【3月労働力調査】 
 総務省統計局が28日に3月の労働力調査(1週間前までの就業状況の調査)の結果を発表。

 3月の就業者数は前年同月比69万人増、前月は51万人増。
 雇用者数は前年同月比58万人増、前月は48万人増。
 完全失業者数は前年同月比28万人減、前月は25万人減。
 失業率(季節調整値)は前月から横ばいの2.8%。

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 詳細は総務省統計局で確認できます。

 3月の失業率(季節調整値)は前月から横ばいの2.8%となりました。ただ労働者の動きをみると就業者数(前月比+13万人)は増加したのに対し失業者数(前月比▲6万人)は減少しており、見た目より改善しているといえます。

 就業者数(原数値)をみると前年同月比+69万人と前月(+51万人)から上げ幅を拡大、雇用者数も前年同月比+58万人と前月(+48万人)から上げ幅を拡大しました。一時期ほどの勢いはなくなりましたが就業者数、雇用者数は増加傾向を維持していると判断できます。

 就業者数を産業別にみると「建設業」(▲5万人)や「運輸・郵便業」(▲4万人)、「卸売業・小売業」(▲4万人)がマイナスに転じたほか「医療・福祉」(▲17万人)がマイナスを維持したのに対し「製造業」(+28万人)や「研究・専門・技術サービス業」(+11万人)が上げ幅を拡大したほか「宿泊・飲食サービス業」(+5万人)がプラスに転じました。

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 雇用者数を雇用形態別にみると正規の職員・従業員(+26万人)が前月(+51万人)から上げ幅を縮小、非正規の職員・従業員(+17万人)は2ヶ月ぶりにプラスに転じました。
 性別でみると男性は正規(+20万人)がプラスを維持したのに対し非正規(▲8万人)は2ヶ月連続でマイナスとなったのに対し女性は正規(+6万人)の上げ幅が縮小、非正規(+24万人)の上げ幅が拡大しています。

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 今後ですが製造業や運輸業などを中心に労働需要は強そうなことから就業者数、雇用者数ともに一定の伸びを維持しそうです。ただ雇用者の動きをみると男性は正規雇用の増加、非正規が減少と非正規から正規への転換が見えるような動きになっているのに対し女性は正規雇用が伸び悩んでいるのは気になるところです。


【3月一般職業紹介状況】 
 厚生労働省が28日に3月の一般職業紹介状況(公共職業安定所における求人、求職、就職の状況)の結果を発表。

 有効求人数は前月比0.9%増の263万7000人、前月は0.7%減。
 有効求職者数は前月比0.1%減の182万4000人、前月は0.5%減。
 有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の1.45倍。

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 詳細は厚生労働省で確認できます。

 3月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の1.45倍となりました。動きをみると有効求人数が前月比0.9%増と2ヶ月ぶりに増加したのに対し有効求職者数は前月比0.1%減と2ヶ月連続で減少、求人数が増加したことから求人倍率は2ヶ月ぶりに上昇しています。

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 一方、有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.1ポイント上昇の2.13倍となりました。動きをみると新規求人数(+0.9%)は2ヶ月連続で増加、新規求職申込件数(+0.4%)も2ヶ月連続で増加しています。

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 今後ですが趨勢をみると求人数は増加、申込者数は減少してきましたが動きは小幅になりそうで求人倍率はほぼ横ばいで推移しそうです。

 全体として雇用の量的改善は進んでいると判断できますが非正規雇用から正規雇用への転換や毎月勤労統計で確認できる賃金上昇率の鈍さなどを考えると質的(労働者の待遇改善など)な改善はようやくその動きが出てきたもののかなり鈍いように見えます。

 人手不足が続いているものの労働者の質的改善にはなかなか繋がっていないことから、スムーズに質的改善を促す政策が必要なように見えますが…


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