2017年03月04日

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」

51b5bf37.jpg頻繁に出かけていたわけではありませんが、シネマコンプレックスが自転車で10分ほど走れば到着する位置にあるので便利です。主要な公開作品が、シニアサービスを使って鑑賞できるのは、便利です。我々、高齢者に限らず、ハッピーマンデーといった料金減額サービスもあるので、レンタルショップで借りるよりも、大画面で映画を見るのは、贅沢な喜びを与えてくれます。
すでにいくつかの映画賞を受章している「湯を沸かすほどの熱い愛」ですが、まだ上映中でしたので、鑑賞してきました。私自身もガン治療中の身でもありますので、ガン告知された主人公・双葉の思いは、決して他人事ではありません。双葉は、この世での時間が限られていくことを知ったからには、なし遂げておかなければなければならないことがあったのです。

「絶対にやっておくべきこと」とは何だったのか。まず、家出した夫を連れ帰り家業の銭湯を再開させること、そしていじめられている娘に勇気をあたえること・・・そして、家族の秘密を娘に打ち明ける・・・・

一見、かなり重いテーマのようですが、何気ない食事のシーンなどに、伏線がいくつか貼られていて、いわばミステリー的要素が、たっぷり盛り込まれていました。映画の面白さも堪能できました。

双葉は娘を連れて旅に出ますが、目的は娘の安澄に出生の秘密を告げることでした。真実を告げられた安澄は、初めて出会った聴覚障害の女性(=実の母親)と手話で自然に会話ができるのです。それは双葉が、「いつかきっと役立つから」と、娘の安澄に学ばせていたためだったのです。

ところでこの旅の途中、ヒッチハイクの若者に出会い、うちとけた関係になりますが、
「時間は腐るほどあるんで」と目的も持たない行動を告白するこの若者に、双葉は「最低な人間を乗せてしまったな」と叱咤します。それでも、この若者には別れ際にしっかり抱きしめ、たっぷり愛情を注いでいる姿が描かれています。未来を託すことができるという、信頼の表現といえましょうか。

主演の宮沢りえさんの迫力に満ちた演技は、「いのち」の尊厳を高らかに表現してくれ、ゆるぎがありません。夫を連れ戻すのに、お玉で殴りつけるシーンもあり、ちょっと怖くなりますが、この演出は双葉の毅然とした性格を伝えることでもあり効果的でした。映画の後半部分でも激しい気性が露呈される場面があります。

あえて、家族がめそめそしている場面を描くのを抑制しているのでしょうか、この世では会えなくなった双葉が、周囲の人々の愛情に支えられ、いつまでも家族とともにいることが伝わります。

sawarabiblog at 22:03│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字