2007年06月22日

シンポジウムで話す予定だった事5

5a8fccf3.JPG 昔と比べればサタワルの人々の航海術習得率は確かに下がっているのでしょうが、それにはいくつかの理由があります。なかでも最大の障害となっているのは、アメリカの教育制度です。
 サタワルにあるエレメンタリースクールは9年生まで。卒業すると多くの子供は島の外の高校へ進みます。近くの離島であるユリシーやウォレアイの高校はもちろん、ヤップ、ポンペイ、ハワイ、サイパン、アメリカ本土などの高校へ進学。そのまま大学へ進むケースも多く、島に戻らない人も多いのが現状です。
 島に戻るにしても、一番航海術を勉強するのにいい年齢の時、島にいない。これが事実上の大きな障害になっているそうです。島一番と呼び声の高い現役ナビゲーターさんも、息子二人がポンペイの学校に行っているので、なかなか教えられないとぼやいておられました。
 そんな状況のため、学校を終えて島に戻り、結婚し、子供ができたあたりで、不意に島の父親としての責任感に目覚め、ナビゲーションを真剣に学び始める人が増えていて、30代40代が一番熱心なんだそうです。
 写真は、マウの孫の一人、オーウェン。彼も今、ウォレアイ島の親戚の家に厄介になりながら、ハイスクールに通学中。サタワルが恋しいそうです。余談ですが、彼とは1年前にサタワルで会っていましたが、その時はまだ「子供」でした。しかし、1年ぶりに再会した彼は、背も伸び顔立ちも大人びてカッチョイイ兄ちゃんに変身。しかも英語がペラペラと話せるようになっていました。身も心も頭も成長するこの1年を、学校でなくカヌーで過ごしていたなら、このスイートな笑顔は、もっとワイルドな感じになっていたのかしら、なんて想像したりしました。


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