中国は本日は通常出勤日です。5月1日のメーデー休暇に伴い、明日か29日から連休にするために30日の振り替え出勤日です。

 1面には、4月20日以来の公安部による公民侵害情報犯罪取り締まりの成果を宣伝する記事が掲載されている。
 3面には、周永康の「司法交流合作を深化させ、地域発展安定を促進する」と題する4月24日の第7回SCO最高法院院長会議開幕式での講話の全文が公表されている。
 ―「4月の北京は、春の気分にあふれ、生気にあふれている」の出だし
 ―「法治国家を実行することは、中国共産党が確固として揺らぐことのない国を治める策である。社会主義法治国家を建設することは、中国人民が堅持したゆまず奮闘する目標である」
 ―「法執行司法方面で、われわれは法の前に人々は平等であり、いかなる個人や組織も法律を超えた特権を有することを認めてはならない」

 どうも奇妙な状況が続いている。1面に公安部の宣伝記事。3月30日に北京市公安局が微博で「軍が北京に進駐、北京で事件勃発」などのデマを流した6人を拘束してから、公安部によるネット上のねつ造、デマ取り締まり活動が展開されている。当初は、薄煕来騒動に関連した思想統一のためのネット規制の一環かと思ってきた。しかし、どことなく公安部の意思表示のようにも思えてきた。
 その根拠の1つは、今日の1面の宣伝記事が、3月30日からではなく、4月20日からの公安部の取り締まり活動の宣伝である点だ。この取り締まり活動は周永康の指示で行わていると考えるのが自然であるが、4月20日は温家宝が外遊に出発した日でもある。
 4月24日の周永康の講話全文の公表であるが、海外の客人相手の講話とはいえ、出だしの「4月の北京は、春の気分にあふれ、生気にあふれている」のような文言が公表されるのは珍しい気がする。薄煕来騒動の渦中の人物であり、胡錦濤に屈服したと見られる人物のこのような軽い発言が公表されるということには違和感がある。それはむしろ周永康の余裕とすら感じられる。
 また2段め、3段めの引用だが、この部分は4月25日付『『人民日報』の開幕式の報道でも公表されていた。中国の立場を諸外国にアピールすることに違和感はない。しかし、上記のような状況を考慮して読み返すと、この2つの発言は薄煕来への調査、処分検討を進める胡錦濤に対する当てつけのようにすら読み取ることもできる。
 そもそもさほど重要でもないと思われる周永康の講話が、4日遅れで全文公表されたことにも違和感がある。4月24日付『人民日報』にも周永康の講話が大きく掲載されている。周永康の存在感をアピールしている。
 以上のことをどう考えるか。どうも4月20日に温家宝が外遊に出発して以降、周永康が活発にメッセージを発しているように思えてならない。これは、胡錦濤への忠誠を誓っていた3月後半のころの周永康関連の報道内容とは明らかに異なる。周永康自身、胡錦濤に忠誠を誓っていることに変わりはないはずなので、このアピールはここまで周永康を追いこんでいるものへの巻き返しのようなものなのだろうか。その1つとして温家宝をターゲットにしているようにも見える。そしてアピールができる裏付けとなる公安分野を握る政法委書記の政治権力の大きさ、強さを改めて感じる。胡錦濤、習近平は今そのことを身に染みているのではないか。