2006年05月10日

竹取物語と東方永夜抄・その2:「月まで届け、不死の煙」

原典「竹取物語」では
勅使には調岩笠といふ人を召して、駿河の國にあンなる山の巓にもて行くべきよし仰せ給ふ。
峰にてすべきやう教へさせたもふ。
御文・不死の藥の壺ならべて、火をつけてもやすべきよし仰せ給ふ。
そのよし承りて、兵士どもあまた具して山へ登りけるよりなん、その山をふしの山とは名づけゝる。
その煙いまだ雲の中へたち昇るとぞいひ傳へたる。

このように、士に富む山、不死の薬、不尽の煙の三つの意でふしの山と名付けられたと言う語源譚で幕を閉じる。

さて、「東方永夜抄」の同じ節ではこうなっている。
しかし壺を手に入れた人間は何故か、その壺を山に捨てようとしていたので、そこを狙い壺を奪う事に成功した。
その壺に入っていた薬とは、蓬莱の薬……。

手に入れた人間=帝であり、捨てようとしていたのはその使いの者(=月のいはかさ≒調岩笠)だろう。
時効「月のいはかさの呪い」の解説で示唆されているように妹紅がいはかさを殺害したのかは分からないが、
妹紅は蓬莱の薬の壺を奪い、服用することに成功している

そう、「東方永夜抄」では「竹取物語」と異なり、蓬莱の薬が燃やされたという記述が存在しないのだ。
妹紅が薬を服用したのであれば、テーマ曲である「月まで届け、不死の煙」はいったい何なのだろうか


説1:飲みきれない分を燃やした
妹紅は蓬莱の薬を飲んだ後、それでも壺の中に残ってた薬を燃やした説。
薬を「壺」一杯も飲む必要は無いだろうし、妹紅にこの時点で発火能力があったとすれば行動としても自然。

説2:妹紅=煙の元
説1はあまりに無難でつまらないので、こっちが本命。
幽々子「その不老不死の人間の生き肝を食すと、その人も不老不死になる。」
妹紅「肝試しの肝は富士の煙。月まで届く永遠の火山灰。不尽の火から生まれるは、何度でも甦る不死の鳥。」

などを見るに、蓬莱人の肝は蓬莱の薬と同じ効果を持っているようだ。
そして、妹紅といえばセルフ人体発火。
月まで届く不死の煙の発生源は、尽きることなく再生する妹紅の肉体なのである。
上の妹紅のセリフを深読みすれば、妹紅は体ごと蓬莱の薬を燃やすことであの首なし不死鳥を発現させたと考えられる。

sasuga_koyou at 23:23│Comments(0)TrackBack(0)clip!研究・考察 

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