2016年07月24日

kppbest 2016年5月25日発売、きゃりーぱみゅぱみゅ初のベストアルバム。CD2枚組全24曲収録の通常盤、+トータルプロデュースを手がける中田ヤスタカによるセルフミックスCD+DVDが付属の「超限定リアルお顔パッケージ」と名付けられた初回限定盤の2パターンでのリリース。本エントリーでは通常盤のレビューとなります。

 2011年のCDデビューから早5年(もうそんなに経ったのか!)。本作はそれを記念したベストアルバムとなっており、「つけまつける」「ファッションモンスター」「にんじゃりばんばん」「もったいないとらんど」等々、CDメディアでリリースされたシングル曲を全曲、さらに「きゃりーANAN」「トーキョーハイウェイ」など、これまでに発売されてきた各アルバムからの収録曲も交え、未発表曲「5iVE YEARS MONSTER」も収録するなど、彼女の活動の軌跡の美味しいところどり、取りこぼしなしのまさにベストアルバムのお手本のような作品。なお、曲目はリリース順というわけではなく、結構時期が前後したりしています。

 さて、彼女の曲の特徴といえば可愛い雰囲気のトラック、中毒性の高いメロディー、そしてあまり深い意味のなさそうな歌詞…という3点。まあこれに加えてインパクトの大きいMVなどの視覚的効果も合わせて彼女の作品なのでしょうが、CDで聴くには映像がない分、だいたい似たような雰囲気の曲が多い…と感じてしまうのは仕方のないところでしょうか。今回はベストということもありキラーチューン満載な点を考慮したのか、CD2枚組ながらDISC 1は45分、DISC 2は48分と控え目なボリュームとなっています。確かにこれをCD1枚70分以上聴かされるとさすがに辛い(苦笑)のですが、ディスク毎に時間を置いて聴けばその問題(?)もある程度は解決。そういう意味ではCD2枚組にした利点が活かされていると思いました。

 何度も彼女のレビューで書いてはいるのですが、本作収録のノリで今後も活動を続けるのはさすがに年齢的にもキツい…と思います。ただ、前作以降に発売された作品群は若干毛色の違うマイナーなノリの曲も散見されるので、ちょっと違ったアプローチを試しているのかもしれません。まあどう転んでも色々な意味で(笑)今後もリスナーとして気になる存在であることは間違いないかな、と。

sasa0053 at 16:48コメント(0)トラックバック(0)CD Review カ行 

2016年07月17日

goingbox 2016年7月現在、松本素生(Vo&G)、中澤寛規(G)、石原聡(Ba)の三人で活動しているGOING UNDER GROUND。伊藤洋一(Key)、河野丈洋(Dr)の脱退を経て、ここ数年はインディーズ流通での販売を続けてきましたが、来月に発売となる約2年半ぶりのニューアルバムはかつて所属していた古巣・ビクターからのリリースが決定。
 そしてこれは個人的な話ですが、2014年12月末に発売のビクター時代の音源ボックスセット「THE BOX」を最近ようやく入手、というタイミングもあり(?)今回の「DVD Review Extra」ではそのボックス内のMV集DVD「Music Video Collection」収録の全26曲をレビューいたします。「続きを読む」からご閲覧ください。続きを読む

sasa0053 at 23:56コメント(0)トラックバック(0)DVD Review Extra 

2016年07月10日

deenbutterfly 2016年6月1日発売、「Summer Special Album」と銘打たれたDEENの企画アルバム。全11曲収録。CDに加えて初回生産限定盤Aには昨年夏のライブツアー公演を収録のBlu-ray、初回生産限定盤Bには今年春のビルボード公演を収録のライブCDがそれぞれ付属。今回ご紹介するのは初回生産限定盤Aとなります。

 夏をテーマにしたコンセプトアルバムは2010年の「クロール」以来。それ以前にも四季をテーマに展開したマキシシングル「classics」シリーズもありましたが、本作はこれまでの「夏=アコギで爽やかリゾート気分」的な路線から外れ、スカバンドSKAFF-LINKSのメンバーをレコーディングに招いての「DEEN de SKA!」とのことで、DEENにとって初めての取り組みとなるスカサウンドに挑戦。普段はライブメンバーと共にレコーディングを行う彼らですが、今回はSKAFF-LINKSがアレンジも含めて全面的にフィーチャリングされ、トランペットやトロンボーン、各種サックスがほとんどの曲で大活躍するという、通常のアルバムとは完全に雰囲気が異なるサウンドが新鮮です。

 本作の目玉はDEENの代表曲3曲、著名カバー2曲のスカアレンジによる新録音。前者は「ひとりじゃない」「Smile Blue」がSKA Style名義で大胆にアレンジ変更、「coconuts」はfeat.butterflyとクレジットされ原曲の引用部分と一部歌詞が変更のマイナーチェンジ。後者は「真夏の夜の夢」(松任谷由実)は比較的原曲に沿ってスカ風味に、「風になりたい」(THE BOOM)はかなりテンポを落としたビートでリアレンジされるなど、様々なタイプでのアプローチが展開。これらと比較するとオリジナルの新曲6曲は小粒な点が否めませんが、久々のAOR風ミディアム「アマルフィ」や田川伸治、上海…ではなく(笑)山根公路の各ソロ、近年のアルバムの締めでは定番の王道バラード「ひまわり」などを取り揃えた盤石の内容でファンも納得の構成ではないでしょうか。「クロール」は避暑地でまったり聴きたい雰囲気でしたが、本作は晴天の海岸沿いをドライブがてら聴いてみたい作品ですね。

 Blu-rayは昨年8〜9月にかけて開催されたライブツアー、DEEN LIVE JOY-Break 19 〜全開恋心!!〜の開幕公演となったZepp Tokyoでの2Daysの2日目、8月29日の模様を全曲ノーカットで収録。初日に観に行った筆者の感想はこちら(収録日とは日替わり楽曲に違いがあり)。当時の最新アルバム「全開恋心!! 〜Missing You〜」から全曲+シングルカップリング曲をフルコーラスで演奏することに重きを置き、定番曲やアコースティックコーナーでの楽曲が日替わり、あるいはメドレーなどで簡略化されるなど、レコ発ライブに相応しい内容で、MCはおろかエンディング部分もほぼカットされてしまったのが残念ではありますが、従来のマンネリを打破する意欲も感じられ、コアなファンほど嬉しい内容。記録映像を残す、という意味でも、これからも最低限、ニューアルバムを引っ提げたツアーではこれぐらい新作を全面に押し出して欲しいものです(苦笑)。

sasa0053 at 22:04コメント(0)トラックバック(0)CD Review タ行DVD Review 

2016年07月03日

yuzutowa 2016年1月13日発売、ゆず通算13枚目のオリジナルアルバム。シングル「OLA!!」「終わらない歌〔Album Version〕」、配信限定シングル「ポケット」「かける」「TOWA」を含む全14曲収録。初回限定盤としてライブCD+ドキュメントDVD+フォトブックを同梱した「COMPLETE BOX」も同時発売(本編CDの収録曲は同一)。

 公式特設サイトによれば、「これから世の中に出ていく新曲たちを、まずライブでファンの皆さんに聴いてほしい」ということで、収録曲をツアーで先行披露してからのアルバムリリースという流れだったそう。そんな本作ですが、「LAND」「新世界」と続いてきた賑やかなミュージックパーク的な雰囲気は引き続き継続。ゆずとの共同名義で前山田健一、蔦谷好位置、CHRYSANTHEMUM BRIDGE、そして寺岡呼人が各曲にサウンドプロデューサーとして参加しており、新旧の関係者が会したここ数年の路線の集大成的な印象も。

 アルバム収録曲はデジタルミュージックに接近した「かける」「TOWA」、オーケストレーションを導入した「みそら」、アコースティック+αの「いっぱい」「夕焼け雲」、バンドサウンドで固めた「た Ri ナ ぃ」「二人三脚〔Album Session〕」、アルバム中盤で登場するお馴染み(?)の「Interlude」など、相変わらずのバリエーションの広さの中、久々に原点たる二人のみの弾き語りフォーク調で締める「終わりの歌」が妙に新鮮…というのが如何に近年のゆずが攻めの姿勢を崩さない、というのを象徴している気もしました(笑)。

 ロックバンド路線、ストリングス路線、そしてEDM風など、弾き語りだけではない可能性を次々と試しサウンドを磨いてきた彼ら。これらはほとんど実を結び、「何をやってもゆず」という下地が既に出来上がりつつある昨今、先ほども書きましたが本作はまさにその集大成的なアルバム。果たして次の一手はどう来るのか、音楽性が変わりまくって興味の尽きないベテランというのも珍しいですが(笑)楽しみにしていたいと思います。

sasa0053 at 13:09コメント(0)トラックバック(0)CD Review ヤ行 

2016年06月25日

d-pro 2016年5月18日発売、Being/GIZAの新規プロジェクト「d-project」始動第1弾作品としてリリースされた、ZARDとのコラボレーションアルバム。全14曲収録。本作のオフィシャルページはこちら。

 「d-project」とは、長戸大幸プロデューサーのもと、GIZAの作家陣や若手クリエイター達が集結して楽曲重視の質の高い作品を送り出そうと始まったプロジェクト、とのこと。本作に関してはZARDの代表曲をオリジナル曲の制作やライブに関わった徳永暁人、大賀好修、岡本仁志らに加え、若手アレンジャー、ミュージシャンの手によってリアレンジ。これに坂井泉水のオリジナル音源のボーカルを加え、「ZARD」の作品として成り立たせた新規録音アルバム、と呼んでもいいでしょう。
 アレンジャーだけでも13名が各曲に参加、コーラスとして起用されたボーカリストも男女問わずに複数クレジットされていますが、中でも目を引くのが「Guest Vocal」とクレジットされた大黒摩季。彼女といえばビーイング離脱時に色々と揉め事があったらしく、その後の非公式アルバムや某ライナーノーツでは散々暴露記事を晒され続けてきましたが、昨年あたりからまたビーイングとは交流が復活し、直近のニュースではビーイング復帰が決定。そんな流れでなのか本作にも14曲中11曲にボーカルとして参加。坂井の主線に寄り添うようにハモったり、時に単独でメインフレーズを歌い上げたりと、積極的に本作に携わっています。そのボーカルはセールス全盛期のシャキシャキ感(?)から少しウェット気味な声に変わっていますが、「ああ、大黒摩季の声」といった感じで、長年の確執を経てビーイング作品に十数年ぶりに登場した彼女のボーカルを聴いて感慨に浸ることしばし。

 作品全体のニューアレンジの方向性としては、坂井泉水逝去後の一連の「ZARDの王道」をベーシックにしたリアレンジとは異なり、四つ打ちビートをメインとした公式ページの文章通り「ダンスロック」寄りのEDMに接近したサウンドで統一。選曲もZARDのヒット曲からノリの良い曲をピックアップしており、特に中盤の「雨に濡れて」「愛が見えない」「こんなにそばに居るのに」辺りは原曲のスピード感を別方向で現代風にパワーアップさせた感がある良アレンジ。他には曲中でラップが登場する「愛は暗闇の中で」、冒頭のピアノ独唱が新鮮な「Don't you see!」など適度なバリエーションもありつつ、かつての「時間の翼」の時の10周年記念リミックスのような長尺アレンジをしてしまった曲もなく、あくまで「ボーカルを重視しメインに据えた歌モノ」の体裁になっていたのにはひと安心(?)。ラストの「かけがえのないもの」は1コーラスが完全にインストでボーカルが2コーラス目から入る、という変則構成になっていますが、エンドロール的なアプローチということで、これはこれでアリかな、とも。

 プロデューサーであり中心人物であった坂井泉水が全くノータッチにも関わらず「ZARD」名義で発表された新作ということでは賛否を呼びそうな本作。筆者としては今年デビュー25周年を迎えての記念プロジェクトのひとつ、としての制作陣からの「トリビュートアルバム」として捉えて素直に楽しむことができました。

sasa0053 at 15:32コメント(0)トラックバック(0)CD Review その他 

2016年06月19日

magokoropttf 2015年10月7日発売、真心ブラザーズが設立した自主レーベル「Do Thing Recordings」からのアルバム第2弾となる、キャリア初のカバーアルバム。全11曲収録。初回生産分は紙ジャケ仕様。

 BSの音楽番組「The Covers」の出演をきっかけにスタートしたという今回の企画。1973〜1984年までに発表されヒットした昭和の女性アイドル歌謡曲をセレクトしており、彼らの少年〜青春時代に流れたであろう楽曲が揃っているようですが、選曲は彼らを含めたスタッフ一同が考え抜いたものらしく、特設サイトのインタビューによればYO-KING、桜井秀俊のどちらかしかリアルタイムで知らない曲もあるとのこと。そんな経緯もあり、原曲へのリスペクトをありったけ込め気合いを入れて…というよりも、真心ブラザーズ流の解釈で現代版バンドサウンドで甦らせてみました、という趣。ちなみに今回のバンドは前作と同様「Low Down Roulettes」(=真心二人+岡部晴彦+伊藤大地)の四人組で完全に固定ということで、全編統一感があり、加えて11曲中6曲で使用されたスティールギターの音が強く印象に残るサウンドに仕上がっています。

 さて、このカバーアルバム、一番新しい作品で1984年。筆者はその頃幼稚園ぐらいであり、今回の収録曲は半分ぐらいしか知らず、しかもほとんど後追いで他のアーティストがカバーしたものを聴いて知る、という経緯での出会いがほとんどだったので、オリジナルへの思い入れというものは正直言ってありません。なので真心ブラザーズによるカバーで女性の曲…という点でも、モロに女性言葉満載の歌詞をYO-KINGのあの独特な声で終始歌われるのはちょっとキツい…とという一点を除けば(苦笑)ほとんど抵抗なく聴くことができました。アルバムコンセプト上「女性アイドル歌謡曲」と一括りにしてはいますが、松本隆、大瀧詠一、筒美京平に細野晴臣、果ては吉田拓郎と、豪華な作家陣の手腕にも外れなし、といったところ。特に「早春の港」(南沙織/1973年)や「ゆ・れ・て湘南」(石川秀美/1982年)が気に入りました。後者などは原曲を知らなければ彼らのオリジナルと言われても納得してしまうような、真心っぽさが凝縮されたカバーと呼んでいいのでは、と思ったぐらいです。

 前述の特設サイトには 「アイドルブームに沸く現在の音楽シーンに、その礎となった名曲カバーで一石を投じる」「当時を知らない若い世代には(中略) 音楽との新たな出会いや発見になるであろう一枚」という、結構大仰な煽り文が掲載されてはいましたが、懐メロとして気軽に彼らの歌と演奏で過去の名曲を楽しむ、という意味で肩肘張らずに聴いてもらいたい作品ですね。

sasa0053 at 13:02コメント(0)トラックバック(0)CD Review マ行 

2016年06月12日

hataaof 2015年12月16日発売、秦基博の通算5枚目のオリジナルアルバム。シングル「ダイアローグ・モノローグ」「ひまわりの約束」「水彩の月」「Q&A」を含む全13曲収録。初回生産限定盤は特典DVDを同梱したデジパック+三方背BOX+歌詞カード兼用の32Pブックレット仕様。

 非シングル曲の自選ベスト企画アルバムを経て、オリジナルとしては前作「Signed POP」から約三年振りとなる作品。その間の2014年夏にシングル「ひまわりの約束」がヒットを記録し、彼の新たな代表曲としてすっかり根付いた感がありますが、アルバムレコーディング自体は2015年の年明けから開始されたということで、ヒットを受けての急ピッチの製作ではなくいつも通りの(?)マイペースなアルバム制作作業が進められたようで、リード曲的な「デイドリーマー」「ROUTES」を筆頭にアルバム用の新曲が9曲と、待たされただけのことはある(苦笑)佳曲が並ぶ構成となりました。

 本作の大きな売りは、ついに秦自身が全曲サウンドプロデュースまでを担当した、という点。これまでは日本のポップス界を牽引する大物プロデューサーやアレンジャーに楽曲の最終的な仕上がりを委ねていましたが、今回は完全にセルフプロデュース。ピアノバラードやロック色の強い曲は特にアルバムの新曲としては収録せず、浮遊感のある「嘘」「ディープブルー」、アダルトな「美しき穢れ」に対するような王道ポップスの「聖なる夜の贈り物」、さらには個人的お薦めなラテン風の「Fast Life」など、シングルA面では見せない秦基博の側面を纏めてみた、という感じ。アレンジ的にはどの曲も過剰には音を詰めず、サウンド面でのインパクトという意味では正直地味。ですが、派手さがない分耐久度が高いと言いますか、何回か聴くうちに楽曲の魅力に気がつく、という作風。カラフルさという意味では複数のアレンジャーが楽曲を彩った前作に分がありますが、アルバム1枚を通しての「芯」のようなものはこちらが一歩リードしているかな、という印象を受けました。本作も完成度の高いお薦めなアルバムですね。

 初回生産限定盤のDVDにはアルバムレコーディングと絡めてあらきゆうこ、皆川真人、鈴木正人との対談、2015年9月に青森で開催されたワンマンライブ「世界遺産劇場」のドキュメントやライブ映像で構成した「Behind of “青の光景”」、そして本作には収録を見送られたシングル「言ノ葉」のMVを収録。前者はアルバム制作の過程や演奏者から見た秦基博の人となりなどがインタビューから窺える興味深い内容。後者は完全なアニメーションで、映画「言の葉の庭」の内容を知らないと何これ?的な作品ダイジェストのようです。まあ、こちらはオマケということで。

sasa0053 at 15:27コメント(0)トラックバック(0)CD Review ハ行DVD Review 

2016年06月04日

kirorochild 2016年3月9日発売、Kiroroの通算3枚目のベストアルバムは、メンバー本人達が「子供に聞かせたい、子供と一緒に歌いたい楽曲」をセレクトした企画盤。今年公開のディズニー映画「アーロと少年」の日本版エンディングテーマとして新録された代表曲「Best Friend 〜Mother Earth Version〜」を含む、全11曲収録。

 近年のKiroroはメンバーそれぞれの産休を経て、育児との兼ね合いなのか非常にゆっくりとしたペースでの活動が続いており、本作はアルバム作品としては2006年の「キロロのいちばんイイ歌あつめました」以来実に10年ぶりのリリース。前作に引き続きベスト盤になってしまったわけですが、前作はファン投票による結果シングルコレクション的な編成だったのに対し、本作は前作以降のシングル「幸せの種 〜Winter version〜」「みんなあなたを愛してる」がアルバム初収録、「紅芋娘」「Wonderful Day」など、定期的に活動していた頃の終盤にあたるアルバム曲などもセレクトされており、前作とはそれほど被りのない内容。ミディアム調の曲を中心にある程度曲調にも幅があり、トータルタイムも50分と長すぎず短すぎずの適度な時間なので、「久し振りにKiroroの曲を気軽に楽しむ」、という点ではこれまでのベスト盤の中では一番とっつきやすい作品かもしれません。

 さて、選ばれた楽曲達は、本作のタイトルのように「子供向け」を強く意識した…というよりも、母親への感謝の気持ちを込めた「未来へ」、純朴すぎるラブソング「月の夜」、幼い時代を振り返る「僕らはヒーロー」、力強く前向きな「僕らのメッセージ」など、気軽に口づさめる曲からそうでないものまで結構色々なカラーの曲が集まりつつ、これからの人生の歓びや楽しさを次の世代に伝えていこう、といった点で統一された、コンセプトベストのお手本のような内容。また、彼女達のシングル曲は意外と児童層向けアニメ主題歌に起用される機会が多く、アニメソングとして聴いてきた世代がハイティーンになったと思われる現在、本作に収録されたこれらの曲を入り口にKiroroの音楽世界を体験するには良い入門編だと思います。

 なお、ラストのボーナストラックには二人の歌とピアノ演奏による新曲「おやすみのうた」を収録。これぞ子守唄、といった感じの優しいピアノバラードで穏やかに締めと、コンセプトのみならず構成面も好印象。作品の性質上、街の雑踏の中よりも自宅で静かに聴きたい1枚ですね。

sasa0053 at 22:32コメント(0)トラックバック(0)CD Review カ行 

2016年05月29日

fjimakihibi 2016年3月23日発売、藤巻亮太の2ndフルアルバム。シングル「ing」「大切な人」「8分前の僕ら」を含む全12曲収録。

 レミオロメンを活動休止し、ソロ名義での活動を始めてから早4年。デビューアルバム「オオカミ青年」からは約3年半のインターバルを置き、合間に再始動宣言的なミニアルバムの発売を挟んでの待望のフルアルバム。ここまで至るにはここ数年のインタビューで語られているように、バンドであるレミオロメンと個人であるソロ活動との作風の線引きに悩んで煮詰まりスランプに陥るなど紆余曲折を経て、その二つの垣根を取り払うことで折り合いをつけ(大意)、現在ではライブでも積極的にレミオロメンの楽曲も演奏しているとのこと。
 そんな彼の新作は、アレンジは連名も含めて本人が全曲参加。演奏的にはエレキ、ドラムス、ベースのスリーピースを基本に、曲によってはキーボードやストリングスを入れて味付け、という面ではレミオロメンで積み重ねた活動スタイルとほぼ同様。中でもマイナー調の「かすみ草」の雰囲気は初期レミオロメンのファンには懐かしいかも。根本的にはレミオロメンを経てソロへと至っても「バンドの中で歌う」という意味では曲調も含めて真新しい点はそれほど感じられません。

 むしろ変わったのは歌詞の面でしょうか。暗闇の中から希望を見出すべくもがいていたような内省的な「オオカミ青年」や、聴き手への共感の最大公約数を意識したレミオロメン後期の前向きな応援ソングとはまた違った作品が本作では比較的多い印象です(特に前半部分)。まあ乱暴に括ってしまうと「昨日の自分に拘らず、今を生きていく、それが明日に繋がる」といったところ。ソロになってからの苦悩の日々があるから書けたのでは、とも思えるアルバムタイトル曲「日日是好日」「花になれたら」、コミカルな「回復魔法」「春祭」など、理想を求めながらも絵空事には終わらない、地に足を付けたメッセージソングとでも言いましょうか、レミオロメンとの境界線を意識しないことで藤巻亮太としての新たな世界が広がったかな、と感じました。

 まあ、ファンとしては長々と待たされてやっと…という気持ちも無きにしもあらずですが(苦笑)、ソロミュージシャンとして改めて新たな地平に立った彼を引き続き注目していきたいと思います。…できれば次回作は、1年後ぐらいのインターバルで(笑)。

sasa0053 at 16:25コメント(0)トラックバック(0)CD Review ハ行 

2016年05月21日

presence 2016年4月13日発売、デビュー30周年を記念してリリースされた徳永英明のファン投票によるオールタイム・ベストアルバム。3枚組全44曲収録。初回限定盤は投票上位20曲のMVを収録したDVDが付属。今回のレビューは通常盤となります。

 昨年6月から11月末まで、公式サイトにて全キャリアの中からオリジナル曲10曲+「VOCALIST」シリーズから5曲を選曲して投票(通称:国民投票)の結果、今回はオリジナル曲の上位43曲+ボーナストラックとして最新シングル「君がくれるもの」を収録。曲順は時系列順ではなく、『心』『永』『明』というコンセプトに従って3枚のディスクに割り振ったとのこと。このコンセプトの意味は明確にはされていないので、あくまで管理人の主観にて各ディスクの感想を以下に述べることとします。

 まずDISC 1は『心』「最後の言い訳」「青い契り」「レイニー ブルー」などの代表曲が収録。これらの曲に代表されるように、このディスクは悲しい恋の終わりや過ぎ去った恋を回想する曲が多め。まさに別れの情景を描いた「さよならの水彩画」や、心が離れていく相手を引き留める「いかないで」など、聴いていてどこかやり切れない気持ちをリスナーに与える曲が満載。とはいえ最後は「Revolution」でテンション高く締めるのは収まりの良い印象。なお、Kinki Kidsに提供した「永遠に」のセルフカバーが収録されていますが、提供楽曲のセルフカバーからの選曲はこの曲が唯一。

 DISC 2は『永』「壊れかけのRadio」「もう一度あの日のように」「LOVE IS ALL」等、生きる意味をテーマにしたようなメッセージ性の強いヒット曲、「未来飛行」などの次世代へ向けた楽曲、「JUSTICE」「情熱」「負けるな」などの自らを奮い立たせるような作品を中心とした内容。明確なラブソングも数曲ありますが、「聴き手への問題提起」を強く打ち出したディスクと呼べるでしょう。個人的にはASKA提供の「心のボール」(クレジットは飛鳥涼名義)が選曲されたのが嬉しいトピック。ASKAと言えば近年の事件が色濃いわけですが、並み居る他の楽曲を差し置いてファン投票で選ばれたことには大きな意味があると思います。

 DISC 3は『明』。アルバム初収録のカップリング曲「〜 I'm Free 〜」で幕を開け、出世曲「輝きながら…」「風のエオリア」、非バラードの代表曲である「夢を信じて」「Wednesday Moon」、更に「永遠の果てに」「君をつれて」というスピリチュアル的(?)な楽曲など、他にもラブソングも交えつつ、コンセプト的には雑多ながら明るめな曲をセレクトした構成に。各楽曲の幅が広いという点では3枚のディスクの中でも抜きん出ている印象です。

 以上3枚、各ディスクは収録時間ギリギリの70分台後半と、1枚ずつ聴いてもお腹いっぱいの構成。欲を言えば「恋の行方」「SMILE」「魂の願い」あたりを入れてくれれば筆者的には完璧でしたが…。あとはやはり代表曲にバラードが多いなぁ、と改めて感じると共に、曲数が多すぎて全く徳永の曲を知らない、というリスナーには気軽にはお薦めできない内容(その辺はこちらを参照)。とはいえ、だいたいのヒット曲やアルバムの看板楽曲は選ばれており、重量級のベストならではの充足感は満たされると思います。3枚を一気に聴かずに1枚1枚をじっくり、楽曲発表当時の思い出と共に噛み締めて聴きたい作品ですね。

sasa0053 at 22:27コメント(0)トラックバック(0)CD Review タ行 
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