中年とオブジェ

美術館・街で見かけたオブジェ 旅先で手に入れたオブジェ オブジェの視点で世の中を楽しむ中年の日常。

トらやん

『ロボットノ夜』





採集地 自宅

『神々の黄昏』









採集地 自宅

あけましておめでとうございます





中年とオブジェ
今年もなんだかワケのわからないブログを目指して
気ままに更新いたします。
どうぞ、よろしくお願いします。

今年が私たちにとってよき日々であることを願って
たのしく過ごしてまいりましょう。

第五福竜丸とヤノベケンジ









夢の島にビキニ環礁で被爆した第五福竜丸を保存する展示館がある。今年5月から、ヤノベケンジのサン・チャイルドやトらやんがこの第五福竜丸展示館に登場した。かつて死の灰が降り注いだ甲板に、鮮やかな黄色い放射能防護服「アトムスーツ」を着たトらやん達が並んでいる。6月24日には、閉館後の展示館でヤノベケンジと美術評論家の椹木野衣によるトークと、ヤノベの絵本「トらやんの世界 ラッキードラゴンのおはなし」をモチーフにしたライブ演奏が行われた。

トークの中で印象に残った言葉をいくつか拾ってみる。

ヤノベケンジ
・「サン・チャイルド」を構想したとき、恥ずかしいものを思いついてしまった。こんなべタなものをつくるのはまずいとも思った。アートではシニカルな表現のほうがかっこいい。でも今は恥ずかしいほどにポジティブなものを作るべきではないか。

・(核の問題、発電所美術館の大洪水などの仕事に対して)僕は預言者ではないけれど、もしも神様がそうした能力を与えていたのなら、これからは災厄を呼ぶようなものは作れない。

・チェルノブイリでアトムスーツを着て廃墟めぐりをしたとき、まだそこに住む人々に出会った。自分はアトムスーツのパフォーマンスという自己表現のために、この人たちを犠牲にしてしまったのではないだろうかとショックを受けた。福島に自分がアトムスーツを着て乗り込まないのも、チェルノブイリでの後悔からの想い。

椹木野衣
・日本のサブカルチャーは原点であるゴジラや、宇宙戦艦ヤマトの放射能除去装置など、核と放射能と被爆の歴史である。鉄腕アトムや仮面ライダー、ドラえもんなどは原子力の平和利用。

・放射能に対してはサブカルチャーの蓄積から免疫があった。地震の問題は実は大きな問題で、今一分後に大地震が起こるかもしれない。世界に原発が増え続け、世界各地で地震の多発期に入ったと思われる今、我々は震災の事後にいて、それに対応するばかりではなくて、これから起こる更なる災害に対する想像力を持たなければならない。

・(ヤノベのサン・チャイルドに対して)震災後を見すえて作品を作るのはまだ早いのではないか。今サバイバルの方がリバイバルより必要な状況に帰っているのではないか。

二人の対話は、阪神・淡路大震災、オウム真理教、東海村臨界事故、さらには戦後のアメリカから日本への原発の輸入の構造にも及び、現在まだわれわれが渦中にある東日本大震災以後にいたる状況を、ヤノベの表現活動の軌跡と重ねて考えさせられる内容だった。

トーク&ライブ終了後、夕闇の中に立ち上がるサン・チャイルドがライトアップされた。

2011年3月16日にヤノベケンジは「立ち上がる人々」と題したメッセージを発している。その一節。

今ここに芸術が必要か?の問いにはっきりと答えたい。今でこそ必要だ。と。

絶望の嵐の中に敢然と足を踏ん張り、前を見据え立ち向かう力を芸術は与えてくれる。
勇気と希望に溢れるクリエイティビティは生きることへの尊厳を意味する。


※第五福竜丸展示館でのヤノベ作品の展示は7月1日(日)まで

ヤノベさんについては過去何度もこのブログでとりあげていますが、「自閉」から「暴力性」への移行についてはコチラの記事でふれました。

ヤノベケンジ―ウルトラ

トらやん火を噴く 六本木アートナイト

ジャイアント・トらやん

土曜の宵から深夜にかけて六本木アートナイトに行って来ました。ヤノベケンジジャイアント・トらやんが、ついに六本木ヒルズに出現です。六本木ヒルズ・ミッドタウン・国立新美術館など各所に現代アート作品が展示され、屋台が出て、街はアートのお祭りといった一夜でしたが、トらやんはまさに祭りの主役の御神体。巨大なのに愛らしいトらやんが、荒ぶる神に変化(へんげ)し、火炎を噴く姿は夜の闇の中、一段と美しく強烈でした。炎は観衆の心を掴み、どよめきを起こし、原始からの拝火信仰の心は現代にも生きているのだなあと思わせました。キャンプファイヤーが人を高揚させるのにも似て。

28日午後10時からのヤノベのトークでは、お馴染みのトらやん誕生秘話から、大阪万博の時、太陽の塔の目の中に立てこもった伝説の「目玉男」のインタビュー映像、ヤノベ自らがアトムスーツを着て太陽の塔に登るドキュメントなども大スクリーンで上映。

ジャイアント・トらやんの足元には、アトムスーツ・元祖トらやん数体・太陽の塔の大型モデル、そして岡本太郎の等身大人形(青山の記念館で会えるやつ)などが並び、コアな雰囲気に満ちていました。ヤノベのトークの後は太郎の「手の椅子」にヤノベと平野暁臣(岡本太郎記念館館長)の2人が腰掛け、万博・太郎というヤノベの創作のルーツをめぐって対談。

ファイヤーファイヤー ファイヤー

そしてメイン・イベントは深夜0時半から始まりました。赤い服のダンサーの女の子が舞い、白服の宗教がかった男達の登場。そして「ファイヤー」です。冷え込んだ夜でも、トらやんが火を噴くとほわっと暖かさが!

その後、ミッドタウンの芝生広場を埋め尽くした光る風船の群れを眺め、国立新美術館の前で石川直樹のボロボロになったカメラとフィルムに見入り、再び六本木ヒルズに戻ると、深夜2時のトらやんイベントが始まりました。ファイヤーのあと、なんと、巨大な動力つきの台車に運転手が乗り、トらやんがヒルズアリーナの会場からゆっくりとお練りを始めたのです。これが「トらやんウォーキング」だったのか。高層ビルをバックに夜のヒルズを悠然と移動するトらやんの巨体。ヤノベケンジの妄想炸裂。驚きました。

会場の片隅にいたヤノベケンジを見かけ声をかけると、彼は「まるで怪獣映画みたいやろ」と不敵な笑みを浮かべ答えてくれました。「横須賀のときみたいにヤノベさんのシャウトを期待してたんですよ」と話すと、「今日はやらない。アーティストとしての立場もあるから。あの日は台風も来てたし、特別だったんや」

ウォーキングヒルズに巨大ロボ

深夜の六本木から車を運転して帰宅。(六本木ヒルズの駐車場はこの夜、無料でした!配布されたガイドブックと駐車券をヒルズ・カフェ前の受付で見せれば無料に。気がつかない人多かったんじゃないかな)あの後、さらに強力なパフォーマンスが行われたのかどうかはわからない。豊田市美術館のヤノベケンジの「ウルトラ」展、行かないわけには行かないな。

それでは動画で「ファイヤー&ウォーキング!」



※横須賀美術館でのファイヤー体験記はこちら

2007年 私のお気に入り オブジェ

トらやん■オブジェ
・トらやん(ビリケン商会)
ヴィンテージおもちゃを販売し、画廊を経営する謎の会社「ビリケン商会」が、なんとヤノベケンジのトらやんをフィギュア化!販売分が限定300体でヤノベのサイン入り。胸のガイガー・カウンターがシリアルナンバーを表示している。2万円のこのフィギュア、ヤフオクで転売され8万円の高値もついた。美術作品といってもよい家宝にしたいオブジェだ。

・シルエット・オブジェ「鉄」(シルエット工場
ブログにコメントをいただいて知った造形作家シルエット工場さん。わずか5センチ四方のアクリル・ケースの中に稠密な炭鉱立坑櫓のシルエットが収まる。このモチーフが気に入り、同一デザインの大きなプリント画も入手した。

・ラゴン(ビリケン商会)
予約したトらやんを受け取りに行って、ビリケン商会店頭で目にしひきつけられたフィギュア。ウルトラQに登場したヴァージョンのデザインだそうで、パッケージデザインの逆柱いみりのアートワークにも魅せられた。

・戒壇院四天王(三楽洞)
奈良土産の新定番になるかもしれない、魅惑のフィギュア。食玩の仏像とはリアルさが違う。この存在を教えてくれた奈良で出会った仏像マニアUさんは、なじみのジャズ・バーに自分のフィギュア・コレクションを寄託している。家に持ち帰ると奥さんに捨てられるそう。

The Day of TORAYAN

トらやん


















皆さん、僕が「僕らの上に」といったら「太陽を」といってください。

ヤノベケンジの指示により、ヤノベと観衆のコール&レスポンスがはじまった。

「僕らの上に」「太陽を!」「僕らの上に」「太陽を!」

ドラムス、パーカッション・パッド、サックスのリズムが加わりビートに載せてヤノベがシャウトを繰り返す。観客も声を合わせテンションがピークに達したとき、カッと口を開いたジャイアント・トらやんが、ついに火を噴いた。

数メートルに達する火炎が何度も繰り返しブォーっと噴射される。最前列で見ていたので、すごい熱波がおそってきた。顔と身体がカーっとほてる。黒煙がもわもわと展示室の吹き抜けを立ちのぼっていった。会場は歓声と拍手に包まれた。

7月14日(土)、台風が接近し波荒い海に面した横須賀美術館。「The Day of TORAYAN」と題されたイベントが行われた。「トらやん」とはもともとはヤノベケンジの父親の腹話術人形。これにヤノベのデザインした放射能防護服「アトムスーツ」を着せたキャラクターが、手に手に楽器を持ち行進し、観覧車に乗り、美術館の展示室にズラリと並んでいる。その背後には「トらやん」を巨大化したロボット「ジャイアント・トらやん」がどかんと座っている。ジャイアント・トらやんは高さ7.5メートル。足の裏には、万博記念公園と自衛隊のマークの入ったマンホールの蓋がはめ込まれ、背中には「フローラ」という巨大なラッパが取り付けられている。ガイガーカウンターが100回放射線を感知すると、このラッパが汽笛のような大きな音を響かせるのだ。

そしてこの日、ジャイアント・トらやんは火を噴いた!

※画像は、2005年の金沢21世紀美術館でのイベント時のもの続きを読む

トらやん フィギュアになる!

トらやんヤノベケンジのキャラクター「トらやん」がフィギュアになった!制作したのは青山のビリケン商会。ウルトラ怪獣のフィギュアや、オリジナル絵本、現代美術のギャラリーを手がける不思議な会社だ。「トらやん」とはもともと現代美術家ヤノベケンジの父親が使っている腹話術の人形のことで、これにアトムの頭のとんがりのような形をした、放射能防御服「アトムスーツ」を着せて作品として発表された。この「トらやん」が限定300体、シリアルナンバー入り、ヤノベのサイン入りでフィギュアとして販売されたのだ。

情報を知った私とTakaは、早速購入を予約し、ビリケン商会まで引き取りに行って来た。ギャラリーではヤノベケンジ「トらやんの世界」展が開催され、元祖トらやんをはじめ、数十体のフィギュアたちがズラリと並べられていた。

ビリケン商会オーナーといろいろお話ししたのだが、このフィギュア、ヤノベ氏も大変気に入り、販売分以外に200体が作家蔵となったそうである。横須賀美術館開館記念展で観ることができるそうだ。トらやんの次は、岡本太郎や草間彌生のフィギュアも構想しているそうで、楽しみである。トらやん、もちろん完売したそうです。
プロフィール

テツ

「中年とオブジェ」とは赤瀬川原平の名著「少年とオブジェ」へのオマージュである。美術、オブジェ収集、エリック・ドルフィーを愛好する。

Archives
Subscribe with livedoor Reader
Recent Comments
Recent TrackBacks
ブクログ
blogram投票ボタン
QRコード
QRコード
アクセスカウンター
  • 累計:

  • ライブドアブログ