こんばんは。ご存知、みよしです。
毎日アツがナツいせいで、冬の寒さが懐かしいですね〜。
という訳で(?)映画『私の男』を見てきました。

※原作と映画のネタバレ注意です
(原作への思い入れが強いので、映画に対して好意的ではないかもしれません)

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あらすじ(ぴあ映画生活より引用)
2008年の直木賞に輝いた桜庭一樹の同名小説を『海炭市叙景』の熊切和嘉監督が映画化。
流氷がやってくる北海道と東京を舞台に、自然災害で孤児になってしまった少女・花と、
彼女を養女として引き取った男・淳悟の禁断の愛を、
長い年月と移りゆく季節の中で描きだす。
浅野忠信が淳悟を、二階堂ふみが花を演じる。



感想
桜庭一樹さんの『私の男』は過去に読書会を主催したこともあり、
「原作がすごく好きですごく嫌い」という、特別な作品です。
◯記事 桜庭一樹「私の男」(原作感想)

なので、映画化されると聞いた時は、喜びよりも先に不安が頭に浮かびました。
テーマがテーマなだけに、批判の目を向けられることは想像できたし、
この関係が安易な恋愛モノとして描かれないかが心配
だった。

結果、どちらの理由とも緩やかに逸れつつ、でも原作とは別物だなと思いました。
原作を読んで映画を見る時、映画を見てから原作を読む時だけ、
一時的にその時の記憶を忘れたいなぁと思うことがあるのですが
「私の男」は良くも悪くも、そういう映画でした。

震災孤児となってしまった花を淳悟が引き取る冒頭シーンではじまり、
その後は多少のカットバックがあるものの、基本は時系列に話が進んでいきます
現在から過去に遡ってストーリーが進行していく原作とは逆の手法ですね。
(原作では、カメラで撮られた写真のように、ある日だけが描かれる)

花役の二階堂ふみは、中学生→高校生→大人へと、女の子から女へ変わっていく、
そんな難しい年頃を演じるのがとても上手かったです。
あどけなさと妖艶さが絶妙なバランスで入り混じる表情がとにかく魅力的で、
個人的には最優秀男優賞を受賞した浅野忠信よりも、二階堂ふみのインパクトが強い。
(勿論、浅野忠信のクズっぷりも良かった。想像以上に色気があった!)

ただ、全体的な話の構成が、その妖艶さに引っ張られすぎている気がする。
淳悟が花を抱くようになった肝心の理由が幼少期のトラウマや絶望ではなく
花の成長による欲情、かつ単純な性欲処理であるかのように見えてしまった。
(小町と別れるシーンが直前にあるからだろうか)

話題になっている(?)血の雨のシーンは衝撃的ではあったけれど
(親子の血縁や、生まれ直すという意味が込められているのかなぁ)
そういうメタファーではなく、もう少し二人の言葉のやり取りが欲しかったです。

ラストの囁きと笑みも、原作とはテイストが違った印象でした。
主導権は花にあって『私の男』をどうするかは全て自分次第、という暗示なのかな?
ここで原作への思い入れを爆発させますけれど(これまでも大分出てたけど)
『私の男』の淳悟と花の関係は、原作での「チェインギャングの絵」だと思っています。
二つのべつべつの鉢から生えたほそい貧相な木が、
鉢を近くにおきすぎたせいで途中から絡まって、
一本の木みたいになって上にのびているのだ。
剪定もされず、無駄な枝や花弁や実に疲れきって、二本とも乾いて痩せていた。
どちらがどちらを支えているのか、互いに困っているのか、
必要としあっているのかもよくわからない。
それはなんともグロテスクなフォルムだった。
共依存よりもっと醜く淫猥な、血の依存というテーマに対しては、
安易な共感ではなく、一枚の絵画のように突き放して見るしかないのでは。
原作では、そのおぞましさと歪みが強烈な筆致で書かれているので
目が離せない魅力を感じていたし、それこそ覗き見したいとも思えました。

ところが不思議なことに、映画での花と淳悟の関係は
知れば知るほど「どうぞ勝手にして下さい」と萎えてしまう
二人とも体温が低そうな感じだからかな? とも思ったんですが、
この記事を読んでなんとなく、理由が分かった気がする。
「私の男」に近親相姦被害者が疑問 - シネマニュース : nikkansports.com
「難しいところを描いている…
そういうことを言われるのは当然と思って描いた。
うまく言えませんが、そういうことはあると思うけれど、
愛はあるということを描きたかった。美化して描いたというつもりはない。
そこにある厳しさをもって描いたつもりです。」
原作を読んで、私は愛ではなく共依存だと強く感じていたけれど
監督がそれを愛だと捉え映画化したのであれば、そりゃあ別物に感じるのは当たり前だ
ただ、個人の感じ方とはいえ、あれを愛と呼ぶのは暴力的すぎやしないか
私の知らない世界には、そういう愛もあるのかもしれない。
愛の解釈なんて人それぞれだし何が正解なんて無いけど、私はあれを愛だとは思わない。



そのほか気になったところ
◯淳吾ってこんなにダメ男でしたっけ?
コーラと煙草(HOPE)のステマ疑惑
◯まんまとコーラ買って帰ったよ!
◯コーラといえば(?)高良くんの噛ませ犬感がすごい

世界一怖い「美人薄命」の使い方と堂々たる宣戦布告
◯小町さん役の河井青葉さんも綺麗な方でした
◯このインタビューも面白かった!
INTRO | 河井青葉(女優)インタビュー:映画『私の男』(6月14日公開)について【1/5】

◯上記インタビューを読んで気付いたけれど、
 東京へ行って淳悟が転落し花が美しく成長していくのは、
 腐野という名字にかかっているのかな
(鎖、でもある気もするし)
 (淳悟はそのまま「腐」って、花は名字を変え「花」の鮮度を保つ

主演二人の絡みは指フェチ・脇フェチの人には堪らないんじゃなかろうか
 小町の指はしゃぶらないのに花の指はしゃぶる淳悟=甘えの表現?
 原作にある「指に、娘の匂いがしみついて、洗っても消えない」
 「指に娘が棲んでいる」感じはすごく伝わってきた。えろい

◯一般的に、父親がどこまで娘に触れて良いかのラインで
 「下着で隠れる箇所は触るな」という意見を聞くけれど
  手はむき出しであると同時に「舐める」ことが直ぐさま前戯に繋がる不思議

◯高良くんと浅野忠信のシーンで目がキラキラする女ですみません
◯ガッツリした濡れ場は小町と花それぞれで2回くらいです
◯バストトップ→小町◯ 花×(何のメモなんだ……)
付き合う前の男女では行かないほうが良い(たぶん、いや絶対気まずい!)

◯『私の男』より『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い』の二階堂ふみが好きなので、
  自分はテンションの高い彼女が好きなんだろう
◯淳吾は大森南朋さん、新井浩文さんでも見てみたかった
◯新井浩文さんだとガチ恋人だからアレなのかしら