2014年03月25日

「観音の里の祈りとくらし展ーびわ湖・長浜のホトケたち」を観て

592228cd.jpg21日から開催されている東京藝術大学大学美術館「観音の里の祈りとくらし展ーびわ湖・長浜のホトケたち」のブロガー内覧会のご案内をいただき、開催前日に参加させていただきました。最初に、この展覧会の見どころを、長浜城歴史博物館 太田副館長に解説いただき、出品されている観音像の魅力を教えていただきました。どこにでも見かけられるように思える観音さまたちですが、それぞれに里人たち根づいた信仰にもとづき伝えられてきたという歴史をも知りました。配っていただいた図録をひもときながら、あらためてその魅力を味わっているところです。
長浜市には130を超える観音様が伝えられていて奈良・平安時代にまでさかのぼるものもあるとのこと、その一体が、今回の展覧会の目玉のひとつである千手観音立像です。(写真)
この観音さまは菩薩立像とともに高月町唐川の観音堂に祀られているのですが、今は廃絶してしまっている赤後寺というお寺に伝わったものです。頭上に11面、42本の腕を持ったのが原型のようですが、頭上面は失われ、腕も12本が残るのみなので、本来のお姿を知っていれば痛々しい状態です。賤ヶ岳の合戦の際、戦禍を免れるために川に沈められたとの伝えがあるようですが、その真偽はともかく、対面してみますと檜の一木造りで十分立派なお姿をとどめています。信仰あつき里人に慕われる存在であり続けたことに、あらためて畏敬の念をいだきます。
図録の説明を見てみますと、観音堂は日枝神社の境内にあるのですが、その境内の石段の下には「御枕石」という石が置かれていて、それはかつて里人たちが川に沈めた際に枕を置いたという伝承を伝えているのだそうです。まさにこの伝承こそ、信仰そのものであるという感をいだかされるお話です。信仰とは、繰り返し語られ伝えられた物語が、深めてくれるものなのでしょう。出品されているのは、全部で18体。重要文化財に指定されているのは、この千手観音像を含め3体です。(写真は主催者の許可を得て特別に撮影させていただいたものです。展覧会は4月13日まで。)

なお、この展覧会場と向かい合わせになっている会場では、「芸大コレクション展」が開催されていました。高橋由一、黒田清輝、安井曾太郎などの名品を鑑賞できる絶好の機会です。1階のロビーには舟越保武「原の城」が展示されていたのですが、思いがけない出会いに少し驚きましたが、感動を味わうことができました。


sawarabiblog at 23:49│Comments(0)TrackBack(0)

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