2019年9月22日(日)午後10時20分
愛猫 ポン酢 永眠
享年は11歳でした。
・ポン酢の珍しい症例〜その2後編〜
の続きです。
たくさんの猫さんたちがそうであるように、ポン酢もまた、一言では言い表せない様々な一面を持っていた。
雌猫は一般的に自立心が強くてクールと聞く。
確かに、ポン酢にもクールな一面はあった。特に避妊前。
一緒に寝ることも多かったが、彼女の気分が乗らない時は私が寝ようと誘っても、全く近寄りもせず、むしろ嫌がられた笑
抱っこも大好きたったが、20分くらいで飽きてきて、「あ、もういいです。満足しました。サヨナラー」と立ち去ってしまう。
家の中だととても社交的だった。
私の家はたくさんの人間が出入りしている。
家族や親戚、おばあさんのヘルパーさんや訪問指圧の先生(日によって違う)、私の友達におばあさんの友達。
本当に出入りが激しい。
ポン酢はそんな出入りの多い人間下僕共に、懐が広く、例え初対面でも
「苦しゅうない。撫で許可する」とでろーんとお腹を見せた。
全く人見知りのしない子だった。
私は11年間、彼女が本気で威嚇してるのは1〜2回しか見たことがない。
「シャーー!!」という威嚇は本当に2回見てるか見てないか…くらいだ。
人間にはほとんど警戒心を持たないポン酢だったが、子供は大の苦手だった。
小さい子はもれなく金切り声を上げながらポン酢に走って近づいた。
これが毛頭ダメだった。
親戚のちびっこ達が来ると、ポン酢はベッドの下や机の下に隠れた。
勢いの凄い子供達以外だと誰でもOKなポン酢だったが、それはあくまでも家の中だけだった。
ポン酢には脱走癖があった。
元野良なので、隙あらば外に出ようとした。
外に出ると大体数十分で帰ってくるが、長い時には3時間程前後帰ってこない。
さすがに長い時間外に出ていると探しに行くのだが、家の外でばったり出くわすと、ポン酢はめちゃくちゃビビって私を鬼か獣か見るような目で見て飛び上がって逃げてしまう。
外だと野生スイッチが入るようで、外で甘えられたことは1回もない。
ポン酢はとても食い意地が張っている子だったが、同時に吐きやすい子だった。
食べるのが下手くそたった。
あげればあげるだけ食べるのだけど、すぐ中でつっかえるのか吐いてしまうので、こちらがペース配分を気にしてやらなければならなかった。
なので、日々、
「飯くれー!腹減ったーー!!」と鳴き喚くポン酢と
「今食べたでしょ!!」と言う私との戦いが繰り広げられていた。
食い意地が張っていたが意外と偏食な子だった。
偏食と言っても、飼い主にしては割とありがたい偏食で、猫用のドライフードはしっかり食べてくれた。
たまに与えたウェットフードも大好きだ。
何が偏食かと言うと私たち人間が食べるものにほとんど興味を持たなかったことだ。
乳製品、卵、豚肉牛肉、揚げ物…基本的に食卓は全く荒らさなかった。
猫を飼っている人が私が無造作に食事の用意をしていると「ポンちゃん賢いね!全然つまみ食いしないね!」なととよく言ったものだった。
単純に、彼女の好きなものじゃないだけで賢いわけではなかった。
それを証拠に、彼女の好きなものが、鶏肉、一部の魚なのだが、それが食卓に出ようもんなら大変だ。
特に鰹節はポン酢がもう大変な好物で、私がおかかご飯をしようもんなら本気で喧嘩が始まったし、私がケンタッキーを食べようもんなら目をギラギラさせて狙っていた。
人が食するものは基本的にあの子たちには塩分が高いので滅多に与えるものでは無い。
けど、たまーーーに。
たまーーーーーーに。ご褒美であげていたけど、本当に美味しそうに食べる様子は可愛くて、愛らしかった。
高いところが大好きで、晩年はなかなかジャンプ力も衰えて本棚の上に登ることもなくなったが、8歳くらいまではこのエアコンの風がよく当たる本棚の上はお気に入りの場所のひとつだった。
ただし、この上から下に降りるのが怖いらしく、よく「降ろしてー!」と鳴いていた。
じゃあ登るなよ。