沼田FM放送の株主総会静岡の収穫祭

2010年06月17日

口蹄疫

 昨日のニュースで宮崎の口蹄疫が新たな町村に広まったと聞きました。都城で畜産業を営んでいる(有)はざまの間さんが先日テレビに出ていましたが、農業法人協会でお世話になっていた時と比べ、かなり痩せているようすで心労がたたっているのだろうと察し心が痛みます。
 現地で対策をしている方々にはただ、「がんばっていただきたい」と願うばかりです。

 今回の口蹄疫は偶蹄類の動物に発生する病気で、まだその発生原因は解明され発表されていませんが、10年前の発生原因は中国の輸入藁だと聞いていました。
 当然、原因を断つことは防疫上当たり前です。しかしながら、10年前は簡単に終息したためなのかどうかわかりませんが、その後、手軽で安い中国藁を薬剤処理して輸入して使用していたと仲間の畜産関係者から聞きました。
 結果に「もし」はありませんが、もし10年前輸入藁が仮に原因だったとしたら、その時にお金がかかっても国内の稲藁を使用するような仕組みを行政指導で行っていたら今回のことはなかったのではないかと思い残念なのです。
 
 今回は畜産の出来事ですが、ちょっと前では毒入り餃子のことがありました。牛乳のメラミンのことは今でも中国では時々問題になっているようです。何か問題が起きた時に大騒ぎをしますが、誰かに責任を押し付けて表面的な対策だけ行って解決したつもりになっているのではないでしょうか。
 原因を明らかにしてそれに対する本質の改善をしなければいずれ大きな問題になってしまいます。

 私は今回のことだけでなくいろいろな場面で、食料生産に対して行き過ぎた工業的な生産性向上や、商業的合理化を求めすぎているようにしか思えないのです。農業には農業的合理化と農業的生産性向上があります。地域性のある農業は目先の利益だけでなく、将来起こりうる危機に対しての準備や将来実のなる木を植えるなどの投資が重要なのです。それを遅れた発想として産業界や流通業界の中に言い放っている人がいますが、それは間違いであると思います。現に、オフィス2020を主催している緒方さんは、商業で今業績が良いところは他者がまねのできない「育てる」という農業的発想があると言っています。

 今回、宮崎は口蹄疫で畜産農家に対して大きな被害が出ていることはもちろんですが、人の移動制限で観光業はもちろん、商店や飲食業もひどい状態のようです。地域産業である農業がなくなることで、地域経済がなくなっていくのです。今回国が1000億円以上の予算を付けたようですが私はまだ不足だと思います。一度失った農業生産基盤を取り戻し、地域経済を立て直すのには莫大なお金がかかるのです。

 早く口蹄疫が終息して、畜産業が再開し地域が活性化することを願うばかりです。また、これを機に、地域資源を循環する仕組みを構築して口蹄疫はもちろん、あらゆるリスク回避ができる形を作り上げて、新しい日本型畜産のスタイルを作っていただきたいと思います。ある意味ではチャンスだと思うのです。
 

sawaurablog at 09:55│Comments(0)TrackBack(0)

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