2017年05月21日

suchmosthekids 2017年1月25日発売、Suchmosの2ndオリジナルアルバム。「STAY TUNE」「BODY」(EP「LOVE & VICE」収録曲)、「MINT」「DUMBO」(EP「MINT CONDITION」収録曲)を含む全11曲収録。初回限定盤には昨年秋に行われたライブツアーの映像を収録したDVDが付属。

 発売後にHondaのCMソングというタイアップが付き、今年は某国際大会でのCM中などにも大量オンエアされた「STAY TUNE」が気に入って初めてSuchmosの作品を手に取りました。彼らはボーカル、ベース、ギター、ドラムス、キーボードにDJという六人組バンド。2013年結成、本作を含めて2枚のオリジナルアルバムと3枚のEPをSPACE SHOWER MUSICよりリリース。今年4月末にはソニー・ミュージック・レーベル内にプライベートレーベル「F.C.L.S.」を設立した、とのことです。

 前置きが長くなりました(苦笑)。彼らの音楽ジャンルについては諸説あるところのようでここでは触れませんが、現時点で一番知名度が高い「STAY TUNE」のキャッチーさに比べるとアルバムリード曲の「A.G.I.T.」を筆頭にあまりポピュラーに寄せた楽曲は少なく、敷居は若干高いですが、一度嵌まれば癖になりそう、という中毒性という意味では、誤解を恐れずに書くならば「コア層の音楽ファン向け」といった雰囲気が全体を占めているように感じられます。メンバー各自の技量を活かした演奏で何となく良い聴き心地…で終わってしまいそうなところがそうはならないのはその歌詞で、「TOBACCO」「DUMBO」「SEAWEED」など、世相を皮肉ったような、何となく心に引っ掛かりを残す若干毒っ気(?)のある作風がアクセントになっていると思います。

 筆者の嗜好としては、元々ベタ寄りなものが好き(笑)ということもあり、彼らに関しては興味はあるけれど嵌まるまでは…というのが正直な感想。とはいえ、こういったタイプの音楽がヒットシーンを賑わすのは面白い傾向だな、と。

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2017年05月14日

hiraistill 2016年7月6日発売、平井堅通算9枚目のオリジナルアルバム。シングル「告白」「グロテスク feat.安室奈美恵」「ソレデモシタイ」「おんなじさみしさ」「君の鼓動は君にしか鳴らせない」「Plus One」「TIME」「魔法って言っていいかな?」、配信シングル「桔梗が丘」を含む全14曲収録。初回限定版には収録曲のMV等が収録されたDVDが付属のスリーブケース仕様。また、同年12月14日には20周年記念ライブの模様を全曲収録したBlu-rayまたはDVDが付属の「〜Deluxe Edition -Special Limited Package-」としてもリリースされています。

 前作より約5年振りという久々のオリジナルアルバムですが、その間にはコンセプトカバーアルバム「Ken's Bar III」を挟んだり、安室奈美恵とコラボした「グロテスク」や、奇抜なインド人衣装で話題を呼んだ(笑)「ソレデモシタイ」など、シングルリリースに関しても話題作りを行うなど積極的に活動していた感のある平井堅。本人がインタビューでも語っていますが、本作は「5年間の闘いの軌跡を刻んだアルバム」とのことで、前作以降にリリースされたシングルタイトル(両A面含む)を全曲収録、既にタイアップソングとして発表されていた「Missionary」「ON AIR」に加え、まっさらの新曲が3曲という、ハーフベスト…というよりセミベスト的な5年間の活動を集約したかのような内容に。

 かつてのR&B隆盛期に同路線の男性シンガーとしてブレイクを果たした、という経緯は皆さんもご存知のところ。その後は2ステップだったり、壮大なバラードだったり、洋邦楽問わずのカバーだったり、歌謡曲ライクなポップスだったり…と、良く言えばジャンルに捉われない、悪く言えば節操がない…(笑)というある意味独自の路線を突き進んでおり、それはここ数作のオリジナルアルバムでもその傾向が顕著だと思うのですが、本作収録のシングルも哀愁漂う「告白」、ノスタルジックな「おんなじさみしさ」、EDMライクな「Plus One」、生バンド+オーケストラの「TIME」、平井堅印の王道バラード「魔法って言っていいかな?」等々に加え、新曲群もコミカルでシニカルな「かわいいの妖怪」、若手ミュージシャンを招きキレのある演奏を聴かせる「驚異の凡才」、かと思えばラストにはスタンダードな直球ポップス「それでいいな」を配置するなど、まさに様々なジャンルがひしめく幕の内弁当状態。

 先述のインタビューでも語られているように、彼自身はミュージシャンではなくシンガーである、というスタンスのようで、音楽性に関しては雑食というイメージを受けるのも納得。一方で彼のボーカルがオケなりトラックなりに乗ることで「完全に平井堅ワールド」になる、という歌い手としての技量には圧倒されます。まさに「歌バカ」な彼の世界を堪能すべし、という好盤。シングル曲があまりに多い点はオリジナル盤としてはどうかな?という思いもありますが、彼の2012〜2016年の足跡がこのアルバムに詰まっている、という意味で、昔は良く聴いてたけど最近は…というリスナーにも再入門編(?)としてうってつけの1枚だと思います。

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2017年05月07日

getwildsongmafia 2017年4月5日発売、TM NETWORKの代表曲「Get Wild」のリリース30周年を記念したコンピレーションアルバム。CD4枚組全36曲収録。

 オリジナルバージョンを起点にリミックス、リプロダクション、リメイク、ライブ音源、更にはカバー等々、この30年の間に数々の複数バージョンを生み出した「Get Wild」。本ブログでも本作発売直前の「CD Review Extra」で特集記事を書いてしまったほどです(笑)。TM関連のコンピ盤は数あれど、同一曲のコンピをCD4枚使って企画してしまうそのアイデアにまず脱帽。そのCD内容ですが、DISC1〜3はTM名義でリリースされた「Get Wild」の各バージョンを時系列順に計21曲収録。DISC4は他アーティストによるカバーバージョンをこちらも時系列順に11曲、その後は小室哲哉自身の手によるものをはじめ、本作初出となるリミックスバージョンを4曲収録となっています。

 各ディスク毎のかいつまんでの感想を。DISC1は1987年のオリジナルからTMNリニューアル、TMN「終了」、TM NETWORK再始動を経て、2003年のEPICレーベル25周年記念ライブバージョンまで、すべてSONY音源の計10曲。オリジナル版、「〜'89」「〜DECADE RUN」と、主要スタジオ音源が固まっておりバリエーションが最も豊富なのはこのディスク。ライブ音源ではハードロック期のライブにあたる「“RHYTHM RED TMN TOUR” Version」(1991年)が出色。また1994年の東京ドームファイナルライブでの「“TMN final live LAST GROOVE 5.18” Version」のスケールの大きさにも圧倒されます。

 DISC2はデビュー20周年時の「“DOUBLE-DECADE “NETWORK”” Version」を皮切りに、R&C時代のライブ音源、avex移籍後のライブ音源、2014年のセルフ・リプロダクションアルバム「DRESS2」に収録の「Get Wild 2014」、同年のライブツアー「“30th 1984〜 QUIT30” Version」まで。全8曲中7曲がライブ音源。トランス風味あり、強く生バンド色を出したものもあり、EDM全開のものもありと多種多様。そしてDISC3は2014〜2015年のライブツアー音源2曲にスタジオ盤「Get Wild 2015 -HUGE DATA-」の全3曲…にして収録時間60分近くという恐ろしい長さ(笑)。この辺りになると歌よりイントロ、間奏、アウトロのほうが圧倒的に長くてもう何の曲聴いてるんだか…という感覚に陥ってしまうのが正直なところ(苦笑)。

 残るDISC4は各種カバー音源。作詞を担当した小室みつ子版、小室のユニットglobe版、個人的にイチ推しなH ZETT Mによるインスト版などを収録。演奏形態はそれぞれ異なるものの、原曲や「〜'89」辺りを比較的尊重したアプローチの曲がほとんどで、TMのライブバージョンがいかに原型を留めず弄りまくりというのが却って浮き彫りになる形に(笑)。ラストの新規音源群にはTMN期に一時期関係のあった石野卓球によるリミックス、小室がavexとの関係を築くきっかけになった英語詞アルバム「TMN SONG MEETS DISCO STYLE」を手掛けていたDave Rodgersの手による新規リミックスなども収録。

 いちTMファンとしては、これらの音源よりも歌詞ブックレットの体裁でのTM三人への座談会的なインタビューが面白かったです。「Get Wild」にまつわる話がメインではありますが、30周年時の精力的な活動を終えての感想や、次にもしTMが動くとしたら?といった話題が彼ら自身の言葉で語られているのは読み応えがありました。
 発売直後にDISC3の収録曲にミスが発覚し回収騒動になるなど、意外な形でも話題になったからか、思ったよりもセールス的にも結果を出してしまった(笑)本作。コアなTMファンはまだまだ潜伏し続けているようです。先述の「CD Review Extra」でも書きましたが、TM史上初となるレーベル超えコンピが実現した今、これを足掛かりにいずれオールタイム・ベストを出せるようになれれば…と淡い期待を筆者は抱いております。

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2017年04月30日

chage2016tour 2016年12月14日発売、Chageとしては初のリリースとなるライブアルバム。同年の8〜9月にかけて開催された同名ライブツアーの最終日・9月16日豊洲PITでの公演をアンコールの最後の曲以外(その曲が近日発売されるニューシングルだそうです)をCD2枚組で収録した全17曲。

 6名のバンドメンバーを引き連れてChageが臨んだ本ツアーは、最新アルバム「Another Love Song」から6曲中5曲を演奏。また一年前のアルバム「hurray!」も含めそれ以前のソロ作品、さらにチャゲアスやMULTI MAXの楽曲のセルフカバー、石川優子とチャゲ名義の「ふたりの愛ランド」などを約2時間にわたって惜しみなく繰り出す「ベスト・オブ・Chage」的な内容。MCもある程度は収録されており、彼の軽妙なトークに導かれて大体のライブの流れが掴めると思います。バンドの演奏もさすがに安定。特に曲によってはChageとツインボーカル状態になるコーラス・石橋優子の存在感が大きく、「SOME DAY」など、その歌声で楽曲の色合いを広げていたのは好印象でした。

 また、2015年のライブツアーの時はチャゲアス楽曲をかなり多めに披露していたそうなのですが、今回はスタジオ盤でのセルフカバーが既出の「夏の終わり」「ロマンシング ヤード」「NとLの野球帽」の3曲、ファン人気の高い「Reason」に加え、何とアンコールでは「YAH YAH YAH」を演奏。Chageパートのハモリ部分を自身が歌い、会場に集まった大勢の観客にメイン部分(つまりASKAパート)に歌ってもらうというサプライズが。ASKAとは既に同じ事務所所属ではなく、近年の騒動もありましたが、歌詞ブックレットには「作詞・作曲:飛鳥涼」とクレジットされたこの曲が無事にこのライブアルバムに収録されたのは嬉しい限りです。

 ソロ作品を中心に、チャゲアスやMULTI MAXも含めてこれまでのChageのキャリアを総括したかのようなセットリスト。DISCも1枚各約1時間弱と聴きやすくなっており、ライト層にもお薦めのライブアルバムです。

sasa0053 at 13:13コメント(0)トラックバック(0)CD Review タ行 

2017年04月22日

yuzuextra 北川悠仁、岩沢厚治によるフォークデュオ・ゆず。1997年のインディーズデビューから今年で活動20周年を迎え、来たる4月26日には数々のヒット曲を収録した3枚組オールタイム・ベストアルバム「ゆずイロハ 1997-2017」の発売も迫ってきました。今回の「CD Review Extra」では、これまでに彼らがリリースしてきたベストアルバム4作品を1作ずつレビュー。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

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2017年04月15日

hatamovie 2016年11月8日より各種配信サイトにて配信開始された、秦基博の配信限定ミニアルバム。全6曲収録。配信限定なので厳密には「CD Review」とは異なりますが、その辺りのカテゴリー分類に関してはご容赦を。

 秦基博のメジャーデビュー満10周年を迎えた当日にリリースの本作は、彼の楽曲が主題歌として起用された過去10年間の作品を6曲収録。先行して発売されたシングル「70億のピース」の両A面曲「終わりのない空」、そして2013年にシングルのカップリングとしてリリースされた大江千里のカバー「Rain」がミニアルバムという形では初収録…という配信開始当時のトピックがあったのですが、その後のプレスリリースで今年の6月に全シングル曲+α収録のオールタイム・ベストアルバムの発売が告知され、「終わりのない空」は通常盤のほうに、「Rain」は楽曲を絞った「初回限定はじめまして盤」のほうにボーナストラックとして収録される、という発表があり、本作が一気に微妙な立場になってしまった感もあります(苦笑)。

 とはいえ、選ばれた6曲は今や頭ひとつ抜けた代表曲となった「ひまわりの約束」、ロック調の「Q&A」、ストリングスバラードの「水彩の月」、ミディアムの「虹が消えた日」と、様々な曲調のナンバー。映画主題歌を集めてみました、ということなので結果的にではありますが、全6曲ながら秦基博の楽曲スタイルをバランス良く手軽に聴けるのは魅力的。また、ベストアルバム「のようなもの」はいくつか過去に出してきた彼ですが、どれもライト層には敷居が高い点が否めなかったのに比べると、本作は「ちょっと秦基博を聴いてみようかな」というリスナー向けの手引きにはなるんじゃないかな、とは思います。

 なお、本作配信後に映画「しゃぼん玉」の主題歌として「アイ」の弾き語りバージョンが、そしてドキュメンタリー映画「FOR REAL -ベイスターズ、クライマックスへの真実。-」の主題歌として「青」がそれぞれ起用されました。もう少し配信の時期をずらせばこれらの曲も収録された8曲入りになったのでしょうかね。であれば、タイミング的にちょっと惜しかったかなぁ、と(笑)。

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2017年04月09日

KANRINA 2017年3月15日発売、KANのキャリア初となるセルフカバー・アルバム。全11曲収録。

 KANのデビューは1987年4月。一般的には30周年として今月からアニバーサリーイヤーが始まりそうなものですが、素数を愛するKANは昨年4月からを「芸能生活29周年記念 特別感謝活動年」と名付けて(笑)バンドライブ、弾き語りライブ、同ライブアルバムのリリースなどを精力的に一年間こなしてきました。そんな29周年を(多分)締めくくる最後の作品は、KAN自身の編曲により、ストリングスカルテットを招き、四重奏+ピアノ+ボーカルによる室内楽的なセルフカバー・アルバム。冒頭にインスト「Menuett fur Frau Triendl」(CD帯にある「書き下ろし新曲」とはこの曲)、中盤にビートルズのカバー「Here,There and Everywhere」を配置し、「愛は勝つ」「まゆみ」の二大ヒット曲に加え新旧シングル曲、アルバム曲を9曲選曲という構成になっています。

 アレンジの方向性は、元々原曲の時点でストリングスの主張の強い「世界でいちばん好きな人」「CLOSE TO ME」「いつもまじめに君のこと」「まゆみ」などはそのフレーズをさらに追加・拡大したイメージ、もうひとつは「月海」「愛は勝つ」「星屑の帰り道」など、原曲にないストリングスフレーズを新たに練ったり、他の楽器が担当していた部分を四重奏で演奏したり、と大きく分けて2つ。近年(といっても10年ぐらい前ですが…)の作品では「キリギリス」「彼女はきっとまた」というまさか今回選ばれるとは…と驚かされた(笑)曲もピックアップされているのですが、ダジャレや物まねが飛び出すこれらの曲も上品にリアレンジされていてひと安心(?)。

 かつてのインタビュー記事で、ある自作曲用にブラスとストリングスの譜面を書いた時に「これだけメロディーにカウンターフレーズをぶつけられるのは作曲者しかいない」という主旨の褒め言葉をアレンジャーにもらった、ということをKAN本人が話していましたが、本作もまさにそれ。歌メロにつかず離れずのストリングスフレーズが絶妙なのは今も昔も変わらないな、と、彼のアレンジ能力の高さを改めて実感した作品になりました。また、KANの詞世界はあくまで一対一のミニマルな状況が基本(「愛は勝つ」は例外中の例外)なので、ストリングスオーケストラを大々的に従えて歌うより、中編成カルテットぐらいの規模で歌ったほうが楽曲にも説得力が増すと思うので、この編成はなかなか良いですね。欲を言えば「東京ライフ」や「Songwriter」など、彼の人生を歌った曲のカルテット版も聴きたかったところ。

 ある程度シングル曲が収録されているとはいえ、選曲が若干マニアックなのでライト層に向けられてはいませんが、コアなファンの筆者としては概ね満足の内容でした。あとはできれば歌入りの新曲を…というのは彼の制作ペースを考えれば高望み…でしょうかね(苦笑)。

sasa0053 at 18:25コメント(0)トラックバック(0)CD Review カ行 

2017年04月01日

getwildanalog 1987年4月8日、TM NETWORKのブレイク作にして代表曲「Get Wild」がEP盤レコードとして世に放たれてから今年でちょうど30周年。それを記念してかつて所属のSONYからは12インチアナログレコード盤、現在所属のavexからは「GET WILD SONG MAFIA」なるコンピレーションアルバムが今月それぞれ発売されるなど、思わぬ形で(笑)Get Wild界隈が賑わっている模様です。
 その流れに便乗して、今回の「CD Review Extra」では、TM NETWORK名義でスタジオ録音されて世に出た、様々なアレンジの「Get Wild」全9バージョン+αをリリース順に解説いたします。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

sasa0053 at 17:38コメント(0)トラックバック(0)CD Review ExtraCD Review タ行 

2017年03月26日

deen2016 2017年3月22日発売、昨年11月23日に開催されたDEEN通算9度目の武道館公演の全曲を収録した完全生産限定盤のDVD2枚組。同内容をディスク1枚に収録し、ライブから抜粋した2枚のCD、更にフォトブックを付属したBlu-ray盤との同時発売。

 DEENの23年の歴史の中で初の「バラードライブ」として、ダブルのストリングスカルテットや大勢のコーラス隊を従えた本公演。DISC 1は本編、DISC 2はアンコール+特典映像という普段通りのフォーマットながら、今回は演奏各ブロックの合間に当日のメンバーの会場入りやリハのシーン、ライブ後に撮影されたメンバー一人一人のインタビューを挿入した、かつてのビーイング時代末期にリリースされた「on&off」を彷彿とさせる構成。筆者はこの公演は不参加だったので、当日の会場の熱気みたいなものはまったく分からないのですが、自宅で2時間バラードライブをぶっ続けで鑑賞…というのは正直キツイとも思っていましたので、武道館でバラードライブを敢行する意気込みや、ソロ曲を演奏するにあたっての解説がインターバル的に差し込まれるこれらの映像は良い案配でした。

 本編で披露された曲は普段から演奏されている鉄板バラードに加え、直前に発売された最新シングル「記憶の影」、フルバンド演奏では初の映像化となる「愛の鐘が世界に響きますように…」「さよなら」、超レア曲「Long Distance」「君去りしクリスマス」、また生ストリングス有りのキセキバージョンでの「夢であるように」、バラードベストバージョンに近いアレンジの「瞳そらさないで」など、変化をつけつつの全20曲。転じてDISC 2のアンコール以降はキャイ〜ンとの新ユニット・KYADEENの「遊びに行こう!」「ひとりじゃない」「君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている」といったアップテンポナンバーを固めてガラリと雰囲気をチェンジ。最近池森もMCが面白くなってはきましたが、キャイ〜ンの二人はさすがプロの話術で武道館を一気に暖めてくれた感じ。構成的に二部にしたり、ラストの定番挨拶もWアンコールが終わってからなど、通常ライブとは異なる「スペシャル感」は例年の武道館公演よりも感じることができました。せっかくストリングスの大所帯がいるのにあの曲を何故やらない!という不満も少しはありましたが…(苦笑)。

 特典映像は「上海ロックスター スペシャル独占インタビュー」。…とは言っても、上海ロックスターがどこかの中華屋で料理を目の前に今回の武道館に呼ばれなかった経緯を説明する、というホントにオマケ的な4分弱の内容。今回はドキュメンタリー部分が本編と一体化しているのでせめてものサービス、といったところでしょうか。まあこれはあってもなくても、ということで(笑)。

sasa0053 at 21:48コメント(0)トラックバック(0)DVD Review 

2017年03月19日

uechi48 2016年8月3日発売、BEGINのキーボーディスト・上地等の初のソロアルバム。地元石垣FM番組のテーマソング「熱帯楽園島」、SIONのカバー「がんばれがんばれ」を含む全10曲収録。

 現在は本体とは別に、三人のメンバーそれぞれのソロ活動も並行して行われているBEGIN。上地等はこれまで楽曲提供やプロデュースワークなどを務めてきましたが、今回はアルバムジャケットの写真撮影を担当した比嘉栄昇や周りのスタッフに勧められて、人生初のソロアルバムを制作することになった、という経緯がインタビューで語られています。内容は先述のカバー1曲以外の9曲はすべて作詞作曲(1曲はインスト)、編曲も共同クレジットも含めて自身が手掛けており、上地のシンガーソングライターとしての側面を表に出した作品になっています。

 元々上地はBEGINのアルバムでも早い段階(1991年の3rdアルバム)でボーカリストデビューはしており、その後も90年代中盤ぐらいまで、そして00年代半ばあたりからはアルバム毎にギターの島袋優共々ボーカルを務める曲を収録しているので、アルバムまでチェックするBEGINファンならば上地の歌声、というのはある程度浸透していると思われますが、やや高めで真っ直ぐにして癖のない歌声は、比嘉とは好対照。楽曲も三線を取り入れたインストの「蝉の鳴く夜」以外は基本的にピアノやアコーディオンを中心に据えたアコースティック編成で、ボーカル・アレンジも含めてブルースや島唄色といったBEGINのサウンドからは距離を置いた聴き心地。

 また、「大人世代に向けての応援歌集」というテーマで制作されたそうで、人生の決意表明的な「回遊者」、ノスタルジー溢れる「俺たちの草野球」、旧友との酒盛りソング「軽く一杯」など、歌詞は全体的に自叙伝風。自宅で飼っているウサギへのラブソング「栗色の月」BEGINの最新アルバムに収録の「俺は嫌って言う」(比嘉作品)の意匠返しのような「俺は好きって言う」などのコミカルな曲もあり、見渡すと確かに応援歌的な曲は多いのですが、熱い声援を同世代に!というわけではなく、「レモンチューハイ」を筆頭に肩の力を抜いて「色々あるけどお互い頑張ろうな」という緩く温かいメッセージは伝わってきました。

 タイトルの「48」は本作品リリース時点での上地の実年齢。そんな彼の作風は年相応…よりも結構若く(年の積み重ねをあまり音に出さずポップでライトな方向)癖もないので聴きやすい一方、耳当たりが良くてスッと通り抜けてしまう面もあります。地味ではありますが、何回か聴くうちに染み渡ってくる作品でした。

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