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ネタバレ注意

●シナリオ
バケモノ(女郎蜘蛛)である初音と、初音が助けた少女かなこを中心とした伝奇モノ。
言わずと知れた名作であり、かなり読み応えのあるシナリオ。
長さとしては、3~4時間程度あれば読み終えてしまうくらいで、一気に読み終えてしまった。
序盤は初音が贄とする人間を陥れていく様子から初音の残忍性を中心に描き、終盤は、初音とかなこの関係、初音と宿敵である銀の因縁、それらの決着というのが大まかな流れ。

初音が、銀と戦う中で、かなこが現れたことを契機に、徐々に蜘蛛の形態ではなく、ひとの形を保ちながら戦うようになる心情描写には、泣きながら熱くなった。

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全体として、テキストが丁寧かつ美しかったが、終章のテキストは本当に秀逸。
特に、ほころび編から終章への展開は、BGM、テキストのすべてが噛み合い、鳥肌が立つほど素晴らしいものだった。
「――忌々しい、この、耳・・・!ひとの形をしているくせに、聞こえ過ぎる。 銀の居場所も感じ取れない割には、かなこの嗚咽ばかりが、いつまでも、いつまでも・・・!」は個人的に作中一番好きな文章。

●キャラ
なんと言っても初音姉様こと、比良坂初音が魅力的。
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序盤から中盤にかけての、人を食いものにするバケモノの感性が描かれた後の、終盤で、同じく人を食いものにした銀に対して怒りを感じる姿、かなこを突き放しつつも、蜘蛛の姿を見られることを嫌がり、ひとの形に戻る場面など、悪も善も、強さも弱さも併せ持つ姿が印象に残った。
かなことの関係が細かく描かれており、「姉様などと…呼ばせるのでは…なかったわ」という一文は本当に好き。
かなこに自分を重ね合わせ、かなこが絡むと弱さや優しさを見せるところも、普段とのギャップがあり素敵。

●音楽
BGMは「Throwing into the banquet」、「Going on」、「Huge battle」がかなりお気に入り。
いずれも、終章付近で流れる印象深いBGM。
特に終章に雪崩れ込むと同時に流れるGoing onは名曲。

総評:
テキストとBGMの組み合わせが本当に秀逸な作品。
伝奇モノが好きな人は絶対にプレイするべき作品の一つだと思う。