女流棋界を考える
さて、本日は女流棋界を考えてみます。
この「きっかけ」は先日ご紹介した『将棋「次の一手」読本』の中の大庭美夏女流の記事に興味を持ったからです。詳細は下記を読んでみて下さい。
将棋「次の一手」読本
大庭さんは「女流棋界のつんくになる」と宣言されていますが、「つんく」つながりで私が思い出したのは、「女子サッカー」です。
女子サッカーは、今でこそ「なでしこジャパン」というネーミングで知名度が上がりましたが、それまでは人気さっぱりの競技でした。
この女子サッカーの人気を引き上げた大きな要因の１つは、間違いなく「オリンピック出場」です。
しかし、もう１つ挙げるとするならば、「モーニング娘。」や「松浦亜弥」がフットサルを行ったことがあります。
要するに本物の「つんく」ファミリーの起用ですね。
でも、これら２つの手段は現段階の女流棋界では金銭的な面からいっても無理でしょう。
では、どうするか？
１つ参考になるのは、やはり女子サッカーの普及方法でしょう。
詳細は、川渕キャプテンの
「キャプテンズ・ミッション」をご覧下さい。
ここで参考になる点は多数ありますが、強いて２つ挙げるとするならばこれだと思います。
� �普及・育成は、年齢構造を基準にして、ピラミッド構造で考える。ピラミッドが成立するためには、「底辺」の拡充が必要。また、ピラミッドは「適当」に組むのではなく、緻密な「制度設計」が必要。
↓
将棋連盟のように、公益法人の役割は、まず何よりこの「制度設計」を行うことにあると私は思います。緊急対応的な普及も必要ですが、それよりもまずは「制度設計」が先ありきだと思います。
この点、現存の女流棋界を考えるに、「制度設計」はおろか、連盟内部での「存在意義」すら曖昧なレベルだと思います。
�◆⊇�子普及用に「ルール」を変えられる柔軟性を持つこと。
↓
これは特に、なまじ「伝統」を語る競技団体が苦手とする所です。いわゆる「伝統に反する」の言葉で封じ込めるパターンです。
この場合、ルール変更というのは、単に「駒落ち将棋」ということではありません。例えば、駒の数を半分にした「ミニ将棋」とか「決着方法」を変更した新しい将棋を考案するといった物です。
この場合、肉体スポーツのように男女の「肉体的差異」を根拠にしたルール変更ではありません。
そうではなくて、将棋が女性に極度に敬遠される要因を分析して、それを緩和するルールを考案するわけです。
このルール変更は、言ってみれば「素人の女性がいかに参加しやすい環境を整備するか」ということです。
「制度設計」と「環境整備」、これは将棋界全体にいえることですが、特に女流棋界の底上げには、必須の「視点」だと思います。
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Posted by sbc2005com at 12:35│
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すっかりマリーンズブログと化していたあいだに、「将棋ビジネス」考察ノートさんが別冊宝島 将棋「次の一手」読本でわたしが書いた原稿を取り上げてくださっていました。
つれづれこらむでは何回か宣伝させていただいていましたが、この機会にこちらでも少しだけ。
「つん
将棋「次の一手」読本【いっつしゅみぶろ】at 2005年09月03日 03:14
昨日から女流王位戦が始まっています。 清水女流三冠ＶＳ中井広恵六段の熱い戦いの始まりです。
女流タイトル戦【将棋な日々】at 2005年10月06日 22:02
大場ではなく、大庭さんですね。彼女のＨＰです↓
http://shogi-time.com/index.html
【いつまでもさん ご指摘有難うございます。】
＞大場ではなく、大庭さんですね。
そうでした。(^_^;
ミニ将棋、5×5画の盤で行なう「五五将棋」というのが20年ほど前に提唱されたと思います。
(記憶が定かでありませんが、先後共に玉金銀桂香と歩が五枚の十枚で戦うルールで、近代将棋の湯川恵子さんのコラムあたりで何度も紹介されていたかと…)
はじめまして。一般の将棋ファンです。男です。
「将棋が女性に極度に敬遠される理由」で思いついたのですが、やはり駒の文字が漢字で書いてあるのが大きいのではないかと思います。
例えばプールサイドでカクテルなど飲みながらチェスをプレイする・・・なんとなくおしゃれで、女性にも受け入れられそうですよね。
一方、プールサイドでビールを飲み、おでんなどつまみながら将棋を指す・・・オッサンくさい、ダサイ・・・女性は見向きもしない感じです。
（長くてエラーになったので区切ります・・・続く）
（続き）
チェスも将棋も本質的にはほぼ同じものなのに、このイメージの違いは何なのか？やはり駒の文字が効いているのではないか。観光地のみやげ物屋に置いてある王将のキーホルダー、般若のお面、木刀、ペナント・・・ああいうイメージに近いのではないでしょうか？
囲碁やオセロの方が女性ファンが多いらしいですが、これも同じ原因ではないかと想像します。
そこで提案としましては、ルールを変えるのではなく、駒の表示を絵にしてしまう。王将は王様のイラストにするとか。麻雀の子供版でドンジャラとかいうのがありますよね。ドラエモンの絵が描いてあったりするやつ。あんな感じにしてみてはどうかと思います。どうも長々と書いてしまいすみません。
初めまして！
将棋がなぜ女性に受け入れられないか！？
私もチェスや囲碁に比べてどうもとっつきにくさがあるなぁと思っていました。
マジメに考えた事はなかったですが。。。
やっぱり女性はそれをやっていて『どう見られるか』をすごく気にすると思います。
漠然としたイメージですが将棋は『おじさんのやるもの』と思っている女性が多いのではないでしょうか！？
確か将棋連盟の総会には女流棋士は参加出来ないんじゃなかったでしょうか？（現状はわかりませんが…）
まずは総本山の足元から改善して女流棋士の意見が通るようになればと思います。
高橋和さんが独自の活動をされていますがこうゆう動きも大事だと思います。
長々とすみませんでした。
本日（９月１日）のテレビ東京「ＷＢＳ」で将棋ビジネス花盛りというニュースを取り上げる模様。
マスコミで、特に経済に特化しているニュース番組で扱われる
というのは、良い兆候では？
【ミルクコーヒーさん コメント有難うございます。】
＞5×5画の盤で行なう「五五将棋」というのが20年ほど前に提唱されたと思います。
そういえば、ミニ将棋はありましたね。でも駒の組合わせは色々とバリエーションがあったような気がします。
私のイメージとしては、サッカーの「フットサル」に対応するようなゲームが開発できたらな。と思っています。
【ゴットマンさん、ゼリーさん、はじめまして。コメント有難うございます。】
そのゲームが持つ「イメージ」っていう物も、女性にとっては非常に重要な要素だと思います。
一般に、子供は「ゲームのおもしろさから入る」と言われていますが、大人は「形から入る」と言われています。つまり、まずは「それが、かっこいいか否か」が重要なファクターになります。
この点、将棋は非常に「野暮ったい」イメージがマイナスに作用していると思います。
が、かつて、同様に「野暮ったい」「男」しか相手にされなかた「格闘技」は、今や女性ファンで一杯ですからね。
要は、イメージを変える「演出」が重要なんだと思います。
【酔象さん コメント有難うございます。】
＞マスコミで、特に経済に特化しているニュース番組で扱われるというのは、良い兆候では？
ＷＢＳのようなビジネス特化番組に特集で取上げられたというのは画期的なことと考えていいと思います。
が、今日のブログにも記載しましたが、将棋界のやや表面だけを追った番組構成感は否めないと思いました。
ただ何にせよ、マスコミに「露出」するという点は、非常に「良い兆候」なので、これを今後どう将棋界活性化につなげるかが焦点ですね。
こんにちは。
このたびは、わたしの原稿を取り上げていただきありがとうございました。
こちらのブログは開設当初から拝見しております。
有意義なご提言をどう実現させていくかがむずかしい…と思いながら勉強させていただいております。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ミニゲーム的なものとして、指導棋士の小田切秀人四段が実践されている
「歩なし将棋」「金銀落ち」などは、ゲーム性をそこなわず平手に近い感覚で
初心者にも楽しんでいただけるのではないかと思っております。
鬼斬転輪−おにぎりころりん−
→http://www.interq.or.jp/dragon/onigiri/
【いっつ＠大庭美夏さん コメント有難うございます。】
こちらこそ、宜しくお願いします。
大庭さんの原稿は、あの本の中で、私が一番印象に残った物の１つです。この原稿が、『将棋世界』に掲載されていたらもっとインパクトがあったかも。とも思っております。
連盟内部は違うかもしれませんが、私の印象では、今回の将棋界改革でも、女流棋界の改革は後回しにされているようにも思います。
妙手は私もすぐには思い浮かびませんが、１つ挙げるなら、１０代のスーパースターを１人出すことでしょうか？
卓球の「愛ちゃん」やゴルフの「藍ちゃん」を超える国民的スターが出てくれば、一気に注目は上がると思うのですが・・・。
> サッカーの「フットサル」に対応するようなゲームが開発できたらな。と思っています。
サッカーにとってのフットサルとは何なのでしょうね？「別のスポーツ」という正論は横に置いておくとして、門外漢から見ると、
� ゞ垢ぅ好據璽垢半�ない人数でできるので、敷居が低い。
�◆．團奪舛�狭いことの副次効果として、ゴール（シュート）という、フットボールのいちばん美味しいところを楽しめる時間の比率が高い。
�� パス主体のゲームで、絶対的な体力で劣ってもテクニックで補いやすい。
（芸能人が混ざってプレーしてもそこそこ戦えるのはこのため？）
というあたりがフットボールの裾野を広げるポイントになっているように思います。
【続く】
【承前】
これを将棋に当てはめてみると、
� 〕儷颪呂發箸發醗族繊�人数は二人だから減らすとしたら一人に。
�◆‐�棋の「いちばん美味しいところ」はやはり敵玉を詰ますところ？
�� 知識として序盤定跡を大量に覚えずとも積め手筋だけで楽しめる。
ということで、ミニ将棋というより詰将棋になるのでしょうか？
ミニ将棋（や駒抜き変則将棋）と比べ、ゲーム性は指し将棋から離れた方向に行きますが、あらかじめ作者によって妙手という「感動」が盛り込まれている詰将棋は魅力的という考え方もありです。（指し将棋感覚がないと意表にならない妙手が多いのは、普及用ツールとしては気になりますが。）
どうして男性と女性を分けるのでしょうか？
垣根を払って、完全実力主義にすればよいですね。
女流の中でも、清水氏・中井氏は抜けているので
プロの４段でいいと思うけど、、
【ミルクコーヒーさん コメント有難うございます。】
＞サッカーにとってのフットサルとは何なのでしょうね？
サッカー協会サイドから見ると、フットサルは色々な意味で「サッカーの普及用ツール」という位置付けだと思います。
但し、だからといって、フットサル自体は薄っぺらくありません。プロもいるくらいですし、非常に「奥行き」のあるスポーツです。
私がフットサルを引用したのは、一見ルールはシンプルに見える。⇒なので、入口の敷居は低い。⇒しかし、一度はまると、無限の可能性を秘めたゲームになる。この最後の部分がポイントです。
同様の物だと、｢ビーチバレー」なんかもあります。
【prtwqqさん コメント有難うございます。】
＞どうして男性と女性を分けるのでしょうか？
当初は、分けなければ、女性の将棋界進出なんて考えられなかったからだと思います。
＞女流の中でも、清水氏・中井氏は抜けているのでプロの４段でいいと思うけど、、
瀬川さんの対戦相手に中井さんが登場するのは、上記の問題との絡みなので、結果如何によっては、次に検討すべきは清水さん、中井さんを「棋士」にすべきかだと私は思います。
どんな商売でも女性の人気をつかめば、大成功するものと
常々思っています。
残念な事に将棋のイメージが、女性から見てカッコ良くない
のです。その理由を皆に尋ねると、｢一局に時間がかかりすぎる｣｢スピード感がない｣｢将棋盤と駒をもっとおしゃれな物にしたら良い｣｢まず漫画をヒットさせて、その人気キャラを登場させたゲームを開発して、全国のゲームセンターで子供達の間で
広めれば、お母さんもしてくれるようになる｣…‥
発展させる要素がイッパイあると思います。
【佐野弘子さん コメント有難うございます。】
＞残念な事に将棋のイメージが、女性から見てカッコ良くないのです。
これは私の考えは少し違っていて、そもそも大部分の女性（特に若い世代）は、「将棋のイメージが全く”ない”」と思っています。つまり、「しょうぎ？」って何？？？？の世界です。イメージできないので、感想なんかも全くありません。
但し、マイナスイメージでもないので、最初に強烈に「良いインパクト」を与えることができれば、一気に獲得できる可能性もあります。その変わり「強烈」であることが重要。それこそ、「浜崎あゆみ」や「ＳＭＡＰ」を起用するくらいのインパクトが必要になります。
幼年期以外の女性は、「イメージ」先行で動きますから、将棋のおもしろさで少ずつ増やすという戦略は、途方も無いほど時間がかかると考えるべきだと思います。
