ひかり食堂沖縄料理で何が一番好きかと問われれば、もちろん「てびち」なのである。豚足をとろとろプルプルのゼラチン状にまで煮込んだ沖縄の豚足料理。汁よし、煮付けよし、おでんよし。沖縄旅行最後の昼飯はてびちで決まりだ。

ホテルからリムジンバスで那覇の国際通りまで来て、タクシーで浦添市のてびち専門店ひかり食堂に向かう。1000円ほどの距離。かねてから気になっていたが、初めての訪問だ。まずはそのディープな店構えにグッとくる。まるで廃墟のようだ。せまい店内も殺風景で、テーブル席に小上がり。椅子は折りたたみのパイプ椅子。てびち汁とてびち煮付けを頼む。小と大があるのだが、沖縄の大衆食堂の常でかなりの大盛りと察し小にしておく。メニューには他に、てびちそばとかゴーヤチャンプルーがあった。

しばらくして出てきたてびちの姿におもわずうっとり。てびち汁は大きな丼に4つの大きな塊がごろごろ。煮付けも凄いボリュームで小さなそばもついている。もちろん、どちらもどんぶりご飯付。沖縄の食堂では、おかずを頼めば自動的にご飯がついてくる。

てびち汁てびちてびち煮付け






てびちの煮込み加減が絶妙である。とろプルだが食感が楽しめる程度に歯ごたえも残り、肉の部分もゼラチンもたっぷりついている。味付けは薄味で上品で、このうらぶれた店構えからは想像もできない洗練されたものだ。煮付けはもうちょっと味が濃いほうがいい感じだが、てびち汁は絶品。出汁の効いた澄んだスープに幸福感いっぱい。

帰りのタクシーで運転手に聞いたのだが、老舗のひかり食堂をしのぎ、最近は那覇の埠頭近くにある嶺吉食堂のてびちが評判だという。その日は日曜日で定休日だったのだが、昼時には行列ができる人気だとか。今度那覇に行ったらいくしかあるまい。

沖縄に行ったら、てびちを喰わなきゃ!