丹沢ホーム■建築
・丹沢ホーム(原広司)
泊まれる現代建築。しかも国民宿舎。近場にありながら見逃してきた建築を夏に体験した。小さいながらも、大階段・列柱・空中回廊と原建築のエッセンスが詰め込まれている。しかし、猛暑の今年、クーラーの無い宿舎の暑さはすさまじかった。デザイン優先の現代建築の難点も身にしみる体験となった。

・香川県立体育館(丹下健三)
宇宙人の箱舟のような力強く不思議なフォルム。SF映画のセットのようなエントランスホール。丹下建築が最も魅力的だった時代の建築は、時を越えてオーラを発し続けていた。過去の遺物として忘れ去るのには、あまりに偉大。

・丸亀猪熊弦一郎現代美術館(谷口吉生)
いつもの端正さに加え、スケールの大きさ、リズムのある空間構成、遊び心あるファサードなど魅力にあふれた谷口の傑作だ。駅前に立地する現代美術館というのも面白い。カフェにはイサムノグチはじめ様々なデザインの椅子が集められ、居心地も最高。

・地中美術館(安藤忠雄)
かつては立体塩田があったという山の中に埋め込まれたコンクリートの建築は、宗教施設のような荘厳さと、シンプルな幾何学美を持つ。天窓からの自然光で観るモネの睡蓮の美しさ。ウォルター・デ・マリアの壮大なインスタレーション。ジェームズ・タレルの世界。作品と建築が一体となった見事な美術館だ。

建築展も「ル・コルビュジエ展」・「藤森建築と路上観察展」・「レーモンド展」など印象に残る企画の多い1年だった。三信ビル・ダイビル・大山崎山荘美術館などの近代建築も美しかった。