1.Rock'n'Roll Degeneration
2.Dead Man
3.Attitude Adjustment
4.Hundred Proof Love
5.Criminal Instinct
6.Lethal Underground
7.Teenage Nervous Breakdown
8.Gotta Get A Hold
9.The World Is Watching
10.Rock'N'Roll Degeneration(Demo)
11.Teenage Nervous Breakdown(Demo)
1992年。メンバーはマイケル・モンロー、スティーヴ・スティーヴンス(ビリー・アイドルのバック・バンドで有名なギタリスト。確かマイケルジャクソンの「ダーティ・ダイアナ」でもギターを弾いていた。)、サム・ヤッファ、グレッグ・エリス(多分重要じゃない)。2大スター、マイケルとスティーヴが意気投合して作ったバンドだが結局音楽性が合わず、スティーヴは因縁のヴィンス・ニールバンドへ逃げ、アルバムリリース前に空中分解してしまいドイツと日本でしかリリースされなかった、いわくつきのアルバム。マイケルはアルバム自体出したくなかったらしいが、インタビューとかで散々期待させておいて作品出さなかったらファンとしても納得がいかない。マイケルの生真面目さというのは愛すべきだが、ついていけない部分もある。
プロデューサーはメタル界の大御所マイケル・ワーグナーで、マイケル・モンローはこういった音作りがいたく気に入らなかったらしい。スキッド・ロウの「スレイヴ・トゥ・ザ・グラインド」とか結構良かったと思うが、マイケル・モンローとは趣味が合わないというのも凄くよく分かる。最初の最初から同床異夢だったらしい。
というわけで、音はスティーヴ、ワーグナーの色と思われるメタル色とマイケル・モンローのR&R路線が妙に融合し、重厚かつキャッチー、メタリックな産業ロック、またはLAメタルみたいなものが出来上がった。ただ、「メタル」とか「産業ロック」とかいう概念にとくに偏見がない人が無い人に聴いてもらえれば、楽曲も演奏も決して悪いとは感じないと思う。個人的にはR&R路線の方が好きだが、決してこのアルバムが悪いとも思わない。何なら1度くらいライブでも見てみたかった。
メタル/産業ロックはちょっと・・・と言う人には7くらいしかお薦めできませんが、そうでなければ5はあまりキャッチーでなく、8はちょっとダサい気がしますが、基本的には捨て曲なしです。
こういった音楽的、感情的な確執の中でこそ良い作品が出来る場合も多く、一応あえてどちらが悪いかと言うなら逃げ出したスティーヴで間違いないと思う。しかし、個人的にはマイケル・モンロー自身にもかなり落ち度(自身の人選ミスと、うかつな契約だったのでは?)があったと想像している。レコード会社との契約で音楽的にいろいろ制約があったらしい。マイケルもそういう枠の中で、スティーヴやレコード会社のことも尊重しつつベストを尽くしていたのだと思うが、やはりそういった不満だらけのなかで長く続かなかったのも必然と言えば必然ではないだろうか。いまさらどちらが悪いかなんて話、当然野暮で、基本的にはどちらも責められないとは思いますがあえて両方の立場を想像してみました。
作品に罪があるわけはなく、出来も悪くないと思うのだが、どんな趣味の人に薦めて良いやらサッパリ分からない歯がゆい作品。
(5/7加筆、ちょっと修正)
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