2008年09月14日
橋本敏朗さん追悼
掲示板でお知らせしているように、馬場小室山遺跡研究会の大切な仲間である橋本敏朗さんが亡くなられました。とても残念な想いでいっぱいです。明治大学考古学博物館(現・明治大学博物館)の10周年記念論文集に橋本さんは「素晴らしき考古学」というエッセイで、考古学との出会い体験を書いておられます。一冊の月刊誌に掲載された画家の横尾忠則氏の文章に引き寄せられて井戸尻・尖石の博物館を訪れた体験をきっかけに考古学に目覚めたことを伝えるとともに、「何かに興味を抱くということは、感動的な出会いが重要な因子になっていると考える」と述べておられます。
そして驚くべきことにそれから橋本さんは、仕事の合間を遺跡探訪に費やすようになったのです。コンピューター技術者であり、歴史にはどちらかと言えば門外漢だった橋本さんは、このとき方向転換とも言える行動を開始したのです。このエッセイを読みますと、博物館の展示の仕方にも着目しながら探訪を続けられたこと、あるいは発掘現場や考古学講座にも熱心に通われた姿が目に浮かびます。
寺野東遺跡にも着目されていた橋本さんが、馬場小室山遺跡にも関心を向けられたのは当然のことであったようです。いつも穏やかな笑顔を絶やさず温厚な性格の方と思っておりましたが、確固とした志をいだいていたことは、遺跡の紹介を明治大学博物館友の会の会報に紹介記事を書いててくださったことでもよくわかります。それは橋本さんの遺跡への大きな貢献であり私たちへの励ましでありました。
奥様がご主人のご病状を心配されておられていたからでもあるのででしょうが、ご一緒されていたことも記憶に残っています。エッセイには仕事の都合で参加できない講座に奥様が代理出席してテープ録音されたというほほえましいエピソードも記されています。
写真は第二回の市民フォーラムでご一緒に受付けをしていたときのものです。ご家族の悲しみをお察し申し上げます。心から哀悼の意を表したいと思います。
