2008年07月18日
釣瓶落としと妖怪星座
東方地霊殿1面中ボスとして、絶大なインパクトで登場した「釣瓶落とし」キスメ。
しかしその登場は、実は1年以上前から示唆されていた事にお気づきだろうか?(←やや大袈裟)
『電撃萌王』2007年2月号、東方香霖堂第21話「妖怪の見た宇宙」では、霖之助の所持する渾天儀と、それに記された「妖怪の星座」の話が出てくる。
渾天儀に書かれた奇妙な文字とは、星座の名前だったのだ。
「ここに書かれているのは……雪入道座、火炎婆座、芭蕉精座……。どうやら星座の名前だと思う」
(中略)
手の目座、釣瓶落とし座、大天狗座……。
「どれもこれも全て、日本の妖怪の名前じゃないか」
(中略)
また、一際大きな文字で書かれているのは天龍座である。これは所謂北斗七星の事だ。天龍は常にある一点を見つめており、いつか飛び出そうとしていると言う。その一点にある星、それが北極星である。
そう、既に求聞史紀で存在が確認されている大天狗と並んで、堂々と星座の名前になっている(ちなみにこれらの星座の命名は八雲紫による)のだ。
この回では、既に登場していた鬼と天狗に関しても、天体と関連付けて語られている。(曰く、伊吹童子はオリオン座で天狗は彗星である)
また、天龍に関しては次のような解説がある。
「流れ星とは……天を翔る龍、天龍の鱗が剥がれ落ち、光り輝いた物だ。だからこの道具では位置を調べる事は出来ないよ」
(中略)
思えば、第一回の流星祈願会から、魔理沙は星に因んだ魔法を使うようになった気がする。
今では魔法の流星と言えば、魔理沙の一番のお得意技だ。さらに、毎年のように流星群の日付を訊きに来ては、一人でも流星を見ているらしい。
魔理沙は天龍に魅入られたのだろうか。それとも、願い事が叶ったのだろうか。
一番のお得意技、といえば恋符「マスタースパーク」を思い浮かべる人も多いだろうが、ここで言われているのは魔符「スターダストレヴァリエ」だろう。ちなみに花映塚の分の1回差により、マスタースパークを凌いで最多登場作品数を誇る。
また、東方萃夢想・東方緋想天で魔理沙の使うスペルカード、星符「ドラゴンメテオ」の名はこの天龍に由来していると思われる。
ここまでくれば、星座として名を挙げられている他の妖怪も、東方本編と関わる可能性は高いとみても良いのではないだろうか。流石に地霊殿の4ボス以降に来そうな格ではないが、さらに次回作以降に期待しよう。
以下には、各妖怪の概要を紹介する。
しかしその登場は、実は1年以上前から示唆されていた事にお気づきだろうか?(←やや大袈裟)
『電撃萌王』2007年2月号、東方香霖堂第21話「妖怪の見た宇宙」では、霖之助の所持する渾天儀と、それに記された「妖怪の星座」の話が出てくる。
渾天儀に書かれた奇妙な文字とは、星座の名前だったのだ。
「ここに書かれているのは……雪入道座、火炎婆座、芭蕉精座……。どうやら星座の名前だと思う」
(中略)
手の目座、釣瓶落とし座、大天狗座……。
「どれもこれも全て、日本の妖怪の名前じゃないか」
(中略)
また、一際大きな文字で書かれているのは天龍座である。これは所謂北斗七星の事だ。天龍は常にある一点を見つめており、いつか飛び出そうとしていると言う。その一点にある星、それが北極星である。
そう、既に求聞史紀で存在が確認されている大天狗と並んで、堂々と星座の名前になっている(ちなみにこれらの星座の命名は八雲紫による)のだ。
この回では、既に登場していた鬼と天狗に関しても、天体と関連付けて語られている。(曰く、伊吹童子はオリオン座で天狗は彗星である)
また、天龍に関しては次のような解説がある。
「流れ星とは……天を翔る龍、天龍の鱗が剥がれ落ち、光り輝いた物だ。だからこの道具では位置を調べる事は出来ないよ」
(中略)
思えば、第一回の流星祈願会から、魔理沙は星に因んだ魔法を使うようになった気がする。
今では魔法の流星と言えば、魔理沙の一番のお得意技だ。さらに、毎年のように流星群の日付を訊きに来ては、一人でも流星を見ているらしい。
魔理沙は天龍に魅入られたのだろうか。それとも、願い事が叶ったのだろうか。
一番のお得意技、といえば恋符「マスタースパーク」を思い浮かべる人も多いだろうが、ここで言われているのは魔符「スターダストレヴァリエ」だろう。ちなみに花映塚の分の1回差により、マスタースパークを凌いで最多登場作品数を誇る。
また、東方萃夢想・東方緋想天で魔理沙の使うスペルカード、星符「ドラゴンメテオ」の名はこの天龍に由来していると思われる。
ここまでくれば、星座として名を挙げられている他の妖怪も、東方本編と関わる可能性は高いとみても良いのではないだろうか。流石に地霊殿の4ボス以降に来そうな格ではないが、さらに次回作以降に期待しよう。
以下には、各妖怪の概要を紹介する。
・雪入道
岐阜・富山・岡山などで伝わる妖怪。
雪の振る明け方に現われる、一つ目一本足の大入道。
雪の上に30cmほどの大きさの、片方だけの足跡を残すという。
「一本だたら」と共通点が多い。
・火炎婆
高古堂主人『新説百物語(1767年)』に登場する火の妖怪。
強欲な老婆が化けた妖怪で、最上寺に出没し口から火を吹くという。
また、似た妖怪として「姥が火」がいる(こちらの方が有名か)
これは『諸国里人談(1743)』や『画図百鬼夜行・陽(1776年)』、『古今百物語評判』などに登場する妖怪で、死後の老婆が化けた火の玉。
・芭蕉精
佐藤成裕『中陵漫録(1826年)』では、主に琉球の怪異として紹介されている。
琉球では衣服は芭蕉から作られるため「蕉園」という芭蕉を植えた畑があちこちにあり、
そこを夜に通ると異形のものに出会うとか、鬼子を孕むようになるという。
信州の話もある。若い僧が夜更けまで書物を読んでいると、見知らぬ美女があらわれ微笑みかけてきた。とっさに切り払うと女の姿はかき消えたが、翌朝血の跡をたどっていくと、庭の芭蕉が切られて倒れていたという。
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺・雨(1780年)』には画とともに
「もろこし(中国・楚)にて芭蕉の精人と化して物語せしことあり。今の謡物はこれによりて作れるとぞ。」
とある。
「今の謡物」とは能の演目『芭蕉』の事で、法華経を読誦する僧のもとへ「草木成仏」を尋ねる芭蕉の精の女が登場する。
・手の目
鳥山石燕『画図百鬼夜行・陽(1776年)』に描かれている、座頭姿で、両目が顔ではなく両手の掌に目がある妖怪。
怪談集『諸国百物語(1677)』にはある男が京都七条河原の墓場で80歳くらいの、顔に目がなく手に目がある老人に襲われたという怪談が載っており、石燕の「手の目」に影響を与えたと考えられる。
また、尾田淑『百鬼夜行絵巻』には「手目坊主」という類似の妖怪が紹介されている。
個人的には、今後の芭蕉精の登場はかなり濃い線だと思う。
幽香や秋姉妹がいるとは言え、木霊のようなタイプの植物妖怪は東方では新鮮だ(もっとも、釣瓶落としも木の精という解釈はあるが)。
女性の姿で現れる点もちょうど良く、松尾芭蕉やバナナ(実芭蕉)など、洒落で絡められるネタも豊富。
ところで手…の目……?「きゅっとしてドカーン」とは……いやいや。
岐阜・富山・岡山などで伝わる妖怪。
雪の振る明け方に現われる、一つ目一本足の大入道。
雪の上に30cmほどの大きさの、片方だけの足跡を残すという。
「一本だたら」と共通点が多い。
・火炎婆
高古堂主人『新説百物語(1767年)』に登場する火の妖怪。
強欲な老婆が化けた妖怪で、最上寺に出没し口から火を吹くという。
また、似た妖怪として「姥が火」がいる(こちらの方が有名か)
これは『諸国里人談(1743)』や『画図百鬼夜行・陽(1776年)』、『古今百物語評判』などに登場する妖怪で、死後の老婆が化けた火の玉。
・芭蕉精
佐藤成裕『中陵漫録(1826年)』では、主に琉球の怪異として紹介されている。
琉球では衣服は芭蕉から作られるため「蕉園」という芭蕉を植えた畑があちこちにあり、
そこを夜に通ると異形のものに出会うとか、鬼子を孕むようになるという。
信州の話もある。若い僧が夜更けまで書物を読んでいると、見知らぬ美女があらわれ微笑みかけてきた。とっさに切り払うと女の姿はかき消えたが、翌朝血の跡をたどっていくと、庭の芭蕉が切られて倒れていたという。
鳥山石燕『今昔百鬼拾遺・雨(1780年)』には画とともに
「もろこし(中国・楚)にて芭蕉の精人と化して物語せしことあり。今の謡物はこれによりて作れるとぞ。」
とある。
「今の謡物」とは能の演目『芭蕉』の事で、法華経を読誦する僧のもとへ「草木成仏」を尋ねる芭蕉の精の女が登場する。
・手の目
鳥山石燕『画図百鬼夜行・陽(1776年)』に描かれている、座頭姿で、両目が顔ではなく両手の掌に目がある妖怪。
怪談集『諸国百物語(1677)』にはある男が京都七条河原の墓場で80歳くらいの、顔に目がなく手に目がある老人に襲われたという怪談が載っており、石燕の「手の目」に影響を与えたと考えられる。
また、尾田淑『百鬼夜行絵巻』には「手目坊主」という類似の妖怪が紹介されている。
個人的には、今後の芭蕉精の登場はかなり濃い線だと思う。
幽香や秋姉妹がいるとは言え、木霊のようなタイプの植物妖怪は東方では新鮮だ(もっとも、釣瓶落としも木の精という解釈はあるが)。
女性の姿で現れる点もちょうど良く、松尾芭蕉やバナナ(実芭蕉)など、洒落で絡められるネタも豊富。
ところで手…の目……?「きゅっとしてドカーン」とは……いやいや。

















































