1面の「深化改革、攻堅克難」の連載で、政治体制改革の成果宣伝記事が掲載されている。関心があるので、少しちゃんと読んだ。成果は4点。
 (1)人民の民主的権利が十分な保証を得た
 (2)基層群衆自治が健全に発展した
 (3)人民の秩序ある政治参加の熱情が高まった
 (4)政府運行の法制化制度化が速まった
 これを詳細に宣伝するために5面で特集が組まれている。政治体制改革の重点は権利保障と権力制約の2つにあるという。具体的には6点。
 権利保障
 (1)基層群衆自治:『三委』(村党支部委員会、村民委員会、村務監督委員会)を同時に進める
 (2)全人代代表選挙で都市と農村の『同票同権』を実施=8:1から1:1へ
 (3)立法に門戸を開き、公正性普遍的優遇性を体現した=公聴会の開催
 権力制約
 (4)情報公開に「三公経費」から切り込んだ
 (5)政府職能転換は行政審批制度改革から突破した=10年で5度取り組み国務院部門で2183項目、各省レベルで36986項目を取り消し、変更
 (6)公務員管理メカニズムが日増しに制度化された=試験を導入し、競争選抜

 胡錦濤政権がこの10年に行ってきた政治体制改革の成果が宣伝されている。権利保障と権力制約という重点はいいのだが、その成果がこの程度というのは本当に評価されるべきなのかという感想を持つ。そして、一切問題点には言及されていないわけで、何も進んでいないと言われてもしようがない。1つは内容の低さ。もう1つは執行程度の低さ。政治体制改革に対する認識や期待が当局と非当局で異なるので、この程度でも実施されていることを評価すべきか。それともこの程度と非難するか。私には、胡錦濤政権の10年で大した進展はないという感じ。温家宝が声高に言及する「政治体制改革」なんて所詮この程度のもの。彼の発言に一喜一憂するにはいかがなものか。

 汪洋の「科学的発展にとって良好な法治環境を作り出そう」と題する文章が掲載されている。理論面には最近各省レベルのトップが順番に自分の執政の成果をアピールする文章が掲載されているので、汪洋の文章が掲載されていることは特段不思議なことではないが、大体経済や民生の成果をアピールすることが多いので、「法治」を掲げるのは珍しく、汪洋が調子に乗っている感がある。

 温家宝と野田首相の会見記事も掲載されている。温家宝の次の発言が掲載されている。
 ―「新疆に関わる問題、尖閣諸島問題などで原則的立場に重ねて言及し、日本側に日中間の4つの政治文書の原則的精神に沿って、中国側の核心的利益と重大な関心事をしっかりと尊重し、関連問題を慎重に適切に処理し、両国関係の発展の正確な方向を堅持するよう丁寧に促した」
 「核心的利益」に言及しており、これは「尖閣諸島」を指すと見るのが普通だろう。中国側が自らの「核心的利益」を尊重するよう日本に求めるのはけっこうだが、「両国関係の発展の正確な方向を堅持」するよう求めるならば、相互主義ならば、日本の「核心的利益」も尊重するぐらいのことは言ってもらいたいものだ。