□■□ 生徒の「声」が聞こえる授業に □■□
今の時期、教員は年度末に向けて多忙な時期ですが、同時に、今年度の反省をもとに、来年度はもっと違った方向、新しい試みで授業を展開したいという思いも出てくる時期であると思います。
特に、私と同業の中学・高校の国語科で若手の先生方の中には、「講義式」「一方通行」の授業から、来年度こそ脱却したい、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、グループワークへの橋渡しになるようなお話を。
たとえば・・・
一応、先生方の「ご意見」を「伺う」だけの会議・・・。
生徒も一緒ではないでしょうか。
授業者があらかじめ、「もっていきたい方向」を胸に秘めていて、それに合う意見は取り上げ、方向が違う意見か出ると「他には?」なんて軽く、いなされたりして・・・。
生徒にとって、「自分がどう考えるのか」ではなく、「先生はどんな答えを求めているのか」を考えなくてはならないような授業・・・。
そのような授業では、多くの生徒は、本気で話す気にはなれないでしょう。
そのような授業で、いかにも活発にやりとりしている授業を、私は生徒の「過適応」(先生に合わせる処世術のやりすぎ)と思っています。
まして、発言が「発表点」とか言って、「成績」にからめられるとしたら、お互いに牽制しあってしまって・・・。
私たち教員でも、職員会議での発言が、「査定」に関わるなんていったら、しらけちゃいますよね。
そういう意味では、生徒から意見を引き出したいなら、先生も本気で生徒と同じ地平に立って「学び合いたい」っていう気構えを持つことが、結構大事かもしれないと思います。
もちろん、そこには授業がどっちにいくか分からないような危うさもありますが、その危うさの中にこそ、ホントにスリリングで面白い「学びの場」が現出するんだと思います。でも、生徒って案外、ちゃんとした学びの方向に向かうものです。
こういうと理想論といわれそうですけれど、そういう「理想」を私たちがが心にしっかり持っていていきたいものです。
さて、実際の授業の展開ですが、いきなり生徒に発言させるのが難しい場合、B6くらいの小さな紙(ミニレポート)を配って、まずそこに設問の答えを簡単に記述させてみたらいかがでょうか。声に出して発言するのは苦手でも書くだけなら、けっこういい意見に出会えるものです。
このミニレポートは、ほんとに機能的で多様な活用法があります。
書いてから、生徒に発表させるも良し。発表はさせずに授業者が回収し、その場でDJがハガキを読むノリで紹介しても良し。後日、B4両面に、いくつかをコピー印刷して皆に紹介、講評するも良し(この場合、記名・匿名のルールに注意!)
さらに、たとえば、各自のミニレポートを「ペア学習」と称して、隣同士で見せ合ってお互いの参考にさせあったり、それを「グループ学習」に発展させて四人くらいで回覧しあって、同じ意見、違う意見を整理させて、グループの代表に発言してもらうとか・・・。
四人くらいのグループを作ったら、司会役、記録役、発表役、なんていうのをジャンケンで決めあうと、それだけで、教室が盛り上がります。
たしかにグループ学習は、配慮しなければならないことがいろいろあり、やらせる授業者の方が臆病になってしまうこともありますが、生徒のほうは、体育のチームプレーや家庭科実習、理科・地歴公民の実験・調査活動、英語のコミュニケーション・トレーニングなどで慣れているものです。
特に、新学期から、自分の授業のスタイルとして生徒に説明していけば、「この先生は、こういう風にやるのだ」と、生徒の方でも理解してくれます。
「国語もコミュニケーションの学び合いだよ」と位置付けて、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
グループワークの作業に慣れて、班の中でのリーダーシップのとり方、リーダーへのフォローの仕方がお互いに分かってきたら、次第に授業全体の内容や進行も「教員主導」から「生徒主導」にもっていく展望が開けてくるかもしれません。
教室という<場>は、それぞれに固有の性質を持っていますから、何事も一様にうまくいくとはかぎりません。
しかし、それぞれの<場>を見据えながら、自身の教育者としての「目指したいこと」にも、ぜひ、こだわってほしいと思います。
そうしたチャレンジの過程で、様々な成功、失敗の経験を教員・生徒がお互いに積み、よりよい授業を作り出していければ、と思います。
おとなしい生徒、無口な生徒、などにも配慮しながら、先生方が先入観のないオープンな気持ちで、「生徒の声」を聞いていけるような授業にしていきたいものです。
「生徒も一緒ではないでしょうか。」と問いかていますよね。その通りだと思います。では「司会役、記録役、発表役、なんていうのをジャンケンで決めあう」ことを校長が職員会議でやった時を想像してください。
馬鹿馬鹿しいですよね。
やられた職員はどう思うでしょうか?
「バカにするな!」でしょうね。
では、どうしたら職員が話し合うか、その答えと、子どもたちに与えるべき環境は一致していると思います。
興味があれば、一度、メールしてくださいね。
グーグルで「西川純」を検索すると見つけられると思います。