2009年07月

2009年07月30日

感動農業・・・私達を支えた人たち

 感動農業・人づくり・土づくり

これは、私達のグループ会社の経営理念です。感動農業というのは平成8年野菜くらぶを会社にしたときに生まれたキャッチフレーズでした。平成19年に経営理念の見直しをしていたときに、この「感動農業・人づくり・土づくり」という言葉が私達の心の中に根付いていた事がわかり、経営理念としました。

昭和40年代初めの我が社の様子
 これは昭和40年初めの頃の我が家の様子です。移っている家は戦後開拓されたときに建てられた家で、平成16年まで住んでいました。

 さて、昭和から平成に入ったときに私の家は家族経営の普通の農家でした。年商も1000万円を越えるくらいの小さな農家でした。現在はグループ年商で20億円を越えるくらいの売上になってきましたが、これまで沢山の方々からの支援や出会いがあって今日に至りました。
 振り返ってみれば農業は人との出会いが有って始めて成り立つモノだと感じ、仕事を通じ、沢山のありがとうと感動を頂いたように思っています。そのような人たちを紹介して行きたいと思います。
澤浦親子

 第1番目に紹介するのはやはり私の両親です。
 昭和11年生まれの父親と昭和17年生まれの母親の間に昭和39年に私は生まれました。父は、元々地主の農家の次男で新宅として現在の土地で農業を昭和38年に始めました。
 父の農業に対する執念と熱意は時々勘違いされるほど強いモノが有ります。それは父親の育ちに有ると思っています。元々開拓で入った父方の祖父母は山を切り開き、炭を焼き、イモを植えてその日の食料を作っていました。しかし、それだけではなくその時にりんごの若木を一本植えたそうです。まだ、食べるものにも事欠くときのことです。それは「子供にうんめえもんを食わしてやりてえ」という世代を超えた愛情だったのです。
 又、母親は度量のある肝っ玉母さんという言葉がそのまま合う人間です。これは母親の育ちに大きく影響があると感じています。母親も農家の長女として生まれました。私の祖父は厳しく徳のある人でした。母親が話していたことですが、戦中、回りの日本人が朝鮮から来た人を差別したり蔑視したりしている時代、私の祖父はそのような事をしなかったそうです。朝鮮の方に食べるものが無ければ家の米を分けてやり、困ったときには色々と面倒を見て、国籍は違っても同じ人として付きあっていたそうです。やがて戦争が終了して形勢は逆転しました。それまで虐げられていた朝鮮の方のそれまでの不満が一気に爆発して馬鹿にしていた日本の人たちは皆、いつおそわれるのだろうとびくびくしていたそうです。
 しかし、その時に母親達は「阿部シャン、阿部シャン」と朝鮮の方から慕われ大事にして貰い小学校に行った位の子供でも、一緒に10km以上も離れた映画館に安心して行くことが出来たそうです。
 私は農業高校を卒業して一年研修に出た後で家に帰り農業を継ぎましたが、当時は沢山の農家が「家の娘は農家にくれないけど、家の息子には農業をやる嫁が欲しい」という時代で、農業に対する愚痴や言い訳ばかりをしている人が多かったように思います。私の父は幸い、農業に関して大きな夢を持っていましたので、私自身一度も農業に対する愚痴や言い訳を父からは聞くことが無く育ちました。多分、そのように育てられたことが今の経営の基盤になっていると感じています。

 時代や世代を超えたモノが私の経営に活かされていると感じずにはいられません。

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2009年07月28日

農産物の価値(想いが将来を作る)

 何となく精神論に入っていきそうな題ですが、想いの深さってとても大切だと感じています。なぜなら今私達が活きているこの世の中は、すべて私達の先祖や先輩達が思い描いた世の中だからです。
 江戸時代には自動車も飛行機もありませんでした。昭和11年生まれの私の父は、一生の内には自家用車を買いたいと大人になったときに思っていたそうです。それが今では、宇宙にも人が行く時代になり、自家用車は何台も持つ時代になりました。30年前、海外旅行は夢の夢だったのですが、今では簡単に行けるようになりました。
 このような事はすべて「こうなりたい」「こうしたい」という欲望から生まれた夢や想いが原動力となって作り上げてきたのです。

 こう考えると将来に対する想いの強さや想いの深さが、時代を作っていくのです。又、人間はそういった習性を持った唯一の動物だと言っても過言では無いように感じています。夢を持っている猫や、自らを高めようとしている犬を見たことは無いと思います。

 さて、農業に関して、又は農産物に関してはどうでしょうか?自分の仕事が今以上に将来どのように役立つのか、そして今抱えている課題を農業を通じてどのように解決していくのか、そういった考え方を持っているのと持ってないのでは、今日栽培している野菜が同じでも、明日出来る野菜に小さな差が生まれ、1ヶ月後、1年後には人が見て判る差になり。10年したら追いつけない差になります。
 この価値はすぐには差が解らず軽視しがちですが、私は農業経営で一番重要だと感じています。この価値を構築しない限り「安い」「高い」の価格競争のみの価値判断に陥ってしまいます。
 すぐすぐは差を出せない価値ではありますが、現在抱えている社会の問題を課題に変えて取り組んでいる農業をしていくことが、真の価値創造になると考えています。

 夢や将来性のある人と
 現状満足している人と
 現状逃避している人と
 あなただったらどんな人からモノを買いますか?

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2009年07月25日

静岡農場の塚本さん

20090725塚本
 今日は菊川(静岡)に来ています。新聞の取材を受けながら畑を見ました。写真の畑は株式会社やさいの樹の塚本さんのオクラ畑です。一本取れたてを食べてとても美味しいオクラで、驚きました。

 塚本さんは、昨年8月に独立して1年目の決算を迎えるところです。彼女の頑張りはそのものが物語になるほど色々な事がありました。
 その1
 夜中2時、トラクターで作業をしていて警察に捕まった。
 これは、笑い話ですが翌日から1週間雨が降るという時に
「今日、レタスを植える床を作らないといけない、」
と夜中までかけて1週間分のレタスの床を作りました。
 この決断と実行力が実を結び、今年独立初年度で数千万円の売上と利益を出すほどの、素晴らしい業績を出すことが出来ました。多分彼女の1ヶ月のその時の労働時間は400時間を超えていたと思っています。

 まだまだ決して一人前ではありませんが、地域の方からも色々と指導を頂き今年は深川君が同じように独立します。一人ひとり農業を志す人が一人前になっていく姿は、私も野菜くらぶの仲間もとても頼もしく見ています。

 現在、「職」がないと言って沢山の人が職を探しています。私も見ていて大変だなと思うことが沢山あります。
 しかし、塚本さんを見ていてやることは沢山あると感じています。自分で責任を負って仕事をする人には回りから仕事はどんどん集まってきます。責任を取らない人には場当たり的な仕事しか生まれません。
 日本は人が唯一の資源、働くと言うことの価値観を再度見直すときが来たのではないかと塚本さんを見ていて感じました。

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2009年07月23日

農産物の価値(組織力の価値、販売偏)

 前回は生産組織について書きました。今回は販売する組織について書きたいと思います。
 
 農業生産には一番効率の良い規模がありますが、その規模がそのままお客様から見たときに適正な規模だとは限りません。往々にして、生産の適正な規模よりも顧客から求められる規模が大きい物です。

 顧客の規模に合わせて一社で規模拡大をしてマーケットを抑えると言うこともありますが、それは工業化できる限られた農産物では可能ですが、それ以外の生産物の多くは前回書いたように適正規模で経営していくことが重要で、一番競争力を持ちます。
 
 ではその生産と顧客からの注文のギャプをどのように埋めたらよいのでしょうか。
 それが農業の販売や管理面での組織化だと思っています。つまり、製造メーカーの生産部門をバランスの良い規模の生産組織が行い、販売や管理に関しては統括する営業部門や管理部門が行うと言うことが理想です。
 その時に重要なのが、それらをまとめる「経営理念」や「会社の目的」「存在意義」になります。色々な職種の人が関わりますのでややもすると排他的になりがちな農業の中では、志を同じくしながら違う仕事を行う、スポーツで言えば野球のようなチームプレーが大切になります。

 このような組織化をすることで、年間安定した野菜の生産供給が可能になっていくのです。単純に農業生産をして行けば安定するというわけではありません。すべての人がピッチャーをやりたがったら、野球にならないのと一緒で、時にはバントの為だけの人も重要なのです。そのような人たちがお互いに認めあえる組織化が、とても大切です。

 このような事がしっかり出来ているところと出来ないところでは当然お客様からの信用度や信頼度も変わってきます。
 組織の価値とは、連係プレーを出来るチーム農業づくりで、その為に一人ひとりが持ち場で一流になっていくことでもあります。組織と個人の本当の意味での良い関係を作らなければ自然と人を相手にした農業の世界では通用しないと言うことだと思います。
 その事で結果として良い農産物をお客様に届けられ、絶対的な競争力を持ってくるのです。組織の価値はそこにあります。

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2009年07月21日

農産物の価値5(組織力の価値)

 前回は「栽培する人が生み出す価値」について書きました。栽培する人の人柄や農業に対する姿勢が、大きな差になると言うことです。

 さて、今回は組織力が生み出す価値について考えてみたいと思います。農業は家族経営で行ってきました。最近企業参入で、農業の産業化や農業の企業化と言うことが言われていますが、効率よい農業経営をしているところは家族経営の良さを活かしているところではないかと感じています。
 農業生産に限って言うとやはり家族経営(又は家族経営の手法を取り入れている所)が優れていると感じています。この事は海外でも同じです。アメリカでも大きな農場は沢山ありますが、ほとんどは家族経営であると聞いたことがあります。現に私が視察に言った大きなレタス農家も家族経営でした。又、EU諸国は家族経営がやはり基本です。

 農業生産にはバランスの良い経営規模がある様に感じるのです。売上規模別に見ると
 売上3000万円から5000万円の規模
 この規模ですと家族と数人のパートさんで野菜生産が出来、外部に支払う人件費が低く抑えられます。その為にリスクが少なく色々とアイデアを活かせ機動力があり、利益が出しやすい規模になっています。
 売上1億円
 この規模になると家族以外の従業員が必要になり、それなりの責任を持って働いて貰う必要が生まれてきます。人件費もパートさんではなくなりますので、それまでよりも高くなり、利益を出しにくい規模になってきます。
 売上2億から3億
 この規模は正社員を数名おいてパートさんと一緒に経営できる規模で、経営者は経営管理や先を見て手を打つことが出来るようになるので、一番生産組織として効率的な規模だと感じています。色々な農業法人を知る中でこの売上規模の法人が一番経常利益を出しているように感じています。中には経常利益率が20%を超えるところも有ります。
 5億以上
 この規模になるとそれまでの経営方法では全く組織は機能しなくなります。人間関係のトラブルや非効率な作業をする人が出てきて売上は伸びても利益が出ない一番経営的に苦しい規模のように感じています。これは他産業でも同じようなことが言えるようです。中小企業家同友会の人に聞いたところ5億50人の規模が組織を変える一番重要な時期で、これを超えるときに組織変革(管理の変革)できない場合は組織的に弱い組織になって何かの変化の時に耐えられない状況になるようです。

 さて、生産組織の適正規模について私なりの意見を書きました。つまり、規模を単に大きくすることが良いわけではなく、バランスの良い規模が重要だと言うことです。
 しかし、販売組織という面では生産組織と全く違った考え方と機能が必要になります。販売組織の機能という面では次回書きたいと思います。

sawaurablog at 21:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)