2006年05月19日

小野塚小町考・2:「第二の冥官」小野篁

小町考察その2。冥界や閻魔との結びつきは小野小町よりも強い、小野篁ついての考察。

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小野小町の祖父である(と言われている)小野篁は
平安初期の官僚で学者・詩人・歌人としても知られ、
身長六尺二寸(186cm)という長身で武芸にも秀でていた文武両道の人物
であったという。
なににも束縛されない性格で「野狂」「野宰相」とも称されるような自由人的気質であり、
奇行も多かったため上層部とはよく揉めていたらしい。

そして篁には、独特の神通力をもち現世と冥土の間を自由に行き来でき、
昼は朝廷で仕事をして、夜は閻魔王宮の役人であった
という伝説がある。
この奇怪な伝説は「江談抄」「今昔物語」などの説話集等に数多く見られ、
平安末期には「閻魔庁における第二の冥官」「冥界と通ずる得体知れず」と恐れられていたようである。

篁は、六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)井戸をあの世への通勤に使っていたという。
六道珍皇寺(通称:六道さん)は京都東山に現在も変わらず存在するお寺で、
平安時代には葬送地・鳥辺山の入口に位置することから死者を冥界へ送り出す処であるとされ、
毎年8月7日〜10日には先祖の霊をお迎えする「六道まいり」が営まれていることからも、まさに冥界と現世の通路なのである。
また、珍皇寺閻魔堂(篁堂)には、閻魔大王と篁の木像が並んで安置されている

小野篁には異母妹との恋愛譚もあり、その妹の死に際して詠んだのが次の歌である。

泣く涙雨とふらなんわたり川 水まさりなば帰りくるがに
(私の涙が雨となって降ってほしい。
 三途の川の水嵩が増せば、妹はもう一度現世に帰ってこれるのに)
 ――『古今集』 巻十六「哀傷歌」――


「雨」「三途の川」「現世に帰って」といった、小町のスペルカードを髣髴とさせるキーワードがある。
伝説の中の篁は、閻魔大王に進言して幾人も蘇らせており「彼岸帰航」の名に相応しい人物であると言える。

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次回はまとめ

sasuga_koyou at 23:33│Comments(0)TrackBack(0)clip!研究・考察 

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