ノルマンディーの空の下 〜Sous le ciel de Normandie

        印象派のふるさとからの フランス田舎生活だより

ジヴェルニーで ジャポニズム/印象派展

クロード・モネの終の住処ジヴェルニー。
印象派の聖地にある印象派美術館では、現在、
「ジャポニズム/印象派」展が
開催されています。(2018年3月30日ー7月15日)

2018年は、日仏交流160周年。
日本とフランスの各地で多数行われる
記念イベントの中でも、
とりわけ注目を集める展覧会です。

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(Paul Signac / Femme se coiffant.Opus 227, 1892)

日本の長い鎖国時代が終わり、
浮世絵など日本の芸術作品が、大量に、
西洋に輸出されるようになった19世紀末。

その独特で高度な作品群は、
西洋人にとっては大発見であり、
ジャポニズムという言葉が生まれるほど、
芸術家や収集家たちの注目を集めました。

そして、その時代のフランスでは、
まさに、既定の画法には満足できない
反骨精神に溢れた若い画家たちが、
印象派のムーブメントをおこしていたのです。
これは、まさに運命的な出会いだったんですね!

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(Kitagawa Utamaro / Le Maquillage, vers 1795-1796)

新しい美を模索していた画家たちは、
浮世絵の色彩の鮮明さ、大胆な構図などに
大きな衝撃とインスピレーションを受け、 
熱意をもって研究に挑みました。

ジャポニズム/印象派展のポスターは、
化粧台に向かう女性を背後から描いた
ポール・シニャックの作品。

当時の西洋画家たちにとって、
うなじを見せ、鏡に映る自分に見入っている
芸者を描いた 喜多川歌麿の浮世絵は、
驚愕するほど斬新な構図だったのです。

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(William Merritt Chase / Un coin confortable, vers 1888)

展覧会場は、4つのテーマに分かれています。
第1セクション「芸者」には、
着物を着た西洋女性や、日本小物のモチーフ、
扇形の紙に描かれた作品などが
集められています。

浮世絵を通じて普及した芸者像は、
気品とエロスを兼ね備えた女性として、
西洋の芸術家を魅了したそうです。

男性のファンタジーが投影されているのか、
私には、この着物に身を包んだ西洋女性は、
とても挑発的に見えました。
裾からペチコートをのぞかせ、
ストッキングに革靴をはいているのが
当時の雰囲気がよく分かって、面白いですね!

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第2セクション「画家兼収集家」では、
浮世絵や日本小物が、背景やモチーフに
描かれている西洋絵画が集められています。

海を渡った、北斎、広重、歌麿の作品を含む、
多数の浮世絵も展示されています。

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(Jules Chéret / Exposition des maîtres japonais, 1890)

第3セクション「印象派版画」では、
西洋の画家たちが製作した版画が
展示されています。

1890年パリの国立美術学校で開催された
日本版画の大展覧会は大評判となり、
西洋芸術家たちの、
版画芸術に対する関心を高めたそうです。

ここまでのセクションで、
モネ、マネ、ドガ、ルノワール、ゴーギャン、
カサット、カイユボットなど、
ほとんどの印象派メンバーが、色んな形で、
ジャポニズム作品を製作していました。

その探究精神と情熱に、感動するとともに、
日本芸術の偉大さを、再認識しました。

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第4セクション「規範の変化」では、
日本芸術から受けた影響を、
芸術的に探究、消化した後に、
各自の作風で完成させた作品が展示されています。

モネの「睡蓮の池」や「日本橋」をはじめ、
ジヴェルニーのアトリエに残された
未完成の作品も見ることも出来ました。

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特別展「ジヴェルニーで平松」は、
日本人現代画家・平松礼二氏の展覧会です。
平松氏は、モネの睡蓮と出会って
衝撃を受けて以来、
日本画作家の視点で、ジャポニズムを研究し、
作品をつくられているそうです。

日本画でありながら、とてもモダンで、
モネの池の睡蓮が、
みごとに日本画に再生されたといえる
光と色に溢れた すばらしい作品の数々でした。

日本芸術に影響を受けた印象派画家の作品に、
次世代の日本人画家が、
また影響を受けて、新たな美を探究し、
独自の作品を創造していく、、、

芸術大国フランスが企画した
日仏交流記念にふさわしい、すてきな展覧会に
心から満足した一日でした。

さゆり

Musée des Impressionnismes Giverny
http://www.mdig.fr



茅葺き屋根 街道をゆく

春の田舎の風景をさがして、
茅葺き屋根街道 (la Route des Chaumières) を
散策してきました。

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茅葺き屋根街道は、
11もの小さな村を横切る 53キロ続く田舎道。
その両側には、ノルマンディー地方を代表する
色んな、茅葺き屋根の民家が点在しています。

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場所は、バレ・ド・ラ・セーヌ(la vallée de la Seine)という、
ルーアン左岸とオンフルールの中間あたり。
くねくね曲がりながら流れるセーヌ川沿いの
森林地帯にある 雄大な地方認定保護地域
ブックル・ド・ラ・セーヌ・ノルマンド自然公園
(Parc naturel regional des Boucle de la Seine Nornande)
の一部です。

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街道は、車で通過することになりますが、
ゆっくり民家を眺めて、散歩したい人は、
ビュー・ポーという村の、
セーヌ川岸にある駐車場に車を停めれば、
周辺の散策が出来ます。

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セーヌ川を臨む高台に位置するこの村には、
美しい茅葺き屋根の民家が 沢山あります。

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これらの民家は、個人の住居で、
とても美しく手入れされています。
それは、伝統を大切に守り続ける職人たちの、
すばらしい仕事の 証となっているのです。

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屋根の上に植える植物は、
菖蒲が伝統だということです。
わざわざ植えてるなんて、知らなかった!

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木枠がみえる家屋は、伝統的なノルマンディー建築。
木や茅は、もちろん、この地域のものが使われています。

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とりわけこの季節は、庭に咲き誇る
季節の花々を眺められるのも、嬉しい。
藤の花のむこうに見える茅葺き屋根は、
ちょっと、日本への郷愁を誘います。
あちこちで見かけるノルマンディーのシンボル、
りんごの木も、今が花盛りです。(一枚目の写真)

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茅葺き屋根街道は、車でしかアクセス出来ず、
観光バスは、まだ入っていません。
まさに、私的ノルマンディー案内に、ふさわしい場所(笑)!
気に入ってもらえたら、とても嬉しいです。

これからも、一緒に、ノルマンデイー散策を続けて下さいね💛

さゆり

ノルマンディー観光情報 La route des chaumières
Normandie Tourisme    www.normandie-tourisme.fr/iti/ la-route-des-chaumieres


日本酒試飲会 フランス人の反応は?

4月12日 ル・アーヴルで開催された
アトリエ・サケ~日本酒講習会に参加しました!

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会場は、印象派コレクションで有名な
ムマ美術館地下の会議室。
実は、私はこのイベントを企画した
日仏協会・港の会員なので、主催者側。
協会では、ノルマンディーと日本を繋ぐ活動を
随時おこなっています。

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かつては未知だった日本酒も、
近年、パリに日本酒専門店が出来るなど、
フランスでも知名度が上がってきています。

今回の日本酒講習会は、
ル・アーヴルの中心、世界遺産地区にある
おしゃれな酒屋さん 
ラ・カーヴィストとのコラボレーション。

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女店主のフレデリークさんは、
醸造学のスペシャリスト。
ワインはもちろん多種のお酒を取り揃え、
的確なアドバイスをしてくれるので
地元のファンが多いお店です。

講師を務めて下さったのは、
広島県酒造組合の大使 リヤ子さん。
日本酒の良さをフランスに普及するため、
フランス各地を飛び回っておられます。

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会場に足を運んでくれたフランス人40名の
参加理由は多種多様。
「お店の掲示を見て、なんとなく」という
日本知数ゼロに近い人から、
「日本に数年滞在中は、知る機会がなかったので」
という日本エキスパートまで。

講習会では、日本の酒造地域の紹介、
日本酒の特徴、材料と製造方法、
フランス料理との相性などが、
スライドとともに、分かりやすく説明され、
みんな熱心に聞き入っていました。

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この手のイベントに立ち会って、
いつも痛感するのは、
「私、日本人なのに知らないなぁ」ということ。
海外に住んでいると、熱心な外国人の質問に、
慌てる事、しばしばなのです。
今回も、勉強させていただきました!

個人的に面白かったのは、
「日本酒はワインに比べて、製造過程が複雑」
という言葉に、みんな、大きく反応したこと。
もちろん、「へー、すごい!」ではなく、
「とんでもない!フランスが誇る
素晴らしいワインを造るのが、どれだけ大変か!」
というアピールです(笑)。
好きだなぁ、フランス人のこんなとこ💛

そして、いよいよ待望の試飲会。
用意されたのは広島産日本酒、大吟醸を含む5種類、
うち、ひとつは温めて味見してもらいました。

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         (ワイングラスに日本酒を注ぐフレデリークさん)
        
ここからは、一気に、
和気あいあいとした雰囲気に!
おつまみに用意した、巻寿司も好評。
でも、醤油まで飲み干した人、大丈夫か?
日本への親近感もぐーんとアップしたみたいで、
とても嬉しい!

で、肝心の日本酒の感想は?
「美味しかった」 「独特な味」
「思ったより飲みやすかった(高級酒ですから!)」

これから、もっと飲みたい?という質問には、
多くの人から同じセリフが。それは、
「特別料理を作って、友達を招待して、試飲させたい!」
ワイン(お酒)と料理は一体、そして食は人を繋ぐ
というフランス文化がよく分かりますね!

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この日、私がゲットした純米酒は、
どんな料理にも合うお酒ということで、
今が旬の白アスパラ・卵ソースに合わせみました。
本日はシードルではなく、日本酒で乾杯!

さゆり


日仏協会 ノルマンディー・ジャポン 港
Association Normandie-Japon MINATO   http://asso-minato.blogspot.fr/

ラ・カーヴィスト
La Caviste  https://www.facebook.com/La-Caviste-751816241589252/ 

広島県酒造組合のフランス代理店
Société Dugas  https://www.dugas.fr/
Saké de Hiroshima by Dugas    https://www.facebook.com/Sake.Hiroshima.Dugas/


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