工作と競馬

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概要

 傾斜付きパソコンテーブルを試作し、快適なパソコン作業ができることを確認した。


背景と目的

 私は、最近、パソコン作業中に肩が凝ってしまうので改善したいと思っていたのだが、とあるオフィス家具店で、傾斜がついているデスクがを試したところ、非常に快適であることがわかった。しかし、そのデスクは10数万円と極めて高価であるため、さすがに購入はあきらめた。
しかし、あの快適な環境をどうにか実現できないかと思案し、試作してみることにした。


詳細

1.仕様

 いろいろ、思案した結果以下のような仕様とすることにした。

  • ノートPC、マウスが載る
  • キーボード打鍵時、マウス操作に肘がテーブルに載る
  • 現在使用中のデスクに、据え付けできる
2.設計

 仕様に則り、設計した結果が以下の図。
天板が角度にして、約6°傾斜している。これは、制作前にいろいろ試して自分にあう角度を検討した。
また、手前側が円弧状にカットされているのは、打鍵時に肘より先がすべて天板に載り快適と感じる位置までテーブルに近づくと、お腹のあたりがテーブルに当たって邪魔だからだ。(腹が出っ張っているわけではない。私はスリムな体型な方である。)

傾斜付きパソコンテーブル_表
図2.1 上面からの図

傾斜付きパソコンテーブル_裏
図2.2 底面側からの図

3.組み立て、仮設置

 たまたま余っていた手持ちのシナ合板300mm×900mm×9mm厚1枚を使用し組み立てた。簡単なので、いきなり設置した様子が以下の図。ネジで固定しているため、テーブルが動くことはない。
試しに、作業してみたら非常に快適である。肘から先がすべてデスクに載ることで、腕や肩に余計な力が入らなくなった。また、必然的に背筋が伸びて姿勢がかなり良くなる気がする。というわけで、形は大丈夫。

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図3 仮設置した様子

4.塗装、完成

 白木のままだと仏具のようで落ち着かないので、塗装することにした。
今回は、肌が直接触れる実用品のため、今まで作ったスピーカーのような鏡面仕上げだ肌が滑らず動かしづらい。そこで、今までの経験から、適度にざらつく程度の仕上がりにするには、

  • 水性ウレタンニス(和信ペイント製)の2回塗り
  • 塗装前と1回目塗装後のやすりがけは#400
  • 仕上げのやすりがけは#800で軽く

 という方法にした。以下が、塗装完了後の完成した様子。この状態で、使ってみたが非常に快適である。無駄な力が抜けて、長時間の作業でも疲れが少ない。やはり、作業環境は重要である。

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図4 完成した様子


まとめと今後の課題

 天板傾斜付きパソコンテーブルを試作し、快適なパソコン作業ができることを確認した。これから先、快適な作業ができそうだ。

要旨

 木工作品の塗装に関する記事である。塗装工程、方法について実験した結果をまとめた。


背景と目的

 筆者が従来行ってきた塗装は、着色ニスを塗り乾いたらやすりで研磨という工程を数回重ねるという方法であった。この方法は、必要な塗料が一種類のみでよく、3~4回の塗り重ねて終わりという比較的短時間で終わる作業であった。しかしながら、この方法は筆者の技術的な問題もあるが表面の平滑性があまりよくなく波打ってしまうことが多いことや光沢感がプロの作品等とは比べ物にならないことを実感してきた。また、塗り重ねる回数で仕上がりの色の濃さが変わるという問題もあった。そしてこれらの問題点から、なかなか満足行く仕上がりを得ることができずにいた。そこで、今後よりすばらしい木工作品を実現するため、上記のような問題を解決できる塗装方法を得られないか実験を行ってみる。


詳細

1.塗装方法の調査と検討

 まず、従来方法の問題点である光沢感、平滑性、着色制御性を改善できる方法がないか、Web等でプロや経験豊富なアマチュアが行っている方法について調べてみた。その結果、概ね表1のようなステップを踏んでいることがわかった。(筆者が独自に調査した結果であり、特定の業者が行っている方法ではないことに注意。)また、表1のステップで塗装した場合の木材表面の構造を図1に示す。
 従来方法では、表1のステップのうちおよそ半分のステップしか踏んでいない。平滑性や光沢性が得られないのは、まさにそれを得るためのステップである4や6を踏んでいないからと考えられる。また、着色制御性が良くないのは、目的の異なるステップ3,5を同時に行っていることに起因していそうである。以上より、従来の方法での問題点は、いずれもしかるべきステップを踏んでいないことが原因となっていそうであるため、実験では表1に示したようなステップを盛り込んだ工程を踏んでみる。


表1 基本的な塗装ステップ
No. 工程名 内容 目的 従来方法で実施
1 素地作り ごみや汚れを落とし、ヤスリがけする 塗装の邪魔になるごみや汚れを取り除き、木材表面を綺麗にする
2 目止め との粉を水で溶き、木材表面刷り込むように塗る 木材表面の導管を塞ぎ、着色材料をしみ込みにくくする ×
3 着色 顔料、染料といった着色材料を用いて所望の色に塗る 目的の色に塗る
4 中塗り サンディングシーラーを塗り、研磨するという工程を数回繰り返す 上塗りに必要な平滑性を得る ×
5 上塗り ニスを塗り重ねる 光沢感を得る
6 最終研磨 コンパウンドで磨く 光沢感を得る ×

塗膜の構造
図1 表1の塗装工程で実現される塗膜の構造

2.実験方法

2.1 塗装工程

 1の調査結果に基づき、塗装工程を以下の表2.1のようにした。表1と異なる点は、目止めと着色を同時に行っている点である。また、中塗り、仕上げ塗りに関して具体的な回数ややすりの番手についてはあらかじめ決めておらず仕上がり具合を見ながら回数を調整することにする。


表2.1 実験工程
No. 工程名 内容 目的
1 素地作り 布でごみや汚れを落とし、#240-#400程度のサンドペーパーをかける 塗装の邪魔になるごみや汚れを取り除き、木材表面を綺麗にする
2 目止めと着色 との粉を水性ポアステインに混ぜ木材に塗るという工程を数回繰り返す 木材表面の導管を塞ぎ着色材料、中塗り材料がしみ込みにくくしつつ着色する
3 中塗り 水性サンディングシーラーを塗り、#400-800程度のサンドペーパーをかけるという工程を数回繰り返す 上塗りに必要な平滑性を得る
4 上塗り 水性ウレタンニスを塗り#800~#1200程度のサンドペーパーをかけるという工程を数回繰り返す 光沢感を得る
5 最終研磨 コンパウンド極細目(和信ペイント)で磨く 光沢感を得る

2.2 材料

 表2.1の工程で使用する材料は以下の表2.2である。塗装対象は、手ごろな大きさで素地調整の手間がそれほどかからない300mm×300mmの9mm厚シナ合板とした。また、塗料メーカーとして和信ペイントを選んだのは、筆者が従来より油性および水性ニスを使用してきており信頼できると判断したからである。
 との粉の赤を選んだのは、ポアステインが黒であり目標色が濃い目の色だからである。


表2.2 材料
No. 名称 メーカー 使用目的
0 300mm×300mm×9mm厚シナ合板 - 本実験で用いる塗装対象
1 との粉(赤) 和信ペイント 木材表面の導管を塞ぎ着色材料、中塗り材料がしみ込みにくくする
2 水性ポアステイン(ブラック) 和信ペイント 着色する
3 水性サンディングシーラー 和信ペイント 上塗り前の平滑面を得る
4 水性ポリウレタンニス 和信ペイント 表面に光沢感、耐久性を持たせる
5 コンパウンドトライアルセット ソフト99工房 光沢を出す
6 サンドペーパー#240 3Mなど 素地作り、着色時に表面を整える
7 サンドペーパー#400 3Mなど サンディングシーラー層の表面を整える
8 サンドペーパー#800 3Mなど サンディングシーラー層の表面を整える、ニス層の表面を整える
9 サンドペーパー#1200 3Mなど ニス層の表面を整える
10 水性系ニス用刷毛 和信ペイント ニス、サンディングシーラー、ポアステインの塗装で使用する

2.3 実験担当者

 なお、本実験を実際に行うのは筆者ではなく、筆者が趣味として創作活動を行っている集団(当集団のブログはこちら)のリーダーであり模型製作を趣味とする(模型関連のブログを展開)某氏に依頼した。その理由としては、筆者が多忙であり実験を行う時間が無いことと某氏が模型の塗装に関して知識を持ち合わせており再現性の高い実験結果が期待できると判断したからである。


3.実験結果

 実験結果の詳細については、実験担当者のブログを参照するとして、ここでは簡単に結果をまとめておく。
 本実験では、塗装ステップごとの仕上がり具合を比較できるよう塗装対象を3領域に区切ってマスクを施し塗装を行った。図3.1に示すとおり、手前からサンディングシーラー→#800表面、ウレタンニス塗りっぱなし表面、コンパウンド仕上げ表面となっており、最終仕上げのコンパウンドに達するまでにどんどん表面が平滑化され鏡面のような反射を呈してくる様子がわかる。実験担当者が記した反省点から見直さなければならない部分があるが、基本的には平滑性、光沢感が得られまた色についても着色の段階で所望の色に仕上げた後は調整の必要がなく着色制御性についても従来より向上していることがわかった。以上から、本実験の目的を達成できたといえる。


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図3.1 実験完了した試料

まとめと今後の課題

 木工作品の塗装方法について実験を行い、従来の方法で到達できなかった平滑性、着色制御性、光沢感を実現できる方法がわかった。今後は、スピーカー作品の製作に取り組む予定であるが、塗装方法に関しては本実験結果を反映した工程で進めることとし、従来の作品を超える美しい塗装を実現したい。


謝辞

 本実験を進めるにあたり、数日間にわたって作業を行って頂いただけでなく、一部不足した実験材料の調達にも協力していただいた実験担当者の某氏に感謝を申し上げたい。


要旨

コンデンサーマイクロホンのマイクホルダとカメラ用三脚とを接続、固定するアダプタの製作に関する記事である。


背景と目的

 筆者は最近、音響特性測定用としてdbx社コンデンサーマイクロホンRTA-Mを入手した。そして、測定を行うためにカメラ用三脚を使用するつもりであったが、当マイク付属のマイクホルダは固定用のねじ径が3/8インチであり、これを1/4インチ径のねじをもつ通常のカメラ用三脚に固定することはできなかった。そこで、今回はマイクホルダと三脚を互いに接続するためのアダプタを自作する。


詳細

1.構想と設計

 図1.11および図1.12のとおり設計を行った。本体は9mm厚シナ合板を2枚組み合わせ、三脚との接続には1/4インチ径のナット、マイクホルダとの接続には3/8インチのボルトを使用し互いにねじによって接続、固定できるようになっている。なお、三脚側には鬼目ナットを使用したかったが、残念ながら1/4インチ径のねじ穴を持つ鬼目ナットは入手が難しいため、通常のナットを使用することにした。


マイクホルダ-三脚アダプタ
図1.11 設計図(マイクホルダ側) 

マイクホルダ-三脚アダプタ2
図1.12 設計図(三脚側) 

2.製作

 各部材は設計図どおりに切り出し、穴あけを行い最後に接合した。そして接着が確認できたらマイク、三脚の接続用ボルトおよびナットを取り付け完成したのが図2である。


未掲載 図2 完成した様子

3.評価

 まだです。


未掲載 図3 三脚とマイクホルダを接続した様子

まとめと今後の課題

 まだです。

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