マルレーネ・デュマスこの展覧会はそれほど関心がなかったのだが、せっかくMOTまで来たので観てみることにした。南アフリカ出身の女性画家マルレーネ・デュマス(1953〜)の日本で初の個展だという。ラフなタッチで描かれた人物画がズラリと展示されている。MOTの広い空間を効果的に使い実にゆったりとした展示が魅力的だ。

代表作「女」はモノトーンの女たちの顔がびっしり並んだ連作で、集合体となった作品全体からパワーが伝わってくる。

荒木経惟の写真からインスピレーションを得たという「ブロークン・ホワイト」は、女の白い肌がなまめかしくエロティック。

関連展示されていた荒木の中年のおばちゃんばかりを撮影した連作は、強烈なアクの強さで、そのパワーにくらくらしそうになった。

しかし、今回は作品の多彩さ、「明日の神話」の迫力の前に、なんだか企画展のほうが影が薄い印象であった。