2017年08月26日

「ビリギャル」成功と家族の成長⭐︎⭐︎⭐︎





総合評価 ⭐️⭐️⭐️
脚本 ⭐️⭐️⭐️
配役 ⭐️⭐️⭐️⭐︎
演出 ⭐️⭐️⭐️
映像 ⭐️⭐️⭐︎⭐︎
音楽 ⭐️⭐️⭐️

実家に戻ると、父親が「ビリギャル」を勧めてくれたので一緒に鑑賞しました。

うちの父親が映画を勧めてくれる時は、何かメッセージを伝えようとしていることもあるかもしれないため、今は何を伝えたいのだろうと構えてしまいました。

よくまとまったサクセスストーリーで爽やかな一作でしょう。ただ、一部フィクションを疑うほどの奇跡も盛り込まれているかもしれず、私には共感し難い部分もありました。



主人公さやかは、小学生の頃、学校に不適応をきたし大学までエスカレーター式の私立中学に入学して、ギャルの仲間に入り友人に恵まれて以降、毎日のように遊んで暮らして、高校2年生の夏まで勉強をしていませんでした。

さやかが不適応を起こした理由は、両親の愛情を一身に受けて育った子供時代から弟が生まれたことで、父親が弟に自分が野球選手になりたかった夢を期待してさやかに愛情を注がなくなったため、さやかが傷ついたからかもしれません。

グレたさやかは、学校で授業を真面目に受けず、教師からクズ呼ばわりを受けていましたが、遂にタバコ所持が見つかって退学にされかけたところ、母親の懇願により無期停学とされます。



無期停学で自宅に閉じこもるさやかを母親が学習塾に連れ出したことが、さやかの人生の転機に繋がりました。

学習塾の先生には熱意があり、クズ呼ばわりをされ、テストでゼロ点のさやかでも彼は褒めちぎって、目標を一緒に見いだしてくれました。学習塾の先生も、勉強についていけなくなり、落ちこぼれて教師にクズ扱いを受けた経験から自分と同じ立場に陥った子供を助けたいと願っていました。

慶應大学に入るというさやかの目標を初めは誰もが信じてくれませんでしたし、E判定を繰り返し受けるなか、自分自身が信じることなどできずにいました。

しかし、自分のために友人達は遊びに誘うことを控えてくれますし、バイトを掛け持ちして親戚に頭を下げて塾の費用を工面してくれる母親のあーちゃんと塾の先生は自分の合格を信じていると、さやかは信じることができました。

塾を辞めるのも頑張るのも自由にして見守ってくれた母親の愛情に加えて、父親から得られなくなった愛情や規律を塾の先生から得て、受験仲間の不良少年にも愛情を注がれたことが、彼女には大事だったのではないかと思いました。



家族の中心として父親に一心に期待されていたさやかの弟は、野球で高校入学したにもかかわらず、プロを目指す学生のレベルに圧倒されると野球部を辞めて不良のパシリになってしまいましたが、さやかが違う人生を選ぶことを後押しできました。

さやかは、無期停学の絶望的状況から、弟に努力すれば可能性があることを示すため、母親のため、塾の先生のため、自分のため、一心に受験勉強に打ち込みます。

さやかの父親は、弟に期待をかけすぎたことを反省して、野球道具を火にくべて、弟に自由に生きるよう伝えていましたが、弟は逃げ出してしまいました。

それなりに弟が回復するまでに時間はかかりましたが、さやかの目標達成を前に、さやかの弟は、父親の家業を手伝うようになりました。

主人公さやかが目標を達成して、失った父親の愛情を信じることができ、弟に模試の結果を見せて今からでもやり直すことができる勇気を示したことを素晴らしいと思いました。



ただ、この話で1番理想的存在だと思ったのは、母親です。

素晴らしい努力家できっと正しい母親だったと思いますが、努力によって父親が変わったという下りには、本当にそんなことが起きるのだろうか、と疑うほどでした。

ビリギャルが慶応義塾大に合格したことも奇跡ですが、まるでDVのような行動を繰り返していた父親が変化することの方が奇跡ではないかと驚きました。主人公は関東に離れ住んだので、関わりが薄くなっただけかもしれませんが、相手のなかにある優しさを信じることが出来れば人は対人関係は変わるのか。



主人公さやかの慶應大学合格は、この時期の両親や家族にとっては喜ばしい成功でも、将来的には違ってくるかもしれず、成功体験は嬉しいものですが儚いもので有名大学合格だけが人生の成功ではないと思っています。

大学受験合格は、結果が分かりやすい成功ですが、就職や結婚、家族が出来るなか、人生には成功とも失敗とも判断し難い苦難が待ち受けているものかもしれません。

さやかが成功したように見えても、野球選手になれない息子を悲しんだように見えても、将来的には両親の強い願いはこの頃の願いとは変わって、平凡に孫と遊ぶことだったりすることもあると思います。

主人公は大学受験を頑張り家族を支えたのだということを理解しましたし、面白く爽やかな映画だと思いますが、私には理解しかねる部分が残る内容でした。


sasa320 at 22:13│Comments(0)ドラマ | 邦画

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