開始30周年を迎えた車田正美のコミック「聖闘士星矢」を記念してリリースされたベストアルバム。2枚組全33曲収録。「2016年最新リマスタリング」の表記あり。

 連載元の「週刊少年ジャンプ」の看板作品でもあり、同年には早くもアニメが開始され、連載・放送終了後も根強い人気を誇り、派生作品を数多く生み出した本作。それだけに各媒体作品での主題歌なども数多く、実際過去に「主題歌&BEST」(2006年)、「SONG BEST」(2012年)という主題歌中心のベストも発売されており、今回は3度目のベストアルバム。各映像作品ごとの挿入歌集やサウンドトラックなどがそれぞれのレコード会社から数多くリリースされ、その中から選りすぐった30年間のベストオブベストに相応しい内容とボリュームに溢れた2枚組となりました。

 基本的に楽曲は時系列順。DISC 1は原作漫画のアニメ化として1986〜1989年に放送されたテレビシリーズ全114話で起用された主題歌や関連楽曲を主に収録。「星矢」の看板たるオープニングテーマ「ペガサス幻想」(MAKE-UP)を筆頭に、「永遠ブルー」(同上)「聖闘士神話」(影山ヒロノブ&BROADWAY)などの80年代アニソン王道の熱いテーマソングに加え、MAKE-UP、影山に加えて堀江美都子も参加した各劇中挿入歌もバッチリ収録。「氷原の貴公子」「ネビュラチェーン・兄弟の絆」(MAKE UP PROJECT)などの濃い目のキャラソンもセレクトされているあたりも嬉しいところです(笑)。歌詞の大半が英語という異色作品の劇場公開作品「真紅の少年伝説」のエンディングテーマ「YOU ARE MY REASON TO BE〜愛は瞳の中に〜」(当山ひとみ&OREN WATERS)や、主人公のペガサス星矢を演じる古谷徹自らが歌う「ペガサス幻想」(色々な意味で一聴の価値あり)などもピックアップされ、この1枚でテレビシリーズに関しては完全網羅されていると思います。

 DISC 2はテレビシリーズが終了、漫画連載も完結して時を経た1997年に企画されたドラマCD「1997〜少年記〜」からの楽曲を経て、2003年からOVA作品として展開された「冥王ハーデス編」の主題歌を完全収録。時代が移って楽曲の作風にも変化が起こり、従来路線の熱いテーマ曲もありますが、「地球ぎ」「君と同じ青空」(まつざわゆみ)といった穏やかな中にも芯を感じさせる作品が出色。中盤以降はさらに時代が下った2012〜2014年のテレビシリーズ「聖闘士星矢Ω」、2015年にWebアニメとして展開された「黄金魂-soul of gold-」の各派生作品の主題歌で締め。この辺りになると21世紀の類型的なアニソンとして「星矢」も現代的になったなぁ、という気がする中、サビ頭にアニメタイトルを持ってくるというスタイルの「新星Ω神話」(ROOT FIVE)のインパクトが抜きん出ている印象でした。

 全映像作品のうち、2014年公開のCG映画「Legend of Sanctuary」の主題歌のみが未収録(YOSHIKI絡みの音源未発売の曲なのが原因?)、その代わりにミュージカル風劇中歌「Mr.Deathmask」(平田広明)が収録されるというウルトラCには驚きましたが(笑)、とにもかくにも「星矢」ファン必聴のオールタイムベスト。また過去二作のベストでは明言されなかったリマスタリングも今回は気合が入っており、特に80年代作品の音の広がり・奥行きは文句ナシ。今年は30周年を祝うイベントもぼちぼち開催されているようですが、その一環として各作品を知っていればいるほど楽しめるベストアルバム。価格も2枚組で3,000円+税と安価ということもあり、お薦めです。

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2016年09月04日

aikomaydream 2016年5月18日発売、aikoの通算12枚目のオリジナルアルバム。シングル「あたしの向こう」「夢見る隙間」「プラマイ」「もっと」を含む全13曲収録。今回レビューするCD1枚の通常盤の他、昨年末のカウントダウンのライブの模様を収録したBlu-ray、DVDがそれぞれ付属する初回限定仕様盤A、B、CD1枚+既発4曲のライブアレンジをスタジオ録音で収録した「The Live Versions」が付属する初回限定仕様盤Cの、計4形態での発売。なお、どの形態も本編CDの収録曲は同一となっています。

 約二年ぶりのニューアルバムとなる本作の最大のトピックは、前作発表以降、メジャーデビュー以来長い付き合いであったアレンジャー・島田昌典から離れ、新たなアレンジャーを招聘した、という点。収録シングル4曲を含めて8曲を初音ミクで頭角を現したOSTER projectが、5曲を川嶋可能がそれぞれ担当。今までの島田昌典、吉俣良などの歴代ベテランアレンジャーとの違いは果たして…?と興味津々だったのですが、基本的には生演奏であり、演奏ミュージシャンに関しては従来の面々と同様ということで、あまり決定的な違いは感じられませんでした。ただし、前述二名のアレンジと比較するとキメが多め、演奏の情報量がやや多め、という点では若干の変化が見られ、マイナーチェンジ的な役割は果たしているかな、と感じました。

 アレンジャー陣に変更はあったものの、aikoのソングライティングについては従来通り。飛び跳ねるようなメロディーを軸に適度なバリエーションの曲調、周囲の身近な出来事をラブソングに昇華させる彼女の手腕は相変わらず健在というか、いつも通りと言いますか。彼女の楽曲自体に大きな変化は今後もなさそうなので、今後は本作ぐらいのチェンジではなく、思い切ったアレンジ転換(EDMとかに走るのではなく、演奏楽器の引き算をする、という意味で)を図っていけば面白いかな、とも思いましたが、はてさて。

sasa0053 at 15:47コメント(0)トラックバック(0)CD Review ア行 

2016年08月28日

tmr2020 2016年5月11日発売、今年でデビュー20周年を迎えたT.M.Revolutionのオールタイム・ベストアルバム。CD3枚組全40曲収録。初回生産限定盤はヒストリー映像を収録したDVDが同梱。本レビューは通常盤のレビューとなります。

 T.M.R.のベスト盤はこれが通算3枚目。これまでの活動に一区切り、という時期の2002年の「B★E★S★T」、デビュー10周年時にリリースされた「1000000000000」と同様、この時点での全シングルを基本的には網羅し、本作ではデビューシングル「独裁 -monopolize-」から、最新シングル「Committed RED」までを時系列に沿って収録。ただし、「BLACK OR WHITE?」はシングル(version 3)ではなく、カップリングであるオリジナルアレンジの再演(neo classic)を収録したり、アルバム曲からも「Meteor -ミーティア-」等が選曲されるなど一部例外もあり。

 さて、20年のT.M.R.のシングル史をCD3枚で一気に味わえる本作。やはり聴いていて思うのは、この20年間でほとんど変わらない音楽性。初期はプロデューサー浅倉大介=access直系のデジタルロック、中盤以降になると加えてトランス色が濃くなっていきながらも、音の隙間を埋めまくるシンセ中心のアレンジはもはやお家芸、と呼びたいぐらいに「THE 浅倉大介」仕様。これは決して悪いことではなく、以前にも書きましたが、彼の師匠格の小室哲哉が多ジャンルに手を広げていく音の開拓者ならば、浅倉はひとつのジャンルを深くまでとことん突き詰める音の職人というイメージ。終始一貫してのその姿勢は移り変わりの激しい音楽シーンでは貴重な存在といえるでしょう。

 一方歌詞の面では、「HIGH PRESSURE」「WHITE BREATH」「HOT LIMIT」などのユニークな内容の曲は初期に集中。T.M.R.の詞はデビュー以来井上秋緒が手掛け続けていますが、西川自身のセルフプロデュースとなる「Out Of Orbit -Triple ZERO-」と前後してシリアスで意味深な歌詞が増えていくのが本作を聴いていくと良く分かります。特に活動後半はアニメやゲームのタイアップソングが多く、タイアップに沿った内容の歌詞もあるようですが、それらもしっかり「T.M.R.ブランド」のフィルターを通して書き上げられた曲という印象が強く、テンションの高いサウンドと相俟って、アニソン系タイアップの機会に恵まれ続けるのも納得の内容でした。

 なお、DISC 3の最後にはボーナストラックとして、水樹奈々とのコラボシングル「Preserved Rose」「革命デュアリズム」を収録。この2曲を含めてもこのディスクはまだまだ収録時間に余裕があり、どうせならこれまでのベストでもスルーされ続けのT.M.R-eのシングル3曲も入れてあげれば良かったのに…と思わずにはいられませんでした。活動20周年を総括したベストという好機会だっただけに、この点のみが残念です。

sasa0053 at 10:48コメント(0)トラックバック(0)CD Review タ行 

2016年08月21日

ukasutag 2016年7月13日発売、Mr.Childrenの桜井和寿とラッパーGAKU-MCのユニット・ウカスカジーのセカンドアルバム。実質5曲+コメンタリーを収録したボーナストラック+αの全10トラックで構成。

 2014年のFIFAワールドカップを盛り上げるために結成されたというウカスカジー。その当時にリリースされたアルバム「AMIGO」から約二年振り、今年6月から7月にかけて行われた初の全国ライブツアーを経てのニューアルバム発売となった模様。次回のW杯を待たずに(?)作品が発表されたことにまず驚きでしたが、彼らが「所属選手」として在籍するMIFAの公式サイトによると、音楽とフットボールというコミュニケーションツールを体現するユニットとして、ある程度断続的な活動をしているようです。

 作風としては序盤の「Anniversary」、結婚式の定番ソング的な「Celebration」、そしてGAKU-MC独壇場のラップが炸裂する「HAPPY HOUR」など、明るくハッピーな楽曲が耳を惹きます。この頭3曲のイメージが強烈で、その後に出てくるタイトル曲「Tシャツと私たち」がいささか地味に聴こえてしまうのはご愛嬌でしょうか(苦笑)。また、前作はW杯を意識したかのような「目的を一つにする仲間意識」のようなものを押し出した曲が多かったのですが、本作はスポーツ的なテーマは前作収録の「勝利の笑みを 君と」とマッシュアップした「前を向け!」ぐらいで、よりポップさ、ライトな感覚を押し出しており、特に目玉のコンセプトを設けずに、作り手の恐らく楽しく制作した(と思われる)空気が聴き手にも伝わるリラックスした内容に仕上がっていました。

 演奏面では、前作の大物ミュージシャンの多数参加ほどではありませんが、引き続き日本のポップミュージック界を支えるスタジオミュージシャンが参加して盤石。桜井とGAKU-MCのパートバランスもほぼ平等でバランスが良く、既発曲の手直しもあった前作よりも「二人組」っぽさが出ているのは良いですね。また、どうしてもミスチルではストイックに音楽を追求する傾向にある桜井が、文字通り「音を楽しむ」姿を見せる場所、という意味でも、このユニットの意義はあるのではないかな、と思います。

 本編は5曲。6トラック目に「Celebration」のインスト(桜井の声も入っているカラオケ仕様)、各10秒程度の無音の7・8トラックを経て、9トラック目に本作の収録曲について20分以上桜井とGAKU-MCが語るコメンタリー、10トラック目にMIFAのキャラクターの絵描き歌「ミファンダえかきうた」を収録しているので、内容的にはミニアルバムですが収録時間は50分越え。まあ後半はオマケですが、なかなかの良作品でした。

sasa0053 at 12:32コメント(0)トラックバック(0)CD Review ア行 

2016年08月15日

 皆様ご存じの通り、今月14日未明、SMAPが今年の12月31日をもって解散する、という発表が公式になされました。
 筆者はNHKの深夜のオリンピック中継のニュース速報で知りましたが、その後の数分間のニュース番組でも即取り上げられ、各テレビ局の報道・ドキュメント系、ワイドショーの番組でも特集されるなど、国民的アイドルグループならではの存在感の強さを最後まで示した印象を受けました。

 久々のエントリーとなる「COLUMN」では、そんなSMAPの25年間を、彼らの音楽を最も良く聴いていた90年代を中心につらつらと綴ってみることにしました。
 「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

sasa0053 at 16:59コメント(0)トラックバック(0)COLUMN 

2016年08月06日

nettou2 実に半年ぶりのエントリーとなる「今週の1枚」。前回から季節は二つ過ぎ、早くも真夏を迎えた8月。真夏といえばやはり甲子園!ということで、本日開幕したリオオリンピックに負けじと今年も高校球児達の熱い戦いの季節がやってきたことを踏まえ(?)、今回は2010年7月28日発売のテレ朝(ABC)系列で使用された夏の高校野球の応援ソングコンピレーションアルバム「熱闘甲子園のうた〜夏の高校野球応援ソング〜」をご紹介いたします。

 1981年から現在まで続く、甲子園での夏の高校野球開催期間中に連日オンエアされるその日の試合のダイジェスト番組「熱闘甲子園」。ドキュメンタリータッチを基本に汗と涙の勝ち抜き戦を伴走するJ-POPアーティストによるオープニング、またはエンディングテーマを12曲収めたのが本作。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「今週の1枚」では、既に2011年時に「一番熱かった夏〜熱闘甲子園の歌〜」というコンピをご紹介しているのですが、本作はその純然たる続編にあたり、前作以降の2001〜2009年の間に使用されたテーマソングを収録対象(選曲されなかった曲もあり)としています。タイトルが若干被っているので分かりづらい、という声もありそうですが(苦笑)、00年代の「熱闘甲子園」関連楽曲のほとんどが一同に会した作品となっています。

 続編ということで各年ごとの出場校、各大会の簡易的な説明をその年に起用された楽曲の歌詞と並べて記載するという、前作のフォーマットを踏襲しつつ、収録曲順に関しては時系列だった前作とは逆に、2009年から年代を遡っていく構成。聴き進めていけば21世紀のJ-POP史を遡っていくタイムトラベル的な内容になるわけですが、既に多様化に次ぐ多様化が進んでいた2001年時点の楽曲でもそれほど時代性を感じることなく聴くことができるのは前作とは大きく異なるポイント。
 参加アーティストもブレイク直後の森山直太朗、セールス全盛を迎えていたガールズバンドZONE、既に安定した人気基盤を獲得していたBEGIN、一時期毎年のように枠を確保していたこともあった秦基博スキマスイッチスガシカオ福耳といったオーガスタ系アーティスト、そして高校野球中継のテーマソングといえばこの人!という西浦達雄等々…と、若手からベテランまでが集結し、それぞれに彩りを添えています。

 そんな中で個人的にピックアップしたいのは「泣き声のようなサイレン/陽射し吸い込むダイヤモンド/この熱さだけはきっと忘れない」という歌詞から試合の光景が浮かぶ「Halation」(秦基博)、一発逆転への高揚感と試合終了の無常感をそれぞれに感じる「奇跡」「夏陰〜なつかげ〜」(スガシカオ)、選手の父親目線で描かれた「やさしさにかわるまで…」(西浦達雄)、甲子園出場経験のある実弟に材を採ったという、実感が伝わる応援歌「終わらない夏」(我那覇美奈)。直接的であれ間接的であれ、それぞれのフィールド、それぞれの体温で放ったこれらの楽曲は夏の甲子園の映像にピッタリとハマっていました。また、普段はクロスしなそうな面々が一つのテーマで1枚のアルバムに収められる、というのはコンピ盤ならではの大きな魅力。各アーティストのカタログ市、という要素もしっかりと併せ持った作品だと思います。

 筆者も年を重ねて、子供の頃は憧れのお兄さん的な眼差しで見ていた高校球児達の年齢の倍ぐらいを今や生きてきてしまいましたが(笑)、一球に賭ける彼らの全力勝負の姿はいつの時代も輝いて見えるもの。明日より開幕の2016年大会も高校野球史に残る熱戦を期待したいと共に、そのお供に本作(と前作)を傍らに暑い夏を乗り切りたいと思っております。
 なお、本作発売後も毎年様々なアーティストによって「熱闘甲子園」テーマソング史は続いています。いつの日か初代からの全テーマソングを収めた「熱闘甲子園主題歌集・完全版」をCD3枚組ぐらいで出してもらえないかな…と、この季節になるといつも願っています(無理かな・苦笑)。

sasa0053 at 23:53コメント(0)トラックバック(0)今週の1枚CD Review その他 

2016年07月31日

battari19 2016年6月22日発売、2014年10月から翌年6月にかけて開催されたKANのピアノ弾き語り全国ツアー「弾き語りばったり」の模様を収録したライブアルバム。全15曲収録。

 「弾き語りばったり」はバンドライブツアーと交互して2005年より定期的に行われている単身弾き語りツアー。今回は「#19」とありますが、素数を好むKANの意向で「#1」「#2」(2005)「#3」「#5」(2006)「#7」(2008)「#11」(2009)「#13」(2010〜11)「#17」(2012〜13)とナンバリングを飛ばして今回は9ツアー目の開催。こういうことに拘るのが彼らしいといえばらしいですが(笑)、2008年に「#7」の公演がライブCDとして発売されており、本作は久し振りに発売された通算2作目のライブアルバムということになります。1作目は開催された全会場からのライブ音源で構成されていたのに対し、今回は全28公演行われた中から、北海道、愛媛、香川、福井、福島の五会場からのライブ音源を選りすぐって収録。曲順は各会場共通のセットリスト通りとなっているようです。

 選曲は元々弾き語りを前提としたイメージの「世界でいちばん好きな人」「東京ライフ」「君が好き胸が痛い」などに混じって、最初期の作品で本人が作詞を手掛けていない「GOOD NIGHT」、90年代中盤の作品からは弾き語りでこれやるんだ、と思わせた(笑)「ひざまくら」など、結構変化球もあり。中でもツアー中に発売されたシングル「桜ナイトフィーバー」はオリジナル音源のディスコ風から一転、哀愁漂うピアノバージョンとして演奏され、この曲こういう表現方法もあったのか!と驚かされた次第。また中盤ではビリー・ジョエルの「Laura」、秦基博の「アイ」のカバーも披露されていますが、違和感なく完全にKANのステージの中に溶け込んでいる印象です。弾き語りという形ながら「よければ一緒に」「愛は勝つ」が登場する終盤ではバンドツアー同様オーディエンスが盛り上がっている様子も感じ取れました。

 本作はライブ演奏に特化しており、彼特有のフザけた(褒めてます・笑)MCはまったく収録されていませんが、ベストテイクを選りすぐったこともあり、前作よりも演奏のクオリティも高く、やはりKANはピアノ上手いな〜、と改めて認識した1枚。ライブアルバムなのでコアファン向けの要素もありますが、ベストを聴いたぐらいのKANライトリスナーにもお薦めできる作品だと思いました。

sasa0053 at 14:46コメント(0)トラックバック(0)CD Review カ行 

2016年07月24日

kppbest 2016年5月25日発売、きゃりーぱみゅぱみゅ初のベストアルバム。CD2枚組全24曲収録の通常盤、+トータルプロデュースを手がける中田ヤスタカによるセルフミックスCD+DVDが付属の「超限定リアルお顔パッケージ」と名付けられた初回限定盤の2パターンでのリリース。本エントリーでは通常盤のレビューとなります。

 2011年のCDデビューから早5年(もうそんなに経ったのか!)。本作はそれを記念したベストアルバムとなっており、「つけまつける」「ファッションモンスター」「にんじゃりばんばん」「もったいないとらんど」等々、CDメディアでリリースされたシングル曲を全曲、さらに「きゃりーANAN」「トーキョーハイウェイ」など、これまでに発売されてきた各アルバムからの収録曲も交え、未発表曲「5iVE YEARS MONSTER」も収録するなど、彼女の活動の軌跡の美味しいところどり、取りこぼしなしのまさにベストアルバムのお手本のような作品。なお、曲目はリリース順というわけではなく、結構時期が前後したりしています。

 さて、彼女の曲の特徴といえば可愛い雰囲気のトラック、中毒性の高いメロディー、そしてあまり深い意味のなさそうな歌詞…という3点。まあこれに加えてインパクトの大きいMVなどの視覚的効果も合わせて彼女の作品なのでしょうが、CDで聴くには映像がない分、だいたい似たような雰囲気の曲が多い…と感じてしまうのは仕方のないところでしょうか。今回はベストということもありキラーチューン満載な点を考慮したのか、CD2枚組ながらDISC 1は45分、DISC 2は48分と控え目なボリュームとなっています。確かにこれをCD1枚70分以上聴かされるとさすがに辛い(苦笑)のですが、ディスク毎に時間を置いて聴けばその問題(?)もある程度は解決。そういう意味ではCD2枚組にした利点が活かされていると思いました。

 何度も彼女のレビューで書いてはいるのですが、本作収録のノリで今後も活動を続けるのはさすがに年齢的にもキツい…と思います。ただ、前作以降に発売された作品群は若干毛色の違うマイナーなノリの曲も散見されるので、ちょっと違ったアプローチを試しているのかもしれません。まあどう転んでも色々な意味で(笑)今後もリスナーとして気になる存在であることは間違いないかな、と。

sasa0053 at 16:48コメント(0)トラックバック(0)CD Review カ行 
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