2007年03月20日

将棋界の今昔

 さて、今回は久しぶりに、将棋の本の紹介です。

勝負


 升田幸三先生の著書です。
 
 この本は、どうでしょう。

 少なくとも、通しで5回以上は読んでいるでしょうか。

 構成は短編コラム集ですので、コラムによっては20回以上読んでいるものもあるはずです。

 将棋の本というよりも、「ビジネスに通じる哲学書」「人生哲学書」として私は読んでいます。

 さて、それだけ読んでいるのに、「これは?」という箇所が見つかりました。

 以下の内容です。

 【内容抜粋 P166〜167】

 私は弟子には放任主義です。あまりガチャガチャ言いません。

 ただ、われわれの将棋連盟というところの方針、これはよく教えとく。

 妙な動きをしたきゃしてもいいが、即刻、退会するか、筆誅をうけるか、とにかくそういう特別な団体なんですから、そういうあらましのことは教えときます。

 【以上、抜粋終わり】

 この箇所も過去何度も読んでいるはずですが、印象はほとんど残っていませんでした。

 が、将棋界が今のような状況の時に読み返してみると、俄然目を引くものがあります。

 「即刻、退会」「筆誅」

 非常に過激な言葉が並んでいます。

 この文章は今から40年近く前に書かれたものです。

 しかし、まるで「今」を写し取って書かれたような感覚にもとらわれます。

 ふと、「升田先生が今も生きておられたら何と書くだろう。」

 と考えました。
 
 「何も変わっていないよ。将棋界は。」

 でしょうか。


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Posted by sbc2005com at 12:45│Comments(4)
この記事へのコメント
私もこの本は好きで何度も読んでます。ご紹介の一節も記憶に残っていますが、升田先生唯一の直弟子である、桐谷先生の、この一年の行動を考えると、あまり升田先生の教育は効果が無かったであろうかと思ってしまいます。
Posted by 志在千里 at 2007年03月21日 01:07
将棋ビジネスを振興させようという趣旨に反して申し訳ないが、将棋棋士の人生論を書いた本などを読む人の気がしれない。
第一に、将棋棋士は将棋以外についての見識・判断力は一般人以下で常識に欠ける人も多く、将棋以外については誇るものはない。昔から「碁頭、弓力」と他に応用のきかない事が知られているし、今の連盟の理事会などを見ると一般社会人ほどの常識は持ち合わせていない事がよくわかる。だからまるで参考にならない。
第二に棋士が将棋以外に出した人生論などのかなりの部分は編集者やゴーストライターによるものであり、それを有難がって読むのもどうかと思う。
 それより「xx9段順位戦熱局集」とか実戦の解説書が最近少ないので出版して欲しい。
Posted by 隠居よたろう at 2007年03月22日 09:15
主催人さん こんばんは
「勝負」ですか。実は小生も「王手」を読み返しているところです。
今から38年前、自分が学生時代の昭和50年に発行された本ですから「勝負」の続編でしょうか。こちらもサンケイ・スポーツの連載コラムをまとめられたものですけど、時々読み返すたびに違った面白さを発見しますし、思わず「その通り!」と膝を打つことも多い。
とにかく升田流の話しことばで書いてあるので、時々ご本人から直接語りかけられているような錯覚に陥りそうです(笑)。
「着眼大局、着手小局」「たどりきて未だ山麓」「新手一生」等、昔の升田先生の著書や自戦記で覚えて今も使い続けている言葉の何と多いことか。
「一理に達すれば万法に通ず」、升田先生は将棋を極める中に人生哲学を見出そうとされていたのでしょうねえ。
Posted by 王より飛車が好き at 2007年03月23日 00:52
訂正
昭和50年は32年前でしたね。失礼しました。
Posted by 王より飛車が好き at 2007年03月23日 06:28