まるたかや牛島本店赤割と串









中華そば冬の旅の最終日、富山県立近代美術館を午前中見学し、昼飯は富山駅の外れにある、まるたかや牛島本店でラーメン。この店魚津にも支店があって、最初旅の最終目的地魚津で食べるつもりだったのだが、前夜にジャズバー「ジェリコの戦い」で、富山の本店のほうが旨いと聞かされ予定変更したのだ。

日曜昼時のまるたかやは人気店らしく、小さな店内は客でいっぱい。カウンターのみの席の一角にもぐりこんだ。事前に調べた情報では、ラーメンのほかにおでんも出していて、豚バラを煮た「串」というメニューが名物だという。そのほか「赤割」という赤ワインと焼酎で作る謎のドリンクがあるというのでトライしてみた。「ワインを3割で」と指定すると、店のおばちゃんは「はい、7・3ね」と返した。通はそう注文するらしい。

甘辛の味噌をかけた豚の串は意外にあっさり味。酒のつまみにはいい。赤割の「赤」とは赤玉ポートワインのようなものらしく、7割が焼酎でもかなり甘みを感じる。

個性的なサイドメニューに対して、中華そばはシンプルな鶏がらスープが旨いなかなかの味。麺は細めだ。しかし、スープを飲みすすめるうちに、やはり結構しょっぱさを感じてくる。富山ブラックの常識を超えたしょっぱさとは別次元だが、けっしてあっさり薄口のスープではない。富山人は、しょっぱいラーメンが好みなのだろうか。

カウンターに置いてあったカリカリの「脂カス」を入れてみると、スープを吸ってぷにゅぷにゅになり、尾道ラーメン系の背脂が楽しめる。脂カスとニンニクを加えると、ややしょっぱめのスープの口当たりがバランスよくなった。

富山にこんな個性派のラーメン店が多いとは、今回の旅ではじめて知った。麺類というのはご当地の個性が強く発揮されるジャンルのように思う。

さぬきうどん
豚骨ラーメン
ちゃんぽん・皿うどん
味噌煮込みうどん
沖縄そば

地元の人が日常食として食べる麺類に、極端な個性が表れるのは、それらが主食ではないためもあるかもしれない、などと考える。食生活に欠かすことはできないけれど、メインではないというポジションに、嗜好品的な性格が出てくるのだろう。

マイナーな富山ラーメンも、全国区になる日が来るかもしれない。富山ブラックはひっそりしていてほしいが。身体に悪いから。


まるたかやHP