中年とオブジェ

美術館・街で見かけたオブジェ 旅先で手に入れたオブジェ オブジェの視点で世の中を楽しむ中年の日常。

千葉

神の悩み無用





採集地 千葉(国立歴史民俗博物館)

佐倉に行ったら歴博へ

戦後の街角

花柳病薬局

ゴールデンウィークに、千葉県佐倉の川村記念美術館へ「マーク・ロスコ」展を観に行こうという方も多いであろう。ロスコについては既に美術ブロガーの方たちの情報があふれているので、「中年とオブジェ」としては、ロスコのついでに是非見ていただきたい国立歴史民俗博物館を紹介しよう。大阪の国立民族学博物館は「みんぱく」と呼ばれ有名なスポットだが、佐倉にあるのは歴史民俗博物館「歴博」である。民族ではなく民俗であるところが、実はこの博物館の大きなポイントなのだ。

原始時代から戦後まで、時代順に五つの展示室があるのだが、詳細に観てまわったら1日かけても終わらないだろう広大さと膨大な資料。ロスコ展のついでにちょっとのぞくのなら第4展示室と第5展示室に絞るべし。

明治から戦後にかけてを扱う第5展示室で特筆すべきは、アイヌ差別被差別部落と水平社運動、関東大震災の時の流言による朝鮮人虐殺の資料が展示されていること。差別戒名の彫られた墓石のレプリカは衝撃的。日本の歴史のダークサイドを、国立の施設が隠蔽することなく公開しているというのは貴重なことだと思う。(館内は撮影OKなのだが、これらのコーナーだけは撮影禁止になっていた)

戦後の街並みの原寸大模型もすごい造りこみで、ラーメン博物館など好きな人にはたまらないであろう。看板には「花柳病」とか「衛生サック」とか、コアな単語連発である。

巨石の祠稲荷神社

石切神社参道石切神社参道看板

第4展示室は、歴史「民俗」博物館の目玉。様々な民俗信仰の資料が展示されている。そのほとんどが原寸大の再現模型である。巨石の祠(ほこら)に稲荷神社、膨大な絵馬、山伏がこもった修行小屋。ここはB級スポット・珍スポット・珍寺系のマニア垂涎の常軌を逸したワンダーランドだ。中でも、大阪の霊的珍スポットとして一部には高名な石切神社の参道に並ぶ、怪しげなスピリチュアル系の店舗が再現されているのには驚いた。

遠路、ロスコを愉しみに行くハイセンスなアート・ファンは、川村記念美術館の散策路でゆったり鑑賞後の余韻に浸るべきだろう。しかし、このエントリーに少しでも心動かされた物好きなあなたは、歴博にも足を伸ばしてほしい。(川村記念美術館から歴博行きのバスが運行されている)

※マーク・ロスコ展の感動が損なわれる危険性があります。

国立歴史民俗博物館サイト

製鉄所とマーク・ロスコ 千葉の旅

高炉

千葉県佐倉の川村記念美術館で開催中のマーク・ロスコ展に行くのを機に、新日鐵君津製鉄所の見学もしようということで、千葉へ1泊2日の小旅行に出掛けました。いつもの通り、まずは簡単に旅程の振り返り。今回は車で周遊しました。

3月22日(日)

横浜―佐倉

・川村記念美術館「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」
(美術館レストランでランチ)

・国立歴史民俗博物館「錦絵はいかにつくられたか」

・佐倉市立美術館「山川惣治展―少年王者・少年ケニヤのいた昭和」
(美術館カフェで地卵プリンとボリビアのコーヒー)

・佐倉市立下志津小学校(原広司設計) 夜間に外観のみ眺める

佐倉―君津

・居酒屋「すし谷」 魚・焼鳥・寿司を楽しむ

・ダイニングバー「ZACK-BARRAN」 カクテルを飲む

ビジネスホテル「クラウンヒルズ君津」泊 

3月23日(月)

君津―富津

・東京湾観音 巨大仏の胎内観光
 
・食堂「志のざき」(富津公園内) バカ貝料理

富津―君津

・新日鐵君津製鉄所 一般見学コースに参加
(資源リサイクル工場・高炉外観・圧延工場など)

・アクアマリンスタジオ 廃墟ビル(旧君津会館)を転用した撮影スタジオの外観のみ眺める

君津―海ほたる経由―横浜

旅の詳細はのんびりアップしていきますが、マーク・ロスコ製鉄所というメイン以外では歴史民俗博物館が強烈でした。企画展示の「錦絵はいかにつくられたか」は熱心には見なかったのですが、常設展の膨大な数の巨大模型や原寸大の建築物の再現展示に仰天しました。B級スポット好きなら第4展示室の民間信仰系の展示は必見。大阪の石切神社参道の店が原寸大で再現されています!たいして期待していなかった「歴博」。すごいです。
マーク・ロスコ川村記念美術館では、音声ガイドの利用がおすすめ。解説以外にモーツァルトとシューベルトの曲がBGMとして収録されています。一堂に会したロスコの連作の展示は、相国寺での若冲展にも迫る貴重な体験でした。

君津製鉄所のスケールの大きさ、ダイナミズムは想像を超えていました。廃墟ではない、生きている製鉄所のエネルギーは圧倒的。一般見学は1ヶ月前の予約が必要。毎週月・火に行われています。

山川惣治展は、すでに会期終了していますが、原画のもつ迫力に魅了されました。横尾忠則が影響を受けているのも実感。

旅めしもなかなか充実し、近くて知らなかった千葉の面白さに気づかされる旅となりました。
プロフィール

テツ

「中年とオブジェ」とは赤瀬川原平の名著「少年とオブジェ」へのオマージュである。美術、オブジェ収集、エリック・ドルフィーを愛好する。

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