この本は、とにかく、本当にすごいです。
レコーディング・ダイエット決定版 (文春文庫)
著者:岡田 斗司夫
販売元:文藝春秋
発売日:2010-01-08
おすすめ度:
クチコミを見る
別に僕は、そんなに太っているわけでもないですし、ダイエットをする理由もモチベーションもないのですが、この本は、人間の自己変革をするときに必要なステップと置き換えると、もっとも効果的な自己変革本だと思うのです。世のなかには、数多い自己啓発本はありますし、それはだいたいツボ押し的効果は期待できる本も結構あるのですが、自己変革をしっかりやりとげるための手引書はなかなかないですね。
・大前提として、「あるべき姿を設定し」、「そのギャップを特定し」、「そのギャップがいかに埋まったかを計測する」、というギャップアプローチをとらないこと。これは、ダイエットで言うと、「**キロまで減量するために」、「月*キロ減量するために、一日のカロリーを**に制限し」、「毎日の減ったキロ数を計測する」というアプローチに置き換えられるのですが、これで結果的に挫折している人は非常に多いのではないのでしょうか。
・レコーディングダイエットの方法論は、「まず現状、何を食べているかを記録することで、現状をありのままに観察して受け入れ、理解し」、「日々の体重と、カロリーをグラフにすることで自分にとって何が最も効果があるのかを肌感覚で理解し」、「必要のないカロリー総量を理解した上で、その中でのやりくりをするやり方を試行錯誤し」、「習慣を変える際に体が持つ抵抗反応をショック療法で乗り切り」、「体の欲求へのアンテナを敏感にすることで、意識ではなく無意識に行動に組み込まれるようにする」、というプロセスをたどります。これは、現状の自分の状況をありのままに受け入れ、理解することからスタートする変革、という意味では、ポジティブアプローチの変革と言い換えてもいいでしょう。
・自己変革を実現する上で大事なステップとして、レコーディングダイエットのプロセスで起こっているのは以下のことです。
1)毎日ただ記録すること→現状の自分が無意識でやっていることを、意識下すること
2)体重とカロリー総量のグラフ化→自分という個体にとって無理がなくできるペース、およびそのためのやり方を見つける
3)総カロリーを決めつつ、楽しさを我慢しないやり方を模索→やりくりのやり方のプロセスの改善を楽しめるようにする
4)新たな習慣として運動を開始する→訪れる踊り場を目先を変える新たな習慣の導入でやり過ごす
5)空腹感の感覚のレベル化、記録→アタマではなく、カラダのセンサーを敏感にすることで無意識に行動できるようにする
これは、自分がこの2-3年の精神的な落ち込みからの自己変革の中でいろいろ模索する中で意識してきたこととほぼ一致します。この2-3年の落ち込みの根本的な原因は、家庭などかなり根本的な自分の精神構造に根差していたものではありましたが、実際には、「アタマが肥大しすぎて、ココロとかカラダのセンサーが鈍ってしまったことで自分が向かいたい方向がわからなくなってしまったこと」というのが起こっていた現象の中ではもっとも深刻な問題だな、という認識をしていました。上記で言うと5)、ですね。この本でもありますが、インセンティブで「欲望」をかきたてて走る、という駆り立て方をしつづけてきた結果センサーが鈍ってしまったのだと今では思っています。
最終目標は、そのカラダのセンサーを今までにないくらい研ぎ澄ます、というところにおいたとき、最初に始めたのは、走ること。そしてその習慣をただ走ったキロ数を手帳に書く、それだけでした。無理な目標をかかげなければやり続けているとそのうちほっといても工夫がしたくなり、工夫しているとだんだん、その工夫をさらにどうやってやるか、という方法論を意識するようになり、他人を巻き込むことで目先を変え、今は走ることで、カラダとの対話をできるようになるように柔軟性を意識するようになった、という変化が起こってきています。
この本の中でも書いてありますが、自己コントロールができるようになると、生活のほかの場面も変わると書いています。(例:部屋もきれいになるなど)これも、「外部刺激で常に駆り立てられ続けている欲望を、自分のカラダの欲求が押さえることができるように自分の内的システムが変わること」で起こるんだろうと思います。
いや、読めば読むほど、そして考えれば考えるほどほんとうに深い本です。
この方法論自体は、他人を巻き込んで一緒に、というのはあんまり触れられていませんが、そのエッセンスが加わるだけで、さらにパワフルになるんじゃないか、という気がしますね。
この本をきっかけに、過去1年半のリハビリの過程をモデル化して振り返ることができました。本当に感謝。

著者:岡田 斗司夫
販売元:文藝春秋
発売日:2010-01-08
おすすめ度:

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別に僕は、そんなに太っているわけでもないですし、ダイエットをする理由もモチベーションもないのですが、この本は、人間の自己変革をするときに必要なステップと置き換えると、もっとも効果的な自己変革本だと思うのです。世のなかには、数多い自己啓発本はありますし、それはだいたいツボ押し的効果は期待できる本も結構あるのですが、自己変革をしっかりやりとげるための手引書はなかなかないですね。
・大前提として、「あるべき姿を設定し」、「そのギャップを特定し」、「そのギャップがいかに埋まったかを計測する」、というギャップアプローチをとらないこと。これは、ダイエットで言うと、「**キロまで減量するために」、「月*キロ減量するために、一日のカロリーを**に制限し」、「毎日の減ったキロ数を計測する」というアプローチに置き換えられるのですが、これで結果的に挫折している人は非常に多いのではないのでしょうか。
・レコーディングダイエットの方法論は、「まず現状、何を食べているかを記録することで、現状をありのままに観察して受け入れ、理解し」、「日々の体重と、カロリーをグラフにすることで自分にとって何が最も効果があるのかを肌感覚で理解し」、「必要のないカロリー総量を理解した上で、その中でのやりくりをするやり方を試行錯誤し」、「習慣を変える際に体が持つ抵抗反応をショック療法で乗り切り」、「体の欲求へのアンテナを敏感にすることで、意識ではなく無意識に行動に組み込まれるようにする」、というプロセスをたどります。これは、現状の自分の状況をありのままに受け入れ、理解することからスタートする変革、という意味では、ポジティブアプローチの変革と言い換えてもいいでしょう。
・自己変革を実現する上で大事なステップとして、レコーディングダイエットのプロセスで起こっているのは以下のことです。
1)毎日ただ記録すること→現状の自分が無意識でやっていることを、意識下すること
2)体重とカロリー総量のグラフ化→自分という個体にとって無理がなくできるペース、およびそのためのやり方を見つける
3)総カロリーを決めつつ、楽しさを我慢しないやり方を模索→やりくりのやり方のプロセスの改善を楽しめるようにする
4)新たな習慣として運動を開始する→訪れる踊り場を目先を変える新たな習慣の導入でやり過ごす
5)空腹感の感覚のレベル化、記録→アタマではなく、カラダのセンサーを敏感にすることで無意識に行動できるようにする
これは、自分がこの2-3年の精神的な落ち込みからの自己変革の中でいろいろ模索する中で意識してきたこととほぼ一致します。この2-3年の落ち込みの根本的な原因は、家庭などかなり根本的な自分の精神構造に根差していたものではありましたが、実際には、「アタマが肥大しすぎて、ココロとかカラダのセンサーが鈍ってしまったことで自分が向かいたい方向がわからなくなってしまったこと」というのが起こっていた現象の中ではもっとも深刻な問題だな、という認識をしていました。上記で言うと5)、ですね。この本でもありますが、インセンティブで「欲望」をかきたてて走る、という駆り立て方をしつづけてきた結果センサーが鈍ってしまったのだと今では思っています。
最終目標は、そのカラダのセンサーを今までにないくらい研ぎ澄ます、というところにおいたとき、最初に始めたのは、走ること。そしてその習慣をただ走ったキロ数を手帳に書く、それだけでした。無理な目標をかかげなければやり続けているとそのうちほっといても工夫がしたくなり、工夫しているとだんだん、その工夫をさらにどうやってやるか、という方法論を意識するようになり、他人を巻き込むことで目先を変え、今は走ることで、カラダとの対話をできるようになるように柔軟性を意識するようになった、という変化が起こってきています。
この本の中でも書いてありますが、自己コントロールができるようになると、生活のほかの場面も変わると書いています。(例:部屋もきれいになるなど)これも、「外部刺激で常に駆り立てられ続けている欲望を、自分のカラダの欲求が押さえることができるように自分の内的システムが変わること」で起こるんだろうと思います。
いや、読めば読むほど、そして考えれば考えるほどほんとうに深い本です。
この方法論自体は、他人を巻き込んで一緒に、というのはあんまり触れられていませんが、そのエッセンスが加わるだけで、さらにパワフルになるんじゃないか、という気がしますね。
この本をきっかけに、過去1年半のリハビリの過程をモデル化して振り返ることができました。本当に感謝。
コメント
コメント一覧 (1)
ありがとうございます。友人から連絡がいくかもしれません!RT @2ta2ta @sasokunitake ホテル 居酒屋 学生時代アルバイトしてました
のものです。
はじめまして
昨年の10月なかばら12キロ痩せましたが、そのプロセスがまさに同じ!でしたので、メールさし上げた次第です。
自分もいろいろあり、気持ちの大きな変化だと周りに成功体験を話していましたが相手が納得できる説明ができず、歯がゆい思いをしていたところです。
本を精読した上で、ブログに書く際、リンクを是非張らせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか?
その他の記事も面白く拝見させていただいております。