中年とオブジェ

美術館・街で見かけたオブジェ 旅先で手に入れたオブジェ オブジェの視点で世の中を楽しむ中年の日常。

中之条ビエンナーレ

ブンミおじさんのスナック





採集地 中之条(ビエンナーレ)

中之条の風景

柳屋旅館中之条の街道沿いを歩いていると、なんともひなびた風景に出会う。柳屋という旅館は古色蒼然として、つげ義春の漫画にそのまま出てきそうだ。




街角町役場の近くの緩やかな坂を下ると木々の緑が深い街角があり、静かな雰囲気だ。谷内六郎の絵の中のようだ。





廃屋シャッターの下りたままの商店も目立ち、廃墟感漂うこんな廃屋もあった。





小渕恵三ビエンナーレの会場にもなっているツインプラザという、大きな新しい公共施設があった。図書館、ホールなどがある。その建物の前に立っていたのが、中之条町出身の故小渕恵三元総理の銅像。そういえば、娘の小渕ゆう子の事務所も街道沿いにあった。夜、酒を飲んだ「とうみや」のおばちゃんは、「小渕さんの銅像は国会の方角を向いて立っているんだよ。福田さんも総理になるといいねえ」と言っていた。中之条から帰りしばらくして、福田新総理就任。群馬県出身の首相は4人目となった。

とうみやで地酒を飲む

とうみやほろ酔いセット山木屋旅館の夕食ですっかり満腹になったが、せっかくの旅先。居酒屋で地酒も飲みたい。中之条の駅前を歩いてみるが、街道沿いはさびしく飲み屋街のようなものは無く、ポツリポツリと飲み屋の灯り。古ぼけた店構えと「地酒あります」の張り紙に誘われ、「とうみや」という店に入った。「地酒あるの?」とおばちゃんに聞くと、「貴娘と廣盛ならあるわよ」という。お酒2合とモツ煮込みの「ほろ酔いセット」が800円と勧められ、地酒を1合ずつ2種類頼む。ほどなくしてお銚子2本とモツ煮込みが出てきた。貴娘は甘口でやわらかく、廣盛は辛口でコクがあり麴の香りがする。廣盛といえば、昼間見てきたビエンナーレの展示会場になっていた廣盛酒造の酒だ。これが飲めるとはうれしい。

おばちゃんに「ビエンナーレ観に来たんだよ」と話すと、なんとおばちゃんはビエンナーレのボランティアもやっていて、今日のオープニング・イベント、「空中舞踏」も観ていたのだという。さすがにサックスを吹いていたのが私だとは気がつかず、「なんだかアラビアみたいな不思議な音楽だったわねえ」という。「踊った人とかバンドの人は知り合いなんだよ」と素性をごまかして話すと、「あんた、あの人たちの知り合いかね。おどろいたわ」とおばちゃん。「わたしも絵を描くのがすきなんだよ」といわれ店内を見回すと、壁にはおばちゃんの描いた風景画や静物画がずらりと並んでいる。水彩のなかなかセンスのいい絵だ。

「とうみや」は昼間はそばや丼ものの食事処で、夜は酒を出す。モツ煮込みは上品な味付けでなかなか旨く、もっといろいろつまんでみたかったのだが、山木屋の夕食で満腹だし、門限もあるので、チューハイなど飲んで帰ってきた。アジフライ200円だったし、ゲソ揚げもあったし、生ビールでやったら旨いだろうなあ。地元の居酒屋で地酒を飲むという目標は達成され、満足して宿の風呂に入る。

さびしい田舎町で過ごすひとりの夜もまた、いいものだ。

とうみやを紹介したホームページ

中之条の宿 山木屋旅館

山木屋旅館夕食沖縄の前に、中之条の話の続き。オープニング・イベントの前日は前夜祭に参加したあと、出品作家サクサベウシオさんの滞在している民家の離れに泊まらせていただいた。翌日、車で帰るバンド一行と別れ、もう1泊してビエンナーレを観て回った。

近くには四万温泉、沢渡温泉などの温泉街もあるのだが、駅前の居酒屋なんかも行ってみたかったので、中之条駅近く、街道沿いの山木屋旅館に投宿した。200年続く商人宿だそうで、昔は薬売りなど行商の人でにぎわったという。建物の設備などはきれいにリフォームされ、大きな風呂には24時間、いつでも入れる。老夫婦が切り盛りしていて、息子さんは町役場に勤めているそうだ。

料理はおばちゃんの手作り。夕食には、馬刺し・豚しゃぶ・とんかつ・煮魚などがずらりと並び、食べきれないほどのボリューム。自家製の梅干・生姜の漬物も旨い。野菜はほとんど自分で作ったもの。翌日の朝食も、新鮮な卵は2個出るし味噌汁は自家製味噌。なかなか料理にこだわりのあるおばちゃんなのだ。これで1泊2食6000円は安い。帰りには、これも自家製のブルーベリー・ジャムをお土産にいただいてしまった。

この宿、難点はただひとつ。老夫婦だけでやっているので門限が夜10時なのだ。群馬県は「かかあ天下」というけれど、おしゃべりで気さくなおばちゃんと、穏やかなご主人だった。

山木屋旅館ホームページ

中之条ビエンナーレ・アルバム

伊参スタジオ廊下象木彫






酒蔵繭障子






シルエット石の花足






若手現代美術家を中心に、地元中之条の作家も加わり、56名のアーティストが参加した中之条ビエンナーレ。私は全作品を観ることはできなかったのだが、多くの魅力的な作品に出会った。かつての養蚕農家の古民家に展示された、繭のようなオブジェ、その民家の障子に描かれた絵は中でも印象的だった。メイン会場、伊参(いさま)スタジオはかつての中学校だが、普段から中之条でロケされた映画、 「眠る男」「月とキャベツ」の関連展示が行われていて、ここ中之条は映画祭でもにぎわうのだと知った。小栗康平監督の「眠る男」に使用されたオープンセットも、校庭に移築されており、映画ファンには注目のスポットだろう。ここ中之条町は元首相の故小渕恵三の出身地でもある。彼の銅像にも遭遇したのだが、それはまた別の記事で。

10月8日(月)までの中之条ビエンナーレ、芸術の秋、おすすめです。これからが涼しくなるし里山アート日和では。

里山の力 中之条ビエンナーレ

廣盛酒造伊参スタジオ富沢家住宅






JAあがつま倉庫大道公民館バス停






中之条ビエンナーレのポスターのコピーに「現代の作家による里山ふるさと美術祭」とある。中之条駅のある旧日光街道の国道沿いの平地から少し入ると、中之条町はそのほとんどが山あいののどかな里山。山の緑、棚田の緑が美しい田舎町だ。いまや大規模アートイベントとなった越後妻有アートトリエンナーレを1年前に視察した中之条の町長らが、「なかんじょうでもこんなことができないかな」と思いたち、短い準備期間で実現されたという中之条ビエンナーレ。その魅力はなんといっても、作品が各地に展示された里山の場の力にあるだろう。

今は使われていない地酒の酒蔵や、廃校になった中学校、国指定の文化財の古民家、農協の廃倉庫、かつては分校だった公民館など、展示会場の持つ歴史とそれらを包み込むのどかな自然を味わいながら鑑賞する現代美術作品は、都会の美術館では体験できない楽しさを与えてくれる。

運営には町役場の職員が活躍し、各会場には地元のおじちゃん、おばちゃんのボランティア。町ぐるみの手作り感にあふれたイベントだ。四万温泉の温泉街の中にある旧第三小学校の会場には、温泉帰りらしき観客も見受けられ、第一回目の催しとしては、好調なすべりだしと感じられた。

土日には、メイン会場の伊参(いさま)スタジオと各会場を結ぶシャトルバスも運行されるが、利用者は多くなかった。ほとんどが車で回る人々。車なら丸一日あれば、全会場をゆっくり回れるだろう。

コスモス帰路、中之条駅行きのバスを待つあいだ目にしたコスモスの咲く風景。これこそが中之条ビエンナーレの魅力だなあとしばし見入った。

成瀬信彦 空中舞踏

空中舞踏9月15日(土)、中之条ビエンナーレがスタートした。午前10時からのオープニングイベントは、関係者の挨拶のあと、中之条太鼓の演奏からはじまった。会場のたけやま公園の背後には巨大な岩山がそびえている。山からはかつての索道のワイヤーが公園脇までおりてきていて、索道を動かす発動機がある。このワイヤーに、サクサベウシオ氏が川で集めた石を吊り下げたインスタレーションを制作したのだが、今日はこの石の横に舞踏家の成瀬信彦さんが宙吊りになり「空中舞踏」を行うのだ。地上から静かに、繭に包まれたような成瀬さんが上昇していく。パフォーマンスに合わせ、サックスの私とガンジーさん、ピアニカ・アコーディオン・ジャンベのKYOUさんの3人が即興演奏をした。

我々の頭上高く繭は静止し、それを突き破って成瀬さんが登場した。繭の中から枯葉が舞い散り、やがて激しく身をくねらせ舞踏がはじまった。中之条町の観衆たちは、このとんでもないパフォーマンスに唖然。再び地上に下降して、空中舞踏は無事終了した。

そのあと、廃校になった中学校の木造校舎に展示された作品に触発され、成瀬さんは白いオブジェの内部に入り込み、またまた踊りだした。またしてもサックスを吹く。

翌日、ビエンナーレを鑑賞しているときに会った町役場の職員は「成瀬さんが落っこちなくてよかったです。これで私のビエンナーレの心配の50%はなくなりました。あとはサクサベさんの石が落ちてこなければ安心なんですけど」といっていた。

成瀬さんとの共演はこれが3度目だけれど、今回はほんとに驚いたなあ。群馬県まではるばる遠征したかいがあった。

繭の上昇空中舞踏2伊参スタジオ・パフォーマンス

中之条ビエンナーレ

中之条ビエンナーレ群馬県吾妻郡中之条町で、第1回中之条ビエンナーレがはじまりました。田園風景の中、廃校・古民家・倉庫・酒造所など町のあちこちに作品が展示された美術祭です。9月15日のオープニング・イベントで成瀬信彦さんの空中舞踏が決行され、私もサックスを吹いてきました。かつての索道のワイヤーに宙吊りになり空に上っていく、とんでもないパフォーマンスでした。空中舞踏やビエンナーレのレポートはこれからアップしていきます。写真は、サクサベウシオさんの石のインスタレーションです。

さて、9月22日(土)には横浜でイベントがあります。「横浜カーフリーデー2007」横浜公園・水の広場(横浜スタジアムとなり)で、11:00からと15:30からの集団即興演奏に私も参加します。13:00からはパレードもあります。

隈取りに赤ふんどしの怪人ミュージシャン庄田次郎さんや、カモメの着ぐるみを着たサックス吹きスウィンギー君も登場します。

残暑が続く中、イベント続きの秋です。

中之条ビエンナーレ
 
横浜カーフリーデー2007
プロフィール

テツ

「中年とオブジェ」とは赤瀬川原平の名著「少年とオブジェ」へのオマージュである。美術、オブジェ収集、エリック・ドルフィーを愛好する。

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