札幌ドーム■建築
・札幌ドーム(原広司)
巨大建築に見せる原広司の表現力は強烈だ。野球場兼サッカー場の札幌ドームも周辺の構造物から、細部の照明に至るまで彼の妄想力が発露している。天空の展望台に延びる空中エスカレーターには言葉を失った。ロッカールームやベンチなどを見学できるドーム・ツアーも楽しめる。

・広島市清掃局中工場(谷口吉生)
デザイナーズ清掃工場という世界は斬新だった。焼却炉の排気塔がメタリックに並ぶ姿は、美術館で見る現代美術の巨大なオブジェのようだ。工場内を巡る見学ツアーは、じっくりと谷口の造形と工場の機能を堪能できる。

・首都圏外郭放水路
巨大な地下構造物は、まさに地下神殿だった。無数のコンクリート柱が林立し、貯水槽を形成する。実用性・機能性を求めた建築が、物語性を帯びてしまうという稀有な物件のひとつだろう。数々のロケの現場となるのもうなずける造形だ。

・笠原小学校(象設計集団)
神社のような土俗的な列柱が校庭を取り囲み、南方の集落のような教室群が立ち並ぶ光景は、とても学校建築には思えないディープなデザインだ。隣接する東武動物公園を訪れる人は多くても、この建築を知る人は少ないのだろう。是非子どもたちが授業を受けている様子を見てみたい。


今年は各地で見学会に参加して、建築を見た。まさに大人の社会科見学。伊東豊雄の建築展では、台湾の台中メトロポリタン・オペラハウスの模型に魅了された。竣工したら旅してこの目で確かめたい。建築を味わうことは、旅をすることだ。