横浜あざみ野店の遠藤です。
全4回の夏休み自由研究コラムを連載します!!
第1回目は「より楽に速く走るための工夫」は何ができるか考えていきます。
皆さんは普段からトレーニングされていたり、各店舗で開催されているライドイベントでスタッフからアドバイスを受けたりして、速く走るための工夫をされている方も多いと思います。しかし、今年の夏は特に熱く、なかなか思うようなトレーニングができていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回は、クーラーの効いた室内でできるトレーニングや、普段は見る機会が少ない体のしくみにも触れながら考えていこうと思います!
自転車は様々な地形の道を長距離走ることが特徴で、それに合わせてライダーにも様々な能力が求められます。ここでライダーに求められる能力にすべて触れることは難しいので、今回は機能解剖学の授業で学んだことを活かしながら、筋肉と関節(骨)のはたらきの視点から「より楽に速く走るための工夫」を考えていきます。
【力持ちなお尻】
速く走るためには、自転車により大きな力を伝える必要があります。そこで体の大きな筋肉に注目していきます。
(大きな筋肉は小さい筋肉に比べて、大きな力を楽に長く発揮することができる。近くにある骨や関節も大きいため、怪我をしづらい、という特徴があるから。)
(大きな筋肉は小さい筋肉に比べて、大きな力を楽に長く発揮することができる。近くにある骨や関節も大きいため、怪我をしづらい、という特徴があるから。)
↑ 赤く色が付いているところが大殿筋です
また、自転車乗車時に上半身は固定されていて、自転車に推進力を与えているのは、ほとんど下半身の筋肉であり、下半身の筋肉の中で最も大きい筋肉は、大殿筋(だいでんきん)というお尻の筋肉です。つまり、より楽に速く走るためには、大殿筋を積極的に使えるようにすることが重要であるといえます。
実際にプロの選手を見るとお尻がプリッとしていて、大殿筋が発達していることが分かるので、ぜひ注目してレースの中継なんかを見てみてください…!(笑)
【大殿筋の使い方】
大殿筋は、主に股関節の伸展(股関節を開く動き)をするときに使われます。自転車に乗っている時は、ペダルを踏み込む時に股関節の伸展をしています。しかし、ペダリング時には股関節以外にも膝関節と足関節(足首)も動いていて、股関節以外の関節が過剰に動いてしまうと、ふくらはぎなどの比較的小さめの筋肉を使うことになり、大きな力が出しづらくなります。逆に股関節以外の関節の動きを少なくして、股関節を積極的に使えれば、楽に速く走れるようになると考えられます。
↑股関節の屈曲と伸展の図
(生成AIを使用しているので骨の形や数のおかしいところがあります)
じゃあ実際に股関節を積極的に使うにはどうすればいいの?となると思います。最も手軽にできる方法は、実際に自転車で走行している時に、股関節(脚の付け根)から脚を動かすイメージをしながら走ることです。それだけ?と思われるかもしれませんが、筋トレをするときにも同じように鍛えたい筋肉を意識することで、狙った筋肉を積極的に使うことができると言われていて、自転車に乗っているときにも多くの人が効果を体感できると考えます。また、その他にもローラー台に乗っているところを動画に撮ってチェックすることも客観的な視点で動作を確認することができるメリットがあり、有効な手段です。
【大殿筋の筋トレ】
猛暑で屋外での運動が出来なくても、屋内で走力を上げるための練習は出来ます!
猛暑で屋外での運動が出来なくても、屋内で走力を上げるための練習は出来ます!
特別な器具を使わずに大殿筋を強化する筋トレとして、自重トレーニングでも比較的高い負荷をかけられるブルガリアン・スクワットと大殿筋と同時にサイクリストに必要な体幹の筋力アップも狙えるヒップ・エクステンションが特に適していると考えます。
この筋トレを10回3セット、週に2~3回を目安に行い、涼しくなってからのライドに備えましょう!!夏の自由研究第一回は「より楽に速く走るための工夫」として、大きな筋肉である大殿筋(だいでんきん)を積極的に使うことが有効であるということと、大殿筋を使って走るための方法を考え、筋トレを紹介してきました。しかし、初めにライダーには様々な能力が求められるとあったように、必ずしもこれだけで楽に速く走れるようになるとは限りません。特にバイクのセッティングが体に合っていないことが原因になることも考えられるので、そのような場合はぜひ直接ご相談ください!
次回はライド中に肩や腰などに痛みが出てしまう方必見!「痛みなく走るために」というテーマにしたいと思います。次回もお楽しみに!!
SBC横浜あざみ野店
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